クルマ バイク メンテナンス

FRP作業は手軽で貧乏で簡単な方法もある。邪道で自己責任だが。

こんなたいそうな記事ではありません

こんなたいそうな記事ではありません

Toos

FRPでのカウルやフェンダーの加工、ハードルが高いよね・・
確かに、面倒くさいしいろいろ用意しなければならないのでお金がかかります。
しかもあの乾燥時の匂い・・
そんなに大物を作りたいわけではないのに・・

見えないところに限るけれど、貧乏人にもできるFRP技術を伝授いたしましょう♪

そもそもFRPとは?

Toos

この記事は大きなものをFRPで直すとかそういう趣旨ではありません。
ちょっとくらい欠けたプラ部品やホイールハウスの穴くらいであれば簡単にお安く直る可能性があるよという記事です。

Q.FRPとは何なんでしょう?
A. ファイバー、レインフォースド、プラスチックの略です。
炭素繊維強化樹脂」とも呼ばれます。

要するに、
ガラス繊維を何らかの樹脂で固めれば、それはそれで立派なFRPなわけですよ。

大きめのホームセンターでなら結構扱いのあるガラスクロスやガラスマットを使って何らかの樹脂で固めちゃえばいいわけです。

FRP作業は面倒

樹脂を硬化させるのに、

  • 気温によって硬化剤の混合量を調整
  • 脱泡(空気を抜く)
  • 早くやらないと樹脂が固まっちゃう
  • 硬化剤入れすぎるとかなり熱くなる
  • とか、結構大変なんですよね。

    こんなたいそうな記事ではありません

    こんなたいそうな記事ではありません

    しかも、
    樹脂の硬化中のあの匂い・・
    家の中でやると思いっきり怒られます。

    車の車内のパーツを加工すると運転しないのに酔うくらい匂いが取れません。
    ファブリーズとかやってもしばらくケミカル臭が抜けないんですよ・・

    それに、
    硬化剤を多く入れすぎれば発熱がすごいんですよ。
    樹脂と硬化剤を混合中の紙コップが素手で持てないくらいは余裕で熱くなります。

    とまあ、FRP作業は素人にはそれなりにハードルが高いわけです。

    なんちゃってFRP-Ver1

    Toos

    この技については、
    そりゃFRPじゃねえよ
    という意見もあります。

    本当にその通りです。
    そもそもファイバーじゃねえし、レインフォースド、でもないし。

    でもちょっとしたプラ部品を直すには十分です。

    でも十分に実用的な技ではあります。
    簡易な分、こちらの方が小回りが利きます。

    たまにですが素人で貧乏人のワタクシはプラスチックのカウルのねじ山を割ってしまったりするわけです。

    ほんのちょっとだけプラスチックを自由に加工したいという状況です。
    このためだけに高価なFRPの道具をそろえるのはなぁ・・
    とはいえ、新品のパーツごと買うのも予算的に無理です。

    という場合はですね・・

    なんちゃってFRP-Ver1
    で対応です。

    ■用意するもの

  • 要らないTシャツ
  • 100円均一の瞬間接着剤(ツリロンとかそういうやつです)
  • サンドペーパー
  • 適当な塗料
  • ※ツリロン(笑)は多めに買っておくといいです。

    ただこれだけです。

    ガラスマットはチクチクするぜ

    ガラスマットはチクチクするぜ


    ほんとのFRP作業は常にガラス繊維でかゆくなる。

    で。

    ■作業手順

  • 欠けた部品に合わせてTシャツを大まかに切る
  • ツリロンを思いっきり使って固める
  • 基本的にはコレだけです。

    相手が瞬間接着剤なので割と急がねばなりません。
    意外に硬化途中でも多少成型が可能です。
    ※指がガビガビになりますがこれくらいは我慢です。

    ツリロンはどうせ残っても固まっちゃうので一本使うつもりで行きましょう。

    完全硬化するとドリル等で穴あけ加工も可能になります。
    瞬間接着剤なので周囲が白濁することもあります。
    完全硬化すれば耐水ペーパーなどで削ることが容易にできます。

    ツリロンで固めてそのままだと極めて貧乏くさいです。

  • パテなどで表面を均して
  • サンドペーパーできれいに削って
  • 色ぬっちゃえば
  • 全然問題ないくらいの見栄えに出来ます。
    この色塗りで貧乏くささが加速するか収束するかが決まります

