というお問合せが来たので回答の返信に多少色を付けて記事にしました。
皆ビビりすぎです。
ただし、それなりに使い勝手には問題はあるのですがそれすらも楽しめばいいのです。
昔の日本人は左ハンドルには憧れがあったのだ
最近は輸入車でも日本仕様として右ハンドル車が選べるようになってはいますが、
やっぱり外車と言えば左ハンドル、という人は未だにいるのです。
1970年代後半から80年代の日本において、
左ハンドルのクルマというのはじつにカッコよく見えたのですよ。
そのころはワタクシも子供だったので使い勝手や実用性などは全く分からず、
「なんとなくハンドルが左についててカッコいいな。」
と、やんわりと思っていました。
※近所の高級料亭にリンカーンが止まっててそれを見たのが恐らく最初の左ハンドル。
この頃はそもそも外車が少なく、独車よりもアメ車をよく見た気がします。
スーパーカーブームの時でも近くの輸入車屋さん(といっても10kmくらい離れている)には、
でっかくカクカクしたアメ車がたくさん並んでいた記憶があります。
※ワタクシの実叔母がダッジに乗ってたと言ってたし。実物は見てないけど。
そういえば日本は豊かな米国にあこがれて頑張って経済大国になったんですよねえ。
ジョン&パンチを見るとよくわかる。
日本もああなりたかったんだよね。
こんな記事もあります▼
左ハンドルはMT車の理にかなった設計
特に3ペダルのMT車は足元が窮屈になりがちです。
左ハンドル車のコックピットの足元にはペダルを操作する左側にはホイールハウスがあるんです。
長時間クラッチを踏まずに高速道路をクルーズするような場合、ホイールハウスに左足を乗せてフットレストに出来るのです。
事実、左ハンドル車はそういう設計になってる車が多いです。
当倶楽部のアバルト595コンペは左ハンドルのMT車なのでしっかりホイールハウスがフットレストになっています。
※ラパンSSは右ハンドルの軽自動車のくせに独立したフットレストを備えてたりしますが。
逆に、
本来、左ハンドル設計の車を右ハンドルにしてあるものは非常に足元が狭いのです。
当倶楽部のロータスヨーロッパは右ハンドルの英国仕様です。
※英国車なので基本設計は右ハンドルでは?という人がいますがロータスヨーロッパは基本が欧州(仏蘭西)仕様の左ハンドルなのですよ。
ゆえに。
右のホイールハウスが出っ張ってて、
そのわずかなすき間に3ペダルを納めるという大変なレイアウトになっています。
左ハンドルを右ハンドルに変更すると、ホイールハウスを避けるようにペダルを配置するため、
各ペダルが中央に寄りがちに設置されることが多いのですよ。
足の大きい人はペダル操作ができません。
小型の輸入車だとこれが顕著です。
ちょっと前までの輸入車の右ハンドルというのは、
左ハンドル車を無理矢理右ハンドルに仕立てたようなクルマが多かったのですよ。
そう考えると、
日本車によくあるような右ハンドルの小型車は全般的に設計に無理がある気がしてきますな。
※MT車の3ペダルが全爪つ仕掛けているのはAT車で2ペダルが有利だからなのかもしれません。
今回の記事は関連しそうな画像がないのでいつものように美味しそうな画像でごまかします。
某伊太利車の右ハンドル仕様車はブレーキのマスターシリンダーを左から右に移設してあっても、
ブレーキフルードが入るリザーバータンクが左のままで長いゴムホースで繋がっています。
もちろん、
マスターシリンダを無理やり移設したため、ブレーキタッチのチューニングはやっつけ仕事ぽいのも確か。
左ハンドル仕様じゃないと本来の性能やフィーリングは味わえないという人も少なくないのも分かります。
また、
右ハンドル仕様の某独車の場合、
ハンドル操作をするステアリングシャフトを左側から右側に移す都合上、
左ハンドル用のエキマニをそのまま使えなかったようです。
そのため、
エキマニはステアリングシャフトを避けるような取り回しの右ハンドル専用品だったりします。
左ハンドル様に設計された美しいレイアウトのエキマニはやっつけ仕事で右ハンドル用になった結果、美しくない配置になったと言われています。
エキマニはチューニングに大きく影響するけど設計から大きく変更しても大丈夫なのか?
