
10年も使ってればそこもピンシャンしてる方がおかしいのです。
というわけでVT250FHに社外品のリアサスを流用して見たのですが・・。
見た目は良くても運用に支障が出る結果となりました。
旧車のリアショックは抜けてることがある

その度合いが酷くなければそのまま乗り続けたものなのです。
かつて中古のバイクというのはそういうものだったのです。
10年くらい前のバイクと新車で何が違うかというと、
「確実にサスペンションがヘタってる。」
ということが言えます。
まともなサスペンションの 新しいバイクに乗ると自分の運転が上手くなったような気がするのは、
「前後のサスペンションがピンシャンしてるから。」
ということはよくあるのです。
※決してライダーが上手くなったわけではないのですよ。
サスペンションというのは
するだけで結構傷むものなのです。
バイクというのはどこもかしこも劣化するのですが、
エンジン以上にライダーがわかりやすいのがサスのへたりなのです。
※オーナーは慣れちゃってるので気が付きにくいんですがね。
そして。
一度傷むと自然に復活することはなく、素人画面店酢するにはハードルが高いパーツだったりします。
古いバイクのフロントサスペンションは割と簡単に素人でもメンテナンスが出来たのですが、今はどうなんですかね。
※Z1系のフロントサスはフォーク内部にスライドメタルがないので明確な消耗品です。
昔のオフロードに強いショップに多かったのですが、
フロントフォークのオーバーホールを引き受けてくれるショップはあるには合ったのです。
今はどうなんですかね?
※倒立サスは分解&再組立てがちょっと難しいんだよね。
リアサスに至っては、素人はもちろん、ショップレベルでは対応できないことが多かったのです。
そんなわけでヘタったリアサスでもそのまま使い続けている個体が非常に多い。
※ヘタったサスでも曲芸並みのライディングで速く走る人はいるには居るけど多くのオーナーは気が付かないふりが普通。
ヘタりきったリアサスでは新車時の性能はもちろん、下手すればまともに走ることすら難しいのです。
※機会があれば安全な範囲で乗ってみるといいですよ。
それでも同じバイクに乗り続けてるオーナーさんたちは、
ヘタったリアサスを交換するか一流有名どころのサスペンション屋さんにオーバーホールを依頼したりしています。
※マニアは予備のリアサスをストックパーツとして持ってたりします。
プロショップに依頼してリアサスのオーバーホールするのは結構高額になりがちです。
割高な感じはしますがピンシャンしたリアサスは確実に金額相応の効果があります。
ただし、
どんなサスでもOKというわけではなく、内部消耗部品が入手可能なものに限られるようです。
純正のリアサスはオーバーホール不可なものが結構多いです。
※要ショップに問合せ。
当倶楽部でもワタクシが対応できないサスペンションのオーバーホールは一流有名サス屋さんにお願いしています。
その際、
リアサスのオーバーホール期間は何らかの手段でバイクを支えておかねばなりません。
センタースタンドのないバイクだとリアサスを抜いちゃったバイクは自立もできませんので。
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これもリアサスのオーバーホールのハードルを高くしています。
※当倶楽部ではバイク用ジャッキやビールケースなどでバイクを支えてリアサスを外してホーバーホールに出したりしました。
屋外でこの状態だと不安定で仕方ないので、
やっぱりそれなりの保管ができることがリアサスのオーバーホールができる条件なのかもしれません。
そういう恵まれた環境のバイク乗りは多くはないらしく、
やっぱりサスペンションのオーバーホールを行う人はそれほど多くいない様です。
また、
モノショックのリアサスは車体から外すのが非常にめんどくさい。
これも素人メンテナンスでは極めてハードルが高い。
サスをオーバーホールするのはバイク屋さんも面倒くさがります。
バイクショップでは新品のサスを組むことを勧めることも多いらしい。
確かに新品のサスは高額なのでショップの利益も大きいし、作業工賃も高額請求になりがちです。
その際、不要になったサスをオーバーホールして転売・・とかしてそうです。
※オーバーホールしなくてもヤフオクとかで現状でも売れるしねえ。
とにかく、
リアサスのオーバーホールはハードルが高いのです。
最近のぎちぎちに詰まったバイクはすごくめんどくさいハズ。
なので。
中古バイクでもリアサスが抜けてるバイクは非常に多いんですよ。
※個人売買ではこういうのをごまかして高く売るので余計たちが悪いのです。
ちなみに・・
「サスペンション=乗り心地。」という人は未だに結構います。
確かにスプリングとダンパーの組合せでショックを減衰する機能もありますが、
それは割と副産物的な話なのです。
サスペンションの主な役割は、
「路面とタイヤを効率よく接地させ続けること。」
なのですよ。
タイヤが路面についてない状態ではアクセル開けてもブレーキかけてもハンドル切ってもコントロールできません。
ゆえに。
高負荷をかけてハイスピードになるスポーツ仕様ほどサスペンションはシビアになります。
運動性を追求する車種ほどシビアな条件でのサスの動きが求められます。
だからと言って、
単純にサスペンションを固くすればいいってもんじゃないのが奥が深い所なのです。
※この話を始めると数時間は語れるけどこれくらいにしておきます。
要するに、
「ヘタったリアサスは路面をうまくつかんでくれないのでまともに走れない。」
ということだけは覚えて帰ってくれ。
リアショックは外装部品並みに絶版部品になってることが多い

