ワタクシなりに仮説を立てましたので実証していきます。
結果的にワタクシの感覚では音が押さえられました。
回転上昇は多少劣るかもしれませんが、アイドリングからぴったり安定して良い感じに吹けます。
まずは現状のバッフルの検証を
何台もそういうバイクを見てきましたが知恵と勇気と特殊工具で何とでもなるのです。
結論から書くと「サイレンサーからバッフルを抜くにはスライドハンマーが楽。」です。
というより、
これが無いと抜けません。
ワタクシが買ったセットは既に廃盤になっていました。
今までベアリングを何個抜いたことか(笑)
当倶楽部のスライドハンマーはベアリングプーラーのオマケなので内径38mmまでしか対応していません。
こうやって使うのだ。
工具は応用ですよ。
ということは、
大口径の排気口を持つバッフルではスライドハンマーが付きません。
実際、レース用の大口径のバッフルを持つサイレンサーをどうやって抜くのか想像もつきませんな。
※そんなの買った方が悪いと思うんですが。内掛けタイプのベアリングプーラーでも使うのかしら?
こういうのでも工夫すればバッフルが抜けるのかもしれませんな。
四の五の言ってないで、
サクリとスライドハンマーを使ってサイレンサーからインナーバッフルを抜いちゃいましょう。
これが20年以上前に交換した記憶がありますが、それ以来放りっぱなしのバッフルと消音材です(笑)
これを使って少なくとも5万キロ以上は走っています。
去年シリンダーヘッドを下ろした時、バルブシールが硬化しまくってたので多少オイルも燃えてまして。
消音材はすこーしオイリーな感じがしないでもないですが、思いのほか綺麗なもんですな。
※2stのサイレンサーは1万キロもいかないうちに燃え残ったオイルでベトベトになりますな。
それでも20年近く消音してくれた 建材用の 消音材はボロボロですので撤去します。
基本的に建材として断熱に使う難燃素材は耐久性は低いのかもしれません。
安いので 何度も失敗できるし 試作するには適しているんですが。
※もちろん建材用の断熱材を消音材として実装する際は、ライターで炙って燃えないことを確認しています。
仮説を立証するためにやること
これで少しでも消音効果があればしめたものなのです。
基本的には当倶楽部に転がってる素材を組み合わせましたのでお金はかかっていません。
※今回の作業に当たり、中華製の追加サイレンサーだけ買いました。
その1で立てた仮説を立証するように組み合わせて作業をします。
個々の消音効果は少なくても全部の効果を積算した結果が消音になってればいいのです。
※個々の工夫を一個づつ検証してより効果的にするのが良い結果を得るコツですが面倒くさいです。
こんな記事もあります▼
仮説1>
排気ガスは高温を伴った高音のガスの塊ではないか?
仮説2>
高温の排気ガスはちょっとしたきっかけで膨張・拡散しようとするのではないか?
エキマニにつながるサイレンサーが太くなり始める箇所で一気に排気ガスには膨張してもらいます。
バッフルのエキマニ側のパンチングに自作サイレンサーでよく使われる素材で目の粗い「ステンレスたわし。」を巻きます。
サイレンサーの外側の金属と接触するくらい巻きます。
傷ついてもいいものの汚れをガンガン取るときに楽です。
しかも一袋4個入りで100円というコスパの良さ♪
「ステンレスたわし。」の消音効果は消音材より低い感じはしますが金属なので放熱性に優れているかもしれません。
熱伝導でサイレンサー本体に熱が伝わって放熱されれば熱と音を伴う排気ガスを冷却できるかもしれません。
排気ガスを冷却させて落ち着かせれば、振動も減り音も低くなるっていうワタクシの読みです。
こういうことです。
仮説3>
多くの消音材をきつめに詰めるより少量を緩めに詰めるほうが消音効果が高いのではないか?
