最後にブレーキキャリパーを外したのはいつですかね?
ブレーキパッドを交換するタイミングよりも早く清掃した方がいいですよ。
ブレーキキャリパーは放置すると錆付いたり、ゴムが破れたり、蜘蛛の巣が張ったりするのです。
こうなると、
自慢の愛車の本来のブレーキ性能は発揮できないどころか危ないですよ。
当記事の目次
熱と水にさらされるブレーキキャリパー
放熱性に優れ、水切りが早いという性能的な優位面からスポーツバイクのディスクブレーキはほぼ標準となっていますね。
割とノーメンテなバイクも多いのですよ。
パッドの交換の際についでに見るくらいで。
年に一度くらいは清掃してあげた方がいいですよ。
結構ブレーキダストがたまってるし、シールが痛んでいる場合もあります。
実際に分解して清掃して構造を知ると
「こんな チャチな ゴム製品が頑張ってるんだ!」
と思うこと請け合いです。
ブレーキは発熱する
ブレーキはパッドやシューと言った耐摩耗に優れた素材を回転するものに押し付けて作用します。
この際、摩擦熱が発生するのですよ。
急制動後のブレーキディスクを触ればわかりますが超熱いです。
雨天のツーリングではブレーキ回りから湯気が出てたりしますよ。
※車のレースではブレーキングポイントでブレーキディスクが発熱して真っ赤になるのが映像からもわかります。
この発熱体のすぐそばで頑張ってるのブレーキキャリパーです。
ブレーキキャリパーは、
役割をしています。
当然、熱にさらされます。
熱と言うか温度変化と水はバイクを構成する部品を劣化させる最大の敵ですよねえ。
これらはバイクを長期維持するうえの最悪の三大要素です。
経年劣化には必ずこいつらが関係しています。
結構厳しい環境に耐えてるブレーキキャリパーですので、
年に一度くらいはメンテナンスしてあげてもいいんじゃないかと思うのですよ。
ドラムブレーキ
ドラムブレーキは構造上、水が入りずらいので天候による影響は受けづらいのですが、熱がこもるので放熱面が弱いと言われています。
旧miniには後付けのパーツで「フィン付きのドラムブレーキがある」くらいです。
※と思ったら新しめの車のもあった(笑)
確かに軽量化にはなる。
こういうの、
モンキー・ゴリラマニアにはウケそうですが(笑)
ドラムブレーキも調整がきちんとされていれば効きは悪くないです。
キャリパーはありませんが、構造上ブレーキダストがドラム内にたまってるのでこちらも一年程度で分解清掃してあげた方がいいと思います。
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ちなみに・・
ディスクブレーキは 思ってるより 単純な作りで、メンテナンスも簡単なのですが・・
簡単・便利なだけに結構適当に扱われてるのですよ。
メンテナンスフリーの乗り物は寿命が短い、と言われるのも納得です。
壊れるまで放置、壊れたら丸ごと廃棄という考え方はまだなくならないものかね?
最近のバイクはABSという電子デバイスがついてるのでおっかなくって素人は手を出さない方がいいのかもしれません。
※とはいえ、バイクショップは今どきの電子デバイス満載のバイクにちゃんと対応できるんですかね?
非常に頼りないブレーキキャリパーの仕組み
基本的には、出っ放しでブレーキビストンのシール部がわずかに戻してくれているだけです。
キャリパー動作の確認方法
Z1系のリアキャリパーはごついのよ。
こうすると、
ブレーキピストンがキャリパーからグニグニ出てきます。
※やりすぎるとピストンが抜けてフルードが噴出します。
レバーを離した時に、
ちょっとだけピストンが戻るはずです。
※ディスクからの反動がないのでピストンが戻るより、出る量の方が大きくて正常です。
ブレーキピストンシールは、名称通りブレーキフルードとブレーキピストンの隙間を埋めるシールの役割が主です。
ピストンをちょっと戻す役割もあります。
こんな輪ゴムみたいなパーツでブレーキは成立しています♪
Z1-RやZ750D1、Z750FX1は同じパーツです。
ダストシールとセットで売ってる。
押し出されたピストンの周囲に錆や傷があるとブレーキピストンシールを傷つけます。
そうなると、
ブレーキピストンシールがブレーキフルードの圧に耐えられず、ブレーキフルードがにじみ出します。
当然、ブレーキラインにかかる圧が抜けちゃいますので、レバーやペダルを踏んでも「ブレーキ効かないわ♪」ということになりかねません。
と言うわけで、
ブレーキキャリパーはチェックもかねて適度に清掃&グリスアップすることをおススメします。
※当倶楽部では春先の天気のいい暖かなバイクシーズン前、オイル交換などと同時にチェックしています。
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キャリパーの性能はキャリパーピストンシール(ゴム)次第
所詮ゴムの部品ですので状態のチェックは必須です。
とはいえ、
中々目視できるところではありません。
ブレーキキャリパー単体にするのは結構面倒くさい。
意外に丈夫・・とはいえ、所詮ゴムです。
少しの滲みを誤魔化し誤魔化し走ってて、出先でサドンデスされて走行不能になるのは困るのです。
そして、
滲みが発見されたらキャリパーピストンシールを交換するのはブレーキフルード全交換コースです。
※非常に面倒くさい。
ちなみに・・
当倶楽部では、毎年春先に
を行っています。
春先のオイル交換と一緒の定型ルーチンとしてすべての所有バイクに行っています。
