良く聞かれることですが同じ年式なら車より長生きするバイクは多いです。
屋根もエアコンもないし。
走行距離も短いし雨の日や雪の日は乗らないし。
でも1万キロで寿命と言われることもあり、どうなのよって話です。
当記事の目次
実はバイクの寿命と走行距離はあんまり関係ない
走行距離が1万キロ程度でもボロボロのバイクもあれば、10万キロでもピンシャンしているバイクもあります。
そもそも、
同じ100kmでもエンジンの回ってる時間も負荷も違うと思いませんか?
というわけで、
「走行距離はさほど目安にならない。」
というのワタクシの意見です。
バイクの寿命は走行距離を目安にすることが多いですが実は結構根拠はないのです。
車種にもよるでしょうが普通の使い方でエンジンそのものが1万キロでダメになるなんてことはまずないです。
※あんまり走らないまま放置された個体は別ですよ。
最近20年ぶりくらいにエンジンばらしました♪
エンジンそのものはしっかりオイル管理してやれば相当持ちますよ。
ただし、
補器類などに不具合が起きて、いきなり廃車=寿命になることはあります。
※最近はこういう原因で廃車になる方が多いんじゃないかね。
80年代前半に続々とバイクに搭載された新システムはたくさんあります。
YPVSやEXUP、CDI点火やICレギュレーターなどなどがそれにあたります。
※中にはANDFとかの廃れた技術もあるのですが。
生き残ったシステムはマイナーチェンジことに熟成され90年代になると壊れなくなってきます。
出たての新システムはやっぱりどこか脆いというかバグをつぶしきれてない不完全さがありますな。
※そのぶった切ってまだ磨いてません、みたいな荒々しさが魅力でもあるのですが。
そして、
90年代に入るとバブル時代の設計車両が世に出始めます。
この頃は加工技術も高く、素材選択や設計が凄く贅沢で大事に使えば長寿命な車種が多い気がします。
※個人的な感想ですが、現在のバイクと比べると絶妙にアナログが残ってるのがミソです。
更に時代が進むと、電子制御システムを搭載し始めます。
インジェクジョンなどの新機構は熟成されるまで数年、数十年かかって今に至っています。
※初期の電子制御搭載バイクの現存率は結構少ないですよ。ABSの警告ランプ点きっぱなしだと車検に通りませんよ。
現在は、いろんな電子制御の新システムが実験的に搭載されている時代です。
壊れたシステムの情報がメーカーに戻り、次のモデルにフィードバックされて熟成されていくわけです。
が、多くの新機構は実際にどういう壊れ方をするかデータがないのです。
傾向として、
電子制御のバイクは長期間維持するにはキツイ。
「デジタル時計は壊れたら買い替えるけど、アナログ時計は直せる可能性がある。」
ということです。
こういう細かいパーツが粉砕しただけでも、いろいろ影響が出る。
不要なパーツなんてないのです。
バイクはエンジンがピンシャンしてても、制御系の一部が壊れただけでまともに動かなくなります。
ちょっとした不具合でも「寿命。」と騒ぎ立ててバイクを手放す人が多いように思います。
少し調べれば安価に直せるようなトラブルでも、ちょっとしたきっかけで一気に愛着が無くなって手放す。
それはきっと飽きちゃったんでしょうねえ。
よくあることなのです。
なので、
同じバイクにずっと乗り続けたいのであれば、出来るだけ好調を維持してやるのがポイントとなります。
一部だけでも不具合があってはならないのですよ。
少しの不具合にも気が付いて対処するのです。
実はこれは結構難しい。
1万キロくらい走った乗りっぱなしのバイクはどこかしら不具合が出てくるものです。
不具合が発生してからバイク屋さんに持って行って、
「買い換えたほうが安いよ。」
みたいに言われて鵜呑みにすると高額な請求されて言われるままにそのバイク屋さんに買い取ってもらう。
※翌週に買取価格+20万円でそのショップの店頭に並んでた、というのは良く聞く話ですよ。
「1万キロくらいで何かしら不具合が発生してそれをきっかけに寿命と判断して処分する。」
非常にもったいないですが、これが本当によくある話なのです。
実際にワタクシは過去に何人もそうやってバイクを降りた人を見てきましたし。
ちゃんとメンテして乗り続ければバイクは1万キロなんて余裕で持ちますよ。
例え、50ccだったとしても、です。
バイク便御用達車
過走行車と言えばバイク便の人たちが使うバイクですな。
バイク便が流行り出した当初は多種多様な車種がバイク便として使われていました。
バイク便の仕事をする際、自前のバイクだと目先の給料が良かったためです。