ハンドルの左右でエンジンのフィーリングが違うんじゃなかろうか?
ワタクシがそのレイアウトを見て心配になったのは、
「ステアリングシャフトの回りのゴムパーツ、ブーツなどが超高温になるエキマニのすぐそばで大丈夫か?」
ということでした。
当時で600万円以上した車ですので大丈夫だとは思うのですが、現存車がそれほど多くない原因はソレですかな(笑)
たかがゴムブーツを交換するのも大変そうです。
また、
右ハンドル仕様の某仏蘭西車の場合、
右ハンドルにしたうえ、日本仕様にはエアコンを付けにゃならんということで無理やりコンプレッサーを搭載しました。
※30年位前の仏蘭西車は本国仕様はエアコン無しグレードも多かったのです。
が。
コンプレッサーを回転させるプーリーとベルトがどうやっても格納できなかったようで(笑)
ライトハウジングの裏を削って(!)無理やり搭載していたのでした。
※案の定、エアコンの不具合が多発したようですよ(笑)
また、
逆に某国産星団の名前のメーカーの車は米国で販売するために左ハンドル仕様にしたものがあったようです。
ボンネットオープナーの位置を右から左に変えたのでワイヤーの取回しに無理があるのでした。
※右ハンドルの1.5倍以上の長さのワイヤーでボンネットを開け閉めしてたらしいのですが見るからに無理がある作りです。
ということで。
ハンドルを左から右に移設するだけでも結構大変なのです。
基本設計が左ハンドルの車は各機能のレイアウトも左ハンドルに対して最適化されて配置されているわけで。
左ハンドルを右ハンドルにすべきではないと思いますよ。
面倒くさいし、余計なお金もかかるし。
※右ハンドル仕様はお金をかけて使い勝手を悪くしている、とも言えます。
そんなことを知ってか知らずか、
右ハンドルで左側通行という日本でも、
「左ハンドル車は普段使いには不都合もあるけど本来のMT車の設計として正しいのだ。」
という風潮が 主にマニアの間には 存在します。
※オーナーには「俺は左ハンドルにも乗れるんだぜ。」というステータスみたいなものもあるんですがね。
そういえば、
VWに買収される前のPorscheは長らく左ハンドルしかなかったですな。
※こち亀で「右ハンドルのPorscheなんかあるわけない。」というセリフがある。
車にはうるさい英国人はもっとそいう風潮が強いらしく、
日本と同じ左側通行で右ハンドルなくせに英国では、
「基本設計通りの左ハンドル車のほうが売れる。」
という話もあるのです。
特に英国内でホテルのお迎えなどで使うようなショーファードリブンカーと呼ばれる高級車は、左ハンドルのほうが人気があるらしい。
ショーファードリブンというのは、運転手付きで後席(いわゆる上座)に客や所有者本人が乗って快適に移動をするという車のことです。
左ハンドルだと後席のお金持ちが降りる時に路肩側が上座になるのでね。
※ジョンブルは車に妙なこだわりがある人が多いね。自国の車メーカーは皆外国メーカーに買われちゃったけど。
使い勝手はどうなのさ?
