割と簡単にカムチェーンガイドの破損は確認できるのです。
そして、かなりの割合でカムチェーンガイドはエンジン内部で破損しています。
Z1系エンジンのカムチェーンガイドはどこにあるのだ?
これがヘッドカバーを開けたくらいではカムシャフトが邪魔で見えないんですよ。
当倶楽部のZ1-R。
恒例の春のオイル交換の際に、
「カムチェーンガイドの破片がオイルパンから出てきた。」
んですよ。
こりゃお釈迦さまもビックリです。
削れて小さくなってたので何のパーツか一瞬分からず。
こんな記事もあります▼
「カムチェーンガイドの破損はシリンダ迄下ろさないと確認できないと勘違いしがち。」
ですが実は、
「排気側のカムシャフトを外せば、その下側にカムチェーンガイドが見える。」
んですよ。
※交換はできませんが、破損してるかどうかのチェックは出来るってことです。
わかりやすくカムチェーンガイドの上側を固定しているプラスのネジの頭が。
さらに良く見ると、プラスネジのさらに下にカムチェーンガイドの下側も見えます。
本来、カムチェーンガイドは単一パーツです(笑)
プラスネジで止めている箇所と下側が別々に動いててはダメなんですよ。
※そもそも、動くような部品ではないです。
当倶楽部のZ1-Rの場合
上から見た状態で、カムチェーンガイドの破損が確認できました。
カムチェーンガイドの下半分を長いマグネットのパーツピックアップツールで小突いてみたらカタカタ動いていました。
※千切れた個所まで視認できました。
もっとスマホで画像撮ったつもりだったんだけれど、後から見るとほとんどない不思議。
こんな感じで、
「Z1系エンジンのカムチェーンガイドが破損しているかどうかはシリンダヘッドを載せたままでも確認できる。」
のです。
数万キロ乗ってるエンジンを搭載しているZ1系バイクのオーナーはカムチェーンガイドの破損を確認した方がいいですよ。
※現在流通しているZ1系エンジンの半数以上はカムチェーンガイドが破損している可能性が高いです。
ちゃんとあるべきものが、ちゃんとあるべきところに、ちゃんと機能して設置されている。
旧車に限らず、これがメカの基本です。
※意味のないパーツはないのです。
カムチェーンガイドが粉砕してても異音や金属音が全くなく、シリンダ内側も全く削れていませんでした。
ので、
気分の問題何かもしれませんが、
「存在するパーツが破損しているのが良い訳はない。」
という判断をしました。
ということで、 非常に面倒くさいのですが シリンダを外す覚悟が決まりました。
カムチェーン周りは鬼門
バラシて見るとよくわかりますが、ガイドローラーやカムチェーン関係のアイドラギアは結構痛んでいます。
樹脂製のガイドローラーなんかはカムチェーンの跡がくっきりついてたりします。
※まあ動けば問題ないハズですが気分は良くないです。
カムチェーンアイドラーギアのベアリングなんかは粉砕していることすらありますよ。
こんな状態でもZ1系は 割と調子よく 走ってしまいます。
普段見えないだけに無頓着ですが、意外とエンジン内部はくたびれているんもんです。
地味な画像が続くので休憩がてら、美味しい物の画像を。
沖縄の豚料理ってなんであんなに美味いんだろね。
乗りっぱなしで、
「Z1系エンジンは丈夫だから大丈夫♪」
解いてるオーナーさんが多いですが、そんなことはないんですよ。
確かに頑丈な作り&意外と単純なのでしっかり手を入れれば長持ちします。
とはいえ、
数十年前のエンジンですので、何処かどう壊れてもおかしくないのです。
高速走行中にカムチェーンを噛みこんだら・・。
見えないだけに怖いっすね。
当倶楽部のZ1-Rの様に、エンジン内部がこういう状態で走ってるバイクが非常に多いのです。
実は
のが現状なのでした♪
ワタクシに言わせれば「良くそんな状態のバイクで高速乗るね。」みたいな状態のバイクも少なくないですよ。
※ショップは何を整備してるんだか。
ちなみに・・
カムチェーンガイドの破損状況が分かったとしても、この小さなパーツを交換するためには、
までを外す必要があります。
素人にとっては、バイクのシリンダーを外す作業は、かなり覚悟がいる作業ではないでしょうか?
