傾斜の度合いも長さも半端なく、関東平野に住んでいた頃には考えられないレベルの坂が存在します。
その中で一番傾斜がきついのはどこだ?という話です。
急坂ルートにはそれぞれの歴史があるのだ
峠越えって言うからには登って降りるのです。
面倒くさい峠越えルートは行政の気分でやみくもに舗装しているわけではないのです。
長野県には数キロも続くような坂道がうなるほどあります。
まあいわゆる「峠越え。」なわけですが。
それは、
「長野県の平野部と平野部を繋いでる道が大抵峠越え。」
だからです。
基本的に集落というのは平野部あるものです。
その方が生活が楽だから。
山間部や傾斜した土地は農業には不向きで人は多く住まない、と相場が決まっています。
※畑や田んぼは作りづらいし、作業効率が悪いので。
昔はこういう街道で峠を越えていたのです。
極稀に そんな不便なところに住まなくてもいいじゃん、というような 山間部の集落がフォーカスされますが、
未だにそういう所で暮らしている人たちは普通の人にとっては珍しいからなのですよ。
何処に行くにも数キロの山道の上ったり下りたりするなんてのははっきり言えば無駄で生活の負担になるのです。
※南信で有名な日本のチロルと呼ばれた下栗の里とかもうほぼ崖です。
そんな訳で山国である長野では古くから続く街道は基本的に川沿いの平たんな場所を繋いでいることが多いのです。
ただし、
どうやっても山越えをせにゃならんルートも昔からあったわけです。
旧街道でこういう峠越えをする場合、峠の麓に宿場町が栄えます。
今でもそう言った山の麓にある宿場町が長野県のそこかしこにひっそりと残ってたりします。
※こういう場所を回るドライブやツーリングは面白いですよ。行ったら宿場の説明看板は絶対に読むべきです。
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大きな街道は後に鉄道が敷かれ、国道となり、メインルートとして開発されて現代にいたります。
※国道はどんどんバイパス化していくので道の細い旧宿場町を迂回するように発展していきます。
中には規模の大きくない街道も存在しまして。
北信エリアでいうと、
等があります。
峠越えルートの多いマイナーな街道は工事の難所でもあるため、整備が遅れたようですな。
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本来の旧街道はホントに勾配がきつく、道も細く現代の登山道みたいなルートだったりします。
※よく馬や牛を引いて荷物を運んだもんだと感心します。
このような旧街道の勾配がきつかったり道幅が狭かったりする箇所は、
大抵バイパスして舗装され、現代の国道や県道になっているのです。
岩を割って道を作った「切通し。」は昔のバイパス工事と言えるかもしれませんな。
急坂や峠越えルートにもそれぞれ歴史があって、過去から人は行きかっていたのですよ。
※こんな山の中までよくも歩くもんだ、と思うこと請け合いです。狼も熊もいただろうし。
電灯なんかないし。
旧街道や古くならある宿場町にはこの手の歴史を記した看板な存在するので熟読して見ると良いですよ。
※一流散歩番組である「ブラタモリ。」の番組中で絶対にこの手の看板を読むべきだ、と力説していました。
ちなみに・・
関係ありませんが古い学校は山の頂上付近に作られていることが多いです。
恐らく田畑にするには向かない土地で、
「山のどの方向からも坂を登らねばならないため、みんなに平等だ。」
というような観点で作られたのだと推察します。
※通学する小学生はたまったもんじゃないですな。
長野の山間の集落は確実に過疎化が進んでいますのでそもそも子供がいないのです。
そんなわけで今では長野の山村の集落に廃校になった学校をたくさん見つけることができます。
地域のコミュニティ施設として使われているところもありますが、
大抵は手入れが間に合わず校舎は朽ち果てつつ自然に戻ろうとしています。
※ちょっと怖い感じすらします。
集落から結構遠い。
多分、クマ出まくり。
それにしても山の中にある学校、雪降ったりしたら絶対行きたくないですな。
行き帰りに野生動物をたくさん見れるのは良いとして、クマもイノシシもいますしねえ。
こういう学校に毎日通った生徒はさぞ足腰が強くなったことでしょう。
時代が時代ならオリンピック選手になったかもしれませんな。
先生方はさぞ大変だったでしょうねえ。
・・という思いをはせながら田舎の散歩ツーリングを楽しむワタクシなのです♪
アナタはが思う急こう配の坂道とはどれくらい?
