ワタクシの近所の街も水害に襲われたわけですが・・
そりゃあもう大変な数の水没した車を見ました。
※かわいそうに新車扱うディーラーさんも被害にあってました。
個人的には、一度水没した車は無理に直して乗るよりも廃車したほうが安く済みます。
当記事の目次
水没車の廃車判定基準
マフラーだけなら完全に水没しても意外に生きてたりしますが、
室内に水が侵入してきたらもう駄目だと思った方がいいです。
廃車する基準は、
の、いづれか一方でも該当したら諦めた方がいいですよ。
普通の車はタイヤの半分も水没すると、エンジンルームにも浸水して機能に影響が出ます。
エンジンルームは電装と電子制御だらけです。
一瞬水がかかるくらいならまだしも、数分でも水に浸かったら安全のためにディーラーに相談すべきですよ。
少なくともフロアカーペットが濡れたら廃車だと思った方がいいです。
ちなみに・・
台風などのニュース映像で良く見る「屋根しか水面から出てない車」は100%廃車です。
台風や長雨が来そうな場合は、
安全なうちにできる限り高台に車を非難させるべきですよ。
※土砂降りになってからでは危ないです。
水没した車のエンジンはかけてはいけません
エンジンかけると余計壊れる場合があります。
もっと言うと、キーをONにすることもやめた方がいいです。
無理やりエンジンかけようとすると最悪出火します。
家屋でも同じ
災害時に