ショップに頼むと10万円位は工賃取られますね。
※古いバイクは割増料金取られるのも普通です。ボルトが折れたりするので。
ひどいシリンダになると、このくぼみがボコボコに変形してたりします。
少なくともマニュアルは持ってないとこの作業をすべきではありません。
※カムチェーンガイドの交換については、ほとんどサービスマニュアルに記載がありませんが。
最近はネットの動画でもエンジン分解について説明してたりしますが、マニュアルでじっくり読みこんだ方がトラブルが少ない気がします。
※ワタクシも何本かネットの動画を見ましたが、ポイントがズレててわかりずらく、いずれも動画の内容は結構いい加減でした。
カムチェーンは大事ですよ
どんなに吸排気をいじってもこのカムチェーンの張りやタイミングがずれていてはまともな性能は出ません。
カムチェーンは使ってるうちに伸びます。
カムチェーンラインの各部のガイドは摩耗します。
そうなると、
テンションがかかっていないカムチェーンがエンジン内部で暴れまくるんですよ。
エンジンノイズがカチャカチャいうようならほぼカムチェーン系に問題があると思っていいです。
※空冷エンジンはカムチェーン系のメカニカルノイズがわかりやすいです。
純正のZ1系エンジンは「半自動カムチェーンテンショナー。」とでもいうべき機構を使って、カムチェーンの張りを確保しています。
というものです。
純正のカムチェーンテンショナーでもカムチェーンの調整自体は難しいものではありません。
※なにももんだいがなければ、ボルトを緩めて再度閉めるだけですので。
ただし、
などなどの理由から結構ないがしろにされています。
当ブログでも何度も書いているように、
「Z1系のエンジンはまずカムチェーンテンショナーを見直す。」
のが基本です。
その他にも、乗り出すまでに最低限やっておくべきパーツ交換がありますが、みんな最初にマフラーとか代えちゃうんだよねえ。
※お金はかけるところにはちゃんとかける方がバイクは長持ちします。
こんな記事もあります▼
ちなみに・・
Z1系のカムチェーン&カムシャフトの調整方法は、結構簡単です。
という手順です。
※マニュアルにはアイドラ―ギアやテンショナーの取り付け順は明記されていません。
カムチェーンは調整中に割とあっさりズレます♪
特に位置合わせの調整中に、クランキングすると一発でコマ飛びします。
この辺の作業のコツについては、次の小ネタ記事にします。
※長すぎる&画像が多すぎるので。
まとめ
「カムチェーンガイドの破損状態は、シリンダヘッドを付けたままでも確認できる。」
ということです。
慣れていれば大した手間もかからず、60分もあればなんとかなるレベルです。
Z1系エンジンのカムチェーンガイドは、その名称通り吸気側のカムチェーンのあばれを押さえてくれる役目があります。
このパーツが無いと、暴れるカムチェーンを押さえられず、シリンダ内部を削っていくことになります。
センター部にくっきりとカムチェーンが当たった後が確認できますね。
こんな状態のバイクが多いってことです。
オイル交換&オイルフィルター交換時に、金属片が出てくるようならカムチェーンガイドのチェックはしておいた方が良いでしょう。
脅すわけではありませんが、
「当倶楽部にある予備のシリンダヘッドのチェーンラインにはしっかりカムチェーンが削った後がある。」
んですよねえ。
※10年くらい前に部品交換会で手に入れたんですが、程度が悪すぎるのでオブジェにしてある。
怖いですねえ♪
全てのZ1系エンジン搭載車に乗ってる人は直ちにチェックした方がいいと思います。
そんなに難しくはないので心配性の人はぜひにでも♪
まあ今回ワタクシはカムチェーンガイドの交換のため、Z1-Rのシリンダ迄下ろしました。
嫁は見たことない光景に「骨組みだけになった♪」と喜んでおりました。
ワタクシは淡々と作業を進めるだけなのです。
その際、
シリンダヘッド周りの痛んでる箇所をすっかりピックアップできたので中長期的にパーツを買いためようと思っています。
※パーツの高騰がものすごいですなぁ。ものによってはワタクシが初めてシリンダ下した20年前の倍以上します。
詳細は次回以降の小ネタにて。
ちなみに・・
大事なことなのでもう一回言っておきます。
当倶楽部のZ1-Rはワタクシがエンジン腰上OHしてから既に20年近く。
10万キロ以上走っていまますが、エンジンからの嫌なメカノイズはほとんどありませんでした。
オイル交換の際に、破損したカムチェーンガイドがドレンボルトから出てきたため発覚した次第です。
本当にカムチェーンガイドが粉砕してるなんて夢にも思わなかったほど静かでした。
それに、カムチェーンがシリンダ内部で暴れてるのであれば、シリンダー内部が削れてるはずですが、接触した後すらないんですよ。
当倶楽部のZ1-RもZ750D1もカムチェーンテンショナーは空冷GPz系のものに変えています。
これが良かったのかもしれません。
ということは。
あくまでワタクシ個人の仮説ですが、
「カムチェーンガイドが粉砕してても、しっかりカムチェーンにテンションがかかってればシリンダ内部の損傷はほとんどない。」
のかもしれません。
悲しいですが、GPz系のカムチェーンテンショナーは中古でもほとんど流通していません。
なので、
サードパーティから出ているオートカムチェーンテンショナーをおススメしています。
少なくとも、
純正のカムチェーンテンショナーのスプリングの弱さと頼りなさを知ったら、速交換したくなるハズですよ。
それにしても、今後御絶対に使わない純正カムチェーンテンショナーが当倶楽部ガレージに2つ転がってるけれどこんなもんでも売れるのかね?
※こんなストックパーツ迄売りに出そうとするほど貧乏なんですよ。爪に火を点すレベルで。
今エンジンのパーツ購入のため、ガレージ内の売れるものを精査しています。