バイク便業者にバイクを借りて仕事をすると実入りがぐっと減ったのです。
※バイク便やってる仲間は大勢いました。
バイク便の貸し出す車両は次第に限られた車種に淘汰されていきます
丈夫で、燃費が良く、小回りが利き、車両価格が安く、長時間乗っても疲れず、それなりに速く、高速道路にも乗れる。
この条件を満たした車種がVTZ250だったわけですな。
彼らの使うVTZ250は10万キロ走行は珍しくなかったのでした。
このVT250FH、すんごいボロイですがまだ1万6千キロちょいしか走ってないので復活させることに決めたのです。
ワタクシがVT250FHのレストアを決めたのはエンジンが丈夫そうだから、というのも理由の一つです。
※でもタンク周りが形が複雑すぎるし、タンク自体が非常に腐りやすいので参った。
バイク便の車両が長寿命だったのは、
※直さないと命にかかわるので。
というサイクルだったためと思います。
※見た目はそれなりにボロイんですがね。
2stは短寿命?
2stは耐久性がイマイチで寿命が短いと昔から言われていますがそんなことはないのですよ。
現場で耐久性が問われるチェーンソーもろくにメンテナンスされない農家の草刈り機(ビーバー)もまだ2stが主流ですよ。
2stは構造が単純なだけに、消耗品を定期的に変えて、しっかりメンテしてやれば意外と長持ちで経済的だったりします。
とにかく部品点数が少ないので部品代が安く済むのがありがたい。
とはいえ、
2stは振動が大きく、オイル汚れが4stの比ではないのですぐボロく見える運命なのです。
エンジン回りがオイルだらけの2stはすぐにオイル汚れを落として、オイル漏れやにじみの対策した方がいいですよ。
※ほんのちょっとのことで調子を崩すのも2stです。
当倶楽部の2stエンジン搭載車のDT200WRは既に8万キロを超えましたが絶好調です。
林道走行やコース走行、ロングツーリングやキャンプで荷物満載するような使い方をしてきましたが、
いまだにツーリングペースで走ると20km/lを軽く超えます。
現存する2stは年々減ってて悲しいです。
現時点で不動の2stエンジン搭載バイクは今となってはもう復活させるだけのパーツ供給は絶望的です。
今動いてる個体は非常に貴重なので大事にしましょう。
多分、2stエンジン搭載の公道を走れるバイクは庶民が買える値段では2度と販売されません。
直せる人もセッティングノウハウを持ってる人もどんどん減ってますしねえ。
たぶんこれ以上ワタクシの性格に合うオフ車は存在しないので出来る限り乗り続けます。
そのためのパーツ収集やストックは常い続けています。
※現在、エンジン3基ある♪ピストンは新品3セット、このエンジンの盲腸であるウォータポンプのプロペラもストックしました。
結局、使い方次第でバイクの寿命は延びるのですよ。
走行距離にかかわらず。
「頻繁に乗ってやって乗って違和感を感じたら直す。」
これを続けると割とどんなバイクでも長持ちしますよ。
ちなみに・・
よく車の寿命は10年10万キロと言われますな。
そ・ん・な・わ・け・あ・る・か。
海外の車は割と日本より劣悪な使い方をされていても普通に20万キロとか走っています。
傾向として新しい車ほど壊れたら直りませんので15万キロくらいで廃車にされることが多いみたいですが。
日本の道路事情は、
車のエンジンには非常に厳しい環境なんですが、
「10年10万キロというのは、日本の車メーカーやディーラーが勝手に決めた買い替え基準。」
ですよ。
普通の使い方をして大事にメンテナンスしながら乗れば、10万キロなんて余裕です。
※ワタクシの知り合いの女性のCIVICは30万キロ走行を余裕で越えました。まだ走りそうでしたが最後はクマと衝突して廃車に(笑)
とはいえ、
過走行車はディーラーが修理を嫌がりますからね。
※8年目くらいから「直すくらいなら買い替えろ。」攻撃が激しくなります。
それでも、
車はユーザー次第で結構寿命は伸ばせたりするものです。
まあ、最近の電子制御が満載の車はユーザーがどうしようもないレベルで絶対直らない壊れ方するのでやっぱりアナログの車がいいな、と思うのですが。
車の寿命についてはいずれ、別記事にします。
小排気量のバイクほど寿命は短めなのは確か
傾向として排気量が小さいバイクほど寿命は短めです。
それはエンジンをぶん回して負荷をかけることが多いからですよ。
バイパスで時速60km/hの車の流れにのるのに125ccと1000ccではエンジンの負荷が違いますね。
このスピードをキープするのに前者は5000回転、後者は1500回転だったとしましょう。
どちらのエンジン負荷が高いですか?
