カウルは押すと少し動くし。
縁ゴムでカウルの縁をガードしたらマシのなるのか?
経年劣化でパッキンが痩せたためか設計が甘いのかわかりませんが、カウルの高級化にもなるし、やるだけやってみたという記事です。
当記事の目次
安いバイクはカウルの処理が甘い
レプリカ全盛の時代に全く逆らったデザインで気に入っていますが処理が甘いのです。
なんだこの画像は?と思った人は北信五岳道路を攻略せよ。
タンクサイド部を全部樹脂でカバーしているのがVT250FG、FHの特徴ですな。
ゆえに、
タンクの左右を磁石で固定するタンクバッグは使えません。
恐らく同時期に 女子供に 人気のあったYAMAHAのフェーザー250のデザインをまねたものと思われますが完成度は低いです。
※フェーザーはタンクキャップ迄樹脂の蓋でカバーされてますがVTはタンク上部は鉄剥き出し。
樹脂カウルの裏側にゴムのパッキンが両面テープで固定されているのですが経年劣化でR部が剥がれています。
また、
経年劣化か元からかは知りませんがこのパッキンが痩せてきています。
劣化のせいかはわかりませんが、タンクとカウルの隙間が広めで、押すと変形するくらいのクリアランス(隙間)があります。
※たぶん新車時から浮いてたと思う。そういう設計。
多少とはいえ、カウルが動くため、
樹脂製のカウルとタンクが多少ズレて接触する箇所の塗装が剥げて錆が出始めています。
タンク側の塗装の剥げと錆はこれ以上広げたくない。
※見えない箇所なんで、そのうちPOR-15を刷毛ぬりして錆ごと固めますが。
タンクとカウルの隙間が広く、カウルの固定が甘くて動くのが気に入らない。
※隙間が広いのがなんかダサい。
というわけでワタクシの気が済むように思い付きだけで調整してみました。
そしたら すごく安っぽい カウルが少しだけ高級になった気がします。
ちなみに・・
実は今回のカウル外し&加工には伏線がありまして。
欠品になって久しい純正のエアフィルターを自作するためのオマケ的作業なのでした。
VT250FGやFHはタンクを外さないとエアクリーナーが交換出来ないという作りなのです。
豪華なつくりですが廃品の再利用で性能を維持できます。
タンクを外すにはまずカウルを外さねばなりません。
それなら、
「ずっと気に入らなかったカウルとタンクのチリ合わせも同時にやっちゃえばナイスだ♪」
というのが今回の記事のネタになったわけです。
結構エアクリーナーが欠品になってるバイクって多いと思うんですが。
というわけで、前回の記事の「VT250FHのエアクリナーを自作する。」になるわけです。
※正直に言いますと「記事をアップする順番を間違えた。」のですよ、ええ。
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VT250FHのカウルを外すのは面倒
樹脂の爪で結合している3カ所を知らずに強引にやるとカウルはあっさり割れます。
VT250FGやFHのフロント&タンクサイドカウル(以降、カウルと表記)は基本的にはネジ3本で固定されています。
最初にウィンカーバルブをソケットごと外した後、
の三か所のボルトやネジを外したうえで、
の三か所を気にしながら、カウル全体を前方にずらします。
※実際には爪のハマり具合で斜め前方にズラス感じです。
いずれの爪も樹脂製ので、強引に行くとあっさり折れます。
※HONDAは昔から分かりづらい仕様が基本。車の内装とか隠しツメだらけです。
多分、昔からこの作業を行う際に爪を折りまくったユーザーやショップは多かったと思います。
当倶楽部の個体も、カウルから生えている樹脂製でタンクに刺さってる爪が根元から浮き気味でしたので、ゴリラグルーを流し込んで補強しておきました。
強度的には不安がありますが、とりあえず気休めにはなります。
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カウルの縁は縁ゴムでカバーすると高級感がある
これが劣化してヘタレているので汚らしいうえ、ショボいのです。
35年も頑張ってくれたパッキンですので文句は言いませんが痩せています。
※新車当時はどうだったんだろね?
貼付けている両面テープも剥がれがちで、ゴミやホコリが張り付いていました。
※何年前からこうなんだろか。
こういうのは除去して更新していきたいのですよ、ワタクシは。
ただし、
ワタクシのやり方で。
既存パッキンは両面テープの粘着力が無くなってたのであっさり剥がれました。
※テープの糊はパーツクリーナーで溶かしつつ完全除去です。
そこに、
当倶楽部名物「鉄芯入りの縁ゴム。」を投入します。
この鉄芯入りの縁ゴム、高価なバイクにはたまに使われていますな。
当倶楽部ではカウルやタンクの縁に多用しています。
アルミ板や樹脂板を加工した際も切り口をごまかすのにも使えます。
タンクのネック部に使うと、フレームとの接触時に傷がつかなくていいのです。
当倶楽部でもZ1-RやZ750D1でそうしています。
この商品、一般のお店で売ってるのを見たことがなくいつもネットで調達しています。
調子に乗って、タンクの縁全部に施工したくなりますが、タンクの下部に施工すると中の水分が抜けずに錆を呼ぶので注意が必要です。
※それでも頻繁にタンクを下ろして地面に置くような場合は下部に縁ゴム入れたくなるよね。
先端のU字部分につけています。
センス次第ではやぼったくなりますが、見る人が見ると「わかってるねえ♪」と言われるおススメの加工です。
今回は贅沢にタンクの両サイドに施工しました。
※ハンドルの下部分にも施工したかったのですが、ストックしてある鉄心入り縁ゴムはちょっと長さが足りませんでした。
これで、
タンクとの接触部の塗装が剥げたり錆びたりすることはないハズです。
見た目もなんとなく高級になりました。
※やっぱり切りっぱなしの樹脂の縁を目にすると処理が甘いな、と思ってしまうのです。
ちなみに・・
縁ゴムと一言で言ってもピンキリです。
溝ゴムとかU字ゴムと言ったりもしますな。
縁ゴムは多種多様な種類とサイズがあるのですべてを語るにはホーキング的な話までに膨らむので難しいのです。
縁ゴムとパッキンが一体化しているようなものまであります。
※古い車や 安っちい 車のドアパッキンに多いです。
単純なものは素材や工具に特化しているホームセンターで見かけることがありますので、
見かけたら、当面必要がなくても1mくらいずつ調達しておくといいですよ。
※こういう素材のストックがあると何か加工する際に夢が広がるのです。
切りっぱなしのアルミの板の縁につけるだけでも高級感が増しますし、
鉄板がハーネスなどを傷つけないようにする防止策としても有効です。
縁ゴムの溝の深さや厚さのバリエーションがいろいろあるのです。
※この手の素材をネットで商品検索してるとあっという間に時間がたちますな。
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カウルの爪や差し込み部はゴムで保護するといい
ここが浮いてるから、カウル自体が浮いてるのかと思いました。
ゆえに、
爪自体にゴムのカバーをつけてしまいます。
こういうのは専用品がない場合は自己融着型のゴムテープを使うのです。
※昔は「ブチルゴムテープ。」とか言ったもんですが。
自己融着型なので糊が付いていません。
引っ張って圧着させるとゴムとして固まります。
破損したパーツの簡易的な補修はもちろん、配線の絶縁にも使えて超便利です。
※ただし、放置しすぎるとテープが丸ごと融着しがちですが。
というわけで、
樹脂の爪に自己融着テープを上手に付着させます。
ガタガタ言うクリアランスを詰めるパッキンにするわけですな。
いーんですよ、適当な施工でも。
見えない箇所だから。
これで、少しはカウルがガタガタ言わなくなるハズ・・という目論見です。
設計が甘すぎるVT250FGやFHのカウル
バイクのカウルというものは「ピシッと定位置に収まって浮いたり、動いたりして欲しくない。」じゃないですか。
ですが、
「VT250FGやFHのカウルはサイド部が浮くのが仕様。」
だったのでした。
縁ゴムと爪の加工でもっとピンシャンするかと思ったのですが、タンクとカウルの隙間は開いたままです。
カウルを押すとやっぱり多少動きます。
カウルの前後の真ん中あたりは固定する箇所がないため、どうしても浮き気味なのですよ。
この辺に野暮なボルトをつけると、せっかくのヌルっとしたデザインが台無しになるから仕方ないのかもしれませんが、
「カウルの中央部辺りにはフラームやタンクと固定する個所がない。」
のでした。
これは、デザインと設計の根本的な問題ですな。
※HONDAは頑張ったと思うけどダメなものはダメ。
カウルが動かないようにタンクとカウルの隙間に硬質のスポンジみたいな詰め物をするのも手なのですが、
更に隙間が広がる方向で固定されるのは本意ではありません。
※水が溜まってそこから錆びても面白くないし。
パーツ同士の隙間は、極力少なく定間隔なのが美しいのです。
※ロータスヨーロッパなんてその点は最悪ですが。
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カウルの固定と少ない隙間を実現させるにはタンクにネジ穴をあけて、カウルとボルト止めすればいいのですが大げさすぎる。
※タンクにネジ穴開ける加工なんて全くやる気がしないし。
うむ。
手詰まり。
今回はここまでとするか。
※こんなことに時間をかけるくらいならこの後に控えているエアフィルターの自作に時間を割きたかったのでした。
まとめ
それでも原因は分かったしワタクシの経験値はまた上がったのです。
タンクとカウルの隙間がもっとかっちりする予定だったのですがねえ・・。
設計上、どうしようもないなら仕方がありません。
パッキンが劣化して痩せてきたからカウルが動いたわけではなさそうですしねえ。
多分、新車からこうだったのでしょうなぁ。
とりあえず、
見た目が多少高級になったのと、タンクに刺さる爪のガタが無くなったのでカタカタ言わなくなったので良しとします。
もしくはもっと幅広の車のドアに使うような縁ゴム+パッキンを挟み込むか。
それはそれでもっさりしてカッコ悪そうではありますな。
名車や人気車ではこういうノウハウは山のようにネットやムック本で入手することができますな。
VTシリーズの中でも最も不人気なくせにそれなりに凝った作りのVT250FHです。
不人気なだけに維持管理のセオリーなんて情報はほとんどなく、ネット上に転がってるノウハウなんてほぼありません。
実験的なことやりたい放題思い付きで出来るのは実際に楽しいですな。
※風呂の中で思いついたりすることも多いです。
不人気車は自分がやったことが、そのまま定番になったりするのが楽しいですな。
最近はZ1系の質問よりVT関連のお問合せが増えてきてなんだか複雑な気持ちですが、
「まだ 絶滅せずに現存して いたのか同志よ!
という気持ちです。
※たぶんいまだにVT関係の記事を更新しているのは日本で当ブログだけではないかと思います。
ちなみに・・
VT250FGやFHというバイクはカウルがガソリンタンクの両サイドを覆っているデザイン上、
カウルを外さないとガソリンタンクの両サイドの清掃ができません。
ワックスがけはもちろん、ガソリンがこぼれたら拭くことすらできないし、汚れは蓄積したままになります。
このバイクはタンクの構造や造形が複雑な割にタンクの保守に無頓着なのですよ。
VT250FH系のタンクは、凝った外観のデザインと爪がハマる造形、外観以上に凝った内部構造をしています。
本文とは全く関係ないですが台湾混ぜそばも凝った作りですな。
そして、
VTに限りませんがガソリンタンクというのは極めて錆びやすくメンテナンスに気を使うべきパーツなのです。
中古でも買うと高いしね。
カウルを外す面倒くさい作業をしない限り、
ワックスをかけることはもちろん、タンクの表面の汚れを拭くことすらできず、錆が有れば悪化していく一方なのです。
以前から樹脂でタンクを丸ごと覆うという車種は 主にYAMAHAでは 珍しくありませんが、
もう少し簡単にメンテナンスできるようにして欲しかった。
しかも、
カウルを外した後、タンクを外すにはフューエルコックを外す必要があるというわけわからん作りなのも変態HONDAっぽいのですが。
エンジンの設計は贅沢で素晴らしいメカニズムですが、それ以外の詰めが結構適当なのがVT250Fシリーズの凄い所なのです。
「詰めが甘くてもいいから早く製品化してガンガン売ってしまえ!」
というイケイケドンドンな勢いこそが、バブル期だったわけですなぁ。
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