古くなってくると火花が弱くなり、エンジンの力がなくなってきます。
もちろん燃費にもエンジンの始動性にも影響があります。
スパークプラグは結構地味ですが超大事な消耗パーツの一つです。
当記事の目次
スパークプラグはもちろん消耗品
昔はプラグギャップ(プラグの頭の部分の隙間ね)の調整・・というメンテがあったようです。
プラグギャップゲージという工具があるくらいですが、ワタクシの前の世代の話です。
ワタクシの時代は、
一応プラグギャップの調整という知識はありましたが、プラグは消耗品としてどんどん交換するというのが一般的でした。
4気筒二台と単気筒三台だと10本では足りない・・
プラグの寿命が近づくと電極の角が取れて丸くなってきたりするんです。
こうなると火花が弱くなって、始動性が悪くなって燃費も悪くなって・・いいことないです。
プラグは消耗品として定期的に交換すべきアイテムですよ。
ちなみに・・
「プラグがカブる」という現象はプラグがガソリンで湿気って火花が飛ばなくなることです。
プラグがカブるという現象はガソリン垂れ流し方式の2stバイクではよくありがちな現象です。
※かぶり癖のあるバイクは大抵キャブをはじめとした燃料系がダメです。
実は4stでもカブります。
いろんな原因がありますが、
などが考えらえます。
スパークプラグは一度カブると元の性能を取り戻すのは不可能といわれています。
※セッティング中に何本無駄にしたか・・(カブっても無理やり再利用しましたが)
一応、プラグクリーナーというアイテムもありますが・・
汎用性ないし、最近使ってる人見たことないです。
※多少の汚れならワイヤブラシで落ちます。ワイヤブラシは色々便利です。
旧車はキャブ車が多くてプラグの寿命が短い
例えば、
チョーク引いてエンジンかけて「暖気♪」っつって放置したりするとかぶります。
車種にもよりますが、1分もチョーク引っ張ったままエンジンかけ続けるとカブリ気味になになります。
※チョーク戻してアクセル吹かすと黒煙吹くならかぶり気味です。
特に、
2stはガソリンがジャブジャブキャブの中を滝のように流れるのでプラグがかぶりやすいです。
ツーリングの際は絶対予備のプラグを携行しましょう。
※古い2stは、エンジンで燃える分だけアクセルを開ける、という乗り方ができないとかぶりやすいです。
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電子制御のインジェクションは、
チョーク機構が自動化されているので外気温や湿度に合わせて適正な混合気を提供してくれます。
この辺がインジェクションのすごいところで自然に吸気しているキャブには絶対マネできません。
ちなみに・・
今どきのスパークプラグ搭載の車やバイクは高価なイリジウムプラグやプラチナプラグを使っています。
インジェクション制御によって、適正な混合気を適切な点火タイミングで爆発させるので、
でいいことづくめです。
※メーカーによってはプラグは10万キロ交換しなくていいよ、と謳ってたりします
交換する際は結構いい値段になりますが♪
スパークプラグは折れることがある
錆びてシリンダーヘッド部とプラグが固着しちゃったりすると碍子部分から上が物理的にもげたりします。
※メリッという香ばしい音がします。
こうなると結構ビビります。
プラグが物理的に折れるのは大抵は碍子の絶縁部分です。
なので、
碍子の割れた破片をシリンダー内に落とさないように注意して外せば問題ないです。
※ちゃんとしたプラグレンチを使いましょう。
今どきの車もバイクもバルブが多くエンジンを小さくする傾向があります。
こうなると、
スパークプラグを外すのも結構大変です。
シリンダヘッドが小さく狭いエンジンは物理的に工具が入りずらいんですよ。
ちゃんと工具がかかってないのに無理やり力業に走ると割とあっさりプラグは折れます。
とはいえ、4気筒でこれ以上プラグメンテしやすい車種はたぶんないです。
古い車やバイクは
という素人メンテでも楽勝なのが素晴らしい♪のです。
※Z系の2バルブエンジンは、ご丁寧に外向きにプラグが生えてるもんだからプラグのメンテナンスが超楽です♪
スパークプラグの種類
プラグの規格
NGK(日本碍子工業)の
BR8ESというNGKの規格をベースに考えます。
B・・太さの規格
R・・抵抗(点火ノイズがいろいろ悪さするらしい)
8・・熱価の規格
