それは排気量のアップです。
ボアアップ以外のチューニングは大抵馬力的には、ほとんど気のせいレベルです。
※マフラー交換して、馬力計測してちょっと上がった!とか費用対効果悪すぎです。
当記事の目次
速くしたければ絶対的な排気量を上げてしまえばいい
誰もが
はっきりとわかるチューニングが排気量アップ(ボアアップ)です。
当倶楽部のZ1-Rもワイセコピストン入っていますよ♪
排気量アップに勝るチューニングはありません。
※メーカーレベルのチューニングが出来るならともかく。
実際に、
排気量違いの兄弟モデルがあるバイクなら乗り比べてみればいいですよ。
※旧車は同じ車体で排気量違いのエンジン搭載車が割と多いです。
などなど・・
免許制度の関係から日本国内には世界的に見たらガラパゴス排気量モデルが昔から存在しました。
これ、同じ車体なだけに排気量のパワー差を乗った全員が体験できます。
※あまりの差に愕然としますよ。
そういうのは結構例外的な存在です。
ああ、こっちが本来の姿なんだね・・と思うこと請け合いです。
ちなみに・・
クルマでも、小さい排気量の廉価版グレードが存在します。
高級ワンボックス車によくみられるラインナップです(笑)
特にアルベル系と呼ばれる人気の車種、一番安いグレードはまともに走りませんよ。
内装が豪華な分、なんだか悲しくなってきます。
※100%見栄の車です。乗車定員Maxだと加速は鈍いわ、燃費は悪いわ。
やはり、本来の設計は最高グレードに合わせて作られてるんだなぁ、と思う次第です。
小型車なら排気量の差はより顕著
誰にでもすぐわかるのは、小排気量車です。
大排気量車でも明らかに低速トルクの差はあります。
※チューニングの際は、低速トルクに振った味付けのほうが体感しやすいです。
より一層わかりやすいのは、ノーマルで馬力が小さい小排気量のモデルです。
元が100馬力で10馬力上がるより、
元が3馬力で2馬力上がる方がはるかにパワーを体感できます。
※人間なんてそんなもんですよ。
例えば、
50ccのモンキーやゴリラの3馬力程度のエンジンに
市販の88ccのボアアップキットを入れてみればわかります。
体感的なパワー差は歴然です。
多分、あっさり2~3馬力は上がるはずです。
※この後、キャブにはまると泥沼になります。
四の五の言わずにコレを組め!というくらいパワーアップを体感できます。
RZ250とRZ350の力の差も歴然です。
数字上は10馬力程度の違いですが、その差は圧倒的です。
RZ250に350のシリンダーを組むのは、かつては定番でした。
面倒くさい人は、エンジン丸ごと載せ替えちゃってましたが。
※RZ350シリーズは、エンジンを250の車体にスワップされたので現存数が極めて少ないです。
350ccエンジンの車体を250cc登録のまま乗るのは違反ですよ♪
ちなみに・・
エンジンの外側は同じで、400ccから1200ccまで使いまわしたバイクも存在します。
SUZUKIのイナズマシリーズです。
よく見れば個性のないデザインなのでどうにでもなりそうですがいまいち人気がないのが残念。
元々は、GSX-Rの油冷エンジンで750ccが最初でした。
※すぐに1100が出ます。
このエンジンの、外側はそのままに400ccまでボアダウンして売ったSUZUKI!
スゲエ(笑)
おそらく、400ccは1200ccと比べると悲しい位のエンジン性能しかなかったのではないかと思います。
※周りで乗ってる人が誰もいませんでしたので想像ですが。
このシリーズ展開を逆手にとって
400ccの車体に、1200ccのエンジン乗せて「中免でも乗れる大型バイク」として売ってた違法改造業者が摘発されたりと、笑い話題の絶えないバイクでしたが、思いっきり人気ないですよね・・
このSUZUKIの油冷エンジンは、すごく良く出来ててフィンの形もきれいだし好きな形です。
GSF1200とかいろんなモデルに搭載された名機です。
※このエンジン搭載したほぼすべてのモデルが不人気車なのが惜しいですが(笑)
米国ではとにかく排気量が多い方が偉い
米国でFZR1000がイマイチの人気だったのは、同時期のGSX-Rが1100だったからです。
米国人のG君が言ってました。
100ccも多いんだぜ?GSX-Rのほうが速いに決まってるだろ?
