前評判によると結構注目度は高いようです。
こういうバイクが受け入れられる土壌が今の日本にあるのか?
今後の展開が楽しみです。
というわけで、
ワタクシが私見たっぷりに印象を書いてみます。
当記事の目次
HONDAがいいタイミングで販売するスタンダードバイク【GB350】
日本のバイクメーカーには取り立てて話題がないので仕方ないのかもしれませんが。
バイク業界は、
ちょっと前はZX-25Rで騒然としていました。
さらにその前は新型KATANAで大騒ぎしていました。
いずれも、
話題性はありましたが大ヒットとは言えない状態です。
※それ以外は、セロー250やSR400の生産終了のニュースといった暗いものばかり。
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そんな中で【GB350】はスマッシュヒットになるか!?
ということで、【GB350】に注目が集まっています。
現にインドでは販売4カ月で1万台突破という大人気。
それなら、
日本でコケても商業的に損はなかろうう、という判断なのでしょう。
こういう打算的なところがHONDAが好きになれない理由の一つ。
※この二社は実に応援したくなる。
ちなみに・・
4st空冷単気筒400ccクラスにスタンダードなモデルを投入する・・
実は、これほどいいタイミングはないのではないかと思うのですよ。
長年HONDAにとって「目の上のたん瘤。」だったYAMAHAのSR400の販売終了になった直後だし。
※直接対決を避けた、と言っても過言ではない気もします。
この際、SR400の市場を丸ごととってやろうという気概は感じますね。
【GB350】はYAMAHA SR400に対するリターンマッチなのか?
キックスタートでこそないですがそれなりの所有満足がありそうな感じがします。
デザインもこじゃれてて、古臭くもあり装備は最新。
研究されつくしている感じがします。
【GB350】はインド生産とのことです。
現地でも販売されていてかの地では【ハイネスCB350】というHONDAの冠ブランド「CB。」を冠しています。
ちょっと車格は大きい感じがします。
「CB。」のブランドで販売上、コケタらカッコ悪いので、かつてSR400に直接ぶつけて大負けしたGB400/500の名前を受け継いだのかもしれません。
※この時点でかなり及び腰。GB250はその後もしばらく生き残りましたが。
既に、HONDAの中での「CB。」は今どきのストリートファイター系デザインに整理されてるのかもしれません。
もはや何がないやら。
それにしても、だ。
というとどうしてもSR400をイメージしてしまいます。
※現地インドではロイヤルエンフィールドにぶつけたのかね?
いわゆる「バイクらしいバイク。」のスタイルですね。
それでいて、
【GB350】はクラシカルなデザインでまとめておいて、
という抜かりない装備。
SR400の「古臭く見えた方が偉い。」という文化を踏襲しつつ、今どき装備でまとめてるところはさすがHONDA系列です。
やっぱりなんだかんだ言っても流行り廃りに影響を受けずらいのは、
「誰もがイメージするバイクらしいスタイル。」
なんですよねえ。
レプリカ時代以前の旧車はどれも似通ったデザインですがそれがバイクの基本イメージとなってる気がします。
※だから、YAMAHA SR400はロングセラーだったわけで。
ちなみに・・
【GB350S】というメーカーカスタムバージョンも存在します。
※エンジンとシャシは同じようですが。
これはこれでカッコいい。
こういう多角販売手法もぬかりないのがHONDAですね。
旧GB400のときも、GB400TT CLUBMANというメーカーカスタムモデルもありました。
SR400のグレード一本!という潔さはないのです。
【GB350】は安いけど必要な装備は十分
でもいいんです。
スポーツ走行とか最大馬力とか最高速とかそんなのはバイクの魅力の一つにすぎません。
フルカウルバイクはやはり生活の中では浮くんですよね。
「非日常。」を求めるならいいんですが。
それが偉い人にはわからんのです。
という間口の広さの方が重要なのですが、今まではそれをYAMAHA SR400が担っていました。
※CB400SFもありますが100万近いのでは高すぎます。
エンジンスペック
最高出力(kW[PS]/rpm)
15[20]/5,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm)
29[3.0]/3,000
スペック的には全然大したことないのですが。
20馬力とはセロー並みなのですが。
最大馬力は意外とバイク選びの際はどうでもいい要素です。
※どちらかというとトルクの方が重要。
そして、
4st空冷単気筒ロングストロークエンジンというのは深いんですよ。
ドコドコいうエンジン音は趣向性が高い乗り物です。
しかも、
ロングストロークエンジンは、高回転は苦手ですが極低速から力があるので非常に乗りやすい。
つまり、
350ccもあれば法定速度は余裕、しかも楽しいハズです。
※コレが大事。
そして現代の感覚で言うと素晴らしく安い。
排気量が350ccという日本のガラパゴス規格400ccでないので、世界戦略機として作って国内に回す、という手法を取ってるため量産効果で安いんであろうと想像できます。
各パーツはインド製ってことですが・・今やアジアの方が日本よりよほどモノ作り大国ですしね。
この値段は頑張った!
