パーツが出るうちは問題ないのですが欠品になると大変です。
高価でも社外品があればまだマシな方ですよ。
2stは湿式スポンジのフィルタなので自作するのはかなりハードルが高いのです。
当記事の目次
2stバイクも部品難には勝てないのだ
街中で2stバイクを見かける頻度は年々減っています。
マイナーな2stはエアフィルタでさえも部品難なので維持は大変なのです。
「2stエンジンは寿命が短い。」
昔からよく言われてきたことですが意外とそうではありません。
きちんと用法要領を良く守って正しく使えば 機構が単純な分 構成部品が少ないため長生きする個体もあるのです。
もちろん同排気量の4stに比べると理論上は倍のパワーが出るので、
摩耗度合いが大きく寿命が短めというのも頷けるのですが。
オーナー次第ではしっかり30年以上現役で走行距離は10万キロという個体も存在します。
当倶楽部のDT200WRは85,000キロ以上走っていますし、KDX125SR1号機は50,000キロ以上走っています。
一時期は林道をガンガン走っていたことも有りますが、
今では林道ツーリング+普通のオンロードツーリング用として重宝しています。
※両方ともいまだに20Km/L以上走りますし。
普通に現役ですので割と長生きしてる方だと思っています。
※今年普通に自賠責5年分に加入したのでたぶん5年後も乗ってます。
とはいえ、
部品難が年々酷くなってるのも確かでして。
細かい部品が入手しずらくなっています。
通常だと古いバイクは部品難で廃車せざるを得なくなるのです。
よほどの人気車種だとサードパーティが消耗品の供給をしてくれることも有りますが、
ほとんどの場合部品供給が止まった時点で維持できずに手放すことになるようです。
※もしくはマニアに託すとかね。
特に設計が特殊だったり、専用品だったりすると部品供給が無くなるのが速いんですよ。
新車時は専用設計というのは非常に贅沢な売り文句だったのですが、
30年後は部品の流用や応用が利かない汎用性がない設計ということです。
※長く乗ろうと思ったら汎用性が高くたくさん売れた車種を選ぶ、というのもアリなのです。
そして、
専用設計と言えばバイクブーム当時のレプリカバイク達です。
当時は一年ごとにモデルチェンジしてましたな。
しかも専用設計で。
その手のパーツは30年も経てばとっくにメーカーには在庫パーツが無くなってるのが普通です。
当時はそれなりに数が売れたとは思うので中古パーツは豊富かと思いきや、
一時レプリカの人気が底だったことも有り大量廃棄さ&海外放出されたため、
30年も経った今では現存する中古パーツは激減。
残存する中古パーツは程度は期待できない上に高価で取引されています。
※それだってあるだけマシ、とも言えますが。
ゆえに。
レプリカバイクの維持管理はここ数年で難易度が爆上がりしていますな。
特に2stは 油まみれで 消耗度合いが激しい個体が多く、
素人がうかつに中古の2stに手を出してとんでもないことになってることも多いようです。
消耗サイクルが早い湿式エアフィルタ
でも。
内燃機関の消耗品は欠品だと困るんですよ。
レプリカ時代の湿式エアフィルタは交換サイクルが結構短いのです。
というのも。
湿式エアフィルタはただのスポンジです。
一応、耐油性はある素材で大事に使えば3度くらい洗浄して使うことができますが、
しょせんスポンジなのでどうしたって経年劣化します。
スポンジというのは劣化するとボロボロと崩壊するんですよ。
こうなると吸気する空気をろ過するどころか、エアフィルタ自体がゴミとなってキャブに吸い込まれてしまいます。
こうなると本来の調子を戻すのは結構大変でして。
キャブの全清掃は必須になりますね。
スポンジが経年劣化する前に、
湿式エアフィルタは交換しなければならないのです。
エアクリーナースポンジの寿命は概ね3年から5年というのがいい線じゃないかと思います。
湿式エアフィルタを装備しているバイクのオーナーはすぐにでもエアフィルタの状態を確認すべきですよ。
※関越道でTZR250R(最終型TZR)のアクセルをガバ開けした途端に湿式エアフィルタのスポンジが粉砕してエンジンに吸い込まれ、死ぬ思いをしたY君という知り合いがいます。
レプリカ時代のエアフィルタは形状が複雑
レプリカ時代の湿式エアフィルタは吸気量を増やして少しでもパワーを稼ごうとしたため、
複雑な形状になってることが多いのです。
乾式の単純な形状のエアフィルタは欠品でもなんとか自作するワタクシですが、
DT200WRとKDX125SRのような複雑な形状の湿式エアフィルタは自分で作れる気がしないので専用品を買ってます。
