昔から外車はハイオク仕様のエンジンを搭載してる車種が多かったので「お金持ち仕様。」かと思っていました。
ただし、最近は国産車でも珍しくなくなりました。
ハイオク指定のエンジンにレギュラーを投入するとどうなるのか?
メーカーの指定にはそれなりに理由があるのです。
そもそもハイオクとはなんだ?
料金的に1Lあたり10円から20円程度違います。
燃料は安い方がいいに決まっていますがハイオク指定のエンジンを搭載していればハイオクを入れるしかありません。
全然、ガソリン関係の税金は見直されないので金銭的にはキツイんですがねえ。
昨今の燃料代の高騰は目を見張るものがあります。
長野県は日本で一番ガソリン代が高い県なのです。
ハイオクは200円/Lだったこともあるくらい。
洒落になりませんよ。
※海外だったら国会議事堂前でデモ行進くらいやると思うレベルで生活を圧迫しています。
そもそも、
なんでガソリンにはハイオクとレギュラーが存在するのか。
車によってハイオク仕様とレギュラー仕様が明確に分かれています。
贅沢な車はハイオク仕様なのですよ。
ハイオクはレギュラーより値段が高いので
「ハイオクは高級燃料、レギュラーは庶民の燃料。」
という意識は確かにありますな。
ハイオクはガソリンのオクタン価という数値が高いのです。
オクタン価が高いとガソリンとして高級だ、ということは間違いないのです。
※オクタン価の最高値は100で最低が0です。オクタン価にはいろいろ意味があるのですが詳しくはググれ。
とはいえ、
貧乏人でもハイオク仕様の車を買っちゃったら諦めてハイオクを入れ続けなければなりません。
ハイオク仕様の車にレギュラーガソリンを入れると、最悪エンジンが壊れます。
そもそも高いガソリンだからと言ってハイオクを入れればパワーアップするわけではありません。
じゃあハイオクって何なんだって話です。
高いガソリンの存在意義はあるのかって話です。
ちなみに・・
欧州では日本で言うレギュラーはありません。
スタンダードなガソリンでもみんなオクタン価の高いハイオクです。
※ワタクシが欧州に行ったときはガソリンは自分で入れてチャージャーのナンバーをスタンドマンに申告して会計するシステムが多かったです。
日本のハイオクでようやく欧州レベルのオクタン価になる、と思えばよろしい。
そういう土地で設計されたエンジンはハイオク仕様だってことです。
この人もハイオク仕様です。
タンクがでかいので満タンにするとすごい金額になります。
じゃあ日本の欧州車乗りは皆がハイオク入れられるほど金持ちなのか?
と言われるとそういうわけでもないのです。
ワタクシの知り合いで見た目が可愛いという浅はかな理由だけで、FIAT500を購入した女子がいました。
※もちろんAT車で4気筒の屋根が開かない奴(´;ω;`)。
しばらくは可愛さに癒されてたようですが。
FIAT500はハイオク仕様という可愛くない一面もあったのです。
いかにも庶民っぽい5ナンバーの小型車がハイオク仕様なのです。
彼女はそれが嫌で仕方ありません。
日本車にはない見た目のデザインに優位性があるとしても欧州車はほぼ全部がハイオク仕様ですからね。
さらに。
4気筒のFFという小回りの利かなさや2ドアという使い勝手の悪さも手伝って、割とあっさりとMAZDA車に乗り換えました。
TwinAirエンジンでMT車だったらワタクシが買いとったんだけれどね。
※屋根は空いても開かなくてもいいけどあの手の車ならMTは譲れないな。
デザイン性の高い外車や高級車、スポーツカーはロマンなので燃費とかハイオク代とか気にしちゃいけないのです。
実用だけを考えるなら国産車が良いですよ。
生活にうるおいはないかもしれませんが同じ距離を移動するコストは非常に安い。
なにせ壊れないしね。
ハイオク仕様車にレギュラーガソリンを入れるとどうなるのだ?