E・・長さ(主にねじ込み部)
S・・用途とかの規格
BR8ESとなったら、Rは抵抗入りという意味です。
Rがついてると少し高いんですが、他の電装に影響が出ないように抵抗を入れてるそうです。
※電装に影響が出る実感はしたことないので、安い抵抗なしプラグを大量消費しています。
一本300円ちょいです。
ホームセンターでも手に入りますがネットで買うより割高です。
バイクや車でよく使われるのは、最初のアルファベットがB、C、Dタイプですかね。
それぞれの規格はこんな感じ。
■プラグ自体の大きさ
B8ES
タイプ | ネジ径 | レンチのサイズ |
---|---|---|
B | 14φ | 20.8mm |
C | 10φ | 16.0mm |
D | 12φ | 18.0mm |
■プラグのネジ部の長さです
B8ES
タイプ | ネジ部の長さ |
---|---|
E | 19.0mm |
EF | 17.5mm |
H | 12.7mm |
■種別というか・・いろんな意味があります
B8ES
タイプ | 特徴 |
---|---|
S | 標準 |
IX | イリジウム |
P | 白金プラグ |
これぐらい知っておけば車やバイクの基本的な知識としては十分です。
※これ以上詳しく知りたきゃ、NGK(日本碍子産業の略なんだぜ)のサイトで調べるのがおススメです。
これ以外にも、
ネジ込み部分が短いなどの特殊な形状のプラグもたくさん存在します。
ネジ込み部分が多少長くてもプラグホールには多少長くてもはまるんですが・・
あんまり長いとピストンと当たったり爆発の広がりに影響出るかもしれません。
多分、起動のしやすさと低速の火花の確実性を狙ったんだと思います。
※当倶楽部で軽トラは自己責任で一本ツノのプラグにして、エンジンぶん回して使っていますが。
マニアックなところでは、
ロータリーエンジン専用のプラグも存在します。
スパークプラグメーカーはNGKの他はChampionなど海外メーカーもあります。
外車は結構マイナーなプラグを使ってることがあります。
でも、
NGKの互換性がある場合は品番を覚えておいた方がいいです。
※NGKは絶対的に手に入りやすいし、碍子部が比較的丈夫な気がします。
ちなみに・・
プラグの電極端子には二種類あります。
ものが存在しますので、発注の際は確認しましょう。
DT200WRとかは、端子部が一体型なんだよねえ・・
端子部がネジ式のプラグは、
端子部のアダプターを付け外しすることによってネジ式プラグキャップにも固定式のプラグキャップにも対応できます。
固定式はネジ式プラグキャップには付けられません。
プラグは熱価によって数値の番手が違う
純正指定で8番でも、
高回転を多用するなら9番、低回転を多用するなら7番を使うとヨシとされています。
別に出力が変わるわけではないと思うんですが。
プラグがいつも白く焼けてる場合は、
プラグの番手を変えるよりキャブのオーバーホールかセッティングを変えてみるべきです。
※エアの導通が少ない(燃料が薄い)場合に白く焼け気味になります。
サーキットのように余程高回転をキープする環境でない限りは熱価の番手は変えなくてもいいと思っています。
※サーキットでぶん回し続けると、ほんとに熱でプラグもピストンも溶けます。
ちなみに・・
初期のZ2(750RS)はB8ESが標準ですが、Z750D1ではB7ESが標準になっています。
エンジン形式上同じだし、別に低回転型になったわけでもなく、ちょっと馬力すら上がってるのに・・
とか、当時を想像しております。
当倶楽部のZ750D1はキャブをゼファーのCVKに変更してるし、所有者の嫁はエンジンぶん回すほうなのでB8ES使ってます。
※いい色に焼けています。
高価なプラグは使ってる電極の素材が違う
昔は電気の流れが一番いいのは、金(Gold)といわれていました。
今ではイリジウムが良いとされています。
※すべての電線は本当は金がいいんだけれど、お金がかかりすぎるので代替品として銅を使ってるって聞いたことないっすか?
昔は銀も金もあった
昔は、
といったものが売られていました。
たまにオークションで大量にデッドストックで出てきたりします。
※VプラグとかVXプラグとか憧れたもんです・・1本1,200円くらいして(泣
今では、これらは駆逐され普通のやっすいプラグとイリジウムプラグの両極端な価格帯になっています。
※売れないんだろか?
