クルマ バイク

冷却方式に関わらずエンジンの排熱処理は基本ですよ

VT250FH。ラジエタ。

VT250FH。ラジエタ。

 

ワタクシ
内燃機関は発熱するモノなのです。
バイクで冬は暖かいなーとか思ってても真夏は灼熱になりがちです。
フルカウルのバイクは放熱的には厳しいのです。
走っている限りは熱さをあんまり感じないのですが止まるとねえ。

 

内燃機関は内部で燃焼する機関

 

ワタクシ
エンジンは内燃機関とも呼ばれますな。
コレは内部で燃焼する期間を持っているということですよ。
燃えてるんだから熱が出るのは当たり前なのです。

 

今更ですがガソリンはエンジン内部で爆発しているのです。
爆発したガソリンがピストンを押し下げることで馬力が出ます。
※すんごく端折った言い方ですが間違っていませんよ。

何をいまさら・・と賢明な当ブログ読者様は思うに違いないのですが、
イマイチそういう意識ない人が増えているのです。
ガソリンは火を点けると爆発するんですよ♪
※なのでタバコ吸いながらバイクに乗るとかはマジで自殺行為。

エンジンが動くということは内部でガソリンが爆発してピストンが押し下げられているわけです。
爆発ということは熱が出ますね。
その度に熱が発生しているってことです。

ここまではよろしいか?

エンジンは高性能になり力を出すように進化してるということは、
それだけ高効率で放熱するってことなのです。

エンジンは時代とともに高性能になりますが、
進化の歴史というのは放熱との闘いでもあったのです。

ちなみに・・

昔のエンジンほどクリアランスが広めにとってあります。
ピストンとシリンダーの壁のすき間が広いってことです。
※あと2stも結構緩い。

これは、
ピストンやシリンダーの熱膨張分を考えてのクリアランスと言われています。
昔のエンジンほど暖機運転が必要だったのは主にこのためです。
※他にも加工技術の問題とかの理由はあるんだけれどね。

昔のエンジンは暖機運転で内燃機関をある程度熱で膨張させないと調子が良くない設計なのです。

ゆえに。

エンジンは適当に温まらないと本来の性能がでないってことですよ。

今時のエンジンは技術革新の結果、クリアランスが相当詰まった設計になっています。
気化器もインジェクション方式で混合気を適量叩き込む方式なので、
混合気を適温に温める必要がないため、暖気は不要とも言われてます。

とはいえ。

ワタクシ的には最近のエンジンでもエンジンオイルは適度に温めたほうが潤滑や浸透的には効果が高いように思うので、
エンジン始動からしばらくはゆっくり走りながら暖気をするようにしています。
※サスのオイルやタイヤも温めないといけないので走りながらの暖気は理にかなってる気がします。

車種ごとに暖気完了のタイミングは微妙に違いますが、
長く乗ってるとエンジンの発熱やレスポンスで「そろそろかな。」という感覚がわかるようになります。
※こういう感覚は同じ車体に長く乗らないとわからないかもしれませんな。

熱をため込むとどうなるか?

 

ワタクシ
エンジンが発生する熱が溜まっても放置してるととんでもないことになるのです。
ヘタすると一発でエンジンがお釈迦になります。

 

エンジンの発熱より放熱能力が少ないとエンジンを構成する金属が熱膨張で歪んできます。
歪んだエンジンは圧縮が漏れたり、ピストンの動きを邪魔したり、冷却水路の密閉ができなくなります。

これがいわゆるオーバーヒートって奴です。

ついでに言うと樹脂、ゴムなども熱で変形したり劣化したりします。
バイクや車を構成するパーツにとって熱は大敵なのですよ。
※紫外線も水も温度差も大敵なんですが。

というわけで。

エンジンから発生する熱を何とか処理しなければなりません。

ところが。

困ったことに高性能なエンジンほど発熱量が大きいのです。

歴代スポーツバイクの透視図などを見ればわかりやすいのですが、
新しくなるほど冷却システムがどんどん大きくなっています。

これはエンジンの性能が上がったからそれなりに大きい冷却装置を搭載するようになった、ということです。

水冷エンジンのラジエターなんかもろにそれです。
だんだん容積が増えていき、最終的にはラウンドラジエターや分割ラジエターなどに進化します。
※それにプラスしてオイルクーラーとかね。

最新の冷却機関はよく知りませんがワタクシの知ってるレベルでもそんな所です。
RGV-γのラウンドラジエターを見た時はちょっとビビったぜ。
※もう30年以上も前の話だぜ。