消音材は緩めに詰めて内部の空気層を確保して消音効率アップを狙います。
ということで、
前回より緩めに消音材をバッフルに巻きつけます。
今までは消音材がボロボロ崩れるのが嫌なのでサーモバンテージを巻きつけてさらに針金で固定していました。
今回は「ステンレスたわし。」を緩ーく消音材の上にかぶせて固定しました。
この層でも排気ガスの熱を放出してくれるかもしれませんし。
上手く消音材+ステンレスたわしが音を吸着してくれるといいのですが。
消音材の上にステンレスたわしをかぶせます。
仮説4>
市販の安価な「排気口を狭める追加サイレンサー。」は効果があるのか?
中華製の一番安い奴を入手しました。
「このまま装着しても効果ないな。」という印象がバリバリ伝わってきます。
まさにコレですがつくりはアレです。
エンド部がコーン状になってるバッフルの形状のため最後部に固定できませんでした。
※追加サイレンサーをボルトで固定する部分がバッフルのコーンとかぶる。
したがって、
バッフルの後端よりだいぶ手前に固定せざるを得ません。
※この位置次第でも消音効果が変ってくる気もします。
しかも、
この追加サイレンサー固定用ボルトは7mm程度しかなく、なんとなく緩くてすごく頼りない。
熱がかかる箇所だからネジロックが効かないと判断してガレージに転がってた長いボルトに変えました。
念のため、もう一か所針金で固定しました。
よく見るとマフラーエンドから固定用の針金が見えるのですが高回転時にどこかに吹っ飛んでいって事故を起こすよりマシです。
仮説5>
排気ガスを意図的に消音材に誘導すれば消音効果が高まるのではないか?
中華系の追加サイレンサーの細い部分にマフラーバンテージを巻きつけて排気ガスを堰き止めてみました。
写真撮ったけど、すんごくわかりづらいので絵にしました。
消音材にかぶせたステンレスたわしを書き忘れました。
堰き止めた個所の周辺にはその上には、目の粗い「ステンレスたわし。」が待ち構えています。
ワタクシの読みでは排気ガスが、より効果的に中央部から外側に向けて流れるハズ、なのです。
今までストレートにサイレンサーを抜けてた排気ガスが、
バッフルの外側のステンレスたわし+消音材に強制的に誘導され消音されるという寸法です。
※できればスパイラル的な流れを作りたかったけどスペース的に難しかった。
これでストレート構造のサイレンサーのメリットである抜けの良い排気、というメリットは無くなりました。
高回転の伸びはどう変わってくるか楽しみです。
往生際悪く、画像も載せてみた。
とまあ、
5個の仮設を一気に検証して見ることになりました。
個別に仮説を検証して、効果があったところを拡充していく方法が確実なんでしょうが 面倒くさいので まとめて効果を確認します。
・・と言ったところで騒音計とか無いので、効果測定はあくまでもワタクシの感覚なんですが。
さあ、結果はいかに!?
感覚的に静かになった♪
あくまでもワタクシの感覚なので強く言えないのが歯がゆいのですが。
この時代のZ1系エンジン搭載車の特徴であるひゅるひゅるという吸気音が今まで以上に目立つようになりました。
早速エンジンをかけてみます。
セル一発でかかったエンジン音はアイドリングから多少消音された感じになりました。
吸気音が今まで以上にひゅるひゅる言っています。
※ついでにカムチェーン周りのメカノイズも目立っちゃうくらいです。
駄菓子菓子。
ワタクシとしてはもう少し音量が下がると思っていたので、正直肩透かしっぽい結果です。
思いに反して排ガスは結構熱いです。
サイレンサーのシェルが放熱板になって放熱されれば音的にも抑えられるかと思ってたのですがなかなか思い通りにはいかないようです。
走って走行風に当てればまた違うのかもしれませんが、この仮説が正しいかどうかすらも立証できませんでしたな。
まだまだ改良の余地がありますな。
とはいえ、
ワタクシの感覚とはいえ、確実に音量は下がってるし角が取れたいい感じの排気音になったので今回はまあヨシとします。
フィーリングを確かめるため、実際に走らせてみました。
懸念された回転上昇は多少遅くなったような気がしますが慣れの問題かもしれません。
思ったより普通です。
また、
停止状態からクラッチを繋いで動き出す際の低速トルクがちょっとアップした気がします。
