最近は4気筒勢が勢力を縮小し単気筒や2気筒が台頭し始めました。
なかでも水冷並列二気筒(パラレルツイン)の隆盛が顕著です。
メカニズム的には退化してるっぽいですがどうなのよって話です。
最近のバイクは水冷パラレルツインエンジンばかり
新しいモデルが出ても感動はなく「またあのエンジンを乗せたのか。」的な冷たい目線で見てしまうワタクシがいます。
今のバイクは250ccから1000ccオーバーまで水冷並列二気筒エンジンを搭載している車種が増えてきました。
それも同じエンジンをバイクのカテゴリーとかジャンルとかを超えて使いまわしている風に見えます。
こんな感じで同じエンジンを使いまわすのが最近の国産バイクメーカーのトレンドですな。
意匠を変えて外装を変えて足回りを変えてフレームを変えてもエンジンは一緒だったりするのです。
決して否定するわけではないのですがコレはどうなのよって話です。
ワタクシ的にはバイクなんて趣味のもんなんだからエンジンだって多種多様でいいと思うんですよ。
まあ販売価格を考えたらエンジン使いまわしというのも仕方ないのかもしれません。
バイクが高くなった
なんでも価格が高騰する世の中ですのでバイクも価格高騰を続けています。
確かに正規の値付けなんでしょうがいかんせん高すぎます。
高価すぎるバイクは新しくライダーになる人にはハードルが高すぎてバイク自体を諦めてしまう傾向があります。
新規参入が少なければあっという間にその業界は衰退していくんですよ。
※ワタクシの職場でも免許は取ったけれどバイクを買えない若者が結構いるのだが皆の周りはどうか?
ただでさえ少子化で不景気なのでその勢いが止まることはないでしょうねえ。
金のかかる趣味というのは不景気とともに廃れるのです。
ワタクシ達世代はスキーとかの栄枯盛衰を間近でリアルに見てきたのでよく知っているのでした。
バイク人口が減るのは 国の人口が減ると大変なことになるように バイク業界では極めて由々しき問題なのです。
日本人は不景気もあって価格が高くなったバイクに乗ること自体を諦め始めました。
バイクメーカーはなるべく安価にバイクを販売せねばなりません。
そのため生産効率を高め、量産効果を得るために「同じエンジン使いまわしちゃえばいいじゃん。」ということになってるようなのです。
エンジンを使いまわすのも安価にバイクを売ってライダーの間口を広げる作戦としてはいいと思うんですがね。
ワタクシは使いまわされた無個性なエンジンを搭載したバイクに対して血沸き肉踊らないんですよ。
多分、多くの中高年ライダーも同じことを思ってると思うんですがどうか?
ちなみに・・
雑誌やメディアで新バイク情報のスクープ記事が特集されることがありますね。
などなど
昔はこういう記事にわくわくしたものです。
スクープ記事とそう違わないものが当たり前のように市場に出たから。
しかも一年に間に何台も。
最近の新型バイクのスクープ記事は全然面白くありません。
ワタクシが大人になって記事を書くライターがスポンサーに忖度してるのがありありと見えちゃうのもあるのですが、
何より所詮現行エンジンを別の車体に乗せただけの着せ替え新車種に過ぎないので。
※それでも一生懸命盛り上げようとするライター諸氏の健気さよ。
とはいえ。
ワタクシも あり得ないけど 6気筒のエンジンを積んだバイクとかのスクープが出たら大騒ぎしますがね。
※内燃エンジン最後に一発ドーンと花火上げませんかね?最後の2stという覚悟で繰り出したRZ250のように。
まあそんなバイクが出たとしても非常に高価になるに決まっているので買えませんが。
今のバイク乗りの多くは新型モデルが出ても騒ぐだけ騒いで買わないんですよね。
※騒いでるのは業界人だけ、という話もある。
ちょっと前に盛んに「CB-Fに似た外装を纏ったコンセプトモデルが話題になって販売目前!」とか言われていましたが、
