馬力ダウンしたようですがそんなの誤差の範囲です。
間違いなく一時代を作ったカテゴリーの王者として君臨し続ける隼についてはコメントしておきたく思います。
速すぎて興味ない世界でもあるのですが。
SUZUKI【隼】と言えば。
バトルツアラー戦国時代の最終兵器として投入されたバイクと言うイメージです。
1990年代初頭、スーパースポーツ系(レプリカ)よりも馬力があるツアラーをカテゴライズする言葉はありませんでした。
スーパースポーツじゃない癖に峠で速く大馬力のデカいバイクが跳梁跋扈してた時代があったんですよ。
※この頃、雑誌などでは「バトルツアラー」と言いう名称が使われてたのですが今では誰も言いませんな。
今では
言われていますが、バトルツアラーの方がわかりやすく呼び名として適当な気がします。
ZZ-R1100が火をつけた
1989年にZZ-R1100(C型)がスポーツバイクより馬力があるツアラーとしてデビューしました。
正面から見て左右非対称なエアインテーク部はインパクト大。
スポーツバイクよりも速いツアラーとしてMr.BikeBGで特集されてた気がします。
※箱根最速はZZ-R1100だ!みたいな記事だった気が。
当時は750cc以上の国内販売が認可されておらず、逆輸入車としてしか入手できませんでしたが、販売と同時に大ブームになります。
同時期に
「まもなく欧州もバイクの100馬力規制がかかる。」
というまことしやかな噂もあって最後の147馬力となる・・ハズ・・だったんですが(笑)
そんな時代背景もあってZZ-R1100はバカ売れします。
※ワタクシが限定解除の試験を受けに行ってるときに「ZZ-R1100に乗りたい。」と言う人はたくさんいました。
とりあえず、
ZZ-R1100がバトルツアラー系の始祖であることは間違いないです。
ZZ-R1100は、それまでにあった大型4気筒ツアラーとは匂いと言うか雰囲気が違いました。
という「どちらかというとおとなしめなツアラーではない雰囲気」があったのですよ。
長らくヨーロピアンツアラーと言えばBMWが君臨するカテゴリーでした。
ソコにハイパワーで高速巡行可能な4気筒勢の日本車がシェアを広げていきます。
※この頃はまだスーパースポーツ(レプリカ)とバトルツアラーには明確な住み分けがありました。
そして、
各メーカーもZZ-Rに後れを取るまいとコンセプトを真似したモデルを開発市場に投入し始めます。
例えば、
各社ともだんだんZZ-Rのコンセプトに近づいていきます。
各社から巨大なバトルツアラーが出ていた時代。
当時ZZ-Rのコンセプトそのまま真似をして最速を奪ったHONDAのCBR1100XX(スーパーブラックバード)を撃墜したのが1999年登場のGSX1300R隼だったわけですよ。
※第二世代は2008年と言うから初代も結構長く売られたのですねえ。
素晴らしく「スズ菌」に浸食されていますな。
【ハヤブサ】のデビュー時のインパクトは強烈でした。
ちなみに・・
最初、金色っぽい初期の隼を見た時、
「でっぷりして芋虫みたい。」
と思いました。
1300ccって175馬力って言うのも「大人げない。」とまだ若かったワタクシが思ったもんです。
※この頃、隼は確か公称最高速は300km/h以上、って言ってたような気が。
隼には知り合いも数人乗ってました。
割と、
っていう人が多く乗ってたような気がします。
ワタクシは初期型しか乗ったことないですが、
デカいバイクの割に乗りやすいと思いました。
っポイデザインが気持ち悪い
ので欲しいとは思いませんでしたが。
性能はいくとこまで行った感じすらします。
「非常にSUZUKIらしい行くとこまで行けや。」
という思い切りのいいバイクの印象があります。
2021年リニューアルされた新型【隼】について思う
300km/hでるので「キープコンセプト」と言いたいだろうけれど、
300km/hでればいいというのがコンセプト?
