ドライバーとネジの関係をちょっと深堀します。
「プロや専門家の言うことは難しすぎる」
※素材がどうとか強度がどうとか言い始めると長い。
というわけで。
素人メカ代表のワタクシの体験+ちょっと調べたことをまとめました。
プラスドライバーには規格がある
意外にも少ない気がしますが事実です。
ドライバーはネジのサイズによって使い分けるべきなんです。
※結構面倒くさいんですが。
まず、これだけは覚えて帰ってくれ。
プラスネジは頭部の溝とドライバーがマイナスネジに比べて多く接する分、力をかけやすく高いトルクをかけられます。
とはいえ、
プラスネジを回す際にドライバーの先が回転力に負けて浮き上がるので適合した工具を使い、強く押しつけながら回す必要があるのですよ。
溝にしっかり合致していないドライバーは浮き上がりやすく、ネジを舐めやすいのですよ。
※小さいドライバーと大き目のネジの組み合わせは超ネジ山を舐めやすいです。
要するに、
規格に合ったネジとドライバーの組み合わせをしないと、
「ネジを舐めても知らんよ」
ということなんですわ。
※この板ラチェットがCVKキャブのメンテに使い勝手がいいです。
ワタクシは結構KTC派です。
規格は4種類
JIS規格ではプラスドライバーの事を「十字ねじ回し」といいます。
なんかやぼったい言い方ですが正式名称なんてこんなもんです。
検索するとわかりますが工業規格の解説書は素人が見ても全然よくわかりません。
※「わざと難しく書いているスマホの契約書」みたいです。
というわけで 中学生でもわかるように 簡単にまとめます。
■プラスドライバーH形(フィリップス)のJIS規格
※フィリップスについては後で書きます。
規格 | 適合ネジ(おおむね) |
---|---|
No.1 | 2.0mm~2.9mm |
No.2 | 3.0mm~5.0mm |
No.3 | 5.0mm~7.0mm |
No.4 | 7.5mm~8.0mm |
※#1、#2、#3、#4と言う書き方もします。
普通のご家庭では#2が使い勝手がいいです。
木ネジやホームセンターの組み立て式家具なんかもほとんど#2で間に合います。
ただし、
車やバイクを自分でメンテナンスする人は#3も持ってた方がいいですよ。
メガネレンチやスパナのように完璧に適合しないと使えないというものでもないのですが、ネジ山を舐める感覚と言うのは何回やっても嫌なもんですしね。
ドライバーは数もっててなんぼです。
ドライバー選択セオリー
ネジとドライバーの適合サイズがわかんない場合、
プラスドライバーは大き目のサイズから使っていくとネジを舐めずらいです。
合わなかったらワンサイズ落とします。
プラスネジは、割と小さいサイズのドライバーでも回せちゃいますがネジ舐める危険性が格段に上がります。
当倶楽部の書斎を作った時に
- 電源タップをかけたり
- 時計をかけたり
するのに木ネジを多用したのですが、そこら辺に転がってた#1のドライバーを使って何本か舐めました。
※木ネジって下穴開けないとすごいトルクがかかるので舐めやすいという事を学習しました♪
フィリップスってなんだ?
米国のフィリップス・スクリュー社が「トンプソンおじさん」の発明したプラスネジの特許を買い取って広めたので、フィリップス型ドライバーと呼ばれるようになったらしいですよ。
英語で書くと「phillips screwdriver(フィリップス・スクリュードライバー)」。
※キン肉マンの必殺技みたいですね。
日本では「プラスドライバー」の方が通りがいいです。
「フィリップス?ああ、髭剃りね♪」
という人がほとんどです。
言っておきますが髭剃りメーカー「Philips」は別の会社です♪
※スペルが違うんですよ。
未だにスナップオンと聞くと、身構える。
金持ちがみんな使ってる。
ちなみに・・
時計とか眼鏡で使う「精密ドライバーはJIS規格にはない」んですよ♪
精密ドライバーはS形(スペシャル)と言う扱いで、
JCIS 10-70(日本写真機工業会団体規格)での規格となっています。
- No.0
- No.00
- No.000
※0が多いほど細かくなる。
その他にも、
プラスドライバーの亜種としてZ形(ポジドライブ)と言うのもあります。
単純な+型のネジではなく、その上から薄く斜めに×の溝が掘ってあるネジです。
回す際に浮き上がりを防ぐらしいんですが、ワタクシは実感したことないです。
ちょっと古めの欧州車によくつかわれています。
※ロータスヨーロッパに多用されてますが「普通のプラスドライバー」で普通に回せます♪
マイナスドライバーにも規格はある
