割と良く聞く話ですが、ほんまかいな?と思っていました。
当倶楽部の車の燃費は冬でもそう変わりません。
むしろ、夏の方が悪いくらいです。
冬に燃費が悪いという人の車に同乗して謎が解けました♪
「ああ、これか。」
という記事です。
「冬は車の燃費が悪い!」という人の共通点
2.暖機運転中もずっとエアコン入りっぱなしだから。
3.エアコンは、ヒーターには必要ないのを知らないから。
これに尽きます。
冬でもエアコンコントロールパネル付近の[A/C]と表記のあるスイッチが押されたままになっていませんか?
大抵は、スイッチONで付近のランプが点灯するようになっているハズですよ。
実は意外といられていませんが、
「車のエアコンは、冬はほとんど必要ない。」
のですよ。
エアコンはコンプレッサーを回す
エンジンは出力を犠牲にして、エアコンのコンプレッサーを回しています。
細かい説明は省きますが、コンプレッサーを使い、車の中の配管に冷媒を循環させて気化熱を使って冷却し、クーラーとして使います。
エアコンのコンプレッサーを回すのは、エンジンにとって負担以外の何物でもありません。
エアコンを入れると、エンジン回転の抵抗が増えて燃費が悪くなるのですよ。
そして、
車のエアコンはクーラーとしては使いますが、ヒーターとしては除湿にしか効果はありません。
ザックリ言うと「車のエアコンには暖房は含まない。」と思って良いのです。
デザインされてます感が素晴らしい。
もっとザックリ
エアコンと聞くと暖房・冷房のどちらも意味するイメージです。
家電ではそうですので。
車の場合は、エアコン(A/C)は、冷房・除湿の機能しかありません。
一方、ヒーターは車のエンジンが発生する大量の熱を利用して温かい空気を車内に引き込むようになっています。
つまり、
「エアコンスイッチ入れなくても普通に走るだけで、ヒーターは機能する。」
ということなのですよ。
エアコンスイッチ(A/C)をONにすることで、必要のない冷房・除湿機能が起動します。
この時、エンジン出力の一部を使用するため、燃費の悪化につながります。
※軽自動車はエアコンスイッチを入れると、てきめんにパワーが落ちますし、普通車でも出力低下を抑えるため、アイドリングが上がったりします。
エンジンの負荷を抑え、燃費をよくするためには「なるべくエアコンは使わない。」のが正解なのですよ。
※夏でも、エアコンスイッチ(A/C)は極力押さないようにするのが燃費アップのコツ、ということです。
ちなみに・・
クーラーと違い、ヒーターは比較的古い車にも搭載されています。
それは、エンジンの熱を使う結構単純な仕組みだからです。
昔の車はエンジンで温まった冷却水を車内に引き込んで、風を当ててヒーターにしていました。
※車内に温まった冷却水を引き込むバイパスバルブがあったりします。
冷却水の温度が80度もあれば十分熱い風が出たもんです。
今の車はもう少し複雑な構造ですが、基本は同じです。
一方、クーラーはヒーターに比べてはるかに複雑で高級なシステムです。
※したがって、クーラーの設定のない旧車乗りはクーラーに憧れている傾向が強いのです。
気が向いたらクーラーの詳しい記事を追記しますが、各機能の説明が面倒くさいので、各自調べてください。
車のヒーターの仕組みとファンスイッチ
せめて、冷却水のランプが消えるまでヒーターは使わないことです。
ファンスイッチを入れても冷たい風しか出ませんよ。
車のヒーターの原理的に、
「エンジンがある程度温まらないと冷却水の温度を利用しているヒーターには効果がない。」
ということなのです。
冬は除湿以外は無駄なのですぐにでもスイッチ切った方がいいですよ。
水冷式エンジンの車はほぼすべて冷却水の温度を利用しています。
※空冷式エンジンの車は涙ぐましい努力でエンジンを冷やした風を室内に取り込んでいます。
とはいえ、
エンジン始動直後は冷却水が冷たいのです。
エンジンは始動直後から、エンジンはゆっくり温まり始めます。
ココであわててドライバーが送風温度を赤い方に最大にして、ファンスイッチを入れる。
せっかく温めている冷却水に対し、わざわざ風を当てて冷やしてるってことです。
※当たり前ですが室内には寒い風しか出ません。暖気も長くなります。
ちなみに・・
電熱式の電気ストーブの様なEV車のヒーターは、始動後すぐに効くと思います。
が。
電気ストーブはものすごく電気を消費しますね。
EV車が雪の中で渋滞にはまって動けなくなるのは、
「ヒーターをガンガン使うため、電力消費が激しく、走行可能距離が思うより短くなって電欠になるため。」
とも言われています。
ハイブリッド車のヒーター?
知りませんよそんなの。
各メーカーの設計思想によって異なると思うのですが、ワタクシならエンジン積んでるならエンジンの熱を利用したヒーターの設計にするでしょうねえ。
せっかくの低燃費ハイブリッドですが、ヒーターに使うためにエンジンを起動するのもナンセンスかもしれませんが。
EVの様に電気ストーブ方式にして、出来るだけエンジンの稼働時間を短くして迄、燃費を追求するメーカーもいそうですがそれは会社の方針ですしね。
※どっちが製造コスト安いんだろ?多分コストが安い方が主流です。
車に暖機運転は必要なのか?