※このタイミングで整備するのが一番いい状態でシーズンを迎えられると思っています。
キャリパーの分解清掃とグリスアップ
※自信のない人はやっちゃダメです。
最悪、元に戻んなくなります。
キャリパーのチェック
※柔らかい歯ブラシも併用することがあります。
※5~7工程はもう一回やってもいい。
こういうものもある。
こういう工具を使わずに、慣れない人がやるとピストンが真直ぐ入らず、キャリパーもピストンも傷つけます。
のですが・・
パッドが減って捨てるしかないブレーキパッドをキャリパーセットして、タガネ状の工具をテコの様に使い、そーっとピストンを押し戻すことは可能です。
※ピストンに傷ついても知りませんが。
最近のバイクにはダストシールがついてない気がします。
また、
特に古いバイクはキャリパーピストンにダストカバーが付いてる車種もあります。
コレも綺麗に清掃して、シリコングリスを表裏に塗りたくっておきましょう。
※放っておくとゴムが硬化して裂けます。
ブレーキ周りには超使う!
シリコングリスはゴムパーツの潤滑には必須。
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動かないピストンがある
複数のキャリパーピストンで構成される高機能ブレーキキャリパーは、入力に対して均等にピストンが押し出されてこない場合が多々あります。
こうなるとせっかくの高性能キャリパーの性能が発揮できません。
原因は、キャリパーピストンシールとピストンの固着がほとんどです。
でも、
それは放置した期間が長くメンテ不足と同意です。
入力に対して、パスカルの法則で均等に油圧がかかるはずです。
ちゃんとシリコングリスをピストンに塗布してあげましょう。
シリコングリスを塗りずらい位置は、
楊枝の先を丸くしたものや綿棒を使って塗布するなどして工夫するのですよ。
ブレーキ関係はスムーズに動かないとねえ。
ダストシールも破けないようにしないとねえ。
固着したピストンの剥がし方
動いているピストンを何らかの方法で押さえたうえで、
ブレーキレバーやペダルを入力をすれば大抵解決します。
これで、
大抵はちゃんと均等に動くはずですよ。
動きが渋かったらもう一回ピストンを押しだしてグリスアップする。
複数のピストンが均等に出るようになるまでやるのですよ。
ピストンの固着を剥がしたらブレーキタッチが劇的によくなりました。
ちなみに・・
当倶楽部のZ1-Rに装着しているPMのブレーキキャリパーですが・・
新品でもキャリパーピストンシールが固着しておりました(笑)
直りました♪
ちゃんと固着が剥がれるまでは、
なんかブレーキタッチが安定しないというか違和感があったのですよ。
「ワタクシのレーサー並みのフェザータッチブレーキをコントロールでは固着が剥がれなかった?」
とはいえ、
ブレーキラインのエア抜きでさんざんブレーキレバーは握ったのですがね・・
外国ものは、こういうのがほんとよくありますな。
キャリパーピストンシールやゴム製品の交換
ブレーキキャリパーをノーメンテで放置するとピストンの側面が錆びて段付きになります。
この状態でピストンキャリパーに無理やりを押し込むとキャリパーピストンシールが傷ついて油圧がそこから逃げるようになります。
徐々に抜けていくので結構怖いのですよ。
ブレーキフルードが染みたり洩れたりした個所はキャリパー単体にしてみれば結構すぐわかります。
埃や汚れがダマの様に付着しています。
そうなってれば、恐らく本来のブレーキ性能は出ていません。
ついでに言えば、
「ノーブレーキ状態になるのも時間の問題」
です。
危ないのでとっとと直すべきですよ。
600円しない。
唐揚げ3個で十分な自分の胃の消化能力に乾杯だ。
とはいえ、
普通の旧車はこういうパーツの入手も難しいよね。
常時から気にして置き、気長に部品探ししてストックしておきましょう。
※最悪、他車流用とかしなければならないのも覚悟しましょう。
こういう細かいものが再版されていると本気で嬉しい。
ちなみに・・
当然ですが、複数のキャリパーピストンで構成されているブレーキキャリパーはその分のキャリパーピストンシールが必要になります。
対向6ポッドキャリパーは、1キャリパーに対して6個のピストンシールが必要ってことですよ。
それが左右あれば、12個。
※しかも、リアは別料金♪
あんまり豪華で過剰な装備を持つ車両は長く維持する場合、
整備代金とか消耗部品費がボディブローのように徐々に負担になってきますね。
バイクなんてシンプルな装備でいいんですよ。
どうせ公道レベルではそんなに変わりゃしません。
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パッドピンやシム、クリップなどは鳴き止めに影響あり
細かい部品なので結構無くしがちですが大事なパーツです。
ブレーキの鳴きが酷い車両には受精dえシムやクリップが取り付けられてない場合があります。
これらはいずれも、ブレーキパッドの共鳴を防ぐ役割があったりするのです。
ブレーキディスクとブレーキパッドの隙間はホントにわずかです。
「このわずかな隙間をパッドが細かく振動、共鳴して音が出る。」
というのがブレーキが鳴く原因です。
生理的に嫌なブレーキの鳴き
東京在住時代に朝早く出かける際、
通り迄押してたのですがこの時のブレーキの鳴きがうるさくて、エンジンかけて通りまで出た方が静かなんじゃないかと思うくらいでした。
※CB750Fの先輩もブレーキ鳴きに悩んでいましたが、直ったのかしら?