・・マジか。これが米国人の頭の中なのか・・
G君に限らず、基本的に歴代の米国人はこの発想です♪
なので、コルベットが6000ccとかコブラが7000cc越えとか、そんな化け物じみた車が存在するんですよ。
※あと米国はガソリンが安いので燃費とかどうでもいいらしい。
とにかく、排気量デカい方が速い、偉い!という価値観は米国人には一般的らしいです。
かつて、HONDAがCB450で英国製のバイクより高性能だぜ!って言って米国市場に殴り込んでもイマイチ響かなかったのはそういう気質なんでしょうね。
そりゃ大陸横断クルーザーの
その他、モデルチェンジごとに履き量が軒並み上がっていきますね。
皆米国の価値観だと言われれば排気量アップもうなづけます。
マフラー交換はどうか?
排気効率がアップするのでパワーアップ、レスポンスアップ!という触れ込みの商品が多いです。
確かに、形が変わって音が変わって軽量化にはなりますが・・
体感的にそこまで違いがあるのかと言われれば・・正直微妙なところです。
高価な割に排気系を素人がポン付けで取り付けてパワーアップ!・・どうなんですかね?
レースのレギュレーションで排気量が制限され、ぎりぎりの軽量化合戦や微妙なパワー差を追求するならまだしも公道では・・ねえ。
当倶楽部のZ1-Rは、フルバンクすると地面に接触する純正マフラーにいつ穴が開くか怖いのが理由でマフラー交換しました。
純正マフラーの性能がアレなので、多少性能アップはしたのではないかと思っていますが体感的には公道で普通に使ってる範囲では誤差の範囲ですね。
※純正より排気音が静かなリプレイスマフラーですが。
ちなみに・・
2stのチャンバーは交換すると形状によってはかなり性格が変わります。
2stは、エアクリーナーからチャンバーまでがエンジンです。
チャンバーの形状はほんとに微妙で造形は職人技です。
※高速で伸びるようにも低速で粘るようにもできるようです。
ただ、
リプレイスチャンバーは、明らかに材料の鉄の厚さが薄いので脆いです。
立ちごけでも盛大に凹むものも多いです。
※オフロードバイクのチャンバー変えてガレ場走るとコケなくてもちょっと凹んでたりします。
しかも
カンカンという耳障りな音が増強され、ツーリングには向きません。
※うるさいので周りの冷たい目線に耐えるのがキツイ。
キャブレター交換はどうか?
レーシングキャブは絶対的なパワーアップよりもレスポンスの違いを体験できます。
負圧系のキャブを強制開閉にするだけで全然違ったレスポンスになります。
※反応速度が速くなる、と言えばいいでしょうかね。
レスポンスが良くなった分、パワーバンドまでの到達時間が速くなるわけです。
もちろん、
排気量拡大の改造をする場合、ボアアップに応じたキャブにしないとエンジンに供給される燃料が不足するので息継ぎすることになります。
ボアアップとキャブの関係は小排気量ほど顕著です。
※特に高回転時に顕著です。大排気量のバイクで公道で高回転域をキープするのは無理なのでわかりづらいですが。
それと・・
スロットルレスポンスが良すぎると長距離走る際に、すごく疲れるんですよ。
※ついでにスロットルが軽すぎると高速道路の巡行で疲れます。重すぎても疲れますが。
さらに・・
キャブレーターを交換するとエアクリーナーボックスが付かないことがあります。
こうなると、ツーリングでの使い勝手が一気に落ちるのでおススメはしません。
さらにさらに・・
レーシングキャブは、標高が変わったり、湿度が変わったり、温度が変わったりするとすぐにグズグズ言い出します。
こうなると、乗り出すのが面倒くさくなるくらいです。
高価なキャブに交換してもパワーアップを体感する前に、
※ワタクシも、あまりの面倒くささ戸塚がっての悪さにCR29をやめた経緯があります。
ちなみに・・