もちろん、排気量が大きいほうが放熱量は多いです。
大排気量の空冷エンジンなんて渋滞で5分もアイドリングしたら油温がすごいことになりますよ。
※油温計は 昔つけたことがあるのですが 心臓に悪いので外しました。夏は油温計が気になってツーリングどころじゃなくなるのだ。

 

Z1-R。

Z1-R。


このデカいエンジンの放熱量は結構すごい。
でも空冷のほうがおおらかな設計なのでオーバーヒートに対しては強い・・らしい。

 

ちなみに・・

空冷エンジンには 都市伝説的な 追加の冷却方法がいろいろあるのです。

オイルクーラーの増設が鉄板ですが貧乏ライダーの間ではエンジンフィンの面積を広げるとか涙ぐましい努力もありました。
※金属製の洗濯ばさみを挟むとか懐かしい手法もある。高速で吹っ飛んでいく(笑)

アフターパーツでもシリンダー側面に付けるビッグフィンキットとかありましたな。
GSX1100Sで装着して車両を見たことがあります。
結構高かった気がします。
 効果があるんだかないんだか微妙ですが。 

空冷でリアエンジンのFIAT500なんかはオイルパンの容量を増やしてオイル量を増やすなんて方法も取られました。
※結局、オーバーヒートはするんですがそれまでの時間が稼げる。

どれも皆涙ぐましい努力なのですが渋滞にハマれば大した効果はありません。
※走り出せば割とすぐに油温は下がるんですがね。

熱処理的には空冷エンジンで渋滞にはまったら「エンジンを切る。」のが正解です♪

冷却方法いろいろ

 

ワタクシ
いまだにエンジンの冷却方法はよくメディアで取り上げられる皆が大好きな話題ですな。
未だに雑誌やネットメディアではエンジン形式で特集を組んだ記事が出たりしますしね。

 

エンジンの放熱方法として、

  • 水冷
  • 空冷
  • 油冷
  • 等があるのです。

    これについては別記事に詳しいのでそちらを参照のこと。

     

     

    どの冷却方式でもちゃんと放熱しますよ。

    ただし。
    「走っていれば。」
    という条件が付きます。

    走行風が関係するは空冷や油冷っぽいイメージがありますが、
    水冷でも走行風で放熱出来ない状況ではやっぱり放熱はキツイのです。
    ※一応電動ファンがあっても走行風に寄る冷却には全くかなわないです。

    そして。

    冷却能力はメンテナンスに左右されることも有るのです。
    実際にメンテナンスがされてないエンジンは冷却能力が下がってることもあるんですよ。

    ちなみに・・

    どの冷却方法のエンジンでも冷却システムを知ったうえで最大の冷却能力を引き出せるようにせねばなりません。

    オーバーヒートは一発でエンジンを壊しかねないので怖いですからね。

    どんな冷却方式でもオイル量はしっかり確認、こまめに交換しましょう。

    オイルにはいろんな役割がありますが冷却という役割もあるのです。
    オイルが多ければそれなりに冷却能力が上がります。
    ※規定量は守りましょう。多すぎるとエンジン壊します。

    広義ではオイルクーラーの役割はオイル量を増やすという意味もあるのですよ。
    ※CBX400Fはオイルクーラーをオイルリザーバーとして運輸省の認可をとったのは有名な話です。

    さらに。

    水冷エンジンに乗ってる人は今すぐにでも冷却水の水量を確認しましょう。
    原則として冷却水は減ることはありませんが稀に減ることも有ります。

    また、
    冷却水路はたまには洗浄しないと水垢が溜まってたりしますよ。
    水路が汚れてると本来の冷却能力が発揮されません。
    古い車やバイクで冷却水路を洗浄して冷却水を入れ替えたら水温がみるみる下がったなんてのはよくある話です。

    水冷は高性能で安定した性能を発揮するには最適なのですが、この手のメンテナンスが面倒なのです。

    当倶楽部のVT250FHはワタクシがレストアするまで恐らく35年ほど冷却水が交換されてない感じでした(;^_^A
    冷却水自体はほとんど劣化しないそうですが気分的に5年くらいで水路の洗浄と交換はしたいものです。
    ※交換した冷却水は雑草にまくとみるみる枯れるくらい猛毒なのでちゃんと処理しましょう。

     

     

    フルカウルは排熱的に超不利

     

    ワタクシ
    フルカウルのバイクは格好良くて人気ですが放熱的には超不利です。
    空冷でも油冷でもフルカウルのバイクはありますが走ってることが前提な設計です。

     

