
ゆえに、カウルを着脱する時にボルトを無くすのはよくあることなのです。
コレを何とかしたい。
今回は昔から当倶楽部で行われている細かすぎる改造ネタです。
こういうのをノウハウというのだよ。
分かったか小僧ども。
最初に言っておきますが今日は小ネタです

こういう整備のノウハウは馬に喰わせるほどあるのです。
ワタクシが知らない小ネタもたくさんあるのでこういう情報交換を当ブログの読者様としていきたいのです。
などなど。
当ブログでは過去にいろんな旧車整備の 人に語ると嫌われるような細かすぎる 整備小ネタを記事にしてきました。
※リンクとか面倒くさいので各自当ブログ内で検索してください。
今回もそんな小ネタです。
カウルを止めるボルトやネジは無くしがち

たくさんのボルトで固定されてたりすると結構大変だったりします。
部分ごとに違うサイズのボルトを使ってたりすると何処のボルトかわかんなくなったりもします。
当倶楽部のバイクは一台残らず中古で入手しています。
しかも販売終了から10年以上経過してから入手してる個体がほとんどです。
ゆえに。
外装のボルトとか結構錆びてたり適当なのが付いてたりすることが多いのですよ。
純正であればまだマシなのですが、それこそ適当なそこらへんに落ちたたようなボルトで固定されてることも少なくありません。
※中古のオフ車なんか激しく投げられたものが多く、オーナーは外装を気にしない上に鼻から大事にしようという気がないケースが多いです。
当倶楽部では純正ボルトなら傷みがひどくなければ錆びたボルトでもワイヤブラシ等で磨いてみたりします。
※各メーカー毎、時代毎、設計思想毎でカウルのボルトって結構違っててこだわりがあって面白いのでなるべく使いたいのです。
が。
やっぱり10年以上経った錆は完全には落とせないことが多いです。
※ワタクシは目につくところのボルトが錆びていると気になる方です。
それに一部だけボルトの規格が統一されてないのは結構ダサいのです。
ゆえに。
レストアの初期はこういうボルトを片っ端から新品で統一規格のボルトになるように交換しています。
大した金額ではないのですがこういう細かいところに気を遣うと乗ってて気分がいいのです。
かといって。
アルミの化粧ボルトみたいな凝った 高価すぎる ボルトを使うと外すときに傷ついたりして面倒ですし、無くした時のダメージも大きいです。
※凝ったボルトはいちいち高い。バイクショップで買うととんでもなく高い。KTMは純正でそういうボルトですが。
最近は「ステンレスの鍋型プラスネジ。」を使うことが多いです。
素材の違うボルトナットを組み合わせると電蝕で腐食しやすい方の金属の腐食を早めると言います。
確かのその通りなのですが長い事つけっぱなしにすることはほとんどないからか、
当倶楽部の車体で電蝕を見ることはほとんどなく、まあ良いかということになっています。。
※ステンボルトに変えたらマメに鉄のボルトの錆具合はチェックしましょう。高熱部や水分が切れにくい所は錆の進行が速くなりがちです。
とにかくカウル系の目立つところはステンレスのボルトにすると非常に見栄えがいいのですが、
鉄のボルトに比べると高価なので無くすとちょっと凹みます。
特にオフ車で林道を走りまくった後にボルトが無くなってるのはよくあることなのです。
なので。
ワタクシはカウルを止めるボルトに対しては積極的にボルトの抜け止めというか脱落防止ワッシャを使っています。
この抜け止めは買うこともできますが自作することもできます。
ちなみに・・
ステンレスボルトは綺麗だし強度も高いので素人改造にはよく使われますな。
※アルミやチタンなどのボルトに比べれば入手しやすいし安い方だし。
ただし。
ステンレスは鉄に比べて錆には強いのですが熱膨張しやすいです。
強度が高いので、折れると金属ドリルの刃が立たず、ヘリサート加工がしずらいです。
※膨張、伸縮を繰り返すとステンレスボルトも折れますよ。
ゆえに。
プロはステンレスボルトを使いたがりません。
※特にエンジン回りには。
ワタクシだってエンジンの熱がもろに影響する箇所には使いませんよ。
熱で劣化して折れたらシャレになりません。
ワタクシだって外装やスイッチ類などの化粧ボルトの一種くらいに思って使っています。
外装パーツに使う場合も異種金属の組合せだと電蝕は確かにしやすいのですが、
ステンレスボルトそのものではなく、そのボルトを受ける鉄部分の腐食が激しくなります。
例えば、
バイクのナンバーを固定するボルトをステンにするとナンバー付近の錆が酷くなるのは有名な話です。
※ナンバー取付けボルト付近が妙に錆びてるバイクは高確率でステンボルトに変更してたりしますね。
まあそこまで腐食する前に磨いてやれよって話です。
※夏の雨天走行時に放置したり、塩カルが撒かれた道を走ったりするとすぐ錆びますよ。
純正でボルト脱落防止されてるものがある