HONDA GB350
55万円(税込み)
GB350S
594,000円(税込み)
似たような位置づけの車種
レブル250
59万9500円(税込み)
CT125ハンターカブ
44万円(税込み)
SUZUKI ジクサー250
44万8000円(税込み)
既に生産終了を発表している
YAMAHA SR400
60万5000円(税込み)
とかなり割安ですよ、奥さん!
※ほかのバイクが高すぎる気もします。
オシャレ靴にも対応。
このペダルは、もっとフォーカスされてもいいのではないかな。
特徴だと思うのですが。
ネガなポイント
唯一のネガなポイントは、
「【GB350】は車検があるのが面倒くさい。」
という一点ですな。
この手のバイクはユーザーが好き勝手に弄るのが常です。
むしろそこに無限の可能性があるのです。
YAMAHA SR400なんて原型が全くないような車体がゴロゴロいます。
※車検大変そうです。
それでも古い車両なら適当にお目こぼしがあるのです。
※車検時は製造された年の基準で音量や排ガス規制は行われます。
GB350カフェレーサーができるまで、3か月ってとこですかね。
「シンプルだからこそ、自分好みにカスタマイズする。」
という意味では、車検の制約があるのはちょっとキツイ。
かといって、
車体そのままでエンジン小さくした【GB250】のようなモデルが出るとは・・思えないしね。
※HONDAならやりかねないけど。
ちなみに・・
ワタクシが仮に次に乗るとすれば、650cc以上くらいのツインエンジンでロングストロークのバイクがいいですな。
馬力なんかなくていいです。トルクさえあれば。
4気筒は確かにカッコいいのですが重たいのです。
維持費も高いし。
それに、
マルチエンジンは高回転域に美味しいゾーンがあるのですがその域まで持っていくと、免許が危ないです。
悲しいけれど、現代の大排気量の4気筒は既に公道で扱える代物ではないです。
スーパースポーツはもちろん、ツアラーでさえもそうです。
エンジンのアイドリング付近しか使わないならともかく、高回転の楽しいゾーンは恐ろしいです。
もし、その手のバイクに乗るなら最大馬力を求めずにトルク感を求めるといいですよ。
※基本的にピストンのストローク量が多いほうが高トルクで乗りやすいです。
そういう意味では、【GB350】くらいのパワーを使い切って走るのはすごく面白いはず。
実際に、
Z750D1のZ2EエンジンよりZ1-RのZ1Eエンジンの方がロングストロークでゆったり乗れるのは確かです。
※ぶん回るのは当然Z2Eのエンジンですが、ぶん回すので燃費が悪め。でも楽しい♪
馬力あり過ぎて怖いバイクよりも、エンジンぶん回せるバイクの方が楽しいです。
バイク乗りが完全にいなくなる前に
ただし、
既に多くの日本人は「バイクに興味がない。」状態です。
バイク業界は【GB350】に期待しているかも知れませんが、
「55万円出して遊び道具のバイクを買う余裕。」
なんて既に日本人の若者にはないですよ。
一部のリターンライダーや中高年のライダーの重量車からの乗り換え需要はあるかもしれません。
それでも、数はたかが知れています。
果てしてバイク業界の救世主になるのか?
