中古で手に入れた乗り物の場合、ボルトナットの固着の問題はもれなく付いてきます。
一度一通り手を入れちゃえば、めったにないんですけどね。
※それでもマフラー周りとかは熱と水分で錆びて固着したりします。
レストアなどを行う場合、結構な頻度で遇するこの場面、
初心者は茫然と、
中級者は淡々と、
上級者は鼻歌交じりで、
対処するように思えます。
そんな場面に役立つ無駄知識をまた一つ記事にしてみます。
当記事の目次
ボルトを緩める基本工具
メガネレンチもソケットレンチも、
6角の方が力が逃げないのでなめにくい
です。
ただし、当然12角の方が倍の角度で使えて使い勝手はいいです。
※12角のソケットは、結構ボルトが逃げるのでなめる危険性高いです。
どうせ、どんどん買い足していくことになります。
※ただし、高価な工具はやはり精度も高いので舐めにくいのは確かです。
とにかく、
硬くしまったボルト&ナットはがっちり工具でかみつかせて逃がさないことが基本です。
力任せに回そうとすると、意外にあっさりボルトの頭も舐めますよ。
ちゃんと整備されてる車やバイクはボルトナットを外す機会も多いので固着してない気がします。
外したボルトやナットは、きれいに錆を掃除してCRC-556などを吹いてから組み付けることでだいぶ固着が防げます。
※おかげさまでワタクシも最近はレストア車両以外でボルトやナットが外れないということがだいぶ少なくなりました。
関連記事▼
物理的に可能な場合はエクステンションを使え
メガネレンチやスピンナーハンドルの柄の部分を物理的に延長できるような適当な鉄パイプを噛ませましょう。
当倶楽部では、これをエクステンション作戦と呼んでいます。
エクステンションとして柄の部分を長くすることで、
「てこの原理」
でボルトに大トルクをかけることが可能です。
当倶楽部の場合、
近所の農家で使わなくなったビニールハウスかなんかの骨の鉄パイプをもらってきて使っています。
※切断機でぶった切ったので大量にあるので商売にならんもんかと(笑)
エクステンション作戦を使う場合、物理的にスペースがある場合に限りますが・・
※あんまり長すぎても使い勝手はよくないのでほどほどにしておくのが吉です
長さに応じてパワーはかかりますが使い勝手がよくないですよ。
ちなみに・・
てこの原理でハイパワーをかけてボルトを回す場合、
ボルトやナットからレンチが浮かないようにきっちりと押さえて回すことが大事です。
※力がかかるだけに、あっさり舐めます。
さらに、
あんまりボルトが錆びたり痩せたりしている場合、てこの原理で増幅されたアナタのパワーでボルトを折ることもあります。
そういうボルトはもう寿命なのであっさり更新することが必要です。
※とはいえ、8mm以上のボルトが折れるのはどこかしら問題があると思っていいです。
固着したボルトに使ってはいけない工具
■力をかけてもいい工具
※ボルトやナットを緩めるために効果的です。
■早くボルトを回すための工具
は緩んだボルトを速く回すためのもの、と覚えましょう。
スパナやラチェットレンチは、大トルクで締まっているボルトナットを緩めるのには向きません。
ツーリングなどで工具を携帯するなら高級品よりも種類が多い方が優先です。
見栄を張ってもボルトは回りません。
ちなみに・・
モンキーレンチはほとんど緊急事態用です。
一本で様々なボルトに対応できて便利そうに見えます。
非常に使い勝手がよく、携帯工具としても便利です。
でも、いざという時でも物理的に大きく、込み入った場所には入りません。
回せないので使えないことがあります。
2角しかないので、ボルトも舐めやすいです。
その前に、可動部分が微妙にズレて力がかけずらいです。
ラチェットレンチは工具として強度的に弱い
なにせ、稼働ギミックが内蔵されています。
思いっきり力をかけるようにはできていません。
ラチェット機構は、固く締まったボルトを無理やり回そうとすると、マジで壊れます。
可動ギミックが細かく複雑なので、壊れやすいんです。
安くてガタがあるようなラチェットレンチは思いっきり蹴っ飛ばしたりすると一発でラチェット機能が壊れます。
※ホームセンターのセットに入ってるラチェットレンチはすぐ壊れます。
ワタクシも某有名ブランドのラチェットレンチを所有しておりますが、
メガネレンチで緩めた後、速攻で回したいときしか使わないです。
※持ち替えるのが面倒なので、メガネレンチばっかり使っていますが、疲れてくると超便利♪
KTCのラチェットレンチセットは非常に頑張って買ったので壊すのを恐れているのですよ。
昔高かった記憶があるんですが、検索したら意外に高くないのでビックリだ。
どうやっても回らないボルトやナットもある
特に、熱と水にさらされ続けているマフラー系はこの傾向が強いです。
具体的には、
旧車に特に多いのが鉄製のマフラーと触媒の結合ボルトが固着しやすいです。
完全に結合してしまってネジ山すら判別できなくなってる個体も多いです。
こうなると、
- 全然緩む気がしねえ
- 再利用する気がしねえ
という場合があります。
※旧miniは、一年もほっておけばエキマニと触媒の連結ボルトやナットはもう絶対回りません。
そういう場合はどうしよう?