もちろん前者です。
小排気量のバイクというのは周囲の速度に乗るだけで結構な高回転を強いられるのです。
高回転をキープするような走り方は楽しいのですが、エンジンとしてはたまったもんじゃありません。
まだまだ現役ですがそろそろパーツがない。
パーツがないというのが寿命といえば寿命かもしれません。
同じ速度で同じ距離を走るにしても、
では消耗の度合いが違うということです。
さらに、
小排気量車は安価な分、耐久性が低い素材や仕組みになってることが少なくないです。
出来るだけ安く売りだしたい、というメーカーの良心もあるのでしょうねえ。
ゆえに、
設計上、運用上、小排気量のエンジンを搭載したバイクは寿命が短め、と言えます。
※それでも小さいエンジンを自分で直そう!という気にもなるのでマニアは多いのですが。
そして、
小排気量のバイクユーザーにも問題はあります。
安価で小さく軽い小排気量車は初心者や女性 や貧乏人 が乗ることが多いのです。
初めてのバイク、という人もいるでしょう。
ということは、
まともに整備されない個体が少なくないのです。
特に女性は ケチなので 経済観念がしっかりして財布のひもが固めです。
どうしてもメンテにお金をかけずに乗りっぱなしになる個体が多いのですよ。
「250cc以下は車検がないけど、オイル交換をしなくていいというわけではない。」
のですよ。
女子にも初心者にもベテランにも愛された名車ですが、荒く乗られた個体も多いので中古車は・・ねえ。
小排気量車ほど中古車は残りにくく、残っても既にひどい状態であることが珍しくないです。
※それでも数が売れるので残存数はそれなりにあるのですが。
では大排気量のバイクはどうですかね?
車検のある大型バイクで10年前くらいの車種になると酷い状態のバイクは増えてきます。
「良く車検通ってるな。」
みたいな個体もたまに見かけます。
これはひとえに、
「一昔前位の大型バイクの不人気車は性能は悪くないのに人気がない。」
からであって、お店に置いておいても邪魔なので割安で売られていることが多いのです。
※お買い得とかコスパ最高とか言われるのはこの類。
そんなバイクにはショップも手間をかけないので現状売りだったりします。
タイヤもブレーキもチェーンもろくにチェックしないで乗り出すくらい怖いことはないのですが、悲しいことにそういう貧乏大型バイク乗りは実在します。
※自己責任とはいえ、取り回しが妙に重いのはおかしいと思わんのかね?
