クルマ バイク メンテナンス

【車やバイクの配線】平型端子とギボシ端子の使い分け。コネクタ化。

当倶楽部では接続端子はこうやって管理しています。

当倶楽部では接続端子はこうやって管理しています。

 

ワタクシ
ロータスヨーロッパの配線を全面作り直し始めてはや3カ月。
発火する恐れもある車やバイクの配線作業ですので慎重に進めています。
配線は簡単なのですが接続端子が複数存在するので結構厄介なのですよ。
作業内で気が付いたことを記事にしておきます。

 

車の配線の接続には平端子とギボシ端子がある

 

ワタクシ
車の配線には「平端子。」と「ギボシ端子。」があります。
どうやって使い分けてるか知ってますか?
知らなくてもいいんですが。

 

DIYで車やバイクの電装をいじる人におなじみな接続端子と言えば、

  • 平らな面で接続する平端子(ファストン端子とも言います。)
  • 円筒形の擬宝珠(ギボシ)で接続するギボシ端子
  • まあ呼び名のまんまの見た目です。

    古い車では複雑に使い分けられていますね。

    更に接続端子はコネクタ(カプラ)なども使われています。
    ※古い車のコネクタは大抵どこか焦げて溶けてますな。

    こんな状態でもヒューズはちゃんと仕事してたんですよ。

    こんな状態でもヒューズはちゃんと仕事してたんですよ。


    いつ発火してもおかしくないですが。

    今回のロータスヨーロッパの配線見直しは、
    「古いコネクタが焼け焦げて溶けてた。」
    のを発見したからでした。

    走行中にまる焦げになるのは嫌なので、思い切って長年の課題だった電装全部を見直すことにしました。

    ちなみに・・

    古い車、いわゆる旧車の電装は簡単なんですが、過去に誰がどう弄ったかまったくわかりません。

    当倶楽部のロータスヨーロッパもETCやラジオ配線、電気式燃料ポンプなどはワタクシが入手した時点で手が入っていました。
    これがまた、適当な配線処理がしてあるんですよ。
    ※焼け焦げてたのも適当な処置をされていたラインヒューズ関係のコネクタでした。

    ただでさえ、
    「純正ではライトやパワーウインドの配線ラインにはヒューズが入ってない。」
    というしょっぱい作りのロータスヨーロッパです。

    そんな50年前の車なので、なにが起こってもおかしくありません。

    今回は目に付く配線の全てにタグをつけて、整理しています。
    ※アース一つとっても酷いもんですわ。アーシングもついでにやり直ししています。

    見事なスキルで修理されている古い車の電装を見るとほれぼれしますけどね。
    そういう仕事をする職人はもはやほとんど見かけません。

    平端子とギボシ端子の使い分けはどうなってる?

     

    ワタクシ
    ロータスヨーロッパは、基本的にヒューズ周りやスイッチ周りは平端子接続です。
    それ以外はほとんどがギボシ端子で接続されています。
    旧miniもそんな感じだったので古い英国車はそういう作りがスタンダードなのかもしれません。
    ※まあヒューズボックスやスイッチから出す端子が平端子ってだけな気もしますが。

     

    平端子

  • 外しやすい。
  • 外れやすい。
  • 流せる電流量がギボシ端子より多目。
  • 場所や用途によっては金メッキ仕様平端子でさらに流れをよくできる。
  • 平端子セット。

    平端子セット。


    ストックがあるのに、酔っぱらってネットで買ったらしい。
    急に届いてびっくりした。

    流せる電流の容量は平端子の素材によって変ってきます。
    「車程度の電流であれば容量が大きそうな箇所に平端子を使う。」
    位の知識でいいと思います。


    普段は輸入工具店で袋で買っています。

    ギボシ端子

  • 外しにくい。
  • 外れにくい。
  • 流せる電流量が平端子より少な目。
  • 比較的防水性が高い。
  • Y字端子を使うと配線の分岐を作りやすい。
  • 一般的に流通しているギボシ端子は、困ったことに細めと太目があるんですよ。
    太めの雌型に細めの雄型だとスカスカになって、
    ギボシ端子の特徴である「外れにくい。」どころかすぐ外れちゃいます。

    ギボシ端子の太目と細目。

    ギボシ端子の太目と細目。


    穴の大きさに注目。
    スマホカメラだとこういう接写はピントがずれて大変。

    端子類はいつも袋売りやセット売りのをごっそり買うのですが、その際よく見ると太目か細めかわかります。
    ※慣れって奴です。

    当倶楽部では、より外れにくい感じの太目を積極的に使うようにしています。


    こちらも大抵輸入工具屋さんで、袋で買っています。

    ただね。
    ネットで買う場合、画像で判断するのでこれが良くわからない。
    「ギボシ端子を袋売りで100個買ってみたら細めだった。」
    というミスもたまにします。
    ※思いっきりクヨクヨします。

    やはり、
    パーツは何でも直接見て買いたいもんです。

    ちなみに・・

    電化製品などは、ネジ式のターミナル接続が一般的です。
    こちらの方がしっかりと大電流を流せます。
    なのに車やバイクの配線は平型端子やギボシ端子で接続されています。

    なぜか?

