うわ!ネジの頭を舐めそうだ。
うにーーとなったプラスネジ頭を見ると凹みますね。
中古で買ったバイクや車のプラスネジの頭が舐めてることはよくあることです。
でも、諦めずに出来るだけジタバタしてみましょう。
舐めたネジを外した本数はそのままアナタのメンテナンスの歴史です。
レストアなどの際には破壊覚悟でチャレンジしてみるのがよろしいです。
※プロでもなかなか難しいんですよ、ネジ舐めの対処は。
記事の内容
ネジ頭をなめそうだと思ったら
ネジ山を舐めそうになったら、ひとまず一回落ち着け。
経験上、焦ると絶対いい結果になりません。
自分で旧車を整備している人にとって、
一回もネジ舐めたことないという人はほぼいません。
※いたら多分神です。
ネジが舐める感覚は何度やっても嫌なものです。
嫌でも絶対に避けて通れない道です。
ならば、
できるだけ確実にものにしてやろうという話です。
ちなみに・・
一度舐めかけたネジを再利用とか絶対やめた方がいいですよ。
マジで次回以降ネジを外す際に苦労します。
舐めたネジは上手に外して、
ホームセンターに行って代わりのネジを買ってきなさい。
数百円で安心変えるなら安いもんです
スペース的に代用できるなら、全部キャップボルトに変えちゃうのも手です。
※キャプボルトも舐めますが。
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舐めそうなネジはドライバー単体で立ち向かわない
固着してそうなネジにドライバー単体で立ち向かってはいけません。
負ける危険性が上がります。
ならば、工具を組み合わせましょう。
ドライバーは精度の良い物を使いましょう。
最初にいいものを買った方がいいのがドライバーです。
ネジのつかみ力が違います。
※ドライバーは消耗品です。
最初にいい工具をそろえる必要はない、と以前記事で書きました。
それはあくまでも
最初に何を買ったらいいのかわからん人向けの記事です。
お金に余裕があれば最初から見栄を張って高価な工具をそろえるのもいいです。
普通は実際に作業しているうちに不足を感じて買足し&買換えになっていきます。
※工具って集めると楽しいんですよねえ・・
中でも、ドライバーは消耗品です。
ドライバーの先が傷んできたら交換したほうが無難です。
※貫通ドライバーや電動インパクトドライバーは先が傷みがちです。
ワタクシのおススメは、
ドライバーの金属部が四角いものです。
※もしくは六角のもの。
なぜか?
ここに、スパナやモンキーレンチ、六角なら眼鏡レンチを噛ませます。
固くしまったネジを外すのに、
んです。
こうすることで、
ネジの頭にほぼ最大の圧力で押し付けつつ回すことができます。
要するに、
ネジ頭からドライバーを逃がさないようにするわけです。
※慣れてくると、なめそうなネジにあらかじめこの技を使うようになるので、ネジ頭が舐めること自体が減ります。
この方法、
少しくらいなら舐めたネジ頭でも有効な場合があります。
少しはジタバタしてみましょう。

さすがKTC。
これならメガネレンチと組み合わせが可能!
しかも単体で買うよりかなり安い。
鍋ネジを舐めた場合
鍋ネジというのは頭がマルク盛り上がったプラスネジのことです。
+部分が舐めてもネジ頭が出ていればまだチャンスはあります。
鍋ネジが舐めた場合は、
つかみもの工具の王様、バイスプライヤー様におすがりしましょう。
こいつはマジですごいです。
一家に一本持ってるべきレベルです。

そしてメーカー品でも意外に安い。
ネジ頭にバイスプライヤーを噛ませて緩める方に回せばOKです。
その際、一気に回しすぎるとネジ頭を舐めるという二回目の地獄が待っています♪
そうなったら、少しヤスリで削って、バイスプライヤーががっちり噛む場所を作ります。