純正リアサスはオーバーホールできるようになってないものも多いのです。
少なくとも少し前までのリアサスはオーバーホール前提で作られていませんでした。
というものが多かったのです。
この頃はバイクは消耗品で「10年も乗れば大往生。」というくらいの消耗品でした。
長く乗ることを前提に作られてないものが非常に多いのでそれも仕方なし。
それでも、
それなりにリアサスの需要はある様でそれなりにメーカーの倉庫から純正パーツのリアサスは消えるのが早いのです。
※メーカーは単価が高いパーツはストックしたがらないし。
当倶楽部のVT250FHは35年ものです。
フロントサスはワタクシが自らオーバーホールしました。
これは慣れれば結構簡単です。

VT250FH。
これはこれで結構大変でしたが。
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リアサスは今のところダンパー抜けの怪しい動きはしていませんが一刻も早くオーバーホールしたいのです。
もちろん新品は欠品ですし、非分解式っぽくてワタクシには対応できません。
有名サスショップにオーバーホールを依頼することも考えましたが断られる可能性が非常に高い。
さて困った。
どうするワタクシ。
ちなみに・・
VT250FG、FH、VTZという車種は非常に頑丈な車種でして。
バイク便で御用達だったくらいなので非常にタフです。
※ワタクシはカブ以外、VTシリーズほどタフな車種を知りません。
走行距離が10万キロ、15万キロという個体も結構います。
※それでも燃費が30km/Lだったりするのが凄い。
これぞエンジン屋HONDAの最高傑作!と言っても過言ではない。
現存数が少ないのは非常に不人気だからです。
そんな車種なのでリアサスはフルカバードみたいな妙な作りでダンパー部のシャフトが外部から見えないんですよ。
どんな作りになってるんだかよくわかりません。
ゆえに。
保管環境が良くなくてもダンパー抜けやシャフトの錆などから守ってくれてそうな気もするのですが、
何せ外部からはリアサスのダンパー部の状態は見えないので困ったもんです。
多少滲んでるくらいならいいんですが。
予備を手に入れて分解してみるかねえ。
他車流用という考え方

幸いにもこの頃のHONDAの250ccバイクのリアサスは取付け方法が一緒だったりします。
※その後もしばらく大きく設計変更されない。
ネットで調べたら、
「VT250FG系のバイクには4気筒系CBR250系のリアショックが装着可能。」
という情報を得ました。
※実際、サーキット仕様のVT250系ではよく使われる方法だそうで。
とはいえ、
純正の4気筒系CBR250系のリアサスなんて入手できるはずもありません。
YSSというアジア(タイ)のサスペンションメーカーのものが非常に安価で入手可能だったのです。
※最近は 中華の国製を除けば アジアのパーツは結構バカにできないのですよ。
というわけで買ってみました。

VT250FH。純正とYSSのリアサス。
35年物のリアサスはこれくらい汚いのよ。
実測して見ると全長は穴から穴まで2cmほど長いとはいえ、
純正のVT250FH用のリアサスと取付け部で数ミリ違うだけで小加工で付きそうです。

いろんな車種用のがあるので検索してみるといいです。
純正の数分の一の値段で買えます。
※既に中華の国製のコピー商品が出回ってるそうです。
たかが2㎝で車高が変わりまくる

が。
すさまじくリアサスのリンクシステムのナットが緩まないので苦労しましたが、
数時間かかって当倶楽部のVT250FHからリアサスを撤去&YSSのリアサスを組み込みました。
※センタースタンドがあるバイクってこういう時素晴らしく便利ですな。

VT250FH。YSSリアサスインストール。
赤いスプリングがかっこいいです。
が。
リアサスが2cm伸びた分、
センタースタンドをかけているにもかかわらず、リアタイヤが地面に接地します。
タイヤが接地するだけならまだしも、リアタイヤがさらに車体を押し上げています。
※センタースタンドが浮き気味で調不安定です。

