そもそも、バイクんもジャンル分けは誰がどういう基準でやってるんだ?
コロコロ変わりすぎだし、明確な基準もなしに細分化されすぎだ。
というわけで、いつものように私見たっぷりな記事です。
ネイキッドバイクとはなんだ?
本来フルカウルのレーサーレプリカバイクをメーカーがカウルレスにして、ちょっとオリジナルな装備を付けて売ってたものです。
そもそも、ネイキッドとは「むき出しの。」「裸の。」「露出している。」みたいな意味でして。
※よこしまな心の持ち主にはちょっと変な意味にもとられがち(笑)
要するに、
「フルカウルを装備した元となるバイクのノンカウルバージョン。」
という意味だったハズなんですよ。
ネイキッドの成り立ち
バイクを新規開発するのは大変お金がかかるのです。
昔は当たり前のように毎年モデルチェンジしてましたが、開発費の回収が難しかったのではないかと思うのです。
ならば、
「同じエンジン搭載車を数売るためにレプリカバイクからカウルをとっちゃえばいいじゃん。」
ということになるのも頷けます。
※同じエンジンを数多く打ってスケールメリットを狙って開発費を細かく回収したいというメーカーの思惑があったモデルなのです。
当時、高くても高性能なら売れると知ったメーカーはバイクの高性能化を推進、どんどん新車価格が上がっていたのです。
「高価なフルカウルを付けるから高くて売れない。」
というのは間違いなくあったはずなのです。
※パーツで取ると「フロントカウルだけでスクーターが買える。」というのは有名な話です。
性能はほぼ同じでもカウルレスにすれば、フルカウルレプリカよりは安く販売可能です。
もしかしたら金のない小僧どもも買ってくれるかもしれません。
これがネイキッドの成り立ちです。
多分、FZ400Nの「N」はノンカウルの意味だと思われます。
この頃、まだネイキッドという呼び方はしてません。
例えば、
これらが、
「いわゆる純血ネイキッド。」
だったわけですよ。
※少なくともタンクやテールカウルなんかは元となるレプリカと同じパーツを使ってました。
残念なことにメーカーの目論見とは違い、いずれも営業的に成功したとはいいがたい不人気モデルではあります。
※小僧は見た目が大事なので高くてもフルカウルを選ぶのは必然だったわけです。
元のフルカウルバイクがマイナーチェンジしても 残存エンジンの数を消化するためか マイナーチェンジは反映されず、意外と長生きしてたり。
でも今見ると、ちょっといい♪
街中でCOBRAとか見たことないし、乗ってみたい♪
※でもパーツ難で維持するのが大変そうだと思うと所有はしたくないですな。
次世代ネイキッド
時代が進むと、、
「レーサーレプリカのエンジンを専用設計の車体に乗せたバイクもネイキッドと呼ばれる。」
ようになります。
たとえば、
ワタクシたち世代にとっては、CB400SFはネイキッドではないのです。
いずれも、
バイク業界全体がZepherの登場でレプリカ以外が大人気になったので慌てて用いしたモデルですな。
※ワタクシ的には「Zepherショック。」と呼んでいます。
まあ、百歩譲ってここまでは良いとしましょう。
一応、エンジンは元となるレーサーレプリカがあるわけですし。
さらに時代が進むと、
「ノンカウルバイクでスポーツ系は全部ネイキッドと呼ぶ。」
ようになります。
下手すると、この手のジャンルのバイク迄ネイキッドとか形容してるメディアもある。
なんだそれは。
もうバイクのジャンルはメチャメチャですな。
旧車っぽいデザインのバイクもネイキッド、新しいバイクでもノンカウルでどのジャンルにも属さないバイクは全部ネイキッド。
このネイキッドジジイが。
そして、
過去にさかのぼって当時そんな言葉なんか存在しなかった頃のバイクも普通に「ネイキッド。」というカテゴリでくくられていたりします。
さらにわけわかりません。
ワタクシの中では、
ネイキッドではないのですよ。
だって、
直系の同型エンジンを使ったフルカウルのバイクが存在しないので。
業界的には、
「普通のバイク。」
という呼び名しかないんで、仕方なく「ネイキッド。」と呼んでるんでしょうが、
ワタクシはしつこく「レプリカのノンカウル版がネイキッド。」と言い続けているのです。
ほんっとどうでもいいこだわりですがな。
ちなみに・・
レプリカ全盛時のバイクブーム代は、
位しか区分けがなかったんですけどね。
