バイク

バイクで出せる最高速度の考え方。スペック上の最大速度や排気量は関係ありません

CBX1000ベースのカフェレーサー。大迫力♪

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ワタクシ
コロナ禍の外出自粛で交通事故自体は減っているようです。
ただし、
交通事故バイクの事故だけが増加傾向にあります。
県単位でみると、バイクの事故数が前年の25%増しなんて県もあります。
皆バイクに乗ってスピード出しすぎ、と言いたい。
バイクに乗るうえで知っておいた方がいいスピードの話です。

 

一般道で100km/hを超えて走るのは無謀すぎ

 

ワタクシ
バイクが直進、車が右折で衝突する右直事故のニュースをみました。
車に大きくめり込んだバイクを見ると相当なスピードで走ってたのであろうことが想定できます。

 

車にバイクが突っ込んで、

  • カウルが原形をとどめてなかったり
  • フロントフォークが折れたり
  • ホイールが割れたり
  • フレームまでダメージを負ったり
  • するような事故のニュース画像を見かけることが頻繁にあります。

    こういう場合、
    大抵ぶつかったほうのバイクのスピードが出すぎているのは明白です。

    相当なスピードで衝突しない限り、バイクはそこまで壊れません。
    ぶつかった衝撃の大きさがバイクのダメージの大きさです。
    それだけバイクが大破しているのであれば乗ってる生身に近い人間なんてのは無事で済むはずがありません。

    両手離して運転してはいけません。

    両手離して運転してはいけません。


    女子ライダーは何やっても絵になるからずるいよね。

    確かにバイクは簡単にスピードが出ます。
    車でいえばレーシングマシン並みの加速力を持っている市販車は少なくありません。
    アクセルをひねるだけでギアを変えることもなく高速道路の法定速度以上のスピードに数秒で達します。
    それを、

  • 素人が
  • 公道で
  • 普通に乗っています。

    プリウスミサイル

    プリウスの事故が多発したときに「プリウスミサイル」という言葉が一時期ネットで使われました。

    バイクはそれ以上のミサイルになりえます。

    しかも、
    バイクの加速力からするとプリウスなんか比較にならないくらい一瞬で。

     

    過失割合がどうとかいう問題ではない

     

    ワタクシ
    右直事故の場合、確かに直進しているバイクの方が道路交通法上優先です。
    ただし、
    それで事故をした場合、ライダーやバイクが受けるダメージを考えれば絶対に損です。
    死んじゃったりしたら過失割合がたとえ10:0だとしても割にあいません。
    遊びで死んだらかなわんのですよ。

     

    当然、死亡リスクは衝突時のスピードが高いほど高まります。

    バイクの外装が吹き飛ぶくらいならまだマシで、
    フレーム部まで大きなダメージを受けている事故車はそれ相当なスピードでぶつかっているハズです。

    こういう人のいないところでも、田舎ではひょっこり車が出てくる。

    こういう人のいないところでも、田舎ではひょっこり車が出てくる。


    そして、大抵は一時停止無視だ。

    ぶつかった状態、バイクや車の破損状態を検証するとどれくらいの速度で衝突したか?は割と正確にわかるようです。

    ただし、
    衝突時は加速しながらぶつかっていくことは、ほとんどないハズです。
    ライダーは車にぶつかると思った瞬間に危機回避のために大きく減速(おそらくはパニックブレーキに近いハズ)するでしょう。

    ということは・・

    例えば、
    事故の検証で100km/hでぶつかったという結果であれば、それ以上の速度で走行していたであろうことは明白というわけです。
    どれくらいの速度で走行していた?もわかっちゃうようですよ。
    そうなると・・
    通行区分は優先だったとしても激しく速度違反であれば同情はされません。
    むしろ、非難される側になります。

    バイク用にはエアバッグ付きのウェアもある。
    created by Rinker

    こんな商品もありますが高速でぶつかったバイクに乗ってたらあんまり意味ない気がします。

    ちなみに・・

    一度大事故を起こしたバイクはまず復活できません。

    特にフレームは目視ではわからないようなゆがみを抱えちゃってることは多いです。
    ※同型車と比べてタンクとエンジンの隙間の広さが違う等、目視できることもありますが。

    一度ゆがんだ金属、軽金属の部品はどんなに修正かけても元には戻りません。
    アルミホイルをクシャっと丸めたら、きれいに戻せないのに似ています。

    真直ぐは知らなそうなバイクの代表。elfプロジェクト。

    真直ぐは知らなそうなバイクの代表。elfプロジェクト。


    elfと言えば、ロン・ハスラムだよねえ。
  • 真っすぐ走らない
  • ブレーキング時に車体が震える
  • 高速でひどく振動する
  • というどうしようもない事象が発生する事故車再生バイクは昔から結構ありました。
    ※マンガ「ばくおん!!」のニコイチモータースを見たとき、昔あった某上野のバイク屋を思い出しましたよ、ええ。