だが他のSUZUKI車と区別がつかなくなった。
新型【隼】がこのタイミングでの発表というのは一言でいえば環境性能対応なんでしょうね。
電子制御デバイスでパワーダウンしても300km/hを維持。
197馬力が190馬力になったところで素人には全くわかりませんが。
スペック大好きな 少年のような大人の 日本人には大問題なのかもしれません。
何故か執拗に、
新型【隼】は環境対応でモデルチェンジしただけではないという空気感を出しています。
馬力を落としてもキープコンセプトだ!負けてない!的なアピールが多い。
なんだかいろんな言い訳してるようにも思えるのですよ。
アナログっぽいメーターは好き♪
どんなに性能が良くてスタイリッシュでも「初期型の市販車で最初に300km/h!のインパクトには遠く及ばない。」気がします。
※もちろん良く出来てるんでしょうけど。
バイクが売れないご時世に環境対応してまでブランドを引き継いだのは素晴らしい。
SUZUKIはそういう愚直なところが好きです。
「隼はすべてのバトルツアラーの頂点に立つ。」
みたいなコンセプトで突っ走っても良かった気もします。
※初期型ハヤブサにはその気概があったように思います。
新型【隼】のコンセプトはイマイチよくわからない。
「今のSUZUKIに似たようなコンセプトの似たような排気量のバイク一杯あるじゃん。」
「他のバイクとどう違うのか?」
とか言ってはいけないのかもしれませんが「新型【隼】は地味すぎ。」ます。
最初期の隼の登場時のようなインパクトは第三世代の隼には全くないように見えます。
※第二世代も地味っちゃ地味でしたが。最大馬力という市場にわかりやすいコンセプトはあったね。
なんか普通になっちゃったな・・という寂しさがある。
いまなら
「ハヤブサ専用に6気筒エンジンを新設計!」
みたいなインパクトが欲しい気もします。
なんだか、
新型【隼】は「電子制御の優秀さをアピールするだけのマシンみたいに見える。」んですよ。
電子制御てんこ盛り
最近のバイクは電子制御でいろいろコントロールするって言うのがミソっぽいけれど。
※ワタクシ達世代は、電子制御の優秀さ合戦になると途端に興味が失せますな。
現在はバトルツアラーの市場自体がそれほど大きくないのかもしれません。
そんな状況でフラッグシップ的なモデル【隼】の新型を出してくるSUZUKIは凄いのかもしれません。
ちなみに・・
新型隼は先代よりパワーダウンした190馬力でも相当すごいと思いますよ。
空でも飛びそうな馬力です。
どうせそんな馬力を素人が使えるわけもないのです。
※バイクは100馬力でも相当速いんですが。
垂れたミラーのデザインは最近流行りなのかしら?
はっきり言うと、
100馬力を超えるとまともに乗れる人なんかいませんよ。
余剰馬力はぜいたく品です。
※高回転まで使えないけどその余裕が好きって人もいますが。
□一応隼の世代ごとスペック比較(第三世代が最新型)
第一世代 | 第二世代 | 第三世代 | |
排気量 | 1298cc | 1340cc | 1340cc |
ボア×ストローク | 81.0×63.0 | 81.0×65.0 | 81.0×65.0 |
最大馬力 | 175ps/9800rpm | 197ps/9500rpm | 190ps/9700rpm |
最大トルク | 138N-m/7000rpm | 155N-m/7200rpm | 150N-m/7000rpm |
0-200m | 7.1秒 | 6.9秒 | 6.8秒 |
0-100km/h | 3.3秒 | 3.4秒 | 3.2秒 |
最高速 | 299km/h | 299km/h | 299km/h |
環境性能 | 無 | Euro3 | Euro5 |
もはや速すぎて何が何やらわかりません。
最高速についてはもっと出る!と言う人も多いですが知らんがな。
※0-100km/hまで3秒台前半ですよ。もはや危ないレベルです。
こんな記事もあります▼
バトルツアラーと言えばKAWASAKI
新型【隼】にはこれを圧倒的に凌駕してほしかったですな。
KAWASAKIは昔から割と大排気量車にはツアラーとしての性格を持たせてきたメーカーです。
ZX-10にも収納式荷掛けフックとか普通についてたし。
特に、H2は気持ち悪いデザインですが馬力だけはあるっぽい。
バトルツアラーの頂点に立つというコンセプトで新型【隼】には少なくともKAWASAKI H2は駆逐してほしかった。