舐めたネジ対応に特化したバイスプライヤーもある。
バイスプライヤーは、できれば有名メーカーの精度のいいものがいいですよ。
ホームセンターで売ってる安物はガタがあってかえって使い勝手が悪いです。
※肝心な力がよじれて逃げるんですよ、安物は。
それでも、
バイスプライヤーがないよりは、はるかにマシです。
ツーリングに携帯していると一時的に折れたレバーの代わりになったりもします。
※ワタクシはホームセンターの安物はツーリング時の緊急用に携帯しています。
バイクのブレーキマスターシリンダーの皿ネジは舐めやすい
中古バイク車両はかなりの割合でこのプラス皿ネジが舐めています。
※しかも錆びてるのでたちが悪い。
バイクのレストア作業ではブレーキ周りの整備をする際にマスターシリンダーのネジ外しというハードルが待っています。

ほんとによく見るマスターシリンダのネジなめ
こういう境遇にあったバイクは、
ブレーキマスターシリンダのフタを止めているプラスの皿ネジが舐めやすいです。
この皿ネジは、なめる前に前述したドライバー&レンチ作戦で外れることが多いです。
※でも大体かわいそうな境遇のバイクはすでにこのネジが舐めてることが多いです。
完璧にプラス部分がドライバーが噛まないほど思いっきりなめちゃってる場合は、
ドリルでネジ頭部分だけを慎重に粉砕しましょう。
その際、極力ネジ頭だけを削り取って根っ子はできるだけ多く残すのがコツです。
根っ子が出てれば、
つかみもの工具の王様「バイスプライヤー」
の出番です。
根っ子部分にバイスプライヤーをがっちり噛ませて
手のひらで緩む方向にコンッコンッと断続的な衝撃を与えます。
※これでよほどのことがない限りネジは回るはずです。

大体、この方法で緩みます
※うまくネジが回った時の安ど感は半端ないです。
注意点としては、ブレーキマスターシリンダーに傷をつけないことです。
マスターシリンダー自体に傷が入ると、ブレーキフルード液漏れします。
マスターシリンダーのインナーゴムパッキンあるので気にすることもない気もしますが、念のためです。
※アルミ素材は意外にあっけなく割れます。
マスターシリンダの蓋のネジが折れて根っ子がネジ山に埋まっちゃっている場合、
きっぱりあきらめた方が無難です。
※どうやってもマスターシリンダ自体が壊れる危険性が高まります。
ちなみに・・
ブレーキマスターシリンダーのネジの場合、
ためか固着しがちです。
ワタクシはバイクをエスタする際、
ブレーキマスターシリンダのネジはメンテナンス時に外して少しでも固着しそうならアッサリ交換しちゃいます。

マスターシリンダの蓋のネジは汚いと気になる方です。
レストアの最初に、目に入るネジは交換する主義です。
基本的には「たまに緩めて締めなおす」だけで固着の対策になります。
マスターシリンダのネジの場合、普通に年に一度くらいブレーキフルード交換していれば固着することはないですよ。
一般には、金属素材の電位差から電蝕という金ぞ気が腐食する現象が起こるとされています。
アルミの部品に対して電飾が発生するという理由でステンレネジの使用は嫌われています。
ワタクシはすぐステンレスにしちゃいます。
折れると悲惨ですがネジ自体の強度が高いからです。
※場所が場所だけに、外した皿ネジには薄くシリコングリスを塗っておきますが。
電飾が発生したことは今までないので実際に見てみたかったりもします。
ネジが部品の中で折れたらどうやって外す?
ネジを折った時点で整備のハードルは急上昇します。
自信がない人はプロに頼んだ方がいいです。
※プロでも完全に対処できる人は少ないです。
ハードルが高いパーツ内部でのネジ折れ・・
極力ネジやボルトは折らないようにするのが基本です。
でもね・・折れるときは折れるんです。
しかも、かなりあっさりと・・
自信がない場合、工具がない場合はプロに任せた方が無難です。
それでも、
部品の粉砕覚悟でジタバタしてみたい人のために・・
折れたネジが太くドリルを垂直にぶれずにまっすぐ落とせる場合は、
という手もあります。