    バイクの中古車価格が高騰しているので、
    綺麗に修正すれば値段が付きそうなバイクは事故車再生することも出てくるでしょうねえ。
    ※こういうのは見ても分からないので怖いんですよ。購入後に判明したとしてもほぼ廃車にするしかないし。

     

    時速100kmで一秒に進む距離

     

    ワタクシ
    時速100kmってどれくらい早いかわかりますか?
    100km/hで走行すると1秒当たり27.7m走ります。
    これって良く考えると相当速いですよ。

     

    走る距離早見表

    ■100km/hの場合
    100,000(m)÷60(分)÷60(秒)= 27.7(m)

    ■120km/hの場合
    120,000(m)÷60(分)÷60(秒)= 33.3(m)

    ■150km/hの場合
    150,000(m)÷60(分)÷60(秒)= 41.6(m)

    こう考えると、
    一瞬でこの速度に達するバイクって相当速いと思いませんか?

    こういうおねーさんでも軽く1〇0km/hとか出すからねえ。

    こういうおねーさんでも軽く1〇0km/hとか出すからねえ。


    女子の方がキレると速い気がします。

    つまり、
    右折待ちの車が認識した100m先から直進してくる100km/hで進んでくるバイクは、3.16秒後に車と接触するということです。

    右折待ちのドライバーは100mの距離を3.16秒でバイクが向かってくるなんて思ってもいません。
    ※バイクが150km/hで走行中なら100m走るのに2.4秒です。

    ■参考
    60km/hの場合
    60,000(m)÷60(分)÷60(秒)= 16.6(m)
    なので
    100m進むには6.0秒かかります。

    この3秒弱は非常に大きいんですよ。

    わずかなスキをついて結構強引に右折してくる車って多くないですか?
    ※考えると交通量がある場所で飛ばすことが怖くなりません?

     

     

    100km/h走行では1分間で・・

    逆に時速100kmで巡行すれば1分間に1,666m(1.66km(大体1マイル))走行することができます。

    これを知ってると退屈な高速道路走行が少しだけ楽しくなります。

    高速道路を100km/hで巡行するとき、
    青看板の表示で目的地まで5kmという表示があれば・・

    5000÷1666=3.00

    3分で着くな♪
    と、概算できるわけです。
    ※ワタクシはよくこの方法で到着予定時間を計測しますよ。

    ちなみに・・

    時速100kmで淡々と1時間走ると、本当に100km走れます。
    当たり前、とか言うな。
    ※ワタクシには結構新鮮でした。

    豪州の砂漠はほんとにこんなところでした。

    豪州の砂漠はほんとにこんなところでした。


    100km/h巡行したのはちゃんと舗装路でしたが。

    実際に豪州の砂漠を縦断するスチュワートハイウェイで実測しました。
    バイクに乗って数時間も足を地面につかないという状況(信号がないし他に人がいない)できっちり計測しました。
    ※かの地では100km/hで走ってる車は遅い方です。ハイウェイとか言ってますが高速道路じゃないです。

    走行中の車に弾き飛ばされたカンガルーやワラビーやエミューが道路わきでたくさん死骸になってました。
    ※カンガルーバンパーってこのためになるのね、と実感した次第です。

    使用したバイクは現地で調達した4つのウィンカーが全部違うという現地改修型の男らしいKLR650でした。

     

    バイクを公道で使う場合の速度域

     

    ワタクシ
    一般公道での走行速度は大きな声では言えないけれど、制限速度+1割から2割増しくらいの速度域が無難です。
    バイクでも、車でも、です。

     

    大排気量車は一瞬でその速度域に到達しちゃいます。
    その速度域まで一気に加速、あとはスピードをキープして巡行するくらいにとどめておくのが賢い大人ってもんです。

    もちろん、
    その速度域で巡行していれば元気のいい車が後ろから抜きにかかってくることもあるでしょう。

    そういう場合は、
    大人しく道を譲ってその車の後ろを十分な車間距離を取ってついて行くのが正解です。

    すごく白バイに狙われそうなバイク。

    すごく白バイに狙われそうなバイク。


    ハンドルが低いバイクは視界も狭いので後方への注意力が散漫になりがち。

    こうすることによって、

  • ネズミ捕りに引っかかることがない
  • 右直事故で正面衝突を避けられる
  • 白バイに目を付けられにくい
  • というメリットがあります。

    当倶楽部では、この走法を「露払い」と呼んでいます。

    ロングツーリングに利用する地方のバイパスなどの土地勘がないのにスピードが乗るような高規格道路では超有効な走り方です。
    ※土地勘のない場所だと白バイがどこに潜んでいるかわかりゃしないです。立体交差の導入路から見てたりしますよ。

     

    現代のバイクのエンジンパワーで出せるスピードは現実的ではない

     

    ワタクシ
    数値的には300km/hで走行できる性能があったとしても、
    バイクで実際に出せるスピードというのはたかが知れています。
    ※逆に、いつでもデカいバイクで全開にしている人なんて見たことないです。

