ぱっと見、なんのパーツかわからないほど摩耗変形してちぎれています。
「カムチェーンガイド。」このパーツもリプロ品があるので安心です♪
パーツはあっても組込作業に大変な労力が必要なパーツなのです。
先日のオイル交換時に判明したカムチェーンガイドの破損
春のオイル交換祭りの際に判明しました。
ドレンボルトに装着していたネオジム磁石に大きな異物が付いていました・・。
「なんじゃこりゃ?」
というのが第一声でした。
見たことない金属片がドレンボルトの先に付いています。
※慌てたのでその時の写真はありません。
良く拭いた後で撮影しました。
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プロファイリング開始
摩耗跡から、カムチェーン関連であることは容易に想像できました。
ただし、
こんな形状のカムチェーン周りのパーツは記憶にありません。
マニュアルには一切記載がない。
パーツリストで確認するとどうやら「カムチェーンガイド。」ですな。
※一瞬、摩耗変形してるし、千切れているので何のパーツかわかりませんでした。
10番が「カムチェーンガイド。」です。
カムチェーンガイドって、原型をとどめないレベルにまで摩耗して引きちぎれるんですねえ。
Z1系エンジンのカムチェーン系は、ヘッド部中央のギアとクランクを繋いでいます。
エンジン背面のキャブ側についているカムチェーンテンショナーで背面部のローラーを押してテンションを保っています。
エンジン前面はこの「カムチェーンガイド。」という金属プレートで大きく暴れないように押さえているだけなのです。
カムチェーンは構造上、ココしか暴れるところがありません。
カムチェーンが伸びたり、テンショナーが上手く働かなかったりして、カムチェーンが暴れると、真っ先にこのパーツが削られます。
※多少削られてるくらいでちょうどいいらしいです。
カムチェーンがじゃらじゃら言ってる個体の場合、恐らくカムチェーンガイドは当倶楽部にZ1-Rの様に粉砕してる可能性があります。
そのまま放置すると、カムチェーンがエンジンのカムチェーンラインの周囲を削っていくことになります。
※オイルにアルミの金属片が混じる場合は結構ヤバいです。
ちなみに・・
カムチェーン周りに無頓着なオーナーが乗るZ1系エンジンではこのパーツが結構損傷することが知られています。
古くからこの症状は広くZ1系エンジンを積んだバイクのオーナーには有名な話です。
※現存するZ1系エンジンの半数近く(たぶんもっと)は、程度の差こそあれ同じ症状を抱えているハズです。
当然のようにパーツ自体は再販されていますし、肉厚になっているリプロの強化品が売ってるのは、そういう事です。
※こんなパーツでも数千円して高いですが、リプロしてくれるだけでもありがたい。
発注してから4日で来た。
※楽天で買う場合、お取り寄せで納期未定になってるショップから買うのは止めた方がいいです。数週間かかるものがあるので。
リプロメーカー様には頭が上がりません。
でも、でもですよ?
パーツ自体が安くても、エンジンのシリンダヘッドまでバラさないと組めないパーツでもあるのです。
ということは、
「見た目は変らずに手間ばっかりかかる。」
という 適当なバイク屋なら気が付いても手を出さない系の メンテナンスなのです。
カムチェーンガイドの破損の発見が遅れた理由
ドレンボルトにも金属片が付くことはほぼないです。
当倶楽部のZ1-Rはカムチェーンの駆動音は他のZ1系では類を見ないほど静かですし。
要するに、
「異常と思われる症状がほとんど感じられなかった。」
というのが本音です。
ワタクシが鈍いだけなのかもしれませんが、普通に高回転まで回るし、普通に力も出ています。
異音はおろか、他のZ1系のバイクと比べてもエンジンの作動音は極めて静かです。
※多少不具合があっても回っちゃうのがZ1エンジンでもあるんですが。
いつから「カムチェーンガイド。」が粉砕した状態で走ってたんですかねぇ。
もしかしてはるか昔に粉砕して、エンジン内部で引っかかってて今回初めて落ちてきた、とか?
ずっと前からオイルパン内に落ちてたのが、今回たまたまドレンボルトに増設したのネオジム磁石に捕縛された、とか?
