田舎暮らしとセットで薪ストーブにあこがれる人は多いです。
いやマジでやめた方がいいですよ。
相当の覚悟と体力、時間と精神力が必要です。
もちろん意外にお金もかかります。
それでも。
薪ストーブは心身ともに暖かくなれるというもろ刃の剣です。
※休日休みたい人は導入しない方が無難ですよ。
当記事の目次
憧れの薪ストーブライフは簡単じゃない
将来、田舎暮らしして薪ストーブを入れたい・・
ワタクシもそう思ってそうそうに薪ストーブライフを始めてみたものの・・
すげえ大変です。
※正直、多少後悔するくらい大変です。
ドラマや映画などではいとも簡単に薪ストーブライフをしています。
実はそんなに甘いものではありません。
むしろ、かなりキツイです。
とにかくお金がかかります。
特に初期投資は100万円以上平気でかかりますよ。
※ストーブ自体より煙突代のほうが高いくらいです。
それに、
薪割り機やチェーンソーなども必須です。
出来れば軽トラも必要です。
極めつけは・・
の確保がとんでもなく大変です。
※特に都会ではまず無理でしょう。田舎はそういう意味では自由度が高いです。
当記事は、ざっくりとしたまとめ的な記事にします。
そのうち一個ずつ詳しい記事を追加する予定です。
※薪ストーブの導入を考えるなら、春から夏がいいですよ、ストーブ屋さんが暇なのでしっかり面倒見てくれます。
薪を作った人だけが温まる権利があるといっても過言ではありません。
薪ストーブはお父さんが突っ走って無理やり入れるご家庭が多いですが、家族全員で取り掛かるべきものですよ。
しかも年間を通して家族の協力が必要です
・・そんな悲しい場合は薪ストーブの運用に無理が出てきます。
一人で何とか出来るほど薪ストーブは甘くないですよ。
※薪ストーブ導入で一番のハードルはたぶん、長期間家族の賛同と協力を得られるか?です。
薪の確保がまず大変
薪ってどうやって確保するか知ってますか?
当たり前ですが薪がないと薪ストーブ運用できません。
毎年、薪の確保にかなりの労力と時間を割いています。
薪は
などなど、いろんな手段があります。
多方面に声かけてるといろんな方から薪の情報をもらえたりします。
※そういえば近所の山で伐採があったらしく、材木処分のお声がかかってたな・・行かねば。
既に薪の状態に加工されているものは総じてクソ高いです。
かつて、当倶楽部でも薪を配達してくれるサービスも利用しました。
確かにすごく楽ではあります。
が。
とんでもなく高額になり止めてしまいました。
薪の配達サービスは別荘などで短期間に使う場合ならともかく、薪ストーブを常用する場合には割高になります。
こうなると金銭的メリットは皆無で灯油ストーブのほうが安いです。
余程のお金持ちならともかく基本的には薪は自分たちで作ることになります。
※お金がないなら身体を使って労働せよ、ということですね。THE資本主義。
この工程が必要になります。
いずれの工程も極めて大変な肉体労働です♪
ちなみに・・
ドラマのように斧で薪割りなんてのは非効率です。
※カッコいいですが、やってられるか!(怒)となるまで半日持てばいい方です。
斧と手ノコで薪を作るにはとんでもない時間が必要です。
勤め人&休日出来るだけバイクや車で遊びたい人には絶対無理です。
当倶楽部でも薪割りようの斧やクサビなどを用意してありますが、いずれもエンジン式薪割り機には効率面でかないません。
また、エンジン式薪割り機は少なくとも8t以上の油圧がかかるものでないと雑木は割れません。
※手動の薪割り機とか労力と時間が大量にないとできません。
値段だけでも見てやって下せえ・・人気のない中古バイクなら買えますな。
薪ストーブ運用するのにかかるお金
薪作業の場所や保管場所の確保はいったん置いておくとして。
※田舎は土地借りるのがただに近いです。
どうしても必要な道具ってのはあります。
薪ストーブが40万円くらいでも煙突をどうやって屋内にレイアウトするか?で初期の金額がだいぶ違います。
それに、ストーブ自体も大きさや性能で金額が大きく違います。
一概にいくらくらいとは言えませんが、当倶楽部の仕様では約100万円かかりました。
※それでもストーブ屋と仲良くなったのでかなり割安でした。
ほしいなぁ・・もっと頑張って稼がないといけませんなぁ。
切れる、切れるぞ。ワタクシにも丸太が切れる!
