
来た時からフロントタイヤがバーストしていました。
リアはカッチカチに硬化しています。
ゆえに押し引きが大変だったのです。
タイヤは交換するしかありませんが素人がDIYで出来るのか?
出来ました♪という記事です
当記事の目次
VT250FHのフロントタイヤサイズは16インチ

フロントタイヤは16インチという今ではほぼ見かけなくなったサイズです。
VT250FHのタイヤサイズ
とまあ、今のバイクと比べるとかなり細い。
※でも太さだけなら、Z1-RやZ750D1と同じ(笑)
もちろんチューブレスです。
タイヤを交換するならバイク屋さんに行って、
「生きのいいタイヤに交換してくんな!」
と粋な感じで頼めばやってくれるでしょう。
ですが、いかんせん高い。
バイクのタイヤなんてのはネットで買えばかなり安いのです。
ただし、
自分でタイヤをホイールに組める人はバイク乗りといえどもそれほど多くはありません。
※オフ車乗りでも自分でタイヤ組み換えできない人がいるのにはビックリしますが。出先でパンクした時どうすんの?
こんな記事もあります▼
その中でもチューブレスタイヤの交換を自分でしたことがある人はほとんどいません。
※少なくともワタクシの周りでチューブレスタイヤを自分で自宅で交換してる人は一人も知りません。
さらに、
田舎にはバイクのタイヤ交換をしてくれるショップは多くありません。
したがって、
「田舎のバイクのタイヤ交換はかなり割高。」
なのですが、
背に腹は代えられないので仕方なく高額なタイヤ代を支払ってるというわけでです。

VT250FH。こんなタイヤで走れるわけなかろう。
どこもかしこもこのレベルでボロイです。
ワタクシはここ数十年間、自分で交換できないタイヤを装備するバイクを買わない主義でしたがVT250FHに手を出してコマてしまってたわけです。
※タイヤは命を乗せているので早めケチらず自分の都合のいいタイミングで交換したいんですよ、ワタクシは。
ちなみに・・
某長野の有名一流(?)バイクショップでは「タイヤは定価売りが基本。」だそうです。
はっきり言いますが、いわゆる定価はネット価格の1.5倍は余裕で高いです。
※交換工賃はまた別。チューブ仕様だとさらに高い。
自分で交換した方がいいに決まっています。
でも、
チューブレスタイヤというのはビード部が固くてタイヤチェンジャーなどの機械がないと凄く組みにくいのですよ。
しかも、
16インチという小径タイヤです。
作業性が非常に悪いことが予想されます。
ワタクシもちょっと自信がない。
VT250FHのタイヤ交換には めずらしく 躊躇してたのでした。
出たとこ勝負でタイヤを発注する

※最近原油由来の製品が片っ端から値段が上がってます。それも1割くらい平気で。
作業できる自信がない・・。
それに加えて、
想定を超えるボロさのVT250FHは、予想以上にレストア費用が掛かり現時点で予算を大幅に超えています。
そのため、タイヤが買えずに困っていました。
のですが、嫁からタイヤ代をお借りしました。
※利子は家事全般というえげつなさですが仕方なし。
16インチのタイヤは今となっては特殊なサイズなのか、ネット販売には珍しく到着まで1週間程度かかりました。
まあ全く問題はないのでいいんですが。
普段は21インチとか19インチとか18インチとかのタイヤしか見たことないのでかなりタイヤは小さく見えます。
※でも16インチと17インチではほぼ差がない感じ。組む前に外周のサイズ測っておけばよかったかも。
銘柄は、
としました。

VT250FH。フロントタイヤ。
新しいタイヤはいいものですねえ♪


このリンクから同サイズの別銘柄の検索もできます。
タイヤの値段がこれからガンガン上がりそうですなぁ。
ちなみに・・
16インチのタイヤ装着車両は、
といったイメージがあります。
ワタクシも最近までそう思っていました。
ただし、
どうもそれだけではないらしいんですよ。
ワタクシの友人Y氏(猛烈レース関係者)と最近飲みながら話したのですが、彼が言うには
「16インチホイールならタイヤの設置面を広くとれる。」
というのが主な理由だそうですよ。
確かに、
同じ外径のタイヤならホイールが小さくなった分タイヤは太くかつ高く出来るわけで。
接地面が増やるという寸法だそうです。