関東平野に住む人たちはちょっとした坂でも急坂と言いますな。
長野では坂が当たり前なのです。
一般的に何処くらいの斜度があれば「急坂である。」という認識ですかね?
そもそも普通は「10%の勾配。」と言われても想像できないのが普通です。
※長野の民はそういう表示に慣れている・・ハズなのですが。
「100m進んだら10m標高が上がる。」
これが10%の登り勾配です。
逆に下り勾配では、
「100m進んだら10m標高が下がる。」
わけです。
これを知ってるだけで峠の上り下りを 自分の足でも車やバイクでも 走る感覚はかなり違ってきます。
※パワーのない乗り物は登りが苦手ですし、多くのバイクやAT車は下りが苦手ですしねえ。
他県では10%の勾配は珍しいのでいわゆる「急坂。」と呼ばれることが多いです。
こういう道での写真撮影の時はバイクが勝手に進んで転ぶので1速に入れてからエンジンストップするのが鉄則です。
ただし、
長野県では10%前後の勾配は普通です。
10%前後の斜度が数キロから数十キロ続くのも珍しくありません。
まあそれがいわゆる「峠越え。」なわけですが。
ちなみに・・
当たり前ですが登り坂の方がエンジンの負荷は高いです。
そりゃ登り坂ばかりなら燃費は悪くなりますよ。
そのため登り坂が続くとエンジンパワーを食われます。
エンジンパワーを食うエアコンを起動させるとより一層パワーダウンを実感します。
特に軽自動車では顕著ですので、上り坂ではエアコンスイッチをオフにしてエンジンの負荷を軽減させてあげましょう。
※軽自動車はエンジン負荷が非常に高いので寿命が短い傾向があります。
逆に下り坂ではエンジンの負荷が低いです。
そのため、エンジンが必要以上に冷却されるため、冷却水の水温はどんどん下がります。
そんな訳で下りはエンジンの冷却水の熱を利用するヒーターは効きづらくなったりします。
※スキーの帰り道、峠を下って来る時にヒーターの効きが悪いような気がするのは気のせいではないのです。
エンジンのメカニズムと坂道の関係は結構面白いんですよ。
※こういうことを飲み屋で語るとみんなに嫌われるので注意が必要です♪
とはいえ、
最近の車にはタコメーターも水温計もない車が多いので変化がわかりづらいのです。
※こういう役に立たない豆知識をもって飲み会で語って若者に嫌われることを至上の喜びとしているワタクシです。
斜度が10%クラスの峠道がゴロゴロある長野県
でもちょっと脇にそれた県道クラスでは斜度が10%クラスの道はうなるほどあるのです。
国道は前述したように急な勾配の箇所を迂回するのが普通です。
物流的な大動脈系の国道では一層顕著です。
長野県に入る二桁国道としては、
R18で言えば碓氷峠周辺は結構急坂が続きますな。
旧道は道も細いので大きな車はきついでしょうねえ。
※グネグネが多くて途中で飽きる。
最近は碓氷バイパスに車を流すようで、旧道はいつ行っても割と通行止めが多い印象です。
旧道は楽しいのですが、飽きるし遅い車を抜くポイントがほぼない。
また、
R20では岡谷峠付近が急勾配ですな。
※岡谷付近ってイメージより標高高いんですよねえ。
R19だと・・どこだろ?