次第に
「カウル付き。」
にもいろいろジャンルがありましてさらに細分化されるのです。
レプリカ時代はカウル付きバイクにも序列があって、
この順で偉かったもんです。
まあ、フルカウルのバイクは高いので小僧どもには買えなかったんですが。
※当時、ビキニカウルのバイクはノンカウル以上に人気がなかったので全般的に安かった(笑)
ワタクシは、一瞬だけGSX-R1100のフルカウル仕様に乗ってたことがありますが、
「夏が暑くてしょうがねえ。」
という理由で、下半分のカウルを外してハーフカウルにして使っていました。
※フルパッキングしてキャンプにも行ったけど、速すぎてつまんなかったです。。
最近、ワタクシが30年近く前に親戚の家に預けたGSX-R1100のパーツが大量に発掘されまして。
早いうちに取りにいかんと捨てられてしまうのです。
※軽トラで関東に遠征しないといけません。
今は猫も杓子もネイキッドと言いたがる
カウルがないだけではネイキッドではないらしいのもわけわからんところですな。
こういうことを誰も整理しようとはしないのがバイク業界が車業界と違うところです。
最近のカテゴリ分けでは、
ノンカウルの爬虫類みたいな有機的なデザインのバイクは特に「ストリートファイター。」とか呼んだりします。
基本的にノンカウルでちょっとしたメーターバイザーみたいなのが付いていますが、ネイキッドとは呼ばないようです。
※ほぼ例外なく装備されている異形の専用設計と思われるヘッドライトは壊したら超高そうです。
全く何が「ストリートファイター。」なのかわけわかりません。
※ワタクシ的には、波動拳とかヨガファイヤーが出ないのは「ストリートファイター。」ではありえないのです。
DUCATI モンスターとかこの辺がマッチョ系デザインの走りですな。
さらに最近のカテゴリ分けでは、
古臭いデザインのバイクは「ネオクラッシック。」と呼ばれたりもします。
いわゆる普通のバイクなんですが、最近はこういう呼び方をするようです。
傾向として、昔のデザインをイメージした焼き直し系デザインを纏ったバイクは「ネイキッド。」とは言わないようです。
KAWASAKIのZ900RSなんて「ネイキッド。」部門にカテゴライズされたり、「ネオクラッシック。」部門にカテゴライズされたりと面倒くさいことになっています。
※SR400も「ネイキッド。」とカテゴライズされてると違和感ありありです。
「ネオクラシック。」という言い方も最近ですなぁ。
「ヘリテイジデザイン。」とか言ってる人もいたような。
結局、
メディアが適当なのか、「ストリートファイター。」も「ネオクラッシック。」も「ネイキッド。」としてくくられてることもあったりするのでさらにわけわかりません。
この辺、皆さんどう思ってるのか聞いてみたいもんです。
ちなみに・・
新しいバイクのカテゴリとしては「アドベンチャー。」なんてカテゴリもあります。
※昔で言う所の「ビッグオフ。」ジャンルの派生っぽいです。
ビッグオフは元々は砂漠横断レースみたいなのに出場するためのバイクのレプリカでした。
アフリカツインとかスーパーテネレとかが始祖っぽい。
※両方とも豪州でレンタルすると高かったので、ワタクシはKLR650をレンタルしたのですがしっかりツアラーでした。
が。
ポジションが楽で荷物が積みやすく、長距離走行が疲れないということでロングツアラーとして人気でした。
※ワタクシが欧州で暴れまわってたときも、欧州人はビッグオフを街乗りで使い倒しているのをよく見かけました。
超高性能ですが300万円とかするんだぜ。
最近は既存のバイクカテゴリに わざと分類しない 分類されないものも出始めていますな。
「メガスポーツ。」
「スーパースポーツ。」
「クルーザー。」
なんてのも言われ始めたのは割と最近ですよ。
※「アルティメットスポーツ。」というカテゴリもありますが全くわけわかんない。
昔はそれぞれ、
「ツアラー。」
「レプリカ。」
「アメリカン。」
と呼ばれていました。
呼び方が今の時代に合わないというか「ダサい。」ので格好良く言ってるだけな気もします。
どうせなら、格好いいカテゴリの方が売れそうですし。
ZZ-R1100がレプリカより速い「バトルツアラー。」と呼ばれてたのはもう30年も前の話ですなぁ。
※ZZ-Rは当時あれだけいたのに、今ほとんど見なくなったのも不思議です。どこいったんだ?