Excelでタイヤの絵をかいてみた。
左が17インチ、右が16インチとしてみてください。
外形が同じならタイヤが太く長くできるのがわかります。
これにより
ができるようになったと。
なので、
では、それほどタイヤの外周の長さには差がないのです。
そもそも、
「当時からタイヤメーカーは経験上、これくらいのタイヤの外径が最もスポーツ走行に向いていることを知ってた。」
らしいのですよ。
ゆえに、
80年代中盤くらいは排気量を問わずに16インチが一大旋風を巻き起こしていました。
※RZ250シリーズは割とぎりぎりまで18インチで頑張ってた。YAMAHAの良心かもしれませんな。
時代とともに次第に16インチホイール装着車が減っていったのは、
スピードが落ちるコーナーではジャイロ効果が急激に無くなるので勝手にハンドルが切れ込む現象が起きたから。
これをクイックなハンドリングとして有難がってたのが バカばっかりだった ワタクシ達世代。
ですが、
やっぱり雨天などの不安定な路面状態では怖さが助長されるのでした。
ある程度ホイールが太くないとこの現象が顕著に出るようです。
でも太くすると「軽量である。」という大きなメリットがなくなります。
で。
スポーツ系バイクは18インチの素直な特性と16インチのクイックな特性の間をとって、
「素直なハンドリングでトレッド面がそこそこ広く出来る17インチホイール。」
になっていくのでした。
※公道用の17インチホイール装着バイクは、かなり18インチよりの性格らしいですよ。ワタクシは所有したことないですが。

YAMAHA RZV500。

GSX750S3。リトラクタブルライトばかりに目が行く

GPZ400R。今乗ってたらヒーロー級。
みんなフロント16インチでしたな。
これも時代ですねえ。
まあ、GPZ900RもFZ750もRG500γもRZV500Rも全部16インチホイール装着車ですよねえ♪
一世を風靡した16インチ車ですが意外と寿命が短かったんですねえ♪
※写真を見ると16インチの小径ホイール搭載の大型バイクはフロントタイヤが太く見えますな。
マジか?タイヤのビードがホイールから剥がれない

タイヤをホイールから外す際、リムからビードが落ちないんだよ、チューブレスタイヤって。
知ってた?
レストア中のVT250FHは、どこもかしこも錆付いていて、ホイールを車体から外すのも大変でした。
フロントフォークの下でホイールのシャフトを挟んでるブラケットが錆で固着してて外れないのには参りました。
無理やり古くなったスクレーパーを隙間に叩き込んでブラケットの固着を剥がしてホイールを外しました。
こういう時にセンタースタンドがあるのは超便利です♪
※でもフロントフォークのアクスルシャフトは最後まで抜けずじまい。今後の課題としたい。

VT250FH。
このフォークの下についたブラケットが固着してて全然外れなかったのよ。
さてここからが本題です。
車体から外れたホイールからタイヤを外していきます。
が。
ワタクシが不安に思ってたことはすぐに起きました。
ホイールからタイヤが外れないのです。
チューブレスタイヤ
チューブレスタイヤというのはタイヤ自体がホイールと接して空気を漏らさないようになっています。
ということは、
ある程度ホイールと接してる部分(ビード)には強度があるわけです。
そしてそこはホイールと密着しています。
チューブタイヤはチューブが空気を漏らさない役割を担っているのでチューブレスタイヤほどがっちりホイールと密着していません。
ゆえに、
全体重を乗せてタイヤの上でジャンプすれば大体ビードがホイールから剥がれるんですが。
さらに古くなったチューブレスのタイヤは全体的に硬化しているわけです。
なのでビードとホイールの密着面が全然剥がれないんですよ。
うむ。
参った。
ワタクシのイメージでは簡単に外れる予定だったのだが。
これだけお店を広げた状態でお手上げ、というわけにもいきますまい。
ならばあるものでやってみようぢゃないですか。
ちなみに・・
古いチューブレスタイヤを交換する際はエアバルブもついでに交換した方が良いです。
絶対とは言いませんが、このエアバルブのゴムが劣化していることがあります。
※ここから少しずつエア漏れすんのよ。スローパンクチャーの原因がエアバルブだった、ということはよくあります。
タイヤ交換の際はエアバルブもついでに交換するのが無難です。
大した高いパーツでもないですし、取り付けるには絶対タイヤを外さないといけませんので。

まあ、買いだめしておくようなパーツではないんですがお店で買うと一個500円くらいします。
タイヤ交換のついでにやれば大したことないんですが、あとで組もうとするととんでもない手間がかかる部品の代表。
エアバルブを外す際はカッターでぶった切るのが最も簡単です。