     

    現実的な公道で出せるスピードは、
    走行中に何かが飛び出してきても衝突することなく停止出来る上限速度
    もしくは、
    走行中に何かが飛び出してきても衝突することなく回避出来る上限速度
    です。

    もっと簡単にいうと、
    出せる速度というのは、止まれる速度ということです。

    200km/hとかでなくてもいいと思うし。

    200km/hとかでなくてもいいと思うし。


    毎年ハイパワーバイクがどんどん発表されますが。

    バイクのパワーと性能を自分の能力と勘違いしている過信者はいつの世も多いです。
    最近は特に多く見かける気がします。

    長野はツーリングのメッカなので、
    一般道でものすごいスピードで走ってる大型バイクの群れにもよく合います。
    運転がヘタなサンデードライバーの多い観光シーズンの観光道路で頑張っちゃってるバイク乗りは本当に多いんですよ。
    明らかに時速100km以上で追い越したり、すり抜けたり・・

    そりゃ、いつ事故してもおかしくない状態だと言えませんか?

    物理の法則はバイクにも適用

    どんなにライディングスキルがある人でも走行中のバイクを物理法則を無視して止めることはできません。

    どんなにいいブレーキが付いていても、
    タイヤの設置面積がクレジットカード一枚くらいの面積しかないバイクはそんなに急には止まれないんですよ。

    そして、
    物理法則では、動いているものを安全に制動するためには、速度に応じた距離が必要です。
    ※ABSとかこの際どうでもいいとは言いませんがABSは短制動には向きません。

    物理の法則を無視して瞬間停止できるのは、
    ワタクシが知っている限り、宇宙海賊コブラのタートル号だけです。

    さらに、
    バイクのフルブレーキングはめったに使わないし、練習することも少ないので上手にできない人が本当に多いです。
    ※オフ車乗りは割と低速でフルロックさせたりしますけどね。

    一般道を100km/h以上で走れても、ちゃんと止まれるスキルがないことは無謀であると思いませんか?
    わざわざ危ない橋は渡らず自制するのは大人ってもんですよ。
    ※教習所で危険回避とかやるけどあんなのはおまけ程度です。絶対速度が低すぎます。

     

    まとめ

     

    ワタクシ
    コロナ禍で公共交通機関を使わないバイクがちょっと売れてるようです。
    外出自粛ムードの反動からかストレス解消にバイクを使っているのか、
    バイク事故が増えた
    というニュースと事故の画像を見ました。
    ちょっと悲しくなりました。

     

    事故の画像を見る限り、速度超過が多いように思えます。
    これは明らかにライダー側のミスです。
    ※過失割合がどうなったのかは知りませんがライダーもただでは済まなかったことでしょう。

    バイクの事故が増えれば、

  • 免許制度
  • 上限速度
  • 通行帯域制限
  • などの規制が厳しくなるのは必至です。

    大先輩たちが、やんちゃしすぎちゃった時代のバイクはカッコいいよね。

    大先輩たちが、やんちゃしすぎちゃった時代のバイクはカッコいいよね。


    今まともな個体はあんまり残ってないんですが。

    バイクの規制はワタクシが体験してきた限りのわずかな期間でいえば現状が一番緩いです。
    ※過去に大先輩方が好きかってやり散らかしたもんだからバイクはずっと規制を受けてきました。

    例えば・・

  • 限定解除免許制度
  • 通行区分(立体交差点をバイクは通行できなかった)
  • 夜間通行規制(新宿中央公園の前の通りは22時過ぎると125cc以上のバイクは通行できなかった)
  • 高速道路の速度制限(100km/hで走ると捕まった)
  • 高速道路二人乗り
  • 車検制度が緩くなった
  • などなど、30年前に比べてバイクを取り巻く環境はだいぶ緩和されてきた歴史があります。

    ただし、
    事故が増えたら・・
    元に戻っちゃうかもしれません。
    日本の政府は規制するのは早いんですよ、ほかのことは遅いくせに。

    それに、
    事故になるくらいならゆっくり走ったほうがはるかにマシです。
    飛ばすのが偉いという価値観はもうそろそろやめてもいいように思います。
    ※ツーリングの出先で事故すると本当に大変ですよ。

    バイクはとんでもないスピードで走らせることは可能ですがそんなに簡単には停まれません。
    という事を知って無事に安全にバイクライフを楽しみましょう。

    という、まとめでよろしいでしょうか?
    すみません、いつも以上にまとまっていません。

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    Z1-Rに乗り続けて30年
    東京から長野に移住して15年
    ロータスヨーロッパに乗り始めて10年
    そんなワタクシのリアル実体験「北信州のりもの倶楽部。」です。
    車・バイク共に旧車生活の長さや田舎への移住経験、気が付いたことを記事にしています。
     使えない&くだらない 知識量には自信があります♪

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    当倶楽部のオーナーはワタクシです。

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