そういう車種を選ぶ人はコスパ重視の貧乏ライダーが多く整備をしない傾向にあります。
安く買えた大型バイクでも部品代はそれなりに高いのです。
命を乗せている高額な消耗品である太いタイヤは素晴らしく高価ですし。
未整備のバイクは次第に不具合が蓄積し、乗らなくなって庭先で朽ちていくのです。
乗らなくなって放置されたバイクというのは、人が住まなくなった家が痛むのと同じようにあっという間に傷みます。
それこそ走行距離なんて関係ないです。
エンジンの耐久性があるにもかかわらず放置して廃車。
早ければ、次の車検を待たずに。
すんごいもったいない。
ちなみに・・
車の世界ではターボ車は絶対的に寿命が短いです。
※特に小排気量で低回転からターボで過給しているような今どきの車は。
ターボは同じ排気量で倍くらいパワーが出せます。
当たり前ですが、部品の消耗や劣化の度合いは自然吸気エンジンとは比べ物にならないくらい早いです。
「ターボを付ければ、何の犠牲もなく速くストレスない加速を得られる。」
と思ったら大間違いなのです。
「ターボはエンジンの寿命を削って過給してパワーを得てる。」
んですよ。
特に、最近の軽自動車はターボで武装している車が少なくありませんが、これは長持ちしないだろうなぁと思うんですよ。
4人乗れて、室内が広く荷物が乗って、装備が満載、車重は1tを超える。
絶対的に無理があるのです。
当倶楽部のラパンSSは14万キロでエンジンブロー。
約半年でようやく公道復帰しそうな気配。
※エンジンよりもボディが塩カルでだいぶやられてたので時間がかかった。
常に高負荷で走っているのが現在の軽自動車です。
※そもそも660ccで1tを超える車体+乗車定員+荷物で高速道路を100km/hで巡行できるだけで超負荷が高いです。
エンジンに負荷をかければかけるほど、寿命が短くなるのです。
そういう使い方をするなら、
排気量のある普通車の方が絶対的にエンジン負荷が少ないので長持ちするはずなのです。
でも目先の車両価格の安さと税金の安さで軽自動車を買っちゃうんですよねえ。
軽自動車はシティコミューターとして使うなら安く済みますが、用途をよく考えないとかえって高くつくことがあるのです。
このネタもいずれ別記事にします。
メンテの頻度と保管方法でバイクの寿命は変わる
不具合を感じたらすぐに整備する。
これを徹底するだけでもバイクの寿命は長くなります。
まあ面倒くさいんですがね。
エンジンオイルはメーカー規定の期間で交換していますか?
「そんなに走ってないからまだ大丈夫。」
という人がいますが、マニュアルには大抵○○kmごとか○○月ごと、早く訪れた方で交換、みたいな書き方してあるはずです。
走らなくてもオイルは酸化するのです。
※古いてんぷら油で天ぷらあげても美味しくないのは酸化が原因です。
オイルはエンジンにとって血液です。
出来るだけ新鮮なオイルで走ってあげたいものです。
特に夏と冬はエンジンオイルに厳しい季節です。
こんな記事もあります▼
のは当たり前として、
雨天走行後には
不具合がい置きそうな箇所は先回りしてとを入れて本調子をキープする。
そのためには、やるべきことはたくさんあるのです。
簡単なことの積み重ねで誰でも出来ることなのですが、意外とみんなやってないです。
不具合というのは、そのまま放置すると第二第三の不具合を呼ぶことが少なくないのです。
小さな違和感を見逃し続けたために、酷くなると手遅れになる場合もある。
ブレーキキャリパーから異音してませんか?
放っておくと大惨事になりますよ。
走らないバイクで人は死なないけど、止まれないバイクではすぐ人が死ぬ。
また、保管方法によっても寿命が変ってきます。
バイクは基本的に屋外に置くものです。
とはいえ、出来れば屋根がある置き場を確保したい。
そして、
少なくとも雨や埃から守るカバーをかけてあげたいものです。
※カバーは絶対ケチらないほうがいいですよ。安いカバーはバイクに傷がつきます。
完全に雨は防げないのですが屋外保管なら絶対カバーはしたい。
紫外線はバイクの外装を痛めるし、風雨は油脂類を洗い流しちゃいます。
外装がボロイとエンジンがしっかりしてても愛着薄れて結局手放しちゃうんですよ。
バイクに乗るというのはお金がかかるのです。
※盗難対策もしなければならないしねえ。
同じバイクに長く乗るためにはそれなりに時間も手間もかかるのですよ。
それでも、
バイクを買い換えるよりはるかに安上がりです。
乗り方で寿命は変わる