    ワタクシはこれを「貧乏FRP」と呼んでいます。

    何せ失敗しても惜しくないのがとてもいいです。
    ただし、大物の加工には向きません。

    なんちゃってFRP-Ver2


    なんちゃってFRP-Ver1は大物の加工には向きません。
    大体、Tシャツってお前!って感じですね。

    具体的には、タイヤハウス内の錆による欠損を貧乏FRPで直す方法があります。

    それが
    なんちゃってFRP-Ver2
    です。

    こんな感じで直る。穴空いた画像は余裕がなくて撮ってません

    こんな感じで穴が埋まります。穴空いた画像は余裕がなくて撮ってません。


    この後軽くアンダーコートを拭いちゃえばいいです。
    アルミテープは仮止めで使ってます。

    SUZUKI車、特に軽のSUZUKI車はもれなく前輪のタイヤハウスに穴が開きます
    異論は認めません。

    実際に、ワタクシは数台こんな状態の車を見ています。
    ちょっとした傷から錆が進行して広範囲のサクサクの錆になってしまいます。
    こうなるとあっさりと穴が開きます。
    一か所穴が開くと手で軽く押すだけでどんどん穴が広がっていきます。

    雨天時に走るたびに・・

  • 雨がかかる
  • おそらく防錆が甘い
  • エンジンの熱で鉄が酸化
  • 冬の融雪剤がさびた個所に残ってさらに酸化が加速
  • そりゃそうだよな
    って変に納得してしまいます。

    でもタイヤハウスの穴を見て泣いてる場合ではありません。

    いったん発生しちゃった錆の対策には・・
    最強の防錆塗料として名高い「POR-15」
    という強い味方がいます。
    ほんとに最強です

    で。
    タイヤハウス内の大穴については「なんちゃてFRP-Ver2」で解決です。
    ※こちらはツリロンよりはかなり、ブルジョワな材料が必要になります。

    なんちゃてFRP-Ver2、その全貌

    Toos

    ガラスクロスをPOR-15で固めてしまえってことです。
    POR-15は硬化すると結構な強度になります。
    ガラスクロスやマットを三層くらい積層して固める作戦です。

    POR-15は塗膜が非常に厚く、強力です。
    FRPの芯材となるガラスクロスをそのまま固めることができる
    んですよ。

    これは、

  • 樹脂を買って
  • 硬化剤を買って
  • 混合して
  • ・・というよりもはるかに簡単です。

    FRPの樹脂や硬化剤は「賞味期限がある」んですよ。
    大量に買ってしばらくしたら樹脂が固まらない・・とかそういう事象が普通に起こります。
    使い切らないともったいないです。
    ※大物を作らない限り一気に樹脂が減るもんでもないですしね。

    ちなみに・・

    最強防錆塗料「POR-15」は、いったん手についたら全然取れません

    マジで取れません。
    その証拠に、土曜日に作業してちょっとだけ手についたPOR-15が、月曜のこの時間になってもとれていません。
    それぐらい強力なので、必ず浸透性の全くない手袋で作業しましょう。
    僕らの約束だ、とかいう前にいったん失敗してみるといいよ♪
    しばらく何やってもとれないから。

    ■用意するもの

  • POR-15
  • 薄いゴム手袋
  • ゴーグル
  • アルミテープ(剥がしやすくて破けにくい)
  • アンダーコートスプレー
  • ガラスクロス
  • ガラスマット
  • ※どちらかだけでも可能ですが、一層目はガラスクロス、二層目以降はちぎったガラスマットの方が楽です。

    POR-15の色はお好みでいいです。
    タイヤハウスの場合、クリアは止めた方がいいでしょう。
    クリアだとどこまで塗ったかわからないので・・
    おススメは黒かシルバーですが、いずれも手につくとマジで人前に出られなくなるので注意が必要です。

    ■作業手順

  • タイヤハウスの錆部分を大まかに切り取りる
  • 錆が発生している個所とその周辺にPOR-15を塗りたくってこれ以上の錆の浸食を防ぐ
  • ガラスクロスを穴より大きく適当な大きさに切る
  • ガラスクロス何か所かテープなどで仮止め(ガラスマットだとこの時点で結構崩れてくるので焦る)
  • そこに、POR-15をしみこませる
  • ガラスクロスの上の方から、POR-15を塗るというより置いていくスタイルです。
    POR-15の乾燥とともに粘りが出てきますので形を調整しながら進めます。
    とにかく根気よくやりましょう