世界一を目指すんだ!っていう意気込みが欲しかった気がします。
KAWASAKIは多様化しすぎ
KAWASAKIではGPZ900Rのコンセプトを引き継ぐ末裔が歴代バトルツアラーをの座に君臨していますな。
この辺までは詳しくしてるんだけれど・・
そのあとはしばらく知らんわ。
「どれをどう使い分けてるんだ?」
はっきり言うと、よくわかりません。
大体、今どれが現行車種なんだ。
こういう車種展開に【隼】はわずかなモデルチェンジで立ち向かってきたわけで。
それはソレで大変だったんだろうなと。
ちなみに・・
ツアラー系バイクのトレンドは高速をぶっ飛ばして距離を稼ぐ系から、アップライトなスタイルの大陸横断系になりつつあります。
いわゆる最近はやりのアドベンチャー系って奴です。
大型な車体で荷物がたくさん積めて楽に移動可能。
多少の悪路なら気にならない走破性(って言ってもオンタイヤでは無理がある)
乗りやすそうで大変結構♪
いわゆるBMWのGS系が始祖ですかね。
そして、
国産ビッグオフローダーがこういう使われ方をされますね。
※欧州ではホントに日本のビッグオフロードバイクに荷物積んで走り回ってる人がたくさんいました。
ツアラーも時代とともにトレンドが変化していきますね。
現在はそれほど高速巡行性能は求められていないのかもしれません。
※乗り手が高齢化する傾向に従い、アップライトなライディングポジションになりつつある気がします。
既に「バトルツアラー」のようなスーパースポーツ以上の馬力を持つツアラーというカテゴリーは既に主流を退きつつあるのかもしれません。
まとめ
今ではどこのメーカーのフラッグシップもやすやすと300km/hをうたってきますね。
※雑誌では「300km/hリミッターとか言うけれど見たことあんのかよ。」って感じですけどね。
既に非現実的な速度域の300km/hは現代ではそれほど珍しくないのかもしれません。
それでも、
市販状態で最初に300km/hを突破した隼のインパクトは凄かったんです。
個人的にはこのイメージ、孤高の世界一を目指すバトルツアラーで継続して欲しかった・・
「今だに300km/hを超えるバイクと言えば隼。」
を連想しますもん。
性能悪いわけないんだから。
それでも
「新型隼は最高速を狙うというコンセプトがぶれたね。」
とか言うのはナンセンスです。
世界的に300km/hリミッターが付くような状況で400km/hを狙っても意味はないように思えます。
※300km/hだって普通の人には出せませんよ。
最高速や最大馬力が売りにならないのであれば、
絶滅して久しい250cc4気筒を復活させたZX-25Rのようにメカニズムで勝負してほしかった気がします。
※たとえ6気筒で乗りずらくなったとしても、です。
とはいえ、
こんな時代に数が売れない高価なバイクをモデルチェンジしてまで【隼ブランド】を守ってくれるSUZUKIに感謝すべきなのかもしれません。
SUZUKIは今の国内バイクメーカでは一番元気がいい様に見えます。
各排気量にまんべんなく新型を導入してますしねえ。
※各カテゴリでもう少し売れればいいんでしょうけどライダー自体が減ってるしねえ。
こうなると次の焦点は、
「果たして新型【隼】は、どれぐらい売れるのだろうか。」
ってことですよね。
前評判が素晴らしく良かった新型【刀】も販売数ではイマイチ苦戦中っぽいです。
※刀の後継機づくりは難しいよね。ミーハー的に乗ってみたくはある。
どこを切り取ってもデカイし大きい気がする。
新型ハヤブサは
もはや全く読めませんわ。
ならば、
250ccくらいで【雀】とカウルに書いてあるギャグっぽい車両を格安で販売したらウケるかもしれません。
※昔GSX-Rっぽい外装付けてGAGと言うバイクを作ったSUZUKIならやってくれそうだ。
ちなみに・・
鳥類の「隼」は決して大きな鳥ではありません。
むしろ猛禽類ではかなり小型な部類で、食肉獣でいえば「チーター」的な存在です。
飛んでるときに翼の先端が開かないのよ。
長野では割と身近にハヤブサ類の猛禽が見られますよ。
※チゴハヤブサとかチョウゲンボウは住宅街のすぐ脇や河原でも見られます。
実際の鳥類のハヤブサを見ると、
「すげえちいせえ。」
ので、バイクの強大な隼を見ると・・
「隼っていうより、ワシとかタカっぽい。」
という印象です。
隼って英語でなんて言うのかしら?
外人は隼がわかってるのかしら?
※調べてみたら「Falcon」だってさ。なるほどね。