バイクのカテゴリ名はいつもころころ変わる
昔は「スーパーバイカーズ。」と呼ばれていました。
「スーパーバイカーズ。」はもともとオンロードとオフロードの混成コースを一番早く走るための アホな米国人が考えそうな 競技だったと記憶しています。
外人の発想
外人は「何が一番大変か?」という話題をすると大体「全部一緒にやるのが一番大変。」という発想になりがちです。
※トライアスロンは「チャリとマラソンと水泳は何が一番辛いか?」という 飲み屋で騒ぐような 話題の結論として「全部一緒にやるのが一番辛い。」ということでできた大変外人らしい発想の競技です。
その発想で、
未舗装路やギャップも含めて最速なバイクはなんなんだ?ということになった用です。
で。
スタジアムみたいなところに砂入れてコースつくって(笑)オフ車の足回りにオンロードタイヤ履かせて走り回ったのが最初だったような記憶があります。
これが「スーパーバイカーズ。」です(笑)
スーパーバイカーズは昔はオフ車ベースの改造車ばっかりでした。
今よりいっそうマイナーでしたし。
実際見るとなんだこりゃ的な、あか抜けないデザインです。
今のDUKEのスタイリッシュなことったらないけど、ワタクシはしつこく最初のDUKEを忘れない。
オフ車のスタイルにオンロードのタイヤを履かせて市販したのは エグイデザインの KTMのデューク初期型あたりが最初ではないですかね。
※初期型デュークはキックアームが右側についてて変なバイクと思った記憶があります。
これがいつの頃からか「モタード。」というカテゴリに明確に分類されるようになります。
いつの間にかオフロードバイクにオンロードタイヤを履かせて、スライドさせまくってサーキットを走る競技になってるようです。
※この辺は欧州の発想ですかね。モタードはどちらかというとダートトラックっぽい競技です。
いつの間に市民権を得たのか、
国産メーカーも海外メーカーもオフロードスタイルの車体にガッツリオンロード用のサスとタイヤを装備した車種をリリースしてた時期がありますね。
※国産メーカーのモタードカテゴリのバイクはオフ車と同じエンジンを搭載してたので、これもンジンを数売るための施策ですよねえ。
キムタクカスタム
何がどうカッコよかったんだかわかりませんが、YAMAHAのTW200のとれるパーツを全部取っ払た「スカチューン。」というのもありましたね。
某ドラマでキムタクが乗ったからという、動画コンテンツ全盛の今なら絶対流行らないきっかけで流行ったバイクです。
このおかげで、なぜかセロー225辺りが大量にスカチューンされてましたな。
※当時の金がない小僧どもが安いバイクでTWの代替したためと思われます。
もともと悪路走破に特化したバイクだったはず。
これほど設計者の意図と違う使い方されたバイクもないと思う。
TWはキムタクに運命を変えられたバイクですな。
スカチューンは、素人が適当に改造した個体が多く、まともな個体なんてほぼ全くないと言ってもいいでしょう。
なにせ、外すだけですのでパーツ代が比較的安い。
※リアサス迄外してリジッドになってたりするバイクなんて怖くて乗れませんが。
たまに、ヤフオクで「スカチューン。」のなれの果てというか ほぼゴミのような 残骸が出品されていたりしますが、誰が買うんだろ?