    焦って形を崩したら修正するのに多大な被害(主に自分にPOR-15が付く)をこうむります。

    ある程度、粘度が出てきたら、ガラスクロスかガラスマットを積層していきます。
    二層目以降はガラスマットの方が扱いやすいですがチクチクする度合いは増します

    もう一枚、もう一枚とガラスマットを張り付け、POR-15を染み込ませるように塗っていきましょう。
    アルミテープなどでの仮止め部分も少しずつはがしていきます。

    大体、3層(3プライ)くらい積層するとかなり強度が出ます。
    俺のタイヤハウスはFRPの3プライで直したぜ!とかいう風に言うと通っぽいです。

    季節にもよりますが、適当に塗りたくって一晩も置けばほぼ完全に硬化します。
    硬化した場所を叩く「コンコン!」という乾いた音がするはずですよ。
    結構な強度が出ています♪

    ワタクシは銀色のPOR-15を使って硬化させた後、ざっとチェックした後にアンダーコートスプレーして完了としちゃいます。


    アンダーコートは特に何でもいいと思います。

    タイヤハウスに穴が開くとか大変けしからん造りとなっているSUZUKIの軽自動車、まあ安いのでそういうもんなのでしょう。
    おそらくディーラーにもっていくと、二桁万円の対価を請求されるはずです。

    なんちゃてFRP-Ver2
    だと全部で5千円くらいで何とかなっちゃいます

    引き気味で見るとこんな感じ

    引き気味で見るとこんな感じ

    なんちゃてFRP-Ver2の作業ポイントは・・

  • POR-15を自分につけない
  • POR-15を車の外装につけない
  • です。

    防錆性能はおそらく世界一でしょうが、かなり危険な塗料です。
    ※以外に紫外線に弱いので外装に塗りっぱなしは向かない塗料です。

    貧乏FRPは使いようによっては武器になる!まとめ

    Toos

    FRP・・ハードル高いと思うでしょうが、こういうところから入ると結構簡単です。
    ※FRPじゃねえし、っていう話はナシの方向で。

    今回の記事はあくまでも貧乏FRPの話です。

  • FRPでフェンダー作ったり
  • FRPでテールカウル作ったり
  • というのはまた全然別な高度な技が必要になります。
    ※雄型雌型とか作るのマジできついし、できても結構不格好だったりします。この辺はほかの人のブログを見てくださいな。

    でも、
    補修とかの用途で普段人目につかないところなら、こんな直し方もあるよというくらいに思っておいてください。

    もちろん、旧車のレストアにも応用が利きます。
    邪道かもしれませんが車の床板のちょっとした穴なら方法で直せます。
    当倶楽部の旧FIAT500のフロアパネルはあまりに腐りきってたのでちゃんとFRPで直しましたが人にはバスタブと言われています。
    板金技術がなくても、現代のケミカルで何とかできたりもします。

    金銭的理由でナンバー取れずに公道に出せませんが修理は完了しています。

    金銭的理由でナンバー取れずに公道に出せませんが修理は完了しています。


    これ以上車の維持費かけらんないしなー

    こういう試行錯誤はすごく楽しいですがいろいろ無駄な遠回りもしがちです。
    ちょっとしたことで大事な愛車を手放すのはもったいないですのでいろいろジタバタしてみればいいと思います。

    さあ、旧車乗りたちよ、文字通り手を汚すのだ!
    もんのすごいお金持ちは、プラリペアという手もあります。
    ※ちょっとした個所ならプラリペアはかなり楽しいです。これはこれで楽しいんですけど結構高くつくんですよねえ。

    今日言いたいことは以上だ

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    Z1-Rに乗り続けて30年
    東京から長野に移住して15年
    ロータスヨーロッパに乗り始めて10年
    そんなワタクシのリアル実体験「北信州のりもの倶楽部。」です。
    車・バイク共に旧車生活の長さや田舎への移住経験、気が付いたことを記事にしています。
     使えない&くだらない 知識量には自信があります♪

    もちょっと詳しいプロフはこちら↓
    当倶楽部のオーナーはワタクシです。

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