エキストラクターの細いビットは折れやすいです。
ワタクシも何度も折っています。
エキストラクターを使う際の注意する点としては、
折れたネジ自体に下穴をあけるために電動ドリルを使うんですが。
細いドリルの歯に力をかけると歯が折れる場合があります。
折れたドリルの歯が抜ければまだいいです。
折れた歯がネジに噛んだまま残った場合、経験上そのパーツはあきらめた方がいいです。
※こうなるとプロでもネジを外すのは難しいです。
物理的にエキストラクタを使うための下穴をあけるのは細いネジはむつかしいです。
※細いネジの場合、ネジを内側から粉砕するしかありません。
ちなみに・・
ステンレスのネジを折ってしまった場合は、
ステンレスが固すぎて金属用ドリルの歯が役に立たないことが多いです。
※ステンレスボルトが嫌われる理由の一つです。
細いステンレスネジ折れたらエキストラクタを使うことは・・多分不可能です。
折れたネジが残ってる部品が肉厚の場合
ドリルでネジ山ごとネジを粉砕してしまいましょう。
その際、極力パーツの肉厚が残るように気を付けましょう。
これが結構度胸がいるんですよ・・
電動ドリルって使い慣れないとすぐ歯を折ります。
※細いドリルの歯はホントにすぐ折れます。
折れたネジがステンレス製の場合はあきらめましょう。
ネジをネジ山ごと粉砕出来たら、ネジ山を自分で作ってやることができます。
ネジ山に見立てた一回り大きいコイルスプリングを部品に挿入することでネジ山自体を作ることができます。
ついでにネジ山自体も強化できます。
※古いアルミ材に直接ネジ山を切ってある場合、この加工で強度を上げることができます。
これを一般に
ヘリサート加工
と言います。
※古いロータスの部品なんかこれやらないとおっかなくって乗れません。

プラグホールやドレンボルトの穴も対応可能です。
むしろ大きい穴の方が素人には加工しやすいです。
ちなみに・・
細いネジの場合、
ヘリサート加工をする際にヘリコイルがスペース的に入らないものも多いので先述したように部品自体を諦めるのもまた勇気です。
※粉砕覚悟で臨む勇気は称賛に価しますが。
まとめと予防策
ネジやボルトは
錆びさせないこと
固着させないこと
が重要です。
実はネジが舐めるくらい固着するということは普通にメンテナンスしてればほとんどないです。
普通に整備していれば、ネジが折れるということもあんまりないです。
固着してなくても、
こういう場合にネジ舐めやネジ折れは発生します。
ネジが必要以上に固く締まっているというのは放置されて錆やゴミなどが固まった場合が多いんです。
そもそも、
ネジはボルトと違って設計上、それほど高トルクで締まってるものは多くないです。

これは軽傷。余裕で外せるパターン
とにかく、ヤバそうだな・・と思ったら、
- ドライバとモンキーレンチ組み合わせ作戦
- バイスプライヤー作戦
で、傷が浅いうちに対応しましょう。
※何百本もネジゆるめてれば、うう!舐める!という感覚が研ぎ澄まされていきます。

ネジ舐めるか!ちがうか!
この二通りの手法は自分で整備する際は、覚えておいて損はないですよ♪
※少しでも舐めたネジは潔くきっぱりと新品に変えましょう。
この他にも、
インパクトドライバーなどという工具もありますが、バイクや車のネジを回す場合パワーが逃げて他の場所にダメージを受ける場合があります。
※電動インパクトドライバーはドライバーの頭が傷んでるとアッサリネジを舐めますよ。
大事に乗れば、古いバイクや車はちゃんとした資産となってくれますよ。