そして突然やってきます。
出かける時は問題なくても出先でセルが回らず、エンジン再始動できないなんてこともあるのです。
なので、ちょっとした知識を持っておきましょう。
知識は荷物になりません。
少しだけ慌てないで済みます。
出先で起こって欲しくないトラブル
結構あせるんですよ、これが。
解決しようにも理由がわかりづらいので初心者は最も怖いトラブルの1つではないでしょうか?
朝、自宅をスタートする際には快調だったセルモーター。
問題なく回って快調にエンジンがかかったのです。
ところが。
200kmほど走った先で突然のセルモーターの仕事拒否。
↑これワタクシ自身がVT250FHで2024年5月2日に実際にあったトラブルです。
こんな記事もあります▼
でもこういうことはちょっと古めのバイクだと「ああ、あるある♪」というくらいメジャーなトラブルだったりします。
リアルにこの手のトラブルがある可能性があるのが現在もてはやされている古いバイクなのです。
※なので「旧車では都内から出ない。」みたいな人も多いと聞きます。
まあその他にもありとあらゆる箇所が壊れる可能性があるのですが基本的にそういうバイクを売ったバイク屋さんは見て見ぬふりですよ。
※出先迄バイクを回収しに来てくれるバイク屋さんは良いバイク屋さんだと思うので大事にしましょう。
岐阜に入るまでは調子よかったんですがね・・。
お昼くらいに富山に入る頃はマジでひやひやものでした。
とりあえず、
こういうトラブルが自分のバイクに起きた場合、
自分で何とか修理することはできなくても何が起こっているのか知っておくのは結構大事なのですよ。
人間というのは焦ると慌てて見当違いなことをしてしまうものです。
そして余計なところを壊すのです。
※立ちごけしたりするのはそういう時が多いのです。
ちなみに・・
トラブルがあった時にどうすればいいかを脳内でシュミレーションしておきたいものです。
機械であるバイクは必ず壊れます。
例え新品であってもです。
特にソロライダーは自分しか頼れるものがいません。
何も知らず、何もわからず突っ走れるのは若さの特権ですがいいオッサンがそれやっちゃダメなのです。
自分で応急処置をどこまでするのか?
レッカー移送の手配は出来るのか?
トラブルがあった際の「次の一手。」の切り分けの決断は早い方が楽なのです。
自分でトラブルに対応できる範囲が広い方がいいとは思うのですが、
それには経験やスキル、手持ちの工具などでも変わってくるのです。
※ワタクシなんてツーリングの際、荷物は工具だらけですよ。
自己解決したいなら、
具体的なトラブルをイメージして必要な対処ができる用意だけはしておきたいものです。
※出先ではどうしても無理なことはあるのですが。
全てのトラブルを自己解決しない、というのも手です。
その場合はレッカーサービスの連絡先くらいは持ち歩いた方がいいってことです。
例えば、
ツーリング先でパンクしたらどうします?
自己解決できますか?レッカーを頼みますか?