ハンドルやシフト操作よりも日本車と逆についてるワイパーとウインカーレバーを混同しちゃいがちですが。
左ハンドル車の嫌なとこ
1.走行車を右側から追い越しする時に先が見えずらい。
コレは結構ストレスになりますが、追い越し車線等で抜けばいいので大勢に影響はなし。
※それでも路線バスの乗降中とかはちょっと気を使う。
2.右折時に対抗してくる直進車を確認しずらい。
対向車線の右折帯に高い車が右折待ちしてたりするとホントに見えずらい。
まあ左折信号が出てから曲がればいいので大勢に影響なし。
3.パーキングチケットが取りづらい
有料駐車場のパーキングチケットは取りずらいです。
※フラップが上がるタイプの有料駐車場を使えばよろしい。
4.有料道路の料金が払いづらい。
同様に有人の料金所でお金を払うのも大変です。
※たまに料金回収のオジサンが下りてきてくれたりします。
高速道路はETCがあるので問題はありません。
5.代行を頼むときに断られる
AT車全盛の現代ではMT車すら運転できる人はそれほど多くなく、
左ハンドルを運転できる人はそれほど多くないのです。
当倶楽部の場合、毎回代行運転をお願いする人が決まってるのですが見つけるまで大変でした♪
6.峠で右コーナーがヘタになる
ある程度スピードがあるとコーナーに入る時、自分が道路の右端にいる感覚は慣れないと危ないです。
意識しないと右コーナー時に車体がセンターラインよりになりがちです。
※デカい左ハンドル車はもっと怖いんだろうねえ。みんな運転上手いな。
細い峠道などだと飛ばす気にはなれませんな。
左ハンドルを日本で普段使いするには、これくらいの不便さはあるのです。
どうもワタクシの食事の画像は寄りがちだな。
左ハンドル車の良いとこ
1.高速のロングクルーズの時に左足が楽。
上記したようにフットレストがあるとロングドライブの際はとても楽です♪
2.歩行者に近いので余裕を持った間隔をとれる
これ結構大事でして。
最近のデカい車は歩行者や自転車との距離が近すぎる。
それでも強引に抜いていくのは危ないったらないです。
3.路肩に寄せて止めやすい
路肩と自車の位置関係を把握しやすいので路肩に寄せやすい。
ただし、
調子に乗りすぎると、ドアをかけるスペースがないことも有りがち。
アバルトは2ドアなのでドアが長いからスペースがないとドアが開けられないのだ。
※こういう場合は助手席側から降りればいいだけの話なので痛痒なし。
まとめ
要は慣れの問題です。
ビビることはありません。
人生何があるかわからないので、左ハンドル車の運転経験はしておいた方がいいとは思いますが日本で使うなら右ハンドルのほうがいいと思います。
まあ新車で左ハンドルの車を買える人はよほどお金持ちなんでしょうがね。
※中古の左ハンドル車は結構安いけれど基本高級車なので維持費は高いよ。
こんな記事もあります▼
最近の輸入車は右ハンドル仕様でもそれほどひどいやっつけ仕事はしてない・・ハズなのですが、
まあ左ハンドルでも慣れれば大したことないということなのです。
機会があれば、
右側通行の国でつくられた左ハンドル車にそうそう長くはない人生のうちに1度くらいは乗ってみてもいいと思うのです。
意外とみんな保守的で「左ハンドルのMT車には乗りたがらない。」のですが。
とはいえ、
一生に一度も左ハンドル車乗らない人もいますが「それが普通。」です。
ちなみに・・
右ハンドルの日本のスポーツカーが米国などで高値で取引されているのは周知の通りです。
ここ数年、JDM(Japan Domestic Market)という日本で売られた日本でしか売られていなかったスポーツカーが北米で人気となっていますな。
面白いことに日本の車検ステッカーや車庫ステッカー、点検整備ステッカーやナンバープレートなども人気があって、かの国ではCoolなんだそうです。
※ステッカーなんかフォトショップで量産できそうですがマニアはやっぱり本物が良いんでしょうねえ。
その手の日本国内専用のスポーツカーなら右ハンドルの中古車でも高値で売れるようです。
※日本車はより日本車らしく、って感じでしょうか。
ただし、
伊太利車などのスーパーカーの場合、
売却するときは右ハンドルよりも左ハンドルの方が有利で高値が付きやすいと言われています。
スーパーカーのような高級かつ希少な車は日本国内だけで流通しているわけではありません。
マーケットは世界中なのですよ。
要するに、
中古の高級スーパーカーが取引される場合、買い手は全世界にいるということなのです。
お金持ちが多い国というのは基本的に左ハンドルの国が多いのです。
※中華の国とか産油国とかね。
もちろん、
マニアックなエンスージアストが多い米国や欧州はもちろん左ハンドルだし。
そのため、
右ハンドルよりは左ハンドルのほうが高値で取引されることが多いらしいです。
この手の高級車や高値で取引されるスーパーカーは世界中から一度ドバイに集められ、
ブローカー経由で世界中にデリバリーされるんだってさ。
※縁がないのでそこまで詳しくはないんだけれど。プロから実際に聞いたので間違いないですよ。