まだ手はあります。
ナットを破壊するという強硬手段
※貧乏で気が短い人はグラインダーを使いがちですが車の下にもぐって火花を浴びるのは結構怖いです。
鉄ノコで地味に切っていくという手法もありますが、とんでもなく時間がかかります。
※気の短いワタクシのような人には向かない手法ですが、一応鉄ノコも持っています。
グラインダーも鉄ノコも使えない場合・・
ナットを粉砕しちゃいましょう。
最後の手段、ナットクラッカー(ナットブレーカー)という工具が存在します。
ただし、多少かさばるので場所が許されれば使える工具っていうことです
この工具でナットが割れるときはパキン!って一気に割れることがあります。
じわじわ割れるより爽快です♪
物理的に工具が入らない場合はどうする?
という場合は、あっさりと工具を削りましょう。
自分だけのスペシャルツールの爆誕です。
ボルトナットの固着を外す、という記事の趣旨とは少しずれますが・・
ごちゃごちゃとエンジンルームにいろいろ詰め込まれている系の車でよくありがちなのが、
工具が入らねえ
という物理的な問題です。
手順よく周りの補器を全部外していけば問題ない場合もありますが、
この部品はエンジンを丸ごと下した後で外してね♪
という面倒くさいものも存在します。
基本的に、
手が入りずらいところのボルト&ナットが固着している場合は、正しい手順で取り掛かるべきだと思います。
それに、大トルクで締められているようなボルトやナットにも使うべきではないと思うのですが・・
外し技として、
「工具を削る」
っていうのは全然ありです。
ボルトが固着してない場合、
特にその場所に特化した専用の工具を既存の工具を削って作っちゃうことがあります。
※実はたくさん持ってたりします。
高価な工具を削るのは持ったないので、やっすいホムセンの工具セットの一部で十分です。
※こういうのがスペシャル工具となって、手放せなくなるので世の中わからない(笑)
ちなみに・・
ワタクシの思い出深い削り工具としては、
旧miniERAターボのエンジン側のエキマニ外すのに数本の13mm(ほんとは1/2インチ)スパナを削って使っていました。
全然工具が入らないんですよ、キャブとか冷却水路が邪魔して・・
入っても物理的に回らない。
※ご丁寧に、フランジ止める変形ワッシャーもトモジメです。
おかげで飛躍的にメンテナンススキルが上がった気がします。
この工具のおかげで、
恐らく、ERAターボのキャブ(エキマニと共締め)を外させたら、
今でも日本で一番早い自信があります。
※それほど良く壊れたってことです。
ああ、つらかったけど楽しかったな、ERAターボ♪
※でももう古いキャブターボの車は止めようと心底思いました♪
[/st-mybox]
まとめ
そのために工具もいろいろあります。
ただし、
それぞれの工具を使いこなすにはそれなりの経験値が必要です。
当然、応用力も問われます
要するに、その時点のメンテナンス実施者の実力の総力戦になります。
※まあ何でもメンテの場合は総力戦なんですが。
基本的に、
アイキャッチ画像位極端にひどい場合以外は、回らないわけはないのでいろんな手段を試せばいいと思います。
※こういう経験と失敗談が以降の自分の宝物になります。
基本は、
- ボルトにかける力が逃げないように工夫する
- そのためのきちんとした工具が存在する
ということは知っておくといいですよ。