    主な理由は、
    「ネジ式のターミナルや端子だと車やバイクの振動で緩む。」
    からです。

    緩んで接触不良になることを避けてるんですねえ。

    その他にも、

  • 防水処理がしにくい
  • 設置場所がない
  • 等の理由もあります。

    振動を考えなくていい「屋内設置の大型電化製品。」などは、今でも割と固定式ターミナルで接続したりしています。
    割と国家機関の機械でも、です。
    ※車も電化製品もコンピュータ制御になると途端に基盤が出てきて細かい信号線が増えます。ああやだ。

    端子化する際のコツとポイント

     

    ワタクシ
    端子を付け替える、または新規に端子を設置する際の注意事項はもちろんあります。
    ※ワタクシも最近人から教わったんですが。

     

    たかが端子ですがやはりセオリーはあるのでした。
    言われてみれば、納得できるものばかりなのですよ。

    プラス側はメス型端子を使う

    平端子もギボシ端子も同じですが、+側の端子には雌型端子を使います。

    なぜか?

    「端子カバーをつけることにより、端子が外れてもむき出しにならないのでショートしにくい。」
    これ結構重要ですよ。
    ※ヒューズボックスの端子がオス型だったので、ワタクシは普通にオス端子をヒューズボックスから生やしていました。

    外れたらショートして危ないですね♪
    ※12Vとはいえ、ショートすると結構焦げます。

    ギボシ端子は接触不良になる?

    「ギボシ端子は接触不良になりやすい。」
    という話は良く聞きます。

    本当か?

    ギボシ端子は、オス型を包み込むようにメス型を接続させるので基本的には接触不良が起こりにくいハズなのですよ。
    ※じゃないと長きにわたって使い続けられないでしょ?

    ギボシ端子のせいではなく、使い方が悪いのですよ。

    主な接触不良の原因は、

  • 太目端子と細目端子を混ぜて使ってる
  • きちんと定位置迄差し込んでいない
  • カシメ不良
  • のいずれかです。

    なので、
    異なる規格品を混ぜて使わない。
    太目と細目のギボシ端子を混ぜて使うとすっぽ抜けます。
    ※接続した瞬間から外れる感触がありますので対策しましょう。

    ギボシ端子には定位置があるのです。
    「雄型には、凹部がある。」
    「雌型には、凸部がある。」
    この凹凸部がシッカリ噛み合うところが外れない位置です。

    カシメ作業は確実にしましょう。
    ワタクシは面倒なのでカシメは、

  • ラジオペンチでガンガン配線を切って
  • ラジオペンチでガンガン配線の被膜を剥いて
  • ラジオペンチでガンガンカシメています。
  • ガレージ作業で年に百個くらいカシメることもザラなので、さすがに上手くなりました。
    ※それでも、今でも失敗してかなりの端子を無駄にしますが。

    でも、
    慣れないうちは電工ペンチの方が確実です。
    一旦接続した端子を外す際、端子ごとすっぽ抜けるなんてことになりかねません。
    ※明らかに太い配線に細い配線用の端子をカシメるのは無理ですよ。配線の被膜に爪が立たないカシメではすぐ抜けます。

    実は電装系のトラブルで原因追及が大変なのがこの接続端子系の接触不良だったりするのです。
    ※ショートしたら危ないですし。

    配線のコネクタ化

     

    ワタクシ
    コネクタ化は便利なので結構やります。
    しっかり計画を立てて使わないと高価なコネクタを無駄にすることになります。
    思い付きでやらないほうがいいです。

     

    コネクタをうまく使うと配線がスッキリするし、何より配線間違えが一気に減ります。

    当倶楽部ストックのコネクタシリーズ。

    当倶楽部ストックのコネクタシリーズ。


    旧FIAT500の配線作り直した時の余りだな。

    ただ、コネクタを作るのは結構面倒くさいんですよ。

  • 一緒に接続する配線をピックアップする
  • 一緒に接続する配線を整理してクロスしないように取回す
  • 一緒に接続する配線の長さを整える
  • 防水カプラの場合はブーツをつける
  • 各配線に専用の端子をカシメる
  • コネクタに順番を間違えないように組み込む
  • 4ピンコネクタを1セット作ると雄雌で8本。
    4ピンコネクタを4セット作ると雄雌で32本。
    という作業がひたすら地味なんですよ。