考え始めるとキリがありません。
ドレンボルトにネオジム磁石
Z1系のドレンボルトには磁石が内蔵されていますね。
オイルパン内の鉄を集めるのに非常に有効です。
ですが、
イマイチ磁力が弱い。
※経年劣化でほぼ磁力がないものも多いハズ。
当倶楽部のZ1-RとZ750D1のドレンボルトには100円均一で売ってるネオジム磁石を2枚重ねて付けています。
ドレンボルトに付けて、もう5年くらい経ちますが、磁石が強力なので外れてエンジン内で暴れまわることもありません。
※たとえ外れたとしても、どこかに引っ付くはず。
この作戦良いですよ。
※自己責任ですが真似してもいいです。
今回のカムチェーンガイドの破片を回収できたのはひとえに、
「ドレンボルトのネオジム磁石。」
のおかげと言っても過言ではありません。
20年近く前にワタクシが独自でオーバーホールしたこのエンジン。
調子がいいとはいえ、既にオーバーホールから10万キロは余裕で走っています。
※今ついてるメーターにしてからでさえ、4万キロ以上走ってます♪メーター3個目です。
ワタクシが適当にオーバーホールした割に ぜんぜん壊れなかったので、いつか壊れることすら忘れていました。
でもよく考えてみりゃ、
「車齢40年、10万キロ以上走行してるバイクには何があってもおかしくない。」
んですよねえ。
ちなみに・・
大昔にカムチェーンテンショナーを空冷GPzのものに変えた記事を書きました。
※割と人気の記事っぽく、いろいろお問い合わせいただくことが多いです。
これがカムチェーンのテンションを保つのに良かったのではないかと思っています。
キャブのパイロットジェットが回せない位でかい。
テンションが保てないカムチェーンは、エンジン始動するとじゃらじゃら言いますね。
※これが空冷の味、とか言ってる人いますが「異音。」ですよ。
もし、純正の弱いカムチェーンテンショナーだったら、もっと早くカムチェーンガイドは粉砕してたのかもしれません。
考察の域を出ませんが、いいように考えることにします。
現在は空冷GPzのカムチェーンテンショナーは中古でも手に入りにくいです。
ただし、
今は、オートカムチェーンテンショナーがアフターパーツで売られています。
Z1系エンジン積んだバイク買ったら、ほぼ最初に交換すべきパーツです。
Z1系に限らず、ツインカム4気筒車のカムチェーン周りは鬼門
カムチェーン自体はもちろん、ローラーやブッシュなども摩耗する消耗品です。
どこまでやろうかなぁ、と考え始めるとキリがありません。
不具合はほとんどないけれど、全部見直したい。
※欲張ると、予算がいくらあっても足りません。
あと10年乗り続けるプロジェクト発動中とはいえ、そんな予算はないのです。
※この間、新品のKERKERマフラー買っちゃたしなあぁ。
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そんなわけで、
「最低限のパーツとガスケットだけ、最初に注文してばらしつつ追加発注。」
という もっとも貧乏な 作戦をとります。
※もう一回ばらすのが面倒な個所ならなるべく新品にしておきたい。
多分、ばらしていくうちにアレもコレもという感じになるんだろうと思われます。
パーツ価格が高騰してるし、数十万円は覚悟した方が良さそうです。
それでも、
リプロパーツが潤沢なZ1系エンジンですので、パーツ自体の調達に不安が少ないのはありがたい。
頭と尻尾は多分エンジン内に残ってるはず。
せっかくバイクのシーズンに入ったのに、エンジン下ろすことになるとは・・。
当面、休日は無くなるかもしれません。
その前に作業場所の確保のため、ガレージ片付けないといけません。
※ガレージに保管している他のバイクも別の場所に移す計画です。
長丁場になりそうだわ。
ちなみに・・
ガレージ内でエンジン関係の資料を探してたら、ワタクシが以前腰上オーバーホールした際のパーツがいろいろ出てきました。
※我ながら20年以上も良くとってあるな、と思います。
もちろん、カムチェーン周りのパーツもあります。
ですが、カムチェーンガイドがないんですよ。
※当時のパーツ発注記録がどこかにあるはずなんですが、探しても見当たりません。
写ってないけど、カムのメタルとか迄とってある。
それに、
カムチェーンガイドを交換した記憶がないんですよねえ。
傷んでいたので捨てたのか?