そう言うトラブル時の想定をしていないのは「想像力不足。」以外の何物でもありません。
バイクという必ず壊れる機械に乗る以上「いつ何がだれに起こるかわからない。」のです。
ワタクシ的には突発的なトラブルに冷静に対処出来て初めて一人前のライダーである気がします。
※トラブルに合うといまでも「ザザー。」と血の気が引くワタクシもいるのですが。
出かける時は大丈夫でも
朝大丈夫でも昼も夜も大丈夫とは限りません。
電気系トラブルというのは前兆がないことも多いんです。
ちょっとした違和感でもあろうものなら対策もできますが、電気系はいきなり起こるので質が悪い。
そして、
見た目ではトラブルの兆候やトラブル自体がわからないのも電気系の特徴だったりします。
VT250FHのレギュレーターは左サイドカバー内、このコネクタの裏側の奥まった風通しの悪いところについています。
知らなきゃわからんわ、こんなもん。
さらに、
「まだ新しいから大丈夫♪」
というのも通用しないこともあるのです。
※それでも新しい方が耐久性が高い、というのはセオリーでもあるのですが。
こういった電気系トラブルの中でも割と頻繁に起こりうるのがバッテリー&レギュレーターのトラブルって奴です。
今回から数回にわたり、ちょっとだけその関係の話をします。
ちなみに・・
バッテリーに最大に負荷がかかるのは「エンジンが停止している状態でセルモーターを回すこと。」です。
エンジンの発電サポートがない状態でバッテリー単体のパワーでデカいモーターを回すわけですよ。
そりゃ電力が必要になりますな。
というわけで、
バッテリーが弱ると真っ先におかしくなるのが始動関係だったりします。
※経験上、バッテリーが弱ってるとセルが回ってもエンジンの始動性は確実に悪化します。
エンジンがかかっても、
ライトを点けたりウインカーを点けたりすると他の電装品の点灯状態が悪くなる。
これもバッテリーが弱ってる証拠です。
この兆候というか「普段と違う違和感にどこまで気が付けるか?」というのが経験なんですよ。
レギュレーターかバッテリーが原因
バッテリーが弱っちゃったのでセルというデカい電力を必要とするモーターを回す電力が供給できない状態、ということです。
「なぁんだ、バッテリーか。それならGSとかで充電してもらえばいいんじゃ・・。」
と簡単に判断してはいけないのです。
「バッテリーがなんで弱ったか?」
という原因を探るのが大事なのです。
トラブル時はトラブルの根本というか原因を排除しなければ同じトラブルが再発するんですよ。
ツーリング中にバッテリーが弱ってきたのであればそれまで走行できていた、とします。。
エンジンで走るバイクや車と言いうのは、エンジンが回っていればバッテリーに充電しながら走っています。
ツーリング中にバッテリーが弱るというのは、
まずバッテリーの劣化やレギュレータの故障が考えられます。
バッテリー自体が劣化して充電できなくなっている
レギュレーターが劣化して正しくバッテリーに充電できなくなっている
という可能性が高いのです。
レギュレーターとはなんだ?
ライトやウインカーを点ける、ホーンを鳴らすのはもちろん、エンジンに点火するにも電力が必要です。
最近のバイクは灯火や点火に走行中に充電しているバッテリーから電気を持ち出しています。
※昔はフラマグ点火というバッテリーに依存しない方式とかバッテリーレス方式とかもあったんですが今はないです。
基本的にエンジンがかかっていれば、
「エンジンで発電した電力をレギュレーターを経由した電力がバッテリーに充電されながら走り続ける。」
というちょっとした永久機関的なシステムになっています。
※エンジンをガソリンで回している時点で永久機関じゃないですがイメージです。
エンジンかかってる状態でこれくらいの電圧だと正常ですな。
この際、エンジンの発電機は非常に高い電圧を発生していますので、
レギュレーターでバッテリーが許容できる電圧迄減圧しています。
※12Vバッテリー車ならレギュレータからの出力電圧は普通は14.5Vくらいです。
正しくレギュレーターから電力が供給され、
バッテリーが充電されていなければバッテリーからの持ち出し電力が大きくなります。
これが続くと次第にバッテリーは消耗していきます。
ここまではよろしいか?
続けるぞ。
レギュレータートラブルは怖いのよ
最後はバッテリーが死ぬのですが大別してパターンは2種類あります。
最近のシステマティックになってる機器というのは「フェイルセーフ。」という何かあったら安全な方に働く仕組みになっています。
レギュレーターも割とその傾向が強く、自体が壊れた時には出力電圧を下げるもしくはストップする傾向にあるようです。
※全部が全部そうではないと思いますが。
なので、
「レギュレーターが劣化すると走行してもバッテリーに充電されない。」
ということになりがちです。
この方が周辺機器もライダーも安全だからです。
これがフェイルセーフという奴です。
じゃあ逆に
「レギュレーターが壊れてエンジンで発電した高電圧をそのままバッテリーに供給し続けたらどうなるか?」
ってことです。
昔のレギュレーターは壊れると発電機の電力を制御できずに非常に高いままの電圧を出力したもんです。
そうするとなるとどうなるか?