    フルカウルのバイクで渋滞にはまると冷却方式に関係なく、メチャメチャ熱くなりますな。
    ※大排気量のフルカウル車は真夏に乗る気になれないレベルで熱くなるし。

    冬は暖かくて良いかもしれませんが真夏は地獄なのです。
    スポーツバイクはフレームが熱伝導に優れたアルミだったりするわけで、
    ライダーはエンジンの放熱とフレームjなどの車体の熱さと戦い続けなければならない運命です。
    ※しかも長袖長ズボンでヘルメット装備というドMな装備をしてるのがライダーです。

    フルカウルのバイクといえども普通に走ってればそれほど熱さを感じることもないハズです。

    ので。

    その手のバイクは渋滞の少ない田舎で乗るバイクですよ
    ※ワタクシはフルカウルのバイクに関東圏で乗る気になれないです。

    ワタクシがCB1100RDの購入を諦めたのは 決して貧乏だからではなく 放熱の問題が気になるからなのでした。
    大排気量の空冷バイクでフルカウルなんてのは熱的に苦しいに決まっています。
    やっぱり熱的に苦しいバイクや車は寿命が短い気がするんですよ。
    ※樹脂やゴムは熱で確実に劣化しますしねえ。

     

    HONDA CB1100R。

    HONDA CB1100R。


    速い遅いだけならNSRとかのほうが速いかもしれないけれど、CB1100Rは魂のこもり方がちょっと違うのよ。

     

    CB1100RCのオーナーに聞いたのですが「フルカウルにするのはイベントの時だけで普段はハーフカウル。」だそうです
    ※かつてワタクシはCB1100R資金として10年間貯金しましたが結局ロータスヨーロッパの購入資金になりました。

    ワタクシ的には普通の人が普通に公道を走る程度なら フルカウルは不要だし それほど高性能エンジンを搭載するバイクは不要という判断です。

    最高馬力が低くても面白いバイクはたくさんあるし、
    高回転まで回さなくてもそれなりに面白いバイクもたくさんあるのです。
     バイクの熱さに耐えながらツーリングするのは若いうちのやせ我慢だからいいのです♪ 

    それに。

    ワタクシ個人の意見ですがエンジン剥き出しの方が

  • 整備性が良い
  • 放熱的にも有利
  • コケてもダメージが少ない
  • ので公道で素人が遊ぶには使い勝手が良いと思っています。

    もしワタクシがフルカウル車に乗ることがあるなら普段はハーフカウル仕様にすると思います。

     ※まあ買えないんですがね。 

    この辺は好みの問題でもあるのですが、
    フルカウルのバイクは真夏にガンガン渋滞しそうなところで乗りたいひとには不向きな気がします。

    ちなみに・・

    夏にオーバーヒートはわかりやすいのですが雪の中でのオーバーヒートってのもあるのです。

    実は外気温が-10℃とかでもオーバーヒートすることがあります。

    走行中にラジエターグリルに付着した雪や氷がラジエターを塞ぐ形になって、
    熱交換が出来なくなってオーバーヒートするって奴です。

    ラジエター自体は熱くなるのですが、
    実際にラジエター前のグリル部分に氷の壁が出来ちゃうことがあるようなのです。
    ※そういう条件で走るラリーカーは氷を解かすヒーターが付いてたりします。

    アバルト595。バンパー部一式。

    アバルト595。バンパー部一式。


    ラジエターグリルというのは大体車体の下の方についてんのよ。

    スキー場などの寒い場所に長い間止めてグリルに溜まった雪が凍ったり、
    車に雪が積もった状態で走って車上の溶けた雪や氷がグリルをふさいだり、
    すると走行中に巻き上げた雪がグリルを塞ぐことがあるのです。

    これは昔の車の話ではなく、今時の車でも起こる可能性があるのです。
    ※標高が高く外気温が低いままのスキー場ではありがち。

    冬でも雪や氷の世界では水温警告灯は気にしながら走らねばなりません。
    特に車高の低い車とかラジエターグリルの開口部が狭い車とかは要注意です。
    ※ワタクシが昔乗ってたZ32は最終的には熱的な問題でエンジンがお釈迦になったしねえ。

    まとめ

     

    ワタクシ
    冷却方式にかかわらず、エンジンは冷却しないと壊れます。
    エンジンの放熱は基本のきです。
    高性能エンジンほど放熱量が多いです。
    今どきの高性能エンジンほど冷却には気を使った方がよろしい。

     