ブレーキの鳴きはマジで黒板をひっかく音並みに、生理的にイヤなもんです。
Z1系のフロントブレーキは割と良く鳴きます。
対策のシムも出ていますし、純正設定されていたようです。
このシムの形ってなんか理由があるんだよねえ・・
Z1-RやZ750D1、Z750FXのリアキャリパーにもしっかり鳴き止めシムがあります。
※リプレイス品があるのですが薄い板の割に高いのですよ。
リアキャリパーはあんまり泣かないなー。
というわけで、
上記リンクはフロントキャリパーのシムです。
リアキャリパー用のクリップもありますね。
※リプレイス品があるのですが針金の割に高いのですよ。
パッドを止めるピンを抜くとスプリングが跳ねるので、結構良く無くすのですよ。
ちなみに・・
ブレーキパッドのシムは入れるとホントにブレーキの鳴きが止まることがあります。
理屈はよくわかりませんが、共鳴がなくなるのでしょうねえ。
悩んでいる人はぜひお試しあれ。
ブレーキの鳴き止め剤(パッドの裏に塗るとビニール状に硬化してピストンと軽く接着する)
ものも試したことがありますが、あんまり意味がなかったです。
理屈では、共鳴止めになりそうなもんですが。
当倶楽部の個体には効きませんでしたが、個体によっては効果があるのかもしれません。
たくさんの種類が販売されてるので試してみようと思っています。
キャリパー清掃後は確実に取り付けることが大事
仮止めで走り出すと最悪死にます。
清掃とグリスアップが終わったキャリパーはしっかりと組付けましょう。
この工程は作業の折り返し地点を超え下り坂に差し掛かっています。
作業の本工程が終わると、人間は油断するのですよ。
仮組したまま途中で飯食ったりすると本来やるべき作業工程を忘れがちです。
まあ、固定し忘れはない・・・と思う。
対策は、
ブレーキ作業は極力一気にやっちゃうことです。
ブレーキ関係のメンテナンス作業では途中で休憩なんて入れないほうが良いですよ。
※トイレを我慢するのはキツイのですが。
恐らく、手が汚い状態なので手洗いしたり余計な工程をはさむので余計忘れがちです。
※トイレはマジでキツイのですが。
人間ってのは、
実にいろんな大事なことを忘れますな。
でもキャリパーの組みつけは忘れないでおきましょう。
※ワタクシはこんなことで死にたくないのですが、Z以外のバイクで一回マジで仮止めで走り出そうとしたコトがあるのです。
キャリパーの取付ボルトは工具を片付ける最終工程で再度チェックです。
まとめ
高性能なバイクでもブレーキ周りの整備が適当な個体をよく見ます。
汚れてるだけかと思ったらフルード滲んでるとかね・・
「おっかねえ♪」
と思う車両は少なくないのです。
※春先にキャリパーの中に蜘蛛の巣があるようでは・・ねえ。
どんなに新しいバイクでも機械です。
メンテナンスフリーを信じちゃダメですよ。
※特に屋外保管のバイク 清掃しないオフ車 は驚くほど痛んでいます。
「走らないバイクでは人は死なない。」
「止まらないバイクでは結構あっさり人は死ぬ。」
のですよ。
Z1系はリアブレーキが大事だしな♪
一台当たりなら、
ブレーキ周りの清掃と整備時間はそんなに長くかかるわけではありません。
外してチェックして清掃して再度組付けるだけです。
とはいえ。
ブレーキ関係のメンテナンスが出来ない場合、作業に自信がない場合は、おとなしくバイク屋さんに持っていきましょう。
「ブレーキキャリパーの清掃してください!」
ってバイク屋に持ち込む人は多くないんだろうけど。
と合わせて一緒に作業してもらえばいいのではないかと思います。
※まっ茶色のブレーキフルードはダサいですよ。