灯火類やその他もろもろの電気系に減圧できていない高電圧のまま供給されるのです。
という恐ろしい事態になるのです。
ワタクシはZ2時代にウインカーの電球のフィラメントを溶かし、開放型バッテリーを沸騰させた経験があります。
※なぜかライトとテールの電球は切れなかったのですが。
Z1-Rではイグニッションコイルを溶かしましたし。
※そういやこの話、記事にしてないな。
それも、
自宅から100km以上離れたツーリング先で(´;ω;`)
硫黄の匂いがしたけれどまさか自分のバイクが匂いの発生源とは思わなんだ。
※イグニッションコイルが溶けるととんでもなく焦げ臭くなります。
あんまり軽トラで運搬したくないのですよ、目立つので。
出先でこの事態はマジでシャレになりません。
ワタクシは当ブログでも以前のブログでも「Z1系バイクを買ったら最初にやるのはレギュレーター交換。」と言い続けています。
Z1系に限らず、
中古バイクを買った際はレギュレーターは極力新品にした方が良いのです。
とはいえ、旧車とか不人気車は新品なんてないのですよ。
レギュレーターは割と単純な作りというか12Vバッテリーに対応した電圧に減圧できればいいわけなので他車流用が比較的容易です。
みたいな感じです。
ちょっとした知識があればレギュレーターの他車流用は難しくありません。
※それでも配線図はあったほうがいいです。
なるべく同メーカーの車種からの流用をすることが多いですがレギュレーターの理屈は同じですので他メーカーでも大丈夫な場合も多いです。
※それでも同じメーカーのほうが流用しやすいのは確かです。
当倶楽部のZ1-RやZ750D1にはゼファー用のレギュレーターを流用して搭載しています。Z1系用のゼファー用レギュレーターの流用キットもあります。
こんな記事もあります▼
こうやって皆ボロイバイクを直す過程でいろんなスキルを身に付けていくのです。
誰一人として座学だけでスキルを身に付けた人はいないのです。
※いじり壊すこともありますが最後は 執念 情熱がものをいうのです。
ちなみに・・
メーカーは接点がないということでレギュレーターを消耗品としてはいませんが、経験上確実に壊れます。
消耗品としてもいいくらいです。
※多くのネット民もレギュレーター内部の半導体の劣化に伴う改良や対策のレポートをあげていたりしますね。
基本的に電子機器やそれに内蔵される半導体は熱に弱いんですよ。
※真夏に50度を超える温度になる車の車内に搭載されている電子機器の劣化は早いのですよ。
しかも。
レギュレーターは電圧を適正に保つために自ら熱を発します。
ちょっと走るだけでも手で触れないくらい熱くなりますよ。
ワタクシは人柱として社外品のレギュレーターを複数種類買っていろいろ試していたりします。
それを自然空冷方式で放熱して冷やしているだけなのです。
ゆえに。
中古のバイクを買ったらレギュレーターのチェックは大事ですよ。
バッテリーが爆発してからでは遅いのです。
まとめ
電気系は劣化や不具合がマジで見えないのでこまめにチェックするしかないのです。
でも、昨日まで大丈夫だった♪みたいなこともあるのですが。
ワタクシもこの度VT250FHでツーリング中にセルが回らないという現象に襲われました。
※まあ大したことなかったのですが。
セルが回らなくなった原因として、
そして、
という判断をしました。
なので、
この際、両方新品にすることにしました。
出先で壊れてレッカーするよりマシだからです。
幸いにもVT250FH用のバッテリーもレギュレーターも社外品がたくさん売られているのです。
ということは、
「みんな壊れてるんじゃん(笑)」。
自分のバイクに合うレギュレーターを確保しておくと安心ですよ。
このリンクから各ECサイトのバイク用レギュレーターの商品にに飛べるようにしておきました。