CB-Fコンセプトのバイクが販売されたとして150万円以上は確実なわけで。
わーわー騒いでいる日本の大衆が買うには高すぎるのですよ。
※中高年とはいえ、金持ってるバイク乗りはそれほど多くないですし。
それに、
古臭い外装をありがたがるのは日本だけなようで(笑)
HONDAはこのデザインでは世界的にはウケないという判断をしたようですな。
※その代わりがHAWK11だったようなのですが、商業的には大コケ。いつのまにか販売終了してました。
新型KATANAがもっと売れてたらHONDAも考えたのかもしれませんが、
採算を考えたら数が売れないバイクを出すはずもないのです。
メーカーは 昔ほどバカじゃないので 数が売れないものは作らないのです。
メーカー的には非常にありがたいエンジン
エンジンの開発費は超高額ですがこれを丸ごとすっ飛ばせるし、パーツが共有化できるのでストックパーツが少なくて済みます。
同じエンジンを使いまわせればメーカーにとっての費用対効果が高いのですな。
昔もエンジンの使いまわしはあるにはあったのですが、
カテゴリーやジャンルを超えて迄流用したというのはちょっと記憶にありません。
※ブルタコのGSX-Rのエンジン積んだオフ車とかは例外というはあれはハンドメイドに近いのでノーカン。
せいぜいレプリカのエンジンをノンカウルの新設計シャシに乗せたくらいがいい所です。
レプリカに対して同じエンジンのノンカウル版はだいぶ安価に設定されていたのでお得感はあったのです。
※そうして数を売らないとエンジンの開発費を回収できなかった、というのが実態らしいですが。
よくもまあ「全く違うジャンルで同じエンジンを使いまわす。」なんて発想が出てきたものですな。
インジェクションをはじめとしたコンピューターチューン(死後)で何とでもなるんでしょうけれど。
重量バランスとか大丈夫なのかと不安になりますよ。
絶対的性能では専用設計にかなわないとはいえ、
公道で素人が遊ぶ分には必要十分という判断をしてるんでしょうねえ。
ううむ。
スポーツバイクとアメリカンが同じエンジン。
ビューエルか?
※ベルガルダYAMAHAのBT1100とかも似たような感じはするけれど。
恐らく最初から、
設計&デザインされてるんでしょうねえ。
それにしても4st水冷パラレルツインエンジンの汎用性の高さには驚きますね。
ユーザーにとっては各社点火タイミングとかずらして個性を打ち出そうとしていますがみんな同じにしか見えないけど。
※180度点火とか270度点火とか360度点火ってのはベテランが乗り比べないと意外とわからんよ。
当記事には関係ない画像ですがせっかくなのでどうぞ。
※当ブログは画像に困ると食事の画像を載せがちです。しかもいつも飯の画像はカメラは寄りがち。
例えどんなに売れ線モデルであっても、
メカニズムとかシステムに対する市場の評価はそれほどでもない水冷パラレルツインエンジン搭載車は、
昔の4気筒のように市場とかユーザーから熱望されたものではないという気がするのです。
ヘタすりゃ同じエンジンをボアアップして国内の免許制度を無視したような排気量のバリエーション展開までして世界に輸出してたりします。
メーカーは最大の量産効果を狙っていますな。
こうなると特別感がないと感性に訴えるモノがあんまりないんですよねえ・・。
そして、
なにより特別感の無いものに高額な対価を支払う気にはなれないんですよねえ・・。
ちなみに・・
車の世界はもっと顕著に使いまわし文化が進んでいます。
エンジンもシャシも一緒で上物ボディだけが違うとか割と普通です。
※それでもエンジンの味付けが違うとか言い張るけれど素人にはわかんないレベルです。
ヘタすればメーカーというかブランドを超えて同じシャシを使いまわしたりするのも珍しくなくなりました。