プラスほど明確ではないんですよ、困ったことに。
この辺、突っ込んで解説してる個人ブログってあんまりない気がします。
マイナスドライバーの規格は、
- 軸の長さ
- 先端部の刃の幅
- 先端部の刃の厚さ
が決められてるだけです。
プラスのように「No.n」みたいな書き方してくれればいいんですがね。
一応、マイナスドライバーの「先端部の刃幅と刃厚の関係には決まりがある」んです。
ネジの頭の溝サイズがJIS規格で決まってるので、それに合わせてあるのですよ。
※そりゃそううだね。
というわけで、
マイナスドライバーの指定の仕方は、
「先端の刃幅×軸の長さ」
で表記されることが多いです。
ex>5.5×100mmとか、6×50mmとかです。
要するに
「マイナスドライバーは多種多様な組み合わせの規格がある」
ってことです。
刃幅と刃厚の関係表
下記の表を参考にするといいです。
※単位はmmです。
先端部の刃幅 | 4.5 | 5.5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
先端部の刃厚 | 0.6 | 0.7 | 0.8 | 0.9 | 1 | 1.1 | 1.2 |
これと軸の長さを組み合わせます。
※単位はmmです。
軸の長さ | 50 | 75 | 100 | 125 | 150 | 200 | 250 | 300 |
STRAIGHTはいつも僕らの味方だ。
ちなみに・・
ドライバーを買うとき、特にマイナスドライバーを買うときは貫通ドライバーを選んだ方がいいですよ。
その理由は「貫通ドライバーは頑丈なのでドライバー以外にも使い勝手がいい」からです。
本来やってはいけませんが、
- ハンマーと組み合わせてノミのように使えたり
- 部材の隙間に突っ込んで固着を剥がしたり
出来るからです。
※Z1系のエンジンのシリンダーには「此処にマイナスドライバー突っ込んでシリンダーを剥がしてね♪と言う溝」が本当にある。
実に使い勝手がいい。
ワタクシは、先端がかけた貫通マイナスドライバーは躊躇なく「ぶったたき用として余生を送らせる」ようにしています。
工具は本来の目的以外にも使えることが多いので、傷んだ工具も積極的に保管・利用しています。
※ブッシュ圧入の時にソケットレンチのコマ使ったりするのは普通ですね。
まとめ
当然、ネジやドライバーの規格は知っておいた方がいいに決まっています。
ただ、
意外とみんな知らないのです。
メンテナンス初心者は、最初に正しいドライバーの使い方を覚えることをおススメします。
※意識しなくても年間200本とかネジ回したりしてると身体で覚えますが。
とにかく、バイクや車のメンテではドライバーを多用します。
メンテ歴が長い人はいつの間にかたくさんの種類のドライバーを持ってるもんです。
※そのうち、いろんなドライバーの種類をまとめて・・記事に・・する気はありますが網羅できそうもないので確約はしません。
ドライバーの規格がわかってないと、ホームセンターで間違ったサイズのドライバーを買っちゃうんですよ。
※当倶楽部には間違って購入した使い道のない工具が山のようにあります。
とりあえず、
- ドライバーはセットで買って不足分を買い足す
- 自宅でメンテするなら有名メーカー製の軸が固定式のドライバー
- 車載工具にするなら安い差し替え式のドライバー
という感じで買えばいいと思います。
※出先では工具は数持っててなんぼです。
車載工具として携帯するならもっと小さい安物でも十分。
上記リンクで探せます。
ドライバーはイロハのイ
日本で普通に生活している人は正しいドライバー知識がないのが普通です。
なにせ、
普通の学校ではドライバーの知識なんて教えてくれないのです。
※「ものつくり大国」ってこういうことができるのが普通ではないかね?
知らないがために
- ネジが外れない
- ネジを舐める
- にっちもさっちもいかなくなりパニック
という「メンテナンス恐怖症」に陥る危険性があります。
こうなると、
「自分はメンテナンスに向いてない」
と、すぐ感情的になる人が非常に多くて残念です。
正しいドライバー規格や知識、使い方を知ってるか知らないかでハードルを簡単にクリアできるかもしれません。
というわけで、
ワタクシがおせっかいにも立ち上がったわけです。
当倶楽部では、エンジンなどの本気整備の時にはサブツールワゴンの出動になります。
ワタクシが買った時とはセット内容が微妙に違う。
そして続きとして、
「正しいドライバーの使い方」
を解説する記事を用意しております。
「アナタは正しくドライバーをつかえているか?」
震えて待て!