ちなみに・・
普通のプラグが400円しないのにイリジウムプラグは3,000円近くします。
これを4気筒分とか軽めのブルジョワです。
※ゼファー1100のツインプラグ(4気筒分なので8本)はイリジウムプラグに交換すると思うと気が遠くなる高価さです。
旧車はBタイプのプラグを使ってる車種が多い
最近はCタイプやDタイプの細めのプラグが増えてきました。
バイクや車の機会が進化する過程でプラグですら軽量化、小型化が進んだ・・と理解しています。
大量生産出来て使いまわしできる「Bタイプ」を使い続けたほうが便利だと思うんですが世の中の流れなんでしょう。
既に小さく細いCタイプやBタイプのプラグが主流になってかなり経ちます。
でも、
この手の細めのプラグは田舎のホームセンターに在庫してないんですよ。
B8ESなら大体田舎のホームセンターでも扱ってる場合が多いし、助かるんですが。
実際助かったことがあります
DT200WRで四国にわたった際、
オイルポンプがいかれてオイル消費量が激増しました。
当然、エンジンはかぶり気味です。
淡路島の松林の中でオイルポンプ調整するも淡路大橋で大白煙祭りをやらかしました。
現地のコメリでB8ES買い込んで、混合仕様で数百キロを走破したのはいい思い出です。
※うどんが超旨いのでまたゆっくり行きたいなぁ、四国。
ちなみに・・
当倶楽部ではNGKのB8ESを大量消費します。
全部B8ESで事足ります♪
なので、
当倶楽部では大抵B8ESを箱買いしています。
プラグは、まとめて買うと安いです。
ロータスヨーロッパは、
バイクよりは回転数が高くない車なのでB7ESを使ってます。
旧miniERAターボは、
BPR6ESが標準でしたが絶縁体突き出し量が多少違うB6ESを使っていました♪
※専用のプラグ入手すんのが大変です。B6ESでも性能的には全然問題なく大量生産品のほうが安くて使い勝手が良かったです。(自己責任)
セロー225Wだけ、Dタイプなので面倒くさい・・
プラグレンチはちゃんと使おう
一応、
車載工具にも簡易プラグレンチは入ってるはずです。
車載工具を使えばとりあえずはプラグを外すことが可能です。
※でも純正の車載工具のプラグレンチは絶妙に使いづらいので緊急時用ですよ。
プラグレンチはそれほど高価な工具ではないので買っちゃいましょう。
使う頻度はそれほど高くないとはいえ、
プラグの六角部にレンチがちゃんとかからず、斜めになったまま力を入れるとプラグはあっさりともげますよ。
プラグレンチはマグネット付きがおススメです。
いろんなタイプを検索できるようにしてあります。
ちなみに・・
2stのシリンダーヘッドは4stのようにバルブやフィンに挟まれてないので、外しやすいんですが・・
車載工具のプラグレンチは高さがあって逆に使いづらいんです。
Bタイプのプラグであれば21mmの薄手のスパナを横から突っ込んでプラグを回す方楽できます。
写真は今度明るいところで撮影ようにします。
いい火花は燃費も加速もよくなる。そのためにはプラグは安いもんです。
さらにちなみに・・
スパークプラグは外す時より、組つけるときにエンジン側のネジ山を壊すことがあります。
最初からレンチに装着してプラグをシリンダヘッドに取付ようとすると、ネジがちゃんと噛んでるかわからないまま力をかけちゃうことがあります。
こうなるとエンジン側のネジ山をつぶしやすいです。
※思い切りのいい素人がやりがちです。
エンジン側のネジ山を壊すと結構大ごとになるので、しっかりとプラグをもって最初の数回転は手でスムーズにはめ込むようにしましょう♪
実は、メンテ初心者が良くやるのはこの手の失敗なのです。
※あとドレンボルトとかね。
シリンダヘッドのプラグホールのネジ山修理には大抵数万円請求されます。
※取り付け部分が狭い今どきの高性能な4stのエンジンのプラグ取付穴のネジをつぶしちゃったら・・ワタクシはお金もらっても引き受けたくないです。
まとめ
これがエンジンの調子がいい条件とされています。
外観で目立つ吸排気ばかりに目が行きがちですけどスパークプラグは地味に頑張っています。
※スパークプラグから火花が散るまでの電装は中古車で買ったら一度見直したいですねえ・・
スパークプラグの交換サイクルは、年に一度程度、交換のおすすめ時期はオイル交換やタイヤ交換と同じ春がいいです。
※消耗品は、よい季節においしい部分を使えるタイミングで交換するのがおススメです。
というわけで、スパークプラグの話いろいろでした♪
プラグは、まとめて買うと送料も節約できて素敵です。