VT250FH。エアバルブ取り付け
この方法でやると「にゅるっ。」と入ります。
取付ける際は、エアバルブ表面にシリコンスプレーをひと吹き。
ホイールの裏側から突っ込んで、8mmのメガネレンチを引っかけて、引っ張り出せばオッケーです。
ものの数秒の手間と数百円のパーツ代を惜しんだために、ずっと空気漏れに悩まされた人を知っています。
※な、T君。君のTRX850の慢性的なスローパンクチャー癖の原因はこれだったねえ(笑)
当倶楽部にあるものでビードを落としてみる

ホイールも傷みそうだしな。
で、
特殊工具を漁ってたところ、押さえつけるのに効果的なものを見つけました。
バルブスプリングコンプレッサーです♪
※要するにC型クランプのでかい奴です。
と、ビードがホイールから剥がれる、という寸法です。

VT250FH。こういうことです。
ホイールが傷つくのは嫌なので、ホイールに当たる方は合板をあてがいました。
※タイヤ側は直当てです。
ぐりぐりぐり・・。
おお。
ビードが局部的に落ちてる♪
一か所落ちればあとはその周辺を押して一周すればビードは完全にホイールから落ちます。

VT250FH。
何のドラマもなく一部のビードが剥がれました。
この手法、使えます♪
これを反対側のビードにも行います。
※ビードはタイヤの左右あるのよ、わかるね?
ここまで来たら、
チューブレスタイヤと同じ要領でタイヤレバーを使い、さくさくとタイヤを外していきます。
30年くらいやってると慣れたもんで、タイヤがホイールから外れる迄3分くらいです。

VT250FH。
ここまで行けばずっとワタクシのターン。
小径ホイールだからタイヤをホイールから抜くのは大変かと思いましたが意外と楽勝でした。
コツは、抜こうとするビードの対角線上のビードをシッカリホイールのビード逃がし(ウエル)に落とすことです。
※これがわかってないと絶対ホイールからタイヤを抜けないし、ホイールにタイヤをハメることもできないです。
ちなみに・・
ワタクシはタイヤレバーは二本でタイヤ交換をするタイプです。
タイヤ交換にはいろんな流派(?)がありまして。
などなど、いろんなこだわりがあるのです。
まあ、こだわりを持った人と話をするのは楽しいのですが、それが必ずしも絶対ではないのです。
ワタクシの場合、
「出先で最少数の工具で対処できるスキルを身に着ける。」
という絶対揺るがない信念がありまして。
最低限のレバー二本(フラットレバーが好き)でタイヤ交換を出来るようにしています。
万沢林道ツアーでDT200WRのフロントタイヤがパンクした時、タイヤ外してチューブ交換、空気入れ迄15分でやったのはいまだに神業と言われています。
※ちょっといい気分♪
まあ予備の新品チューブと入れ替えただけなのでパンク修理自体をしたわけではないんですがね。
次回に続く

いつも以上にまとまりません。
※仕事がくそ忙しい中で文章書いて疲れた・・。
ともあれ。
チューブレスタイヤは簡単にはホイールから外れてくれません。
通常、DIYでチューブレスタイヤをホイールから外す際は「ビードブレイカー。」という工具を使いますが普段使わないし、場所を食うので邪魔です。
よほど敷地が広いお金持ち以外は持ってないでしょう。
※地面に置くタイプの大型工具類は場所取るので嫌いです。

安い。5千円くらいで買える。
はるか昔に誰かが2×4材で作ったという話を聞いたような気がする。
とはいえ、
工夫次第ではチューブレスで ラジアルタイヤは無理かもしれませんが バイアス構造のタイヤなら工夫医大ではDIYでタイヤを外せます。
現にワタクシは16インチの小径ホイールからタイヤを外しましたし。

今回は、バルブスプリングコンプレッサーを使ってホイールからビードを剥がしました。
※「ビードを落とす。」というのが正確な表現?ワタクシは「ビードを剥がす。」と言ってますけど。
部分的にビードが剥がれれば、しめたものです。
剥がれた場所からビードをウエルに落としてぐるっと一周すると割とあっさりタイヤは抜けます。
チューブタイヤでタイヤ交換は慣れてたということもありますが、
普通にチューブタイヤのタイヤ交換やパンク修理ができて工具を持ってる人たぶんできるハズです。
むしろ、
チューブがない分楽っちゃ楽です。
次回は「リムにタイヤをハメたのはいいけれど・・。」の話に続きます。

VT250FH。
新しいタイヤがはまっていますがここに到達するまでちょと大変でした。
最近は整備しているとお隣の家の猫が遊びに来ていたずらするので大変なのです。
これもまた簡単にはいかなかったのよ。
頭を使って 人に聞いたとはいえ 工夫って大事ですな♪
後半は
「知ってると簡単でも知らないとどうやってもできないノウハウはある。」
という話です。