    今時のライダーがエンジン冷却に結構無頓着なので
    まあこういう話もあるよ、という記事を書きました。

    基本的に冷却方式なんてどうでもいいんですよ。
    ちゃんと走れば冷えるので。

    そのためには走って走行風をエンジンに当てるしかないのですが、
    渋滞ばかり走っていてもオイル交換とか冷却水のチェックを全然しない人が多くてびっくりです。
    ※オイルは一度高熱になると本来の性能を発揮できなくなるものもあるんですよ。

    それに冷却水のリザーバータンクが空になってることはよくあることですよ。
    ※特に夏冬シーズンが終わったらリザーバータンクの液量はオーナー自らチェックすべきです。

    そうそう。

    放熱という観点から見るといろんなエンジン形式の話ができるようになります。

  • 縦置きボクサーツインのBMWの優位性とか
  • しつこく縦置きVツインエンジンを作ってるMOTO-GUTTIとか
  • 縦置きエンジンは直進性が強くなるのが特徴でもあるけれどシリンダーが張り出してて走行風を捕まえやすいので冷却的に超有利なのですな。
    ※縦置きエンジンとはいえ、BMWのKシリーズを除く。

     

    BMWなんちゃらアーバン。

    BMWなんちゃらアーバン。


    シリンダーが張り出してるのは冷却に有利なんだろうねえ。
    高すぎて絶対買えないけど。

     

    「横置きV型エンジンは後方シリンダーの熱が抜けないだろうなぁ。」
    とかいう話ができるようになるとマニアック♪

    「空冷4気筒エンジンは壁のようなシリンダーの間に空気の通路がある!」
    とか、
    「オイルクーラーはライトの下につけてるのはシリンダーへの走行風の邪魔をしない設計なのだな。」
    とか言ってると・・さらにマニアック♪

    そういうのが大人のバイクの楽しみ方の1つだと思っています。
    切り口は何でもいいのですよ♪

    何でもより深く掘れば面白いのです。
    なんでも面白がるのが幸せになるコツです。

    ちなみに・・

    当倶楽部の水冷VツインエンジンのVT250FH。
    V型エンジンとはいえ、フルカウルではない 中途半端なカウルな ので結構エンジンは冷えるのです。

    が。

    やはり渋滞時は水温計が大きく振れますね。
    ※気温38度とかで軽めの渋滞にはまると見る見るうちに水温が上がっていくので心臓に悪い。

    ワタクシは「横置きV型エンジンは熱がこもる。」と長年思っていたのです。
    レギュレーターが壊れやすいのはエンジンの熱が悪さするからだと思っていました。

    が。

    V型エンジンとはいえ、

  • フルカウルでなければ
  • 渋滞にはまらなければ
  • 意外と熱はこもらないみたいですな。

     小さく頼りない 80年代の設計のラジエターが付いていますが普通に走ってる分にはそれほど問題はなさそうです。
    登りが続いてエンジン負荷をかけまくればシッカリ水温は上がるとはいえ、すぐに下がるし性能的には十分。
    走り出して冷える速度は空冷エンジンのほう速いですがね。

    なんでも極端なものが好まれがちなバイク業界ですが、
    最近ワタクシは適当な性能の適当なバイクの方が楽しいのではないかと思いはじめています。

    エンジン性能なんてカタログスペック上は国産ハイパワースポーツバイクに比べれば低くても、
    そこそこの馬力があればいいと思うようになりました。

    「ワタクシも歳とったな。」
    とは思うものの、
    「意外とこれが本質なのかもしれないな。」
    という思いもあったりします。

    そもそも。
    馬力を絞り出してるエンジンというのは長持ちしないのよ。
    車の話ですが軽自動車のターボとか小排気量のダウンサイジングターボなんかがまさにそう。

    峠の登りで一般の車にあおられるみたいな馬力の無さは問題外として、
    最大馬力はなくても大排気量のトルクフルなエンジン搭載車に乗ってみたいねえ。
    ※金銭的にこれ以上バイクは増やせないんですがね・・。

    当ブログはアフィリエイトプログラムに参加しています。

    =============================

    Z1-Rに乗り続けて30年
    東京から長野に移住して15年
    ロータスヨーロッパに乗り始めて10年
    そんなワタクシのリアル実体験「北信州のりもの倶楽部。」です。
    車・バイク共に旧車生活の長さや田舎への移住経験、気が付いたことを記事にしています。
     使えない&くだらない 知識量には自信があります♪

    もちょっと詳しいプロフはこちら↓
    当倶楽部のオーナーはワタクシです。

    =============================

    お問合せはこちら

    -クルマ, バイク