    防水コネクタ。

    防水コネクタ。


    手間はかかるけれど、雨漏りしまくる車なので念のため。

    「あああ”ーー。」
    とか言いたくなります。
    ※この作業だけはガレージでなく、リビングでデスクライト使用で行ってもいいという許しが出ています。

    防水コネクタ。昔に比べてかなり安くなった。
    created by Rinker

    古い車乗りはセットで買っておくといいですよ。
    コネクタや端子は細かく買うとかなり割高になりがちです。
    amazonなら三日で来ますな。
    もちろん、防水端子もストックがある。

    もちろん、防水端子もストックがある。


    防水コネクタは嵩張るので別ケースで保管していますが、どんどんこういうのが増えると管理しきれないのも確かです。

    そうそう、
    カプラーを取り付ける際は、配線を多少長めに余裕をもって作ったほうが身のためです。
    配線が長すぎて余るとダサいんですが仕方ありません。

    短い配線でカプラー化すると、

  • 作業性が最悪
  • 作り直すとき大変
  • 接続、脱着しずらい
  • 等いいことありません。

    プロはどうしてるんでしょうか?

    ちなみに・・

    カプラーの端子は一度はめ込むとなかなか取れないようになっています。

    内部の爪をうまく起こせれば簡単に外れるハズ・・なんですが。
    外れないとイライラするのですよ。
    ※1時間くらい格闘しても外れないと、ぶった切ってやろうかと思います♪

    N君に教えてもらった「革細工用の太目の針。」がカプラーの端子外しにはいいらしいのですが、上手く出来ません(´;ω;`)

    あまりに外れないのでぶった切ったカプラーの配線。

    あまりに外れないのでぶった切ったカプラーの配線。


    負けではありません。
    むしろ勝ちです。

    今回も、古いカプラーは

  • カプラーごと粉砕×1
  • カプラーの根元からぶった切り×2
  • どうしたもんか悩み中×4
  • という戦績でございます。
    ※前のオーナーが配線の長さギリギリにカプラーを配置するもんだから、ぶった切るのもためらっています。

    まとめ

     

    ワタクシ
    今回は、平端子とギボシ端子の使い分けとポイントについての記事でした。

     

  • 頻繁に外す箇所、大電流を流しそうな箇所、防水を考えなくていい箇所の接続は平型端子。
  • 振動が多い箇所、防水が微妙な個所の接続はギボシ端子。
  • ※厳密なもんでもないらしいので、あくまで参考としてください。

    接触不良にならないように、

  • きちんと定位置迄接続する。
  • きちんとカシメる。
  • 同じ規格の端子を使う。
  • ロータスヨーロッパコックピット202203は今こんな状態です。

    ロータスヨーロッパコックピット202203は今こんな状態です。


    配線自体よりもワンオフでステー作ったりするのに時間かかっています。

    コネクタ化する場合は、

  • 配線の整理
  • 配線の取回し
  • 配線に余裕を持たせる
  • と言ったところですかね。

    古い車やバイクの配線作業はしっかり確実に行えばそれほどビビることはありません。
    ※むしろ、数十年前の配線やコネクタは良い感じに劣化しているのでアップデートすると生き返りますよ。

    ただし、
    シッカリキッチリやらないと最悪燃えます♪

    ちなみに・・

    配線を簡単に分岐させられる「エレクトラタップ。」という意見便利そうなパーツがあります。

    パチン、パチンとやるだけで、本線からバイパスして電源を取ることができます。
    ※ホームセンターのカー用品売り場の電装コーナーに必ず売ってます。

    一見便利そうに見えますが、ワタクシはこのエレクトラタップが大嫌いです。

    これで配線してあると、やり直す時大変なんですよ。

  • エレクトラタップを外すのも大変
  • 配線の被膜に傷が入ってる
  • 配線自体も傷ついてる
  • 外して配線を補修して新た分岐を作って・・。
    前のオーナーが余計なことをしてくれたおかげで、余計な作業がメチャメチャ増えます。

    しかも、
    配線に全く余裕ないようなギリギリの箇所に設置されてたりすると、修正のしようがありません。
    ※軽めの殺意を覚えます。

    中央上の方に見える赤いのがエレクトラタップ

    中央上の方に見える赤いのがエレクトラタップ


    外す気にもならない。
    この茶色いコネクタが前のオーナーが増設したライン。
    今回全部取り除いています。

    ただでさえロータスヨーロッパはコックピット内が異常に狭く作業空間がなく気が狂いそうになるのです。
    ※この車、コックピット内の整備際は最悪です。旧miniが最悪かと思いましたがその数倍は悪いです。

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    Z1-Rに乗り続けて30年
    東京から長野に移住して15年
    ロータスヨーロッパに乗り始めて10年
    そんなワタクシのリアル実体験「北信州のりもの倶楽部。」です。
    車・バイク共に旧車生活の長さや田舎への移住経験、気が付いたことを記事にしています。
     使えない&くだらない 知識量には自信があります♪

    もちょっと詳しいプロフはこちら↓
    当倶楽部のオーナーはワタクシです。

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