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実は記事にしてませんが、
レストア時に一度画像リンクとは違う社外品の格安レギュレーターを買ったのです。
ので交換を依頼したら返金されました・・。
※それもそのうち記事にします。
バッテリーは昨年中華製のMFバッテリーを買いましたが1年も持ちませんでした。
※一度メインキーをPにしたまましばらく放置したことがあって、これが原因っぽいのでワタクシが悪いのですが。
元からついてた35年物のレギュレーターの出力は一応14V近くは出ているのでとりあえずは問題ないと思っておりました。
※マニュアルでは14Vから15Vならいいよ、という規格なので下限ギリギリでしたが。
このように、
レギュレーターもバッテリーもネットショップで売ってる格安社外品は全部「賭け。」だと思った方がよろしい。
だからと言って今更新品があるわけでも無し、ヤフオクでわけわからん中古買う方が失敗しそうだし。
※他車パーツの流用するのも面倒くさいし、純正は他車でも高いし。
こういうハードルを一個ずつ乗り越えるのがレストアであり、古いバイクをとことん楽しむコツなのです。
※決して「損した。」とか思ってはいけないのです。すべてが勉強であり経験であると割り切りましょう。
格安バッテリーが割れたこともあるワタクシですが国産でも運が悪いとダメなこともあるのです。
※画像はZ1系のばてりーと互換性がある中華バッテリーです。
このリンクから各ECサイトのバイク用バッテリーの商品にに飛べるようにしておきました。
どうせ消耗品ですしねえ。
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とりあえず、
「実際にバッテリーが弱った状況と同じにして再度電圧を計測してみよう。」
と思っています。
これで「12Vくらいしか出力できてなければやっぱり35年物のレギュレーターが原因。」ということです。
でもライトは今までも常につけっぱなしだから、
原因はGPS用のUSB電源の負荷がとどめを刺したのかもしれないなぁ・・。
ちなみに・・
前述したとおりレギュレーターは自然空冷放熱式なので風の当たるところに設置するのがセオリーっぽいです。
※水にも弱いですが。
最近のバイクは隙間なくミッチリしたデザインで風通しがよろしくないため、
レギュレーターが剥き出しで設置されている車両も結構見かけるようになりましたな。
※これは正しい進化ですがデザイン的にはどうなのかってことです。
レギュレーターは進化の過程で放熱フィンが付いたりしていますがそれでも自然空冷放熱式ですな。
電動ファンで強制空冷とか水冷とかにした例は見たことないですし。
レギュレーターはサイドカバー裏についてることが多い気がしますが、これだって決して風通しは良くない気がします。
が。
ちょっと前のバイクは結構いい加減でして。
シートの下のエアクリボックスの上とか風通しが良くない場所に設置されてたりするのです。
VT250FHの場合、
V型エンジンの後方バンクのエキマニのそば、車体の中央付近にレギュレーターが設置されています。
※エキマニはエンジンで最も熱くなる箇所です。
「暖機運転~♪」
とか言って風を切らずにアイドリングを続け、エキマニの熱にさらされ続けたら・・。
空冷どころかエキマニの熱を拾って空温になっちゃいますね。
そりゃ中の半導体だって劣化しますわ(笑)
どうもVT250シリーズはエンジン開発に力入れすぎちゃって、それ以外の周辺装備がかなり適当なようです。
まあレギュレーターの場合はそこしかつけるところなかったのかもしれませんが。
本来VTシリーズはバイク便御用達だったくらいなのでエンジン自体は丈夫なハズです。
台数もかなり売れたはずです。
が。
こういう補器類がダメダメなので結局現存数が少なくなってるのかもしれませんな。
※35年もたてば現存数は減るに決まってるんですがね・・。