出だしが早くなった感じで楽になりました♪
コレも以前と比較したワタクシの感覚なので伝え方と表現がむつかしいのですがね。
そろそろバイクに乗れる時期も終わりに近づいています。
寒くてテスト走行も楽じゃないのです。
ちなみに・・
記事を書いてて思いついたのですが、当倶楽部には昔から非接触温度計があります。
※コロナで流行ったアレです。
エキマニにレーザーを当てれば、
「4気筒のどのシリンダーが爆発してないか。」
が、すぐわかる優れものなのですが エキマニに水をちょっとかければすぐわかるので あんまり使っていません。
これを、
エンジンをかけた状態でサイレンサーの部分部分で温度を計測するのはアリかもしれませんな。
位で。
部分部分で温度を測れば排ガスの熱が、
が明確になるかもしれません。
その場合、
熱伝導の関係でアイドリングを続けるだけでもサイレンサー全体が熱くなるかもしれないので、
エンジン始動直後に複数個所で同時に計測した方が良さそうです。
※非接触温度計は一本しかありませんのでやっぱり厳しいかもしれません。
まとめ
とはいえ、音量は純正並みには届きませんし、KERKERのスモールバッフルよりちょっとうるさいです。
ワタクシ的にはもっと静かになる予定だったんですよねえ。
ガレージには排ガスシステムがないので長時間エンジンかけるわけにはいきませんが、
とりあえずエンジンかけても気にならない音量です。
※遊びに来た隣の家の猫は逃げますけど。
車検も今まで通り、全く問題なくこのまま通ることでしょう♪
とはいえ、
ワタクシのイメージではもう少し静かになる予定だったのです。
何がマズかったんだろ?
もう少しバッフルに巻く消音材を増やすべきだったかな?
気が向いたらまた消音化に挑戦するかもしれません。
※いいアイデアを思いついたらね。
それにしても、
バイクの純正マフラーの消音能力の凄さに改めて脱帽しますな。
※やはり社外品のマフラーはメーカー純正マフラーの技術力とアイデア、設計には遠く及ばないのです。
ちなみに・・
今回の記事は感覚的な結果なので「あくまでも参考まで。」ということです。
あくまでワタクシの感覚の範疇で「静かになった。」というだけの話です。
多分大丈夫とは思うのですが「騒音計で計測したら逆に数値が上がってた。」なんてことも無くはないのです。
※人の感覚なんてのはそんなもんです。
なので、
世の中にはネット情報が溢れていますが「参考程度。」くらいにした方が良いですよ。
確実に有用な情報とか絶対に結果がぶれない情報なんてのは「ただで手に入ると思わないほがいい。」のです。
ただし、
多くの人が不快になるような音量は、当人の感覚がどうであれ×ってことです。
※少なくともそのまま車検に通らないとか、音量で警察に止められるなんてのは問題外ですよ。
多少消音化できているとはいえ、今回ワタクシがやったこと全ては正解であるとは思っていません。
サイレンサー制作のプロが見たら間違っていることの方が多いかもしれません。
※そういう有用なノウハウとか手法というのは有料でも公開されないのが普通です。
とりあえず、
実際にやってみたから結果が得られたのです。
駄目ならダメで、もっとこだわって研究して試行錯誤すればいいのです。
あるかどうかわからんけど 次回のより静かなサイレンサー作成への課題もなんとなく見えましたし。
ワタクシは割と忙しくなってきたので、こんな絵をかいてる場合ではないのです。
※正直、ブログ書いてる場合じゃないです。
結局、サイレンサーをより静かにしたいということに限らず、
「何かをやる際は仮説を立てて数パターンの方法を考えていろいろやってみるといいよ。」
ということなのです。
整備やメンテナンススキルだけでなく、
ライディングスキルでも 危なくない範囲で 小さなことからいろいろ試して身に付けるしかないのです。
最短距離も近道もありません。
誰もが通る道なのです。
同じバイクをずっと楽しむコツは、
「どんな小さなことでも面倒くさがらず面白がって試せるかどうか。」
ってことかもしれません。
面白いことなら面倒なことでも、多少時間やお金のコストはかかっても人間はのめり込むのです♪
人生を楽しむとかQOLをあげるとかいうのは、意外とそういうコトなのかもしれません。