全く意味がない上に、燃費が悪くなるのは当たり前なのですよ。
「暖機運転は走らないのにエンジンかけている。」
この時点で燃費が悪いとか言うのはお門違いだと思うのですが。
冬の朝など不必要な暖機運転は燃費悪化の原因の一つです。
そもそも、
現在の車は極端な寒冷地以外では暖機運転は不要と言われています。
エンジンをかけたらすぐに出発してもいいらしいのですよ。
冬の朝は、
とかやってるくらいで暖気は十分なのです。
最初にエンジンかければ、作業時間がそのまま暖気になる。
エンジンの内部のオイルが暖まってないと・・という人もいますが、
「短時間のアイドリングでの暖機ではたかが知れてる。」
ので、エンジン始動後しばらく高回転高負荷をかけないように走る「走行暖機。」が推奨されています。
※ワタクシは、水温のブルーのランプが消えるまでは高回転高負荷は掛けないようにしています。
そもそも、
キャブレター車はエンジンが適当に暖まっていないとノッキングが発生し、まともに走行できないことが多かったのですよ。
昔はエンジンが温まる迄、アイドリングすることが一般的でした。
※キャブレーター式のバイクに乗るとよくわかります。
暖機運転はこの頃の名残です。
インジェクションを使い、燃焼効率、気温による燃料の気化率迄コントロールしている今の車には、暖機運転は必要ないのですなぁ。
電子制御されたエンジンは、外気温に関係なくしっかりとアイドリングしてくれますからねえ。
技術の進歩は凄いですな。
参考までに、某ハイブリッド車のマニュアルによると、
「エンジンが冷えているときは、エンジンの始動/停止は自動的におこないますので、暖機運転は必要ありません。」
と明記されています。
特に短距離移動の場合は、
ということも考えられます。
実際に燃費は冬の方が3割がた悪い、という統計も出ています。
主な原因は暖機運転とエアコンスイッチだと思われます。
暖機運転を水温が上がるまでやれば、ヒーターは効くのですが代償は結構デカイのでした。
・・もろもろが環境に良くないかも?と思っていただければこの記事を書いたかいがあります。
まとめ
もちろん、燃費が車選びの重要ポイントになりつつある現在は各社で一層しのぎを削っています。
それを運用するドライバーが台無しにすることがある、という話でした。
車を購入時の決め手には「燃費性能。」を最重視している人は少なくありません。
※さんざん車の燃費を自慢されますが、「それは車の性能のおかげであって、貴様は一つも偉くないんじゃ!」といいたいですが、大人なので黙っています。
駄菓子菓子。
どんなに燃費性能が良くても、使う人の運用方法によっては余計な燃費悪化を招いたりもするわけですよ。
こういうのは、知識がちゃんとあれば回避できたりする問題なのです。
便利な道具を作っても、使う側が考えないと良い結果にならないかがわかります。
※こういうちょっと考える様な話題に興味ない人が本当に多くて嫌になる。思考停止とはこのことか。
燃費の良さを自慢するのであれば、こういう基本的なことは抑えておいたほうが良いですよ。
ちょっと詳しい人に突っ込まれて恥かきます。
そして、
さぁ皆!いつものように、飲み会でこの手の知識を若者に聞かれもしないのに語って、面倒くさいオジサンになるのです♪
ちなみに・・
「暖機運転しないと、ヒーターが効かずに車内が寒くて仕方ねえ。」
言い分はわかりますよ、当倶楽部も1月の朝は普通に-5度以下になりますし。
そんな場合はですね。
「シートヒーター(電熱シート)。」
がおススメです。
超暖かい♪
局部的にすぐ温かくなる♪
見た目がダサいと言うなら、自分で裁縫して目立たない様に作り変えるのが吉です。
一度使ったら手放せなくなります。
ロータスヨーロッパに装備したら春と秋は快適に運用できるようになった。
真夏は・・脱水症状になりますが。
「シートヒーター(電熱シート)。」はいろんなのが売られていて、購入しても安いです。
※最近のちょっとしたグレードの車なら、シートヒーターついてることも増えましたね。
なるべくカッコよく、ついでに送風機能がある奴がおススメです。
※送風機能は、クーラーのない旧車に最適。尻と背中の汗がみるみる引く。
当倶楽部のアバルト595コンペティオーネには、シートヒーターのような「おもてなし装備はない。」のです。
嫁が通勤に使っていますがシートが固く、寒い。
そして、コンペはラジエターがでかく、エンジンがなかなか温まらない。
※全部競技用だから仕方ないのですが。
なので、
ワタクシの自作「電熱シートパッドVer2.0。」を実戦配備しています。
シガーソケットを電源とし、バイク用のハンドルウオーマーの中身をパンチングレザーで覆ったものです。
※Ver1.0は嫁がシガープラグ部分を破壊したため、内部でショートして粉砕。
使ってみると、1分で火傷する手前くらいの熱さになる(笑)
意外と安いのですよ。
シートが固い車は腰に来る。
腰痛になる前に対策するのが吉です。
これがまた、
ワタクシの想定よりはるかに熱くなるようで 「尻が焼ける!」と怒られました。
もちろん温度調整機能なんかありません。
シガーソケットに挿すか抜くかだけです。
※「とにかく壊れないように頑丈にしやがれ!」というオーダーの元に作ったのでワタクシは別に悪くないのだった。
システムの不具合は運用でカバーするのだ。
そうやって「考える力を身につける。」のだぞ。