例外的に、純正のキャブの性能が明らかに不足しているバイクは実在します。
KDX125SRは製造コストの関係からか、明らかに排気量に対して口径の小さいキャブが付いてます。
純正のPC20は、モンキーゴリラを88ccにした際に使われる定番キャブです。
※HONDAのオフロードレーサー、CR80の純正キャブでもあります。
劇的にパワーが出ます。
純正のキャブはどうしてコレなの?という疑問がいっぱいなくらい性能が足りません。
KDX125SRは、定番と言われるPWK28に変更することで一気にパワーアップします。
※エンジン内部の改造でさらなるパワーアップもできますが、パーツの耐久性が著しく落ちるのでエンジンが壊れます。
KDX125SRに付ける場合は、Bトップと呼ばれるワイヤの方向変換キットが必要です。
あくまでも、KDX125SRは原付2種であり、KAWASAKIが良心的な価格で販売してくれました。
いろんな箇所がコストダウンは仕方ないです。
※キャブも含めてチューニングを楽しんでね♪という意図なのかもしれません。
昔からプラシーボチューニングアイテムは多数存在する
雑誌は、こういう不思議アイテムの効果測定をしたらウケると思うんですが、スポンサー様なのでひどい結果は出せないんでしょうねえ(笑)
それでも、
最近は不確定な過剰な効果をうたった商品は、国が規制してるので少なくなってきましたが、ちょっと寂しくもありますね。
昔のオートバイ雑誌や車雑誌は、こういう不思議グッズを眺めてるだけでも楽しいので古本屋に行くと見ちゃうよね♪
※記事自体よりも広告が時代時代でいい味出してるんですよ♪
小排気量高効率は技術とバランスのなせる業
小排気量で工夫して大排気量に勝つ!
日本人って好きですよね、この考え方。
実際に、小排気量のままいろいろ工夫して高効率という技術は現在の日本では滅びつつあります。
ちなみに・・
小排気量のまま高性能化する唯一の手段は「過給機」です。
一時期、日本の各バイクメーカーがこだわったTurboバイクは、まさに小排気量で大排気量車を駆逐するという発想から生まれました。
HONDA CX500Turbo
YAMAHA XJ650Turbo
SUZUKI XN85
KAWASAKI GPz750Turbo
※現在のKAWASAKI H2や、Z1R-TCはこの発想ではないですけどね。
一回だけ見たことあります。
ネッシーを見てしまったような変な気分に襲われます。
過給機の搭載には、
過給と同時に燃圧の変更したりするギミックが必要
バイクに過給システムの搭載は物理的にむつかしい
等の問題があります。
見たらしばらくは酒のネタになるね。
インジェクションで燃圧は変えられるし
軽自動車のターボユニットを使えば何とかなりそうです。
実際は出来ないことはないらしいんですが、
一般的にならないのは、開発に金がかかりすぎ&売れないのでスケールメリットが狙えないといったところですかね。
まとめ
何かをつけるだけ、という改造方法で、
実際に目に見えるほどの性能向上的な効果があるとは思えません。
※外観とか見た目の性能アップ!という意味ならまだ分かりますが、それにしては費用対応化が悪すぎです。
確実に性能アップを体感するには、排気量をアップすることです。
もうこれしかないです。
※それに伴い大径キャブを装着して何とかエアクリーナーをつけるのがベストです。
排気量アップ、ボアアップさせる以外の動力性能向上カスタムは、おそらく存在しません。
コストがかかる割に、ボアアップ以外の改造やカスタム、チューニングは見合った効果が体感できるかと言えば・・微妙です。
※こういうのって、実際に自分でお金払って失敗体験しないと納得しないもんなんですよね♪
車やバイクの付き合いの歴史が長いアメリカ人は、合理的というか正解を本能的に知ってるのかもしれません。