カウルを固定するボルトをカウルの裏側から抜けないように押さえる樹脂製のワッシャがそれです。
純正でボルトの脱落防止ワッシャーを採用しているまともなメーカーもあります。
カウルを止めるボルトをカウルの裏側から抜けないように固定されるCクリップの全周型みたいな樹脂のワッシャーがそれです。
3点くらいでボルトのネジ部に固定されています。

VT250FH純正、カウル止めワッシャ。
80年代のバイクはこういうところが結構丁寧に作られてる。
このボルト脱落防止ワッシャがあるとないでは全然作業の効率が違いますな。
良い事ずくめです。
ただし。
高級車には採用されていてもコスト管理が厳しい安いバイクには付いてないものが多いです。
※こういう所でコストダウンを図るのはバイクメーカーの常套手段です。
メーカー純正でボルト脱落防止ワッシャをオーダーすればいくらでも買えますがかなり割高になります。
プロ御用達の工具店などで取り扱ってる場合もありますが、そうそう近所にそんな店はないのが普通です。
ならば作っちゃえばいいのです。
どうせ見えないんだし。
ちなみに・・
ボルト抜け止めワッシャーも他の樹脂類と同じように劣化します。
何度も付け外ししているうちになんとなく樹脂が痩せるのです。
また、経年劣化でなくても強引にボルトから引き抜こうとしたりすると傷んで外れやすくなります。
こうなると本来の役目を果たさなくなります。
かといってそのたびに抜け止めワッシャーを大量購入するのは面倒くさい。
この手のパーツは消耗品と割り切って、
凝った品揃えのホームセンターなどで見つけると大量に購入しちゃいがちですが割と余るのが普通です。
脱落防止ワッシャを自作するのは結構簡単

どうせ見えないので適当な加工でOKだし。
誰にでも簡単に作ることができますし。
まず。
柔らかくて弾力性のある樹脂の板を買って来ましょう。
材料はこれだけです。
ワタクシは100円均一のハンドクラフトのコーナーで見つけた「バッグの底板。」という白い樹脂板を愛用しています。
この素材、非常に使い勝手がよいのです。
特に革細工の芯材としての多様性が素晴らしいので毎年まとめ買いします。
※当倶楽部で作成する革のスマホカバーや手帳カバー、名刺入れやパスケースなどは全部これが芯材です。
革細工に使った余りで十分脱落防止ワッシャを作れます。
必要な工具
1.型抜きポンチ
カウルに多用される6mmネジの脱落防止ワッシャを作る場合は、内径5mmの「型抜きポンチ。」を用意しましょう。
これも100円均一のハンドクラフトコーナーかDIYのコーナーにで買えるハズです。
※これも革細工で多用する素敵なパーツです。
2.硬質ゴムマット
型抜きポンチを使うための硬質ゴム板があると便利です。
※これも革細工で多用します。
カッターマットでも別にいいと思いますが激しく傷みます。
3.ハンマー
木槌でもゴム半までも構いませんが金属ハンマーが楽です。
※ゲンノウだと一撃です。
4.ニッパー
無い場合は爪切りでもいいのですがニッパーの方が作業してる感じになります。
必要なものは以上です。
作業方法
1.樹脂板を適当な大きさに切ります。
2.硬質ゴム板を敷きます。
3.その上に切った樹脂板を置いて中央部をめがけて型抜きポンチをあてがいます。
4.ハンマーを型抜きポンチに叩き付けて穴を開けます。