そんな間違い探しの様な車でも大衆に渡しちゃえば、
「細かいことまでわかるユーザーなんて多くないんだから何だって同じ。」
と言いうことをメーカーは学びました。
メーカーの技術者が一生懸命作った新技術なんてほんの一部のユーザーに伝わらないんですよ。
実際、多くのユーザーは車体価格と燃費と車内の広さしか見てませんし。
ワタクシは車に限らず、
「同じエンジンを使ってるなら一番安い車種の一番安いすっぴんグレードが得。」。
だと思っています。
制約だらけの公道を走るのに高性能は要らないのです。
一番安いグレードはタイヤも安いんだよねえ♪
※グレードが高くなるほどホイールの径が大きくなるのが不思議です。
とはいえ、
エンジンを使いまわすような車を買うなら専用設計のスポーツカーをおススメしますよ。
※これもオモテナシ装備が少ないすっぴんの安いグレードがいいです。
安価で使い勝手のいい車の中古価格は目も当てられないレベルで下がるのに比べて、
スポーツカーはリセールバリューが明らかに高いので 使い勝手はともかく 金銭的にはトータルで得です。
※とか言いながら、ワタクシはどうしようもなくなるまでずーっと乗っちゃうのでリセールの恩恵はないんですがね・・。
走行性能は意外と悪くないのだが
軽さとバンク角の深さ、エンジン特性などは4気筒よりはるかに低速域で振り回すのにマッチしています。
実際、ジムカーナではかなり速いのですよ。
並列二気筒エンジンというのは、
日本のお家芸の並列4気筒エンジンに比べると幅が狭くて軽いです。
馬力的には最高馬力こそ4気筒には劣りがちですが低回転からトルクを得やすく実用を考えると使い勝手はいいのです。
また、
エンジンの軽さと幅の狭さからくるバンク角の深さを武器に 割と適当に扱っても ハイスピードで走れちゃいます。
割と誰にでも。
そんなに難しくなく。
傾向として、
軽さでは単気筒にはかないませんが単気筒エンジンに比べると並列2気筒エンジンというのは高回転まで回せます。
シフトチェンジが割とズボラでもいいってことです。
無駄なシフトをしないということはそれ以外の操作に集中できるってことです。
軽くて深いバンク角で低回転からトルクがあってそれなりに高回転まで回せるエンジンです。
ゆえに。
「公道で遊ぶなら2気筒が最強。」
という一部の根強いマニアが存在するのも頷けます。
実際、ジムカーナでもかなり速くて、
30年ほど前にKAWASAKIのGPX250Rで警察主催の安全講習会で並みいる猛者どもを蹴散らしていた女性ライダーを知っています。
個人的には
二気筒ならより押下移転を狙えてトルクフルな横置きV型がベストな気がします。
※ワタクシがVT250FHを入手したのはVツインエンジンに乗ってみたかったから。やっぱり大正解でした♪
ただし、
V型エンジン搭載車というのはネガな部分があるのですが、
実際ばらしてみるとエンジンを優先させるために補器類の搭載にいろんな工夫があったりして、
エンジン自体にはもちろん搭載する車体にも非常にコストがかかってる贅沢なバイクなのですよ。
※V型4気筒なんて贅沢の極みです。
というわけで、
最近のコスト重視な国産メーカーはV型エンジン車種をラインナップからどんどん外した結果、現在はほぼ絶滅しかけています。
※ラインナップ見てびびったよ。SUZUKIのSV頑張れ。
今後新設計される可能性は極めて低いので欲しい人は買っておくといいよ。
ワタクシ的にはVFR750Fとかいいなと思う。白バイにも採用されてたし。
人気無いので安いし。
話がそれました。
確かに水冷パラレルツインエンジンでも性能的には特に問題なく公道で使うには全く痛痒のないレベルで使えるのです。
むしろ公道で遊ぶ分には非常に使いやすいと言えます。
しかも部品点数が少ないので安く作ることができるし、
V型よりも搭載できるフレームに制限がありませんのでバリエーション展開しやすい。