※社外品で結構高いのですがないよりマシです。
これも欠品なので、ろ紙部分を切り取ってスポンジを詰めて使用しているのだ。
昨年レストア完了後、普通にツーリングして既に数千キロ走ってるが全く問題なし。
※そろそろチェックする時期ではあるけれど。
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2stはエアクリーナーからチャンバー迄がエンジンなのでエアフィルタレスとかあり得ないし、
たまにオフロード走るので延命させるためにはシリンダーにホコリ吸い込ませたくないのです。
形状の複雑な湿式エアフィルタは 高価な社外品であっても おとなしく専用品を使うのが吉なのです。
レプリカ後期のエアフィルタの形状は複雑で、スポンジを接着して3次元的な形状をしています。
スポンジを貼り合わせて立体的なキノコ状になってたりするので素人が汎用エアフィルタスポンジを加工して作れるようなもんじゃありません。
※常時オイルに浸ってるので適当なボンドで接着すると崩壊するのですよ。
エアフィルタスポンジで自作もやってみたらいいよ。
サードパーティからの供給が頼り
ただのスポンジの割に結構いい値段がしますがそれは加工代だと思えば安いもんです。
2年に一度くらいの頻度でエアフィルタを交換しているのですが、ネットショップで検索するたびに知らないメーカー品が出てたりします。
信用するしかないのですが聞いたことないようなメーカーだったりするとちょっと不安もありますな。
大抵はネットショップには在庫がなく、海外からの取り寄せがメインになってるっぽく手元に来るまで数週間かかるのが普通です。
※在庫商売は儲からないからねえ。ネットってすごいよね。
大体3000円から5000円程度。
DT200WRもKDX125SRも今となってはドマイナーな車種ですがしっかり専用品があるのが嬉しいですね。
※いつ販売終了になってもおかしくないんですが。
形が複雑ですが中に樹脂のフレームが入るので袋状になってる。
まとめて買って送料を浮かすのがポイントかもしれません。
最近はネットショップで買い物する時は、
商品代よりも送料の方が高くつくなんてことが頻発していますので注意しなければなりません。
※流通にかかわってる方々には文句は一切ありませんが絶対送料で儲けてる出品者や出店者が気に入らない。
湿式のスポンジ式エアフィルタをこのリンクから検索できるようになっています。
多種多様な車種の社外品があるので買えるうちにストックしておくと安心。
エアフィルタが無くなったら
その時に備えて湿式エアフィルタを自作する方法も考えておきたいものですな。
汎用品のエアフィルタ用スポンジというのが売っています。
バイク用を使うのが間違いなさそうですが最悪農機具などを扱うホームセンターでも買うことができます。
※サイズの割に結構高いけど薄い奴もある。
このスポンジを何とか立体的に加工出来ればいいのですが・・。
普通の接着剤だけだと剥がれそうですしねえ。
シリコン系の接着剤で固定してステンレスの針金で縫うように補強すれば良さそうな気もします。
これが絶望的に手に入らない。
英国から輸入しようかと思ったけれど面倒になったので自作したのだ。
もしくはパンチングメタルのシートを加工してベースを作りその上に貼り付けるとか・・。
この手法は1年間探しても見つからなかったLOTUSヨーロッパの純正エアフィルターを自作した時にやりましたが、
形状が単純だったからできたけど2stオフ車の複雑な形状をしたエアフィルタを作れるとは全く思えないのです。
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2stはエアクリーナーボックスからチャンバー迄がエンジンなので、
メーカーが想定した吸気抵抗を持つエアフィルタを使いべきでして。
素人が安直に作ったりしないほうがいいような気もしますが、
背に腹は代えられませんのでどうしようもなくなったら自作に走るかもしれません。
まあしばらくは高価でも社外品が手に入るのでそれを使うことにしますが、
その前に当倶楽部の2st勢が壊れて再生できなくなる可能性も高いのでした。
ちなみに・・
2stでもRZ250の頃は湿式エアフィルタは小さくて板状のものだったのですよ。
タンクの下に小さいエアクリーナボックスが付いてて、そこにペロンと台形っぽい板状のスポンジを挟む方式でした。
これなら単純な形状なので自作できるはずです。
汎用の湿式エアフィルタスポンジは結構出回っていますので、形状に合わせて切出せばいいだけです。