プロ用から初心者用まで幅広くあります。
初心者用で3万円程度、プロ用になると天井知らずです。
※でもパワーが全然違います。レーシングマシンと市販車くらい差があります。
当倶楽部では、3万円くらいの初心者向けRYOBI製を使っていましたが、プロの木こり用のHusqvarna(ハスクバーナ)はパワーが段違いでした。
※刃の部分から全然違うのがすごい。あとエンジン音がうるさい。
国産のチェーンソーは扱いやすいんですよ。
やっぱりプロ仕様はパワーが違うわけですよ。
そして、チェーンソーを使うにあたり、防具が必要です。
特に初心者ほど力加減がわからないので防具をそろえたほうがいいです。
ブーツとチェーンソー用のズボンは揃えましょう。
バイクのモトクロスの必要防具と似ています。山に入って木を切る場合はヘルメットも必須ですよ。
※知り合いが死にかけました。
Husqvarnaはバイクでもとんでもなく戦闘力高くてずるいです。
薪ストーブ運用には軽トラが一番コスパがいいです。
ワンボックスやSUVで薪運用してる人もいます。
でも大抵、車の中が埃っぽく汚れるうえ傷だらけになります。
※その割には薪は量が乗らないので非効率です。
一目で当倶楽部所有の軽トラとわかる仕様となっております。
薪となる丸太をもらいに行く場所は大抵未舗装路です。
ハマると抜けられなくなります。
したがって最低でもパートタイム4駆が必要です。
軽トラは軽トラ用の扁平率の高いタイヤを履くべきですよ。
でないとタイヤがつぶれて路面とリムが接触してパンクします。
※軽トラに乗用車用のホイールとかタイヤは変える人いますが車検とおりませんよ。
中古の軽トラ、20万円くらいからあります。
※10年くらい前からエアコンなし、MT車、パートタイム4駆のHIJETを使っています。
これが意外にばかにならない金額です。
ブラシは思いっきり固いのがいいです。
多少大きくてもニッパーで切りそろえればオッケーです。
ロッドは強度があってしなるもの、太目なものな方が使い勝手がいいです。
から構成される煙突掃除用具ですが国産品はほとんどありません。
しかも、ないと困るものなので足元見るような高額な値段になっています。
煙突掃除も人に依頼できますが安くないのでやっぱり自分でやってしまいます。
ちなみに・・
薪ストーブ運用で、
薪ストーブ本体と煙突以外で大きくお金がかかるのはこういうエンジン付きの文明の利器です。
そして、これらのエンジン付きアイテムは使うたびにメンテナンスが必要です。
※メンテナンスしないと耐久性が著しく落ちるし、チェーンソーはメンテしないと危ないです。
時間と体力が無限にあれば、そりゃ安く薪を作れます。
薪作りは出来ますが出来るだけ作業は短時間で済ませたいのが本音です。
休日でも雨天では薪作業はやめた方がいいです。
まさに奴隷作業です。
※出来るだけ浮いた時間分はバイクや車で遊びたいのが人間という生き物です。
ストーブのメンテナンスは超大変
煙突掃除ってやったことありますか?