結局、
そして、
そんな理由で、
安価で作りやすい並列二気筒が増えたんじゃなかろうか。
最近は技術の粋を集めて最新式の素晴らしい車種をリリースしたとしても、
あんまり高くなりすぎると多くは売れないということなのですな。
実際、2024年は4気筒のバイクは400ccで100万円以上しますが650ccくらいの2気筒なら100万円前後だし。
※リッタークラスになるとさすがに2気筒でも150万円とかになるのですが。
ライダー自体が年取ったので非現実的なスピードを求める人は多くないし、
日本人がものすごく貧乏になったのでバイクにも車にもお金をかけられなくなったしねえ。
趣味の世界は割と価格よりその存在価値とか商品の個性とか希少さとかに価値を見出す人が多いとはいえ、
現在の物価高というかバイクの高額化を考えれば4気筒よりも安価な2気筒の方が売れるということなのでしょうねえ。
実際、遊びにしか使えないバイクにいくらまでなら出せますか?って問われたら100万円出せる人なんてそうそういませんよ。
だから、
中古バイクバブルはもう終わりです。
※古臭くていつ止まるかわからない上に、まともにパーツもないようなバイクに大金を出せる人はそれほどいないってことです。
使い勝手が良く安い現行の水冷並列2気筒エンジン搭載車がウケるのはそういう背景ではないかと思います。
頑張って4気筒作っても話題にはなるけれど高価すぎて数が売れないのはZX-25RやZX-4Rで立証済みだしねえ。
※デビュー時にはメディアはあんなに騒いだのにそりゃないよ、ってKAWASAKIは思ってると思うよ。
ちなみに・・
250cc以下だと単気筒エンジンも使いまわされていますな。
小排気量のバイクはエンジンにもお金かけられないのでより一層同じエンジンを使いまわす傾向が強いです。
それこそロードスポーツとオフ車、下手すればアメリカンまでが同じエンジンだったりします。
コレは最近に始まったことではなく、大昔からです。
※RZ50とDT50とか、AR50とKSR50とかさ。
カブ系の横置きエンジンを搭載した車種のバリエーションなんてすごいものがありますし。
CB50系の縦置きエンジンも息が長かったですしねえ。
※原付2種にはCB125Tとかあるけれど原チャリで2気筒なんてのは非常に贅沢。今はもう絶滅危惧種だし。
これらは「他に選択肢がない。」中で選ばれたエンジンなので、
使いまわしていても選ぶ側の価値感としてもマイナス評価にはなりにくいのですよ。
※むしろTOYOTAパブリカとS800の関係のように「貧乏人のためによくやってくれた!」という感じすらします。
ただし、
履き量が増えるに従い、エンジンの選択肢が複数ある中で作り手の都合で合理性と効率を追求した結果のエンジン使いまわしというのははっきりとマイナス印象な気がします。
少なくとも「このエンジンが好き!」というユーザーはそれほど多くはないでしょう。
バイク乗りは「このエンジンが好き。」という人は少なくないですよ。
Z1のエンジンしかり、CB-F系エンジンしかり、BMW-R系エンジンしかり。
とはいえ、
現代のバイク業界の事情を考えれば選り好みすることは難しいですな。
利益を追求するためには全部同じエンジンにして効率化しなければ企業自体が存続するのは難しくなるし。
エンジンの使いまわしは限られた条件での正攻法の1つという理解でいれば「全面否定するのも大人げないかな。」という気もします。
まあこういう妥協が「ものつくり大国。」だった日本をダメにしていくんですがね・・。
何でも使えるエンジンには主張がない気がする
メーカーは走行的な味付けよりも、一層デザインに凝った車種を打ち出しているように見えますな。
バイクをオシャレアイテムとして扱ってるような気がします。
※実際乗ってみるとカッコいいもんでもオシャレなもんでもないんですが。