「スカチューン。」で部品がないだけに部品取りにもなりません。
単語の意味的には、
「取っ払えるものを取っ払ったスカチューンこそこそがネイキッド。」
というのが正しいような気もしますが、誰も言いませんな。
まとめ
そのうち、新たなカテゴリが生まれて今のカテゴリ分けを超越した分類が行われるかもしれません。
ジャンルなんて、仕掛ける側から言わせれば何でもいいんですよ。売れれば。
そもそもカウルがない時代はそんな区分けがなく全部バイクだったわけで。
「アメリカン風な4気筒。」
とか、よくわからないジャンルもありましたな。
今見ると「すごいどっちつかず感。」ですが、これはコレでありなのかもしれません。
※当時、ワタクシたちは「ジャメリカン。」と呼んでいました。
なかでも、
「ダートトラッカー。」
「スクランブラー。」
なんてのは非常にわけがわからんジャンルでして。
アメリカンバイクのエンジンを搭載してたり、単気筒だったりとエンジンも排気量も様々です。
見てくれがちょっと古目のデザインだったり、オシャレとか言われてたり。
※ホコリだらけのフラットな未舗装路のコースを走るためのバイクじゃないのか?
バイク業界は、いつだって節操がないし、時代ごとに流行りを追うので統一した考え方を持ち込むのは野暮なのかもしれません。
統一したカテゴリを設定しよう!なんて動きは、
「一文の得にもならんので誰もやらない。」
んでしょうし。
※それほど業界はまとまってないですしねえ。
バイクのカテゴリなんて、
「どうせならカッコいいカテゴリ名を付けたほうが売れそうだ♪」
という業界主導の節操がない基準くらいに思っておけばいいと思うのです。
ま、結局のところ売れれば何でもいいんでしょうが。
もしZX-25Rのノンカウル版が出たら、そりゃあネイキッドですよ。
あ、そうそう。
カテゴリとかジャンルでバイクを選ばないほうがいいですよ。
どんなバイクに乗っても、上手い奴は上手いし、いろんなことに使い倒す奴は使い倒すもんなのです。
自分のバイクのジャンルが何であろうと、カテゴリがどうであろうと自分が気に入ってればそれでいいのです。
一番カッコいいと思うバイクを買うのが正解です。
※そうは言っても、予算の都合とかの制約があるんですが。
ちなみに・・
「カフェレーサー。」について昔記事を書いたことがあるのですが、これも見事に分類される傾向がバラバラですな。
一般に、ハンドル低くしたオールドブリティッシュ系のレーサースタイルのことかと思いましたがそうでもないらしいです。
※Z1-Rもカフェレーサーと言われてたりしますし。
ワタクシはカフェレーサーの共通項を発見したのです。
このポイントさえ押さえておけば「立派なカフェレーサー。」っぽいのですよ。
それはね。
「タンクの下端のラインとシートの下端のライン、テールカウルの下端のラインまで、ほぼ一直線で結ばれていること。」
コレだけ押さえておけば、大抵「カフェレーサー。」っぽく見えます。
もしかして皆知ってた?
※知らなかったのワタクシだけ?マジで?
確かに、タンクの下からテールカウル迄真直ぐだわ。
自分でやるカフェレーサーカスタムも流行っていますが、
「純正でタンクの下端からテール迄真っすぐなベース車両を探す。」
のが近道っぽい気がします。
ま、これも厳密かつ明確な基準がないのでオーナーが「カフェレーサーである。」と言ったら「カフェレーサー。」なわけです。
これも明確な分類があるわけじゃなし「言ったもん勝ち。」という所ですかね。
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