VT250FH。
センスタ掛けるとリアタイヤが接地したうえ、車体を持ち上げてるのだ。
リアサスが2cm伸びただけで、タイヤ部分で4cmから5cmほどの差になるようなのです。
※よく考えれば当たり前だ。
当然、車高が上がった分、サイドスタンドで支えると車体が非常に傾きます。
ワタクシは不安定この上ないので傾きすぎんHONDAのバイクのサイドスタンドが大嫌い。
当倶楽部のVT250FHは純正のサイドスタンドをかけた際の車体の傾きすぎが気に入らなかったのでサイドスタンドを3cmほど延長加工しています。
それでもすごい傾斜角度になります。
※たぶん純正のスタンドだとそのまま転がります。
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跨った感じは足つき性がちょっと悪化するくらいですが、
VT250FHは超足つき性能がいいので5cmくらい車高が上がっても足は全然つくので問題は全くありません。
※許されるなら車高はもっと上げたいくらい。
スタイリングとしては、
「ケツ上げっプリは非常に勇ましいのですが車体設計時のジオメトリは大丈夫なのか?」
というレベルです。
※こういうケツ上げカスタムしてる人いますがまともに走らせるなら発想が逆ですよ。
っていうかサイドスタンドでもセンタースタンドでも不安定なんですよ。
「普段使いに支障が出るレベル。」
です。
収納したセンタースタンドとチェーンも接触するし。
こりゃマトモに使えないわ。
というわけで。
結局15分程度悩んだ挙句、元の純正リアサスに戻しました・・。
こういうこともあるのよ。
こういう時はすっぱりと諦めるのが潔いのです。
ちなみに・・
YSSのリアサスは全体的にレース用だと思った方がよさそうです。
レース用のリアサスというのは公道で使うのはそれなりに問題があるのです。
ストロークを長めにとってライダーがコントロールできる範囲を増やしていることもありますし。
段差を超えることを想定していないのでスプリングは堅めですし。
また。
取付け部の形状が同じで同形状に見えるリアサスでも年式が新しくなるにつれて、
サスペンション自体の長さが長くなってたりもします。
運動性の向上や1Gでの沈み込み等を考慮した設計ということなんでしょうねえ。
当倶楽部のZ1-Rにはレース用のYOSHIMURA SHOWAのサスが付いています。
何用かははっきりわかりませんが恐らくCB1000SF用じゃないかと思われます。
これが明らかに長い。
昔のバイクのリアサスは直立に近かったのですが、
ストローク量を持たせるために次第に寝かされて搭載されるようになります。
いわゆるレイダウンという奴です。
同じような重量の同じようなレイアウトのバイクでも設計思想によってリアサスの長さが変わるのですなぁ。
ワタクシはZ1-Rに長いサスペンションを搭載してセッティングに非常に苦労したのです。
スプリング自体から変更することになって結局高くついたし。
※過去記事を参照のこと。

Z1-R。
このサスを公道で使い勝手がいいようにするのに2年くらいは余裕でかかっています。
※お金もかかっています。
レース用を重宝する人達は未だに多くいますが、
実はレース用とか最新型とかのサスペンションは公道で使うには使い勝手が良くないことも有るのです。
バイクはこういう所が奥が深くて面白いのです。
まとめ

VT250FHのリアサス交換は失敗に終わりました。
ワタクシの休日の午後の時間がまるっと無くなった無駄な作業になりました。
まあ、いい。
これもまた勉強ということで。
※また要らないパーツがガレージに転がることになったので誰かにあげようと思う。
サスペンションの長さで2cmの差がタイヤの位置で4から5cmの差になるのですなぁ。
※あらかじめ長さを採寸してから購入すればよかった・・orz。
そして、
車高が上がればそれに応じていろいろな個所に影響が出る。
そんなことは知ってるつもりだったんですが、この年になってやるとは非常に情けない。
何でもかんでもパーツを取り付ければいいってもんじゃないのです。
もちろん、
時間をかければこのサスでセッティングを詰めることはできますが、
この手のチューニングを詰める作業は結構面倒くさいのです。
※お金もかかるんですよ、サスのセッティングというのは。
限られたバイクに乗れる時間とお金ですので出来るだけ楽しく純粋に遊びたい。
その際に頭を悩ませて走るのはなんとなくもったいない気がしています。
多少車体のパフォーマンスが上がるよりも気安くライダー側で調整した方がお金もかからないし健全だと思います。
パーツ組んで車体のジオメトリが変ってもプラシーボ効果でやせ我慢・・というのは小僧がやるから見てて可愛いのです。
いろいろ経験豊富なオヂサンがやると非常に貧相な感じがしますな。
今回もいい勉強になりました。
一応、ネットで調べてから購入したのですが所詮無料の情報だし、勝手に信じたワタクシが悪いのです。

確か猪の何とかというオシャレパテ。
あんまり悔しいので長野市街のはずれにできたジビエ屋さんでご飯を食べにいきました。
すさまじく美味い。
それでも、
手の入りにくいリアサス回りを徹底清掃できたのでそれはそれでよしとするのです。
リアサスのリンク回りのグリスはすっかり無くなってたし。
現状、当倶楽部のVT250FHのリアサスのダンパーも それほど 抜けてるようには思えないので大事に使いましょう。
※時間をかけて程度のいいリアサスを探すかオーバーホール業者を探すかしてみるか。