とまあ、二桁国道でもそれなりに峠越えがあったりしますが、デカいトラックなども通行するためそれほど急な峠越えは多くありません。
マイナーな国道や県道は現在も一生懸命バイパス化したり、トンネル掘ったりしていますので、峠越えが各段に楽になりつつありますね。
面白いのはココからです。
長野の峠越えを含む県道巡りを趣味とするワタクシなのですが、これがもう10%の勾配は基本です。
こういう県道は交通量も少なく、道の細いグネグネ道が続きます。
※原付4stエンジンはかなりキツイと思われます。
これが峠のてっぺんを超えるまで延々と続きます。
※当たり前ですが、大抵はてっぺんを超えたらほぼ間違いなく急こう配の下りになります。
長野の大動脈である国道同士を繋ぐ県道はとんでもない山道だったりするのですが、
昔の地元民はこういう所を普通に移動してたのでしょうねえ。
しかも自分の足で。
・・ありえない。
峠道のそこかしこにお地蔵様や馬頭観音があるのは昔の人の思いがうかがえて興味深いのです。
※庚申塚や道祖神なんてのもありますな。
そこをエンジン付きの乗り物でさらっと通過できちゃう現代は当時の人から見たらかなり贅沢でズルい夢の手段なのでしょうねえ。
とにかく。
急勾配の県道や国道には道路沿いにある黄色い看板に傾斜度が表記されていますのでチェックして見ると趣がありますよ。
ただ通過するだけではもったいないです。
※趣味が高じて傾斜度の表記看板の写真撮り始めたらディープな沼にハマったということです。
当ブログの県道散策カテゴリーで扱った県道でも傾斜度12%くらいまでは割と普通です。
※関東ローム層の住民から見るととんでもない急坂です。
では
「最高斜度の坂はどこにあるのだ?」
こういう話になっていきますな。
ワタクシが知ってる最高斜度
100m進んだら20m上がるってことです。
そりゃあもうスキーの直滑降ですよ。
ワタクシが見た中で最高斜度を誇る坂は長野県飯山市の小菅神社の参道です。
あまりに急なため、観光の車は迂回路から小菅神社にアクセスするように設定されています。
※昔の参道だけに狭いのでデカい車は走りづらいけどいけないことはないです。
ほとんどメディアに取り上げられない「リアルパワースポット。」です。
小菅神社は戸隠並みの修験道者がいたところです。
※今でも山伏の格好のリアル修験道者もいます。
小菅神社奥社は観光地化されていないので行っておくべきおススメのパワースポットです。
ただし、
戸隠奥社とは比べ物にならないレベルなのでシッカリ登山装備で臨むといいよ。
※ワタクシ達はドライビングシューズで登って負けて撤退したので日を改めて登山装備で再チャレンジしたくらいです。
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というような由緒正しい小菅神社の参道が問題の急坂です。
長野県道38号から入ってくるこの鳥居の前の道がそうです。
そして。
急こう配なうえに直線なのですよ、この道。
普通の峠越えの場合、くねくねして少しずつ標高をあげていくのが普通です。
ここは修験者の修行の場所ですので急こう配に正面から挑むように真っすぐなのです。
・・最近流行の4st原付では登れないんじゃ・・。
・・軽自動車では登れないんじゃ・・。
というくらいの急勾配です。
ヘタすりゃ普通車でも登りの途中で失速します。
逆に。
下る場合は勝手に勢いが付くのでずーっとブレーキ踏みっぱなしになります。
アクセル踏まなくてもガンガン加速します。
※まさにスキーの直滑降のイメージです。
この地域、冬は非常に雪深いのですが、
「雪降ったら絶対車やバイクで通りたくない。」
というレベルの急勾配です。
※無事にクリアできる気がしない。
この道は古くからの参道なので驚くことに道の周りに結構建造物があるのですが、
傾斜に対して建物を水平にするための土台の斜めっぷりが半端ないです。
少なくとも、
ワタクシが長野に来てから見た舗装された道路ではここが最高斜度です。
インスタ映えしませんが、斜度20%の看板は一見の価値ありです。
※誰にも自慢できないところが凄いですが、建物の土台と写真撮ると如何に道路が傾斜してるかわかるはずです。