いやいや、ワタクシの性格のことなので、どうせ再現するんだから粉砕したパーツは粉砕したまま取って億、とか思ってそうです。
これが今回最大の謎。
あの頃は、本当に無謀だったけれど勢いだけはあったので何とかなったんですよねえ。
プロにアドバイスをもらったとはいえ、素人の勢いってのは本当にすごい。
都内のワンルームマンションでエンジンオーバーホールしてました。
今の方が当時よりはるかに知識も整備スキルもあります。
でも、
久しぶりにこれらのパーツをまじまじと見ると、
「初心忘れるべからず。」
と心が引き締まり油断しちゃいけねえ、と改めて思います。
関係ないですが、今でも20年以上前に交換したZ1-Rのバルブはイン側もアウト側も当倶楽部の玄関に飾ってあります。
※すごく地味ですが、玄関でいつでもワタクシたちを見守ってくれているのです。
まとめ
ワタクシが一番驚いています。
※車齢的にも走行距離的にも壊れても当たり前っちゃ当たり前なのですが。
腑に落ちないのは、金属片がオイルに混ざってない&エンジンが削れたアルミの粉も見当たらないということです。
オイルフィルターもばらしてみましたが、特に目立った金属片はないんですよ。
粉砕してろ紙を引っ張り出したけど金属片はほとんどなし。
ずっと前からカムチェーンガイドは壊れてたのかなぁ。
「もしかして、このまま多少走っても大丈夫なんじゃ?」
という気のゆるみすらあります。
だって走ってても全く問題ないから。
※先週も普通に走ってたし、破損パーツが出てきたのもいまだに信じられません。
とはいえ、
20年近く前にオーバーホールして10万キロ以上走ってるエンジンです。
ガイドの破損くらいで良かったのかもしれません。
長野のおやきで一、二を争う旨さ。
120kmくらい走って絶好調だったのに。
出先や峠で遊んでる際にぶっ壊れなくて良かった♪
・・と前向きに思うことにします。
仕方ない、エンジンばらしますか!
とはいえ、
今シーズン、Z1-Rで走れるかどうか・・。
最低限の作業だけして、無理やり今シーズンを走りぬこうかなぁ。
※それで冬に作業する。パーツの発注などもその間にやれるし。
外注も考える
勤め人がエンジンオーバーホールすると、どうしても休日&平日の夜作業になるので効率が悪いのです。
ワタクシがエンジン下ろすのは問題ないし、技術的な自信もあし、なにより以前やったことある作業です。
欲張らなければ、余裕で作業が終わる‥ハズ。
ただし、
とにかく時間がない。
パーツをリストアップした後、発注忘れはが絶対あるので、再発注するとさらに時間がかかりますし。
中高年にとって時間は超貴重なのですよ。
睡眠時間削ると寿命も削りそうです。
※若いころは、なんであんなに時間があったんだか不思議です。
後ろのメーターは、旧FIAT500のオリジナルメーターです♪
それに、
夜間作業は、どうしても目に負担がかかるのですよ。
※ワタクシは割と酷目の緑内障持ちです。以前オーバーホールした時とは大きく違う点です。
ロータスヨーロッパのコックピット内の電装見直しをやった際、LED作業灯の明かりで目が痛いんですわ。
※絶対LEDの光って、目によくないですよ。
そんなわけで、
時間の関係と目の関係から、近くに腕のいいエンジン屋が居ればお任せしようかと思ってるくらいです。
しょっちゅう作業内容を見に行くと思うので近所がいいです。
※口も手も出す勢いなので、ショップから嫌われる客になる自信あり。
と、言いつつも信頼できるショップがそうそう簡単に見つかるわけもなし。
せっせと20年くらい前の記憶を頼りにパーツのリストアップを続けるワタクシなのです。
過去のパーツ発注資料出てこないかな・・。
ちなみに・・
当時は腰上全体ピストンとかまで、交換したので大量のパーツを発注したもんです。
使わなかったパーツも結構あります。
今ではデッドストック品になってたりして♪
※純正キャブのフロートバルブシートとか高く売れないかね?
どうせやるなら「リプロパーツの強化品に置き換える。」こともちょっと気にってはいます。
※ただし、金はない。
カムチェーンテンショナーは、このローラーの背中部分を押してるんだよぉ。
知ってた?
久々にエンジンバラすかぁ!という気合がイマイチわいてこないのは、
等が原因かと思いますが、一旦バラシ始めちゃえばいつものように後には引けなくなるのです。