何のためについているのか?
きっぱり答えられる人は多くなハズ。
大したことしてなさそうなパーツですが一旦外すとありがたみがよくわかります。
メーカーは意味がないパーツをわざわざ付けたりはしないのです。
チェーンカバーの存在意義
それだけかと思われていますが、もう一つ重要なポイントがあるのです。
「チェーンの回転運動から周囲のものをガードする。」
これも大きな役割です。
ただし、
回転するチェーンの破壊力は半端なく、樹脂製のチェーンカバーはもちろん金属製のチェーンカバーも割とあっさり穴が空いたりします。
なので、
「チェーンカバーはチェーンから車体やライダーをガードするという意味ではないよりマシ。」
といったレベルだったりします。
なので、
にチェーンカバーを取り外したりします。
実際に、チェーンカバーを取り外してバイクに乗ったことがある人はどれくらいいるでしょうか?
やってみればわかりますが、
「チェーンのグリス(チェーンルブ等)がチェーンの回転の延長上に飛び散って汚い。」
です。
コレと同様に、
「雨天時、チェーンが一瞬含んだ水分がチェーンの回転の延長上に飛び散って汚い。」
と言うこともあるのです。
黒い点々は全部汚れたチェーングリスです。
チェーンカバーが付いてないとこれくらいリアフェンダー内にチェーングリスが飛ぶのです。
なので、
には汚れが混ざったチェーンのグリスが点々と付着するようになるのです。
そして、
チェーンのグリスは粘度が高く、除去しずらいんですよ。
※ツーリングネットなんかに付くと全然取れません。黒いツーリングネットでは目立ちませんが触ると「ネトッ。」として不快です。
ちなみに・・
リアサスがツインショックのバイクにおいてリアサスをちょっと太いタイプに変更したりするとチェーンカバーが当たって上手く入らない場合があります。
大抵は、チェーンカバーごと外しちゃうので、チェーングリスを振りまくことになります。
当倶楽部のZ750D1の場合、
チェーングリスが飛び散るのはわかっていたので、チェーンカバーのリアサスと干渉する箇所を削ってリアサスを納めています。
ゼファー1100のリアサスを入れたらチェーンカバーと干渉するのでカバーの干渉する箇所を切った。
ただし、
この方法だとチェーンカバーの強度が落ちて、後端が振動でブレるというかバタついて、リアのハブに干渉することがあります。
※大勢に影響はないのですがこすった痕は付く。こういう点が検査員さんに見つかると多分車検には通りません。
ので、
チェーンカバーを加工する際はチェーンカバーの強度も考えねばなりません。
リアサスを逃がす加工した場合などは、後端にかけて内側にアルミのリブをリベット止めしたりして対応しましょう。
チェーンカバーはなくても車検には通る?
これには最初からチェーンガードを取り付けるステーなどがはありません。
したがって、
ナチュラルにチェーンカバーレス仕様となっています。
この状態で何回もユーザ車検を通しましたが、一度も検査員さんからのおとがめを受けたことはないです。
もちろんユーザー車検です。
※物言いがつかないように、リアフェンダー裏側のチェーングリスは極力拭取っていますが。
これも厳密には「現場の判断。」という要素がたぶんにあるので一概には言えませんが、
「車検にはチェーンカバーに関する規定とかチェック項目がないっぽい。」
です。
※でも「危険なパーツの取り付け、取り外しなどに該当する。」と現場判断されると物言いがつくはずですが。
ともあれ、
公道で使うバイクにチェーンカバーすらつかないようなパーツを組むのはリスクだけあってメリットはあんまりないと思った方がよろしいです。
※ワタクシがこのモリワキのスイングアームを組んだのはひとえに20代の若気の至りなのですが今は反省しています。
ちなみに・・
Z1-Rにはチェーンカバーがないので、チェーングリスが飛び散りまくります。
ある日ふと見たリアサスのロッド部に油が滲んでるように見えたのですよ。
ワタクシは最初は、リアサスのダンパー抜けを覚悟したのですが、リアサスを単体にしてスプリングを外してダンパー部を確認すると洩れた形跡がないのです。
「飛び散ったチェーングリスがリアサスのロッド部に付着、その状態で何度もリアサスをストロークさせて走り回ったのでダンパーオイルが滲んだように見えた。」
と言うことですな。
どうやってもチェーンの円周上には汚れが付く。
それ以降、リアサスのスプリングの隙間にウェスを突っ込んでロッド部を清掃するようになりました♪
※悪徳ショップではこういうことで大騒ぎして、リアサスのオーバーホール代を請求されそうですな。
チェーンカバー自体は頑丈だがステーは脆い
曲げてもそうそう折れない位、丈夫だし。
ですが、スイングアームから生えてるステー部がもげることがあるのでした。
チェーンカバーの樹脂はバイクに使われているものの中では結構丈夫な部類に入るのではないかと思います。
樹脂なので加工する際には、カッター等でも地道にやれば行けますが。
経年劣化で色褪せたりするものの、人力程度では折れたり割れたりしないハズです。
ところが。
「スイングアーム側のチェーンカバーステーが根元からもげる。」
ことがあります。
当倶楽部のDT200WRのチェーンカバーステーの一か所が林道走行中に根元からもげまして、
チェーンカバーがタイヤに接触して、
「ガララララ・・。」
というあまり聞いたことない明らかに樹脂に何か当たってる香ばしい音を奏でたことがありました。
スイングアーム中央にステーがもげた跡が残ってる。
ちょっとビビりましたが チェーンカバー自体は走行には全く関係ないので、その場でチェーンカバーを外してキャリアに積んで帰ってきました。
※ワタクシがまだ東京在住だったころの奥会津でのミーティング時ですな。
多くのアルミスイングアームを採用しているバイクのチェーンカバーステーはアルミ製です。
なので、経年劣化や金属疲労でステーが根元からもげることは実際にあるのです。
※レーサーレプリカ時代のバイクはスイングアームはアルミが割と当たり前。アルミ製の華奢なステーはもげるのも当たり前ですなぁ。
ステーがもげるとチェーンカバーはつかないわけです。
そうなると、
しかないんですが、20年近くたちますが未だに何もやってません。
チェーンカバーはチェーンガイドとどう違う?