非常に残念ですが斜度を表示している看板の写真は撮っていません。
※あれよあれよという間に下ってしまったため。いずれまた撮影に行きます。
ワタクシが最初行ったときは、登りは迂回路から入って下りは参道を抜けたのです。
その時は ブレーキの効きが良くない ロータスヨーロッパで下ったのですが、
ブレーキ踏み続けないとどんどん加速していくのでちょっと怖かったです。
※運転しながら「ブレーキ踏み抜いちゃったら死ぬな。」と思っていました。
まとめ
斜度的にも現時点でワタクシが知らない勾配が急な坂道はまだまだたくさんあるハズです。
こういうものすら楽しめるようになるとお金を使わなくても面白いのです。
ワタクシが知っている限り、最も急な坂は今回紹介した「小菅神社の参道。」です。
車やバイクで普通に行ける道という条件なら北信地域なら少なくとBEST3にはいると思われます。
登山道やロッククライミング的な道を除けば、斜度20%を超える舗装された坂道(しかも本気の直線)はそうそうないハズです。
残念なことにあまりの勾配の急さに車を止められず、勾配を示す看板の写真を撮っていません。
※近いうちに再度撮影に行く予定ではあります。
・
・
長野県は異常に広いし山だらけです。
もしかしたら斜度20%を超える道もあるかもしれません。
看板こそないけれど、瞬間最大風速的な斜度ならあるかもしれませんしねえ。
※坂道計測用のツールとか無いかしら?
もし、長野県内でココより急な勾配を持つ坂(私道や登山道を除く)をご存じであればご紹介いただきたいです。
※取材に行かせていただきます♪
ワタクシ的な感覚では南信地方にはまだ未開の急勾配の道があるように思います。
飯田市なんてのは天竜川を底辺にほとんど崖みたいなところに人が住んでるし。
田んぼは天竜川沿いにしかなく、あとは給料と言えば聞こえはいいけどワタクシに言わせればほぼ崖です。
※なんであんなところに街ができたのかいまだに不思議。
そんな「崖の街:飯田市。」にリニア新幹線が通るという(笑)
・
・
このように急勾配を探して彷徨う旅というのもなかなか乙なのです。
お金がかかんないし。
勾配の斜度の看板を見て
「9%の勾配とかなかなかやるね。」
とか
「勾配が10%もあるならビー玉転がしてみたい。」
とか
「12%か・・キツイわ。」
とか言ったり思ったりして楽しむのです。
誰も共感してくれませんがいいのです。
※こういうニッチな楽しみを思いっきり堪能するには単独行に限ります。
人生なんでも面白がった方が勝ちなのです。
文章書く人は「人にドン引きされようが自分が思いっきり楽しんでるテンションで読者を引き込むのがポイント。」ではないかと思いますよ。
人がどうこう言おうとまずは自分です♪
ちなみに・・
実は最近、いろんなものや事象に特化している趣味人と出会うことが多くなりまして。
ダムカードとか、トンネルカードとか、マンホールの蓋の柄の撮影とか、人んちの庭先の木のレア度を見て楽しむとか。
人に理解されないような楽しみを見つけて遊んでいる大人が結構多いのです。
※カードシリーズは結構奥が深いらしい。似たような趣味に御朱印がありますがお金がかかりますしねえ。
遠征とかもしてるので交通費くらいはかかるけど、
そういう人たちは「お金をかけずに全力で楽しんでいる。」のですよ。
という、イベントにならない要素が満点です(笑)
※たまにSNSとかで同好会みたいなのがあるようですが手弁当っぽい。
秋の南信地区は各農家の二階が干し柿室になってたりするので散歩すると壮観です。
日本は「貧困国になりつつある。」ので庶民はこういう楽しみ方を見つけねばなりません。
お金をかけずに 地味に 楽しめる趣味がこれから流行る気がします。
江戸時代がそうだったようにみんなが貧乏でも面白ければ文化になるのです。
とりあえず、
人に迷惑をかけず、犯罪にならなければどんなことでも全力で楽しんでしまうのがといいと思うのです。
最初に何かを買わなくても始められる趣味というのモノあるのです。
「面白きことも無き世を面白く。」
一度しかない人生、少しでも楽しんで生きていきたいものです。