エンジン開けたらもっとわかります。
手荒に扱われたバイクはやっぱり寿命が短いのです。
例えば、
コースや峠でバリバリ走りまくったバイクと街乗りやツーリングで普通に使ってたバイクでは寿命が違います。
当然、消耗部品の消耗度合いが違うわけですが、負荷をかけられ続けたエンジン自体も消耗しています。
そういうバイクでも定期的にエンジンをメンテナンスすれば長持させることができるのですが大抵はそんなことしませんね。
そういう使い方をされたバイクは転倒履歴があるのが普通で、1万キロどころか数千キロで廃車になる個体も多く見てきました。
※部品取りとしては最高の素材なんですが。
デカいバイクを使って公道でサーキットのように荒い乗り方ができる人は多分いません。
ので、
荒く乗られたバイクというのはやっぱり小排気量車が多いです。
この手のレース使うことが前提のバイクは使われ方が荒い。
※よくまあこんな高価なバイクをポンポン転ばせるもんだと思うわ。
昔は小排気量のバイクでバリバリ走り回ってた峠小蔵がたくさんいたもんですが(笑)
今はすっかり見なくなりました。
みんな あの頃を恥ずかしく思う いい大人になってると思いたいですな。
こういう小僧たちの乗ってたバイクというのは、メチャメチャに改造されていますが仕上げが下手なので見た目が汚い。
※理論とかじゃなく適当にパーツくっつけた、みたいなチャチな改造が多い。
当時の小排気量のレプリカバイクを現在あんまり見かけないのはこういう使われ方をされて、
ろくにメンテナンスもされなかった個体が多いからと推察しています。
一度、その手のバイクの整備を手伝ったことがありますが各部の油分が抜けきって、ベアリングが破損、金属のシャフトが削れてたり、ブレーキディスクが割れてもおかしくないレベルで摩耗してたりしました。
ワタクシの経験上、こういう使い方をする峠小蔵が乗ってたバイクが長く生き残ったのを見たことはないです。
もちろん、
同じ車種でもオーナーに愛された幸せな個体は数は少ないですがしっかり生き残っています。
生きのこったバイクは昨今の中古バイク価格の高騰で新車価格の倍で売れたりするんですでにお宝です。
やっぱりどんなバイクでも大事に乗って寿命を延ばす方が得だと思うのですよ。
中古バイクは走行距離が1万キロを超えると売れない時代があった
昔から違法でしたが、そんなのは悪徳ショップは守ってないのでした。
当時は「走行距離が1万キロを超える中古バイクは大幅に値段が下がるの普通。」だったのです。
今思えば当時の中古バイク屋は酷いものでして。
店先に並んでいるバイクのほとんどの走行距離(オドメーターの値ね)は1万キロ以下(笑)
当時は今と比べ物にならないくらい中古バイクの流通量が多かったとはいえ、
よく考えれば、申し合わせたように走行距離が1万キロ弱の車体ばかり並んでて不自然なのがわかります。
もし機会があれば、当時の中古バイク雑誌MrBikeBGとか見てみるといいですよ。
個体ごとにシッカリ走行距離が記載してあるので。
※そして2万キロくらい走行してる車両は相場よりずっと安いのも分かるハズです。
ビンテージバイクなんて走行距離なんて信用しない方がいいです。
経験の豊富なベテラン顧客は走行距離1万キロくらいバイクの消耗具合は分かってるので騙されないのですが、
経験の少ない若者たちはコロコロ騙されてたものです。
それも当時雑誌に載ってた有名な中古バイクショップに。
※だから「中古バイクを買う場合はベテランと一緒に行け。」と言われていました。
今思えば中古バイク屋の多くは明らかに小僧ども相手の商売でやりたい放題やってたという感じです。
※ワタクシがバイク屋を信用してないのはこういう話を腐るほど知ってるからです。
ひどいバイクをつかまされても、当時はネットとか掲示板とかSNSとか影も形もありません。
ゆえに、
小僧どものクレームが公になることはほとんどなかったのです。
今なら裁判沙汰、というか炎上必至でしょうけども。
とはいえ、
確かに当時は1万キロ寿命説はバイク乗りの中にも多少浸透してたようで、
数万キロ単位で同じバイクに乗り続けるユーザーはそう多くなかったのです。
ピンシャンしてて外見もきれいな車体のオーナーでも、
「3万キロも走っちゃったから買い換える時の下取り価格は期待できないな。」
みたいな会話は良く聞かれました。
※バイク便などのプロ以外の人達はね。
実際に当時10万キロを走行したバイクが珍しがられて雑誌に取り上げられたこともありました。