新規のバイク乗りはそれほど多くはないのですよ。
※どちらかと言えば、目に見えて減ってる気がします。
それでも、
このタイミングで【GB350】が販売されたことは意味があるとは思うのですが。
後はバイク文化
だいぶ前から言われていますが、バイク乗りは年々高齢化しています。
それでも、スペック第一主義が横行しがちなのは、バイク乗りがまだまだ子供だってことですね。
【GB350】みたいなバイクは成熟したバイク文化でないと受け入れられんのですよ。
バイク乗りの平均年齢が上がり続けているのは、
新規でライダーになる人がほとんどいないからです。
バイクは車ほどではないにせよ、金食い虫です。
今の若者は日所に賢いので「金食い虫。」にはお金使いません。
この辺、日本のバイク業界が先行して本気で取り組まないとどんどん首が締まりますよ。
現バイク乗りは、細々と小さなイベントをするかもしれませんが、 結構みんないい歳なので それ以上の体力も金銭力も既にありません。
バイク文化を誰かが先導するのか?
もしくは、
このままバイク文化は下火になりつつ消滅するのか?
・・どちらかというと「消滅。」が近い気がするのですよ。
ワタクシはあと10年はバイク乗りを続ける予定です♪
その時どうなってるか楽しみです。
まとめ
世界一のバイクメーカーしかできないことをもっと早く何とかすべきだったように思います。
確かに【GB350】は派手さこそ一つもないけれど、
既存ユーザー層の底上げ的な立ち位置ではあります。
YAMAHA SR400が長らくその位置を担っていました。
それすらなくなった日本のバイク市場には確かに【GB350】は必要な車種です。
のんびり日本を回るにはいいバイクに見えます。
ただし、
市場への投入が10年遅かった気がします。
今のバイク購入平均年齢層は既に55歳オーバー。
10年前なら45歳。
この年齢層がバイク業界の主な顧客だったのはわかってたはずですね。
既にライダーはご老体がほとんどなんですよ。
何やってたんだ?
SR400との直接対決が嫌だったのか、インドHONDAの力がなかったのか・・
結構、HONDAは「歴史上、後出しじゃんけんしがちなメーカー。」なので、イマイチ信用がない。
※いいものを作るのは認めますが。
45歳くらいなら「もう一度バイクに乗ろう!」って思う人も少なくなかったハズです。
10年前なら今より、ほんの少しだけ日本人は余裕がありました。
若い世代もバイクに目を向けてくれたかもしれません。
今後、徐々にですが確実に日本人は貧乏になっていきます。
※バイクなんてほぼ遊びにしか使えないものにお金かけられませんよ。維持費もかかるし。
既にバイクはスキーなどと同じで「金持ちの文化。」になりつつあるのです。
そんな中で、【GB350】がどうなっていくのか、ちょっと楽しみでもあります。
こんな記事もあります▼
ちなみに・・
今の中古バイクの価格高騰はバイク文化の最後の花火というか、
「ろうそくの火は消える前が一番明るい。」
状態な気がしています。
バイク文化の消滅を本気でHONDAはひっくり返そうとしてる‥様には見えないのですよ。
※「S660の様に売れなくなったらケツまくる。」とかしそうです。
少子高齢化などバイク文化を取り巻く多様な社会問題があるので難しいのかもしれません。
でも、なんとか・・ならんかな。
ワタクシの予想を思いっきり裏切って、
「【GB350】がバカ売れ!」
「バイク文化再燃!」
みたいな世の中になるきっかけになってくれればいいんですが。