コレも格好大変です。
理想は、屋根に上がって煙突の上から硬いブラシを突っ込みます。
煙突の最上部にはゴミや雨、鳥が入るのを防ぐカバーがあります。
これを外してからブラシを突っ込むんですが。
屋根の形状によっては素人が登れるもんではないです。
当倶楽部屋根の傾斜がきつい雪国仕様なので屋根に上るのは危ないんですよ。
※煙突掃除中に屋根から落ちてケガとかシャレになりません。
したがって、
室内側から煙突を外して、ブラシを上に向けて突っ込んで掃除しています。
すんごく部屋が汚れますので毎年シーズンオフに一度掃除します。
下から突き上げるのでブラシに付けるシャフトが細かったり力が逃げるような強度のないものだと使い物になりません。
※結構高いのよ・・
意外に、煙突内にススはたまってるもんです。
最低でも年に一度は完全分解清掃をおススメします。
※針葉樹(松とか)だとヤニがあるので煙突が詰まりやすいです。
ちなみに・・
煙突掃除をサボると、煙が逆流して屋内がパニックになります。
※何度かやりました。
当然、部屋中がスモークされた臭いになります。
もちろん、火が付いている間は煙突掃除できません。
ので、完全鎮火してからの作業になります。
それまでの間は煙が部屋に充満、換気を余儀なくされて寒いです。
外がガンガン雪降ってるのに薪ストーブ焚けず、窓全開というのはかなり厳しいものがあります。
※超寒いので煙突は暖かい時期に詰まる前に掃除するべきです。
薪ストーブには消耗品が結構あります
今バスターという触媒装置をはじめ、各扉を密閉させるガスケット、温度計も消耗品です。
これらがいちいち高額です。
こういう消耗品費で大抵数万円程度は毎年飛びます。
温度計はセンサー部が炭化するので今ではつけてません。
※高すぎる。
こんなもんが数万もするんですよ・・
コンバスターは数万円程度します。
そしてそれに巻き付ける板状のガスケットも高い。
※エキマニに巻き付けるサーモバンテージで代用しています。
なくてもいいような温度計すら1万円では買えないのだ。
いらんわ、こんな高い温度計。
これらの消耗品はケチると
と、いいことありません。
※ケチったので全部経験しました。
部屋がすぐ汚れるので掃除が大変
灰の処理や煤の処理以外にも、
薪を部屋に運び込むので木のクズで部屋が大変汚れます。
※きれいごと言ってられないのでこの時点でドラマのような生活はあきらめです。
とにかく。
薪は木くずだらけです。
当倶楽部では、大きめのトートバッグで屋内に必要な分だけ薪を運び込んでいます。
この際、木くずがどうしても落ちます。
※薪ストーブは床が板の部屋に設置すべきですよ。ジュータンとかやばいです。
マメに掃除できないと部屋がホコリだらけになります。
薪ストーブのいい所
薪ストーブのデメリットを先に述べましたがいいところもそれなりにあります。
上手くやると燃料代が極小で済みます。
これには知り合いの果樹園がいたり、無料の伐採情報をかき集めるなどすると燃料代はほぼタダになります。
※この域に達するまで大変です。無料の伐採情報があると薪は早朝から争奪戦になります。
上手く使えるようになると楽しいです。
調子に乗ると危険ですが。
当倶楽部は暖房器具は薪ストーブと一時的に暖を取るための石油ファンヒーターがあります。
※薪ストーブが温まるまでファンヒーターがないと雪国ではつらいです。
それに
一度火を入れちゃえば一晩中あったかいのが素晴らしい。
その他にも薪ストーブにはたくさんいいところがあります。
※その分の犠牲はきっちり払う必要がありますが。
薪ストーブはお客さんのウケが素晴らしい
とにかく、真冬にお酒飲みながら火を囲めるのは素晴らしいです。
夏より、虫がいない、ベタベタしないのでかえって快適だったりします。
ので、
やはりおいしくお酒が飲めるのが最大のメリットかもしれません。
※このためだけに薪作ってるといっても過言ではありません。