ネットではこの手の検索はものすごく多いらしいですな。
セコい。
ハイオク仕様車を買ったら諦めてハイオク入れなさいってことです。
基本的にハイオク仕様車はハイオクガソリンを使うことです。
エンジンがそういう風に設計されているのです。
具体的にどういうことかと言いますと。
ハイオクガソリン仕様車のエンジンは圧縮比がレギュラーガソリン仕様車より高いです。
圧縮比はシリンダー内の混合気がピストンでどれくらい圧縮されるのかということで、
圧縮が高いほど爆発時の膨張力が大きくなるのでパワーを得やすく、結果として出力が向上するのです。
※車やバイクのスペックを読む際、圧縮比を語られると「おお!」と思うのです。
ただし、
混合気の圧縮をあげすぎると熱を持つので圧縮熱だけで自然発火してしまいます。
※燃えやすい経由のディーゼルエンジンはこの方式なのでプラグがありません。混合気を圧縮するだけで爆発します。
プラグで点火する前に爆発してしまうと、
シリンダー内で意図しないタイミングで爆発することになります。
点火というのはがっちり決められたタイミングで行わないとピストンの動きを邪魔しかねません。
意図しないタイミングでシリンダー内で爆発が起きると大幅にパワーダウンするのです。
適正なタイミングで点火が行われないと、いわゆる「ノッキング現象。」を起こします。
※ハイオク仕様車にレギュラーガソリンを入れると良く起こる。旧mini乗りはみんな知ってるハズ。
ノッキングを起こすとガクガクと変な振動が出てカリカリと変な音がしてヘタすればアイドリングもしないです。
点火タイミング調整したことあればよくわかるハズです。
※点火タイミングについて書きだすと非常に長くなるので別の記事にします。
こんな記事もあります▼
ノッキングは異常燃焼と訳されることがありますが、こういう正しくないタイミングで点火した時に起こる現象の総称です。
ここからようやく本題に戻れますな。
ハイオクガソリンはノッキングを防ぐためにオクタン価を高めに設定しています。
オクタン価が高いハイオクは、
燃えにくいのは性能が良くないと思われがちですが高出力を得るためには燃えにくい方が有利なのですよ。
というのは。
「ガソリンは圧縮すればするほどパワーが出る。」
からです。
ターボ車は圧縮比を絶妙に調整してたりしますがね。
ただし。
「圧縮しすぎると勝手に爆発する。」
というネガな性質を持ち合わせています。
※なのでハイオク仕様のエンジンにレギュラーを入れると勝手に爆発しちゃうのです。
これを解決するために圧縮しても熱がこもらないようにオクタン価をあげて、
勝手に燃えないようにしたのが「ハイオクタンのガソリン。」というわけです。
※今更ですがハイオクはハイ・オクタンの略ですよ。
ゆえに。
同じ排気量で人のマシンよりパワーを出したいレーシングマシンは圧縮が高いハイオク仕様なのですよ。
※レーシングマシンはホントにこんな排気量なの?ってくらいハイパワーです。
高出力は欲しいけれど、環境性能の制限があって・・。
という場合でも圧縮をあげればパワーダウンをある程度押さえられるのです。
最近のバイクはハイオク仕様が増えていますな。
※海外仕様をそのまま国内で売ってるというのもあるけど。
ゆえに。
レギュラーガソリンを入れると異常燃焼を起こして壊れるリスクが非常に高いのです。
今時の車はノッキングセンサーがあって異常燃焼を押さえるようなシステムを積んでたりもしますが、バイクにはそんなのありません。
※今のバイクは電子装備満載でデリケートですので想定外の使い方をされると一発で壊れますよ。しかも修理代は高いです。
ハイオクはレギュラーと比べて爆発力が強いわけではなく、
混合気の高圧縮にして馬力を稼ぎたいとき、勝手に爆発しないレベルで圧縮に耐えられる性能を持ったガソリンというわけです。
ちなみに・・
嘘か誠かイマイチ確証がないのですが、
「真夏の空冷エンジンにはハイオクがよろしい。」
とワタクシの仲間内では言われてました。
「圧縮しても混合気の温度が上がりにくいので冷却的に有利だから。」
というのがその理由でした。
ワタクシは走行してエンジンに風を当ててればあんまり変わらないと思うので、
デカい空冷のZ1系のバイクにも基本的にはレギュラーを入れてます♪
※レギュラー仕様にハイオク入れても体感はしずらいのよ。
厳密にいえば燃えにくいハイオク用の点火タイミング設定とかしないといけないしね。
ハイオクはどれくらい燃えにくいのか。
その手のエピソードはワタクシのつたない経験でもあったりします。
当倶楽部では2stのオフロードレーシングマシンを所有しています。
※近々手放す予定。
とんでもなく速いし、エンジンからはレーシングマシンと同じ音がする。
KTM125EXCとYZ85です。
※YZ125はだいぶ前に売った。
レーシングマシンだけに両車とも排気量に見合わないとんでもない加速をします。