樹脂板なんてポンチで一撃で穴が開きます。
このように樹脂板に5mmの穴が開くわけです。
5.樹脂板の回りを適当にニッパーで成型します。
どうせ見えないので適当で構いやしません。
※適当でいいって言ってんのに真円を目指すからだんだん小さくなるのだよ。

ニッパで成形します。
見えないんだし成形しなくても別にいいやという剛の者も結構いる。
6.カウルにボルトを通して、その裏から作った樹脂版をあてがいます。
無理やりボルトを回せば何とか根本まで到達するはずです。

これはKDX125SR2号機のサイドゼッケン部。
これで脱落しませんよ♪
こういうのは発想の問題なのです。
この手のノウハウはたくさんあるので情報交換したいものですな。
※情報交換というのは一方通行ではいかんのよ、わかってるかね?
まとめ

これ、マジで便利ですよ。
林道でトラブって車載工具を出そうとしてカウルを外して止めてあったボルトが砂利に飲まれた。
こういう経験は誰しもあるハズなのです。
アスファルトの上なら見つかることも有るのですが砂利の上でボルトを落とすと不思議なくらい見つかりませんな。
出先でのトラブル時はそれなりに焦っているのでボルトを無くすとかショボいミスを連発しがちなのです。
ワタクシもメチャメチャ出先でボルトを無くしています。
※それだけ出先でトラブったということです。
出先でカウルを止めるボルトを無くしたまま走行すると、次はカウルごと落としかねません。
また。
レストアなどをする際に何度もカウルを付け外しをするとやっぱりボルトは無くしますし、
振動が多いバイクではボルトを無くすのは結構普通だったりします(;^_^A
ステンレスボルトは高価なので無くすとそれなりに凹むのです。
こんなお悩みを解決するのがボルト脱落防止ワッシャーなのです。

自作のボルト脱落防止ワッシャ。
片手間にできます。
暇なときに屋内で内職的にがんがん作っておくといちいち作るより楽ができます。
ホント、やってみるといいですよ。
目からうろこです。
ちなみに・・
旧車の場合、サイドカバーなどはゴムのグロメットに刺さってるだけのことも多いです。
このグロメット、結構経年劣化で痩せます。
そうなるとカタカタ動くようになり、そのうち走行中にサイドカバーを落としかねません。

KDX125SR2号機のテール回り。
こういうワンオフに近いカウルを落っことしちゃったらたぶん1週間は凹むハズなのだ。
現在、KDX125SR2号機は順調な仕上がりです♪結構かっこいい。
貴重な旧車のパーツですので極力なくしたくありません。
手に入りにくいパーツです。
なんでも金で解決できることではないのです。
ゆえに。
サイドカバーなどのグロメットはひび割れたり傷んだりしたらサッサと交換するのがよろしいのです。
これが転ばぬ先の杖って奴です。
※当倶楽部ではZ1系のカウルグロメットは常時ストックしています。
コレを面倒くさがってわずかな出費を惜しんだために数万円の出費になった友人U君がいます。
彼はZ1のサイドカバーを中央道で落としてきました(笑)
※いつ無くなったのか、まったく気が付かなかったそうです。
しかも彼のZ1のサイドカバーはカスタム塗装してあったので再塗装も含めて数万円の出費に(笑)
※メタリック系の青に白のラインなんて凝ったカラーにするからだ。
ひゃっほう。
良い酒のつまみが出来たぜ♪
↑鬼。
ワタクシのZ1-Rがセルシオの白一色のなのは「最悪パーツを無くしても代替品の調達が比較的楽だから。」です。
※でもセルシオの白は二色あるので間違って違う色の塗料を買っちゃって無駄なストックになってorz。
↑自業自得。
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