これも世の中の価値観の変化なのかもしれませんな。
今時のバイク選びについていえば、
フラッグシップ的な位置づけのバイク以外の動力性能は「ソコソコでいい。」という風潮が強いように思います。
速けりゃ何でもいいよというつもりは全くないのですがいくら味付けを換えても同じエンジンですよ。
没個性とでも言いましょうか。
そこに主張も個性もない気がするのです。
なんとなくみんな同じに見えるんですよねえ。
前述しましたが「同じエンジンなら一番安いものが最もお得なのではなかろうか?」と思ってしまいます。
それでも、
最近のユーザーはデザイン重視でバイクを選ぶようなのでそれはそれでいいのかもしれませんな。
※HONDAのレブル系の女子率の高さはちょっと驚くレベルだけれど、人と違うものがいいという風にはならんのだね。
よほどデザイン的に気に入ったのならエンジンなんてなんでもいいのかもしれませんな。
どうせバイクなので何乗っても風を切って走るのは同じだしね。
※バイクにはオシャレ感が少ないのは乗ってからわかるんですがね・・。
まとめ
昔からパラレルツインエンジンを搭載したモデルは結構あったけれど250cc以上でヒットした車種というのはほとんど記憶にないから。
並列2気筒でも必要十分な動力性能かもしれません。
乗ってみればわかりますが確かにその通りです。
それはワタクシも納得してるのです。
走行性能はともかく、
言い方は悪いけれど2気筒エンジンは構成する部品点数は4気筒の半分ですし。
コストがかかってない気がするし
それでも
2気筒エンジンはエキマニが2本しか生えてないので見た目の迫力に欠けるのです。
※V型4気筒も不人気の理由の一つはこれじゃないかと思うんですが。
バイクはエンジンが剥き出しですので、
機能や性能以上にデザインや好みという趣味趣向が少なくない選択要素になりうるのですがね。
非日常の高価な趣味的なものだけにスペシャル感みたいなものが欲しいんですよ。
そこに、
使いまわされたエンジンの個性に乏しいバイクはどうなんだろって話です。
新型アフリカツインは並列2気筒でもよく売れているみたいですね。
※個人的には昔のV型エンジンを積んだアフリカツインの方に「世界とったる。」という迫力を感じますな。
新型アフリカツインと同じエンジンを使ったHAWK11は早々に販売終了になりましたな。
※言わんこっちゃない。公道で見たことないし。
小排気量のエントリーモデルならまだしも、
みんなが目標とするフラッグシップ的なモデルには世界一を目指した高性能エンジンが求められるわけで。
使いまわしのエンジンを搭載したバイクは選ばれないように思います。
使いまわしのエンジン搭載車に大枚叩く気にはなれんのですよねえ。
それでも頑張っていいものを作っても高くなったら売れません。
ユーザーってわがままだよね。
※それでもZX-25RやZX-4Rは将来希少価値が出るのは間違いないと思うよ。販売終了になったらプレミア付くと思うし。
結局、何やっても売れなかった日本のバイクメーカーが出した答えは、
「まあこんなもんでいいだろ。」
的なバイク作りを進めたということなんでしょうねえ。
この流れが続くと今以上に海外勢に追いつかれてそのうち追い抜かれる気がしますが背に腹は代えられませんね。
そもそも、
凡庸でありふれた存在になっている水冷並列二気筒エンジン搭載車にはブランド意識は少ないように見えます。
かつて、
猫も杓子も当たり前のように4気筒エンジンを搭載したバイクに乗っていましたが、
4気筒は最近まで海外勢が参入しずらかった領域だったのですよ。
ゆえに、
4気筒エンジン搭載バイクは長らく日本のお家芸だったわけです。
4気筒車はユーザーが求めた高性能で迫力があってエンジンの存在感が強くコストがかかってたのです。
ついでに迫力もあったし。