当倶楽部で冬にスキー合宿をやると希望者が殺到します。
薪ストーブ炊いてれば、真冬でもTシャツと薄手のスウェットで過ごせます。
※面倒くさいのでもう数年開催していませんが雪不足だから仕方なかろう。
火を見ながらおいしい食事とお酒ってのは田舎生活の中でも満足度が高いポイントです。
※真夏にツーリングから帰ってガレージ前で飲むビールも最高ですが。
ともあれ。
真冬でもビールが旨いのは大きなメリットです♪
※調子に乗ってストーブの上で肉焼いたりすると脂だらけになりますが。
とにかく、薪ストーブはお客さんウケが素晴らしいです。
※お客さんが来る前は徹底的に掃除しますが。
肝心のあったかさは薪の質と量に比例する
薪をケチるとあったかくないのが薪ストーブです。
※自分で作ると大変な薪は本当に大事に使いたいんですよ。
薪ストーブは最初にガンガン炎を上げたほうが早く温まります。
薪ストーブは炎で直接暖をとるわけではなく、分厚い鉄が蓄熱した熱を放熱することで部屋を暖めます。
とにかく早く鉄部分を熱して、温度が下がらない程度に薪を追加していくのが長時間少ない薪で温まるコツです。
薪ストーブ導入して10年以上たちますが、未だに寝る前に薪突っ込んでおく量が多いと暑すぎて目を覚ますことがあります。
※もったいないので最小限にしたいのですが。
こういう贅沢は、いかに良質の薪をシーズンオフに用意できるかどうかにかかっています。
※一年以上乾かさしていない完全に乾いていない薪は火力が弱いし煤が出ます。
ちなみに・・
針葉樹(松や杉)は
薪にしやすいです。
その分、一気に燃えて火力は一瞬強いですが燃え尽きるのも早いです。
※薪屋さんでも針葉樹は安いです。
広葉樹(雑木系)は
薪にはしづらいです。
でも火が長く持つので薪ストーブ業界では良しとされています。
薪ストーブを焚くと真冬でも洗濯物がすぐ乾く
冬の部屋干しは大変どころか、真夏よりもよく乾くくらい乾燥します。
薪ストーブを焚く際は乾燥対策で加湿器二台体制でガンガン加湿します。
それでも洗濯物は一気に乾きます。
※厚手のタオルやジーパンでも一晩で乾きますよ。あとスキーブーツも。
薪ストーブ運用では加湿器が必須かもしれません。
※加湿器入れないと乾燥しすぎて朝起きて喉が痛いことがあります。
冬の間、洗濯物が外に干せない雪国では洗濯物が乾燥するというのは本当に助かるわけで。
これは、意外な副産物というか効能です。
※その代わり、人間の保湿は必須ですよ。
まとめ
薪ストーブは決しておススメはしません。
それでも、苦労に見合った暖かさとちょっとした満足感は得られます。
年取ってからできるものではありません。
体力的に余裕のある30代40代くらいから初めて慣れておく必要があります。
薪ストーブは、
が必須です。
寒いし重いし汚れるし・・
年取ってから薪ストーブを!という人いますがまず体力的に無理です。
※自治体が河川整備で伐採して無料で開放される木なんか太すぎて重すぎて運べませんよ。
薪ストーブは運用に慣れるまでは恐ろしくお金も体力も時間も必要です。
忙しい日本人には長続きさせるのが難しいポイントです。
お父さんが突っ走って無理やり薪ストーブ導入にこぎつけても、
数年使ってみたら大変すぎて部屋のオブジェになってる薪ストーバーも多いと聞きます。
※想像以上に大変です。
当倶楽部でも薪仕事に割り振られる時間は多いです。
※薪仕事中に当倶楽部に運悪く顔を出すともれなく奴隷作業に従事させられます。
その対価として、冬に屋内で炎を囲めるの幸福感につながります♪
※薪作り手伝った人は優先的に冬の飲み会参加の権利を得られるのだ。
こういうネガな現実を聞いても
ぜひ!やってみたい。
そういう奇特な方がいれば、いろんなノウハウがあるのでアドバイスいたします。
薪ストーブ導入は春先から秋口までがおススメですよ。
※薪ストーブ屋さんが暇なので割引も多いし、親切にいろいろ教えてもらえます。