ここから、エアクリーナボックスが肥大化していくわけですが、
それはバイクの進化そのものでして。
フレーム形状が変わり、
サスの形状が変わり、
エンジン馬力をあげる。
だんだんバイクが速く走るために進化する過程でなるべく大量の空気をなるべく抵抗が少なく吸わせる必要に駆られます。
そのため、
大きいエアクリーナーボックスを搭載する必要がありました。
エアクリーナーボックスの容量アップに従ってエアフィルタも大きくなって吸気効率が上がったのです。
が。
市販車は雨天でも走らなければならないので、
エアクリーナーボックスには水分がキャブに到達する前に排出する「豚鼻。」とか呼ばれる吸気口を備えることになるのです。
これが吸気効率を下げるとして悪者扱いされ、ユーザーによって撤去されることが多かったようですが、
エンジンのためには付いてたほうがいいのです。
メーカーは素人より何倍も考えてるし、それなりのお金をかけて設計してるのでした。
※とはいえ、KDX125SRの基本設計は KAWASAKIらしく 結構酷いんで素人が介入できる余地があってそれはそれで面白いのですが。
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まとめ
でも買わねばならないし、売ってるだけマシなのです。
30年前の2stオフ車のエアフィルタが手に入るというのはありがたいことなのです。
いまだに 頭の悪そうな加速をする 2stのバイクに乗りたくなる時があるのです。
アクセルガバ開けで「すかーっ。」とします。
あんまり調子に乗ると一発でお縄になる速度が出てしまうのですが、
アクセル開けないとオイルの燃え残りが溜まって調子を崩すので困ったもんです。
※こういうのも含めて2stってのは面白い。
そんな2stもほとんど街で見かけることはなくなりました。
既に2stのバイクに乗った経験がない人も多いけど、今後乗れる機会はどんどん減ると思われるので何となくかわいそうな気もします。
街中で出会う2stオーナーさんもパーツが無くて気軽に走れない。
こういう個体が増えていますな。
「購入後のことを一切考えない旧車ブームの仕掛け人とか出てこいや。」
と思いますがもうそろそろバイクバブルは限界でしょうねえ。
貧乏人だらけの日本にそんな高いバイク、買う人はもういないよ。
現在の2stオーナーさんたちも壊れるとさらに高いので乗らずにしまい込んでる人もいると思いますが、
大事にしまい込んでいる間にどんどんパーツは劣化したり、市場からなくなったりするのでやっぱり乗れなくなるのです。
それならなるべく乗った方がよさそうですよ。
人生一回だけですし。
2stを普段使いしてる人が日本にどれだけいるか知りませんが、
そういうマニアはコツコツ長く乗り続けるためのパーツをため込んでいます。
ワタクシもそうですが数年乗ると、何処が壊れやすいとか消耗品のサイクルとかわかってくるのですよ。
経験則って奴です。
なので前もってパーツを探しておくとかストックしてあるのが普通です。
長く乗ってる人ほど、そういうストックパーツを多く持っています。
当倶楽部のガレージにもそういうパーツがたくさん眠っています。
そうしないと乗り続けられないからです。
いつでも乗れる状態にしておくのは結構大変ですが、乗ってこそのバイクですよ。
記事にしてませんが2024年の夏から秋は結構頻繁にバイクで出かけています。
たまにパーツをストックしてた人がガレージのパーツを大放出してくれたりしますな。
理由は金銭的問題というより、年齢的な問題が多いように思えます。
そのタイミングで上手く買えればいいんですけど、なかなかむつかしい。
※デッドストックパーツは軒並み高価だし。
こんなスポンジが5000円くらいするけど、部品はあるだけマシ。
※昔は3000円くらいだった気がするけど物価上昇は仕方ないのだ。
当倶楽部のガレージもわけわかんなくなってるので棚卸しないといけませんが、
面倒くさいというかどうしていいかわかんないので困っています。
純正パーツはパーツ番号はあるけれどなんいパーツかイマイチわかんなくなってたりするのでこまりものです。
※リスが越冬のために木の実を埋めて忘れちゃうことを見ると似てるなと思って心が痛いです。
毎年冬にはガレージを片付けてヤフオクに出そうと思うのですが、何のかのと理由を付けて先送りしているのです。
※DT200WRやKDX125SRのエアフィルタも探せばあるような気がしてきたけど経年劣化してるかもしれませんな。
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