主にオフ車に装備されることが多いです。
オフロードバイクは、リアサスペンションのストロークが長いのでチェーンはたるみ気味にセッティングするのがセオリーです。
ですが、弛んだ状態だとチェーンがスプロケから外れることも考えられます。
そのため、
リアスプロケあたりにチェーンガイドというチェーンのはずれ防止装置が付いてたりします。
チェーンを「コの字型。」のパーツで覆って外れないようにしてあります。
似たようなシステムとして、
チェーンガイドローラーというものもあります。
これも、チェーンの弛みを調整することでチェーンが外れるのを防止するシステムです。
こちらは、主にスイングアームの付け根あたりに設置されることが多いです。
※古いオフ車はこのガイドローラーが粉砕してたりするのですよ♪
こういったパーツは、公道での使い勝手というよりはたるんだチェーンでの走行安定性を上げるためのパーツなのです。
もちろん、
チェーンガイドには、チェーンカバーのようにチェーンルブが飛び散るのを防止したりする機能はありません。
レーサーにもチェーンガイドは付いていますが、チェーンカバーは付いていません♪
チェーンガイドとチェーンカバーがそれぞれどういった性格パーツかがわかると思います。
チェーンカバーは公道での運用を便利に快適にするというものだということですな♪
ちなみに・・
本格的な走行性能を持つくせに、装備がちゃちいことで有名なKDX125SRです。
当然、チェーンガイドもチェーンガイドローラーも未装備です♪
なので、
結構実戦ではチェーンが外れたと聞きます。
当倶楽部のKDX125SRには、中古で購入した当時からアルミの3mm厚で作ったお手製のチェーンガイドが付いていまして。
割と お手製感がにじみ出てる前のオーナーの愛のある作りですが 林道で激しく使ってもチェーンが外れたことはありません。
ただし、
このチェーンガイドに石が挟まって、チェーンと干渉。
「ガラララララ・・。」
という明らかにアルミに何か当たってる香ばしい音を奏でることが何度かありました。
このお手製のチェーンガイドの内側に
等で隙間を埋めればそんな問題は発生しないのですが。
面倒くさいので放置して既に10年たちますな。
KDX125SRにはオマケ程度のチェーンカバーしかついてないので、ノーマルでもチェーングリスが飛び散る仕様となっております。
※商品としてどうかと思う。
まとめ
なくても車検には通った実績はありますが検査官さんに現場の判断されちゃうと何とも言えません。
バイクが汚いのが嫌な人はチェーンカバーは付けておいた方が良いです。
チェーングリスってのはホントに粘度が高く、一度付着するとなかなか取れません。
※パーツクリーナー&ウェスで拭き取るのですが一度使ったウェスは再利用できないくらい汚れます。
「チェーンカバーがない唯一のメリットは、チェーンの掃除とチェーンルブの塗布がやりやすい。」
と言うことだけです。
※自己メンテ派とか、林道ツーリングの後、雨天ツーリングの後などはそのメリットは大きいのですが。
チェーンルブはバイクん盛なら持ってて当然のグリスです。
雨天ツーリング後は必ず塗布しておいた方がいいです。
チェーンの寿命が驚くほど伸びます。
チェーンカバーを外すと、ちょっとだけ見た目がすっきりするかもしれませんが、
バイクも荷物もライダーも汚れるデメリットを考えたら外すなんて選択肢はないです。
「いくら格好が良くても汚れてるバイクはダサい。」
と思うのですよ。
というわけで、
公道で普通に街乗りやツーリングに使うのであれば、チェーンカバーはあったほうがいいとワタクシは考えます。
設計がレーサーなので当然の様にチェーンカバーなんてついていません。
その代わり、がっつりチェーンガイドとチェーンガイドローラーが付いています。
当倶楽部のチェーンカバーが付いてないバイクも、チェーンカバーのステーを無理やり何とか生やしてつけたいと思ってから10年以上経ちますが。
割りとすぐ洗っちゃうので汚れも外から見たらそんなにわからないし、作業の優先順位は低いのです。
このように、
「構想〇〇年、制作数日。」
みたいなアイデアはワタクシにはいつでも 馬に喰わせるほど あるのですが金と暇が追い付かないのでした。
※そのうち、「大勢に影響ないんだしまあいいか。」となって後回しにしているうちにその作業が風化していくのでした。
もう一度言いますが、チェーンカバーは外さない方がいいですよ。