みんな一度くらい乗った方がいいよ、と思うくらいびっくりする加速をします。
ただし。
高価な指定オイルを混合したハイオクガソリンが必要になります。
そんなに走ってないのに速すぎて嫁には扱いきれないので手放すことにします。
異常に綺麗ですので惜しいのですが。
これらには2stオイルを混合したハイオクガソリンを入れています。
※マニュアルというかユーザーズマニュアルに高いオイル使えと書いてあるので。
コース走行では毎回混合したガソリンを使いきれるわけではありません。
ゆえに。
余ったハイオクガソリンは当倶楽部で街乗りに使ってるレギュラー仕様の2st勢に使うことも有ります。
DT200WRやKDX125SR1号機、2号機がそれです。
※多少煙が増えますがぶん回して使えばそれほど問題はありません。
が。
レーシングマシンでは軽くエンジンがかかる2stオイル混合のハイオクガソリンでも、
くたびれたレギュラー仕様車に入れるとプラグがかぶるくらいエンジンがかからないことがあるのです。
レストア中のKDX125SR2号機でまさにこの状態になりまして。
いくらキックしてもエンジンがかかるどころか初爆もありません。
プラグが何本もかぶりました。
セッティング用の使い古しのプラグの再利用なので別にいいのですが。
こんな記事もあります▼
軽く焦ってキャブの分解清掃をしたのですが、やっぱりかかりません。
※もちろんオーバーフローはしていません。PWK28です。
もちろんプラグ単体では火花がばっちり飛んでいますし。
というわけで、
キャブやプラグ、電装の不具合というわけでもなさそうです。
その後、キャブ内のハイオクを全部抜いてレギュラーに入れ換えたらキック一発でエンジンがかかったのでした。
だんだん形になりつつあるけど秘策はまだあるのだ。
特に、ちょっと時間の経過したハイオクガソリンは始動不良の傾向が出やすいみたいです。
理由はわかりませんがワタクシは経験上、古いハイオクガソリンは点火しずらくなるのを知っています。
あと、
気温が低い冬だと2stはエンジンが一層かかりにくいのでした。
夏は平気でかかったりしますが、気温が高いほうがガソリンの気化率が高いからなのでしょうねえ。
※レース用の混合ハイオクをレギュラー仕様車に使う場合は暑い時期にやるべきですなぁ。
KDX125SR2号機もそろそろ本気で直さねばなりませんので、
ワタクシはツーリングに出かけない冬の時期でもガレージで作業をすることは多いのです。
冬でもエンジン始動関係はガレージシャッター閉めて作業すると大変なことになるので冬でもシャッターは開けっ放しなのです。
クッソ寒いのでフル防寒装備なので、キック連発すると汗かくくらい暑くなります。
反動で風邪をひきそうですが長野の真冬に屋外でエンジン弄る方が悪いのかもしれませんな。
※バイクや車いじりは冬でも楽しいので丸一日ガレージにいたりします。
まとめ
でもハイパワーを狙う設計には向いています。
ハイオク仕様のエンジン搭載車にはレギュラーは入れるべきではありません。
レギュラー仕様のエンジンにハイオクを入れるのは構わないと思いますが高いだけで変化はあんまり実感はないと思います。
ハイオク仕様の車やバイクに安い燃料のほうがコスパがいいのでレギュラーを入れたくなるのも分かりますが、
そういうセコイ節約をすると後でとんでもない修理代を請求されたりするのです。
そういう仕様の車を買った自分が悪いとあきらめましょう♪
コストや実用を重視するなら少しでもランニングコストが安いレギュラー仕様車を買えばいいだけです。
ただし。
今後は環境性能とか国際的なマーケットを考えるとレギュラー仕様車は減っていく可能性がありますけども。
※日本という国はマーケットとしてはもう成り立たないくらい勢いがないし、人口も減るので仕方ないのです。
レギュラー仕様車は何となくスタンダードなイメージがあって、所有満足とかは低めかもしれませんが、
レギュラー仕様の車でも街中走る分には全く問題ありません。
世界的に見るとレギュラーの方がイレギュラーなのかもしれません。
※上手いこと言った気がする。
ちなみに・・
そろそろ日本国民は車に関する税金の高さを怒らねばならんよ。
いろんなもんの値段が上がってそろそろ生活を圧迫し始めてるのに車関係の税金は一向に見直されない。
国民を舐めきっている。
すぐ忘れる国民も悪いんですがね。
さらに走行距離税とか重量税の見直しとか言い始めた。
※電気自動車からはガソリン税取れないからね。
そのうち、車の容積で税金がかかるとか言いそうだ。
そんなんなら車に乗らなくてもいいやという人も出始める。
車は趣味のもので金持ちしか乗れない贅沢品になるのだよ。
全くこの国の車文化は逆行してるとしか見えないのです。
※衰退する車の文化を先導するのが国ってのがまったく気に入らないのです。