Z400LTDかなんかが10万キロ走った記事があったのをなんとなく記憶しています。
かつては、
「バイクの寿命は1万キロ。」
みたいな根拠のない説は確かにあったのですが、
次第にそんなことを言う人は少なくなりましたねえ。
実際はしっかりメンテナンスしていれば小排気量車でも数万キロは普通に走りますよ。
当倶楽部のKDX125SRは2st125ccで、ロングツーリングや遠征キャンプで使い倒して4万キロ近く走っていますが絶好調です。
※とはいえ、現在は消耗品がそろそろ心もとないので街乗りスペシャルとして活躍していますが。
ちなみに・・
「アナログメーター戻し。」
中古バイクを不当に高く売る悪徳商法をするショップが多かったので、車検証に車検時の走行距離が記載されるようになったのでした。
素晴らしくお役所が考えそうなことです。
いつものようにお役所がやることには穴がありまくりなので、
メーター自体を交換してしまえば、普通に車検証に交換後のメーターの走行距離が記載されるわけですよ。
1978年式で実走は6万キロを超えていますがメータ新品で走行距離がリセット(笑)
こういう個体は数多いってことです。
ワタクシのZ1-Rは4回ほどメーターを交換しています。
そのたびに走行距離がめちゃめちゃになる(笑)。
輸入した時点でメーターは6万マイル越えです。
その後、ワタクシの手元に来てから30年。
どう考えても10万キロ以上走っていますがもう面倒くさいので積算やめました。
酷い業者になると、車検用のメーターに付け替えたりして何度車検通しても走行距離が変わらない(笑)
※旧車ではよく聞く話ですよ、特にZ系やCB系は数が多いしリプレイスメーターもあるので。
結局、走行距離なんてのは何のあてにもならないのです。
まとめ
維持管理や運用で全然違ってきます。
きちんとメンテナンスしてやればバイクの寿命は長く出来るのです。
「人間の寿命は太くは出来るけれど長くは出来ない。」
けれど、
「バイクの寿命は人間次第で長くすることができる。」
のですよ。
せっかく手に入れたバイクです。
何かの縁でアナタのもとにやってきたのですよ。
バイクへの愛情次第でなんですが最低10万キロくらい乗ってやりたいじゃないですか。
極論を言えば、
「バイクが壊れたら直せばバイクの寿命は延々と伸びる。」
んですよ。
延命させるためにはオーナーが頑張るしかないんですよ。
少なくともエンジンがどうしようもなくなるまで、直し続けて乗り続ければいいのです。
現存している古いバイクは一台残らずそういうオーナーの下でかわいがられた個体ですよ。
バイクという乗り物は、人生においては別に有っても無くてもいいのです。
ほとんどの人にとって別になくても生活に困ることは多くないハズです。
ということで、
飽きちゃうとないがしろにされる個体が多いんですよ。
※手に入れる時はあれほど夢中になったくせにねえ。
飽きるのと寿命は違うのです。
バイクに飽きて乗らなくなり、放置すると一気に劣化が進みます。
劣化が進んだバイクをもう一度復活させようと思ったら相当大変ですよ。
調子のいい状態に近づけるだけで、お金はたくさんかかります。
一気にお金がかからないようにするには、日々少しずつ面倒見てあげるしかないんですよ。
ただこれが出来ない人が多い。
みんな忙しいからなー。
せっかく手元にあるバイクは乗って動かして不具合を感じたらお金も手間も惜しまずメンテナンスする。
多分、これが一番バイクの寿命を延ばせます。
ワタクシは30年以上のバイク人生でバイクを廃車にしたことは一度もありません。
壊れたら泣きながら直してきたので。
単に買い替えるお金がなかっただけですが。
※知り合いに懇願されて譲ったことはある。でもKDX125SR2号機のように出戻ってきたバイクもある。
一時嫁に出したが出戻ってきた。
修理パーツがもうメーカーにもないので直せるかどうか・・。
もしかすると、これがほんとのバイクの寿命といえるかもしれないです。
でも、やるだけやります。
バイクは既に資産です。
せっかく手に入れた資産は減らさないほうがいいに決まっているのです。
そのために、少しばかり手間とお金と時間をかけるのもいいじゃないですか。
生活には何も役に立たないかもしれませんが、それが人生の潤いであり、趣味ってもんですよ。
ワタクシに言わせれば走行距離なんてのはバイクの寿命とあんまり関係ないのです。
※それよりも定期的に動かしてオーナーが愛情を注ぐことの方が寿命には重要なのですよ。