ゆえに。
所有満足感が高かったんですよ。
※最終的には日本のお家芸とまで言われたも4気筒も最後は没個性になって没落していくんですが。
パラレルに限らず、2気筒のエンジンは外車でも古くから普通に存在します。
最近の国産水冷並列二気筒エンジンとの大きな違いはブランド力ですよ。
ワタクシだってBMW-R系とかMOTO-GUTTIとか欲しいですもん。
それは古くから培ってきたブランドなんですよ。
日本のバイクは今まで培ってきたものを全部捨てても新たに売れるものを作るという手法で世界をとったわけですが、
「大量消費の多売剥離作戦では有効。」だったその手法は「趣味性が高い少売暴利作戦には向かない。」んですよ。
※Ferrariをはじめ、スーパーカーメーカーはずっとこの作戦ですな。
これがブランド力って奴です。
逆に言えば、
性能的にもメカニズム的にも突出してない凡庸なエンジンを搭載した日本のバイクがそれなりに売れているということは、
購買層にしっかり魅力を伝えられて価値を認められているわけです。
商品企画とかマーケティングとかってすごいよな、と思うのです。
※それしか選択肢がない&あっても高価すぎて買えない、のかもしれませんが。
大事なことなのでもう一回書いておきますが、
「決して水冷二気筒エンジンを否定しているわけではない。」
のです。
ただ、
「水冷二気筒エンジンのバイクは4気筒勢のように【日本の技術力を世界に知らしめるスタンダードエンジン】になりうるのか?といわれると難しいかなぁ。」
と思うわけなんですよ、ええ。
当記事に合う画像がないので食い物の画像でごまかします。
知り合いのブドウ農園からオマケでもらったのだが多分末端価格1万円以上はあるな(笑)
ちなみに・・
水冷並列2気筒のバイクが売れてるのはいいんですよ。
バイク乗りのすそ野を広げ、ライダーの頭数を増やすにはいい作戦です。
ただし、
同じエンジンを使いまわしているバイクが人生の上がりバイクとしてはどうなのよ?って話です。
少なくともワタクシは今の国産バイクに多く搭載される水冷パラレルツインエンジン搭載バイクにする気にはなれません。
逆に小排気量でCB125Tのように125ccでツインカムエンジン搭載のパラレルツインが出ればちょっと欲しいかもしれないけれど、
今更新エンジンを開発するとは思えませんし、環境性能考えれば馬力は全然なさそうなので勾配の多い長野では役不足だろうしねえ。
※そんなんなら ボロいけど KDX125SRの方がいいや。何せ22馬力ある。
仮に上がりバイクとして2気筒しか選択できない状況になれば国内メーカーにバイクは選ばない気がします。
※新たにバイクを追加するお金も置き場もないんですがね。
同じツインでもBMW-R系のボクサーエンジンとかMOTO-GUTTIの縦置きVツインとかを選びます。
※最近のDUCATIは過激すぎるしHARLEYはワタクシとはキャラが違う気がしますし。
・・どっちもパラレルツインではありませんな(笑)
外車は流行りに関係なくひたすらそれを作り続けてきたのでブランドイメージが強いんですよ。
多売にはなりませんがそれぞれきっちりコアなファンがいる。
どのメーカーのバイクを買っても同じようなレイアウトで似たデザインで似た味付けになる日本のメーカーにはそういうファンがいないんですよねえ。
※男KAWASAKIには多少いるかもしれないけれどそれだってこだわりがそんなにあるとは思えないし。
こういうブランド意識というのは常に流行を追い続けた日本のバイクメーカーには欠けてる気がしますな。
バイクなんて所詮生活に関係ない趣味のものです。
最後は突出したブランドのバイクに大枚叩いて上がりにする・・ということになりませんかね?
いずれにせよ、
「趣味の世界では大量消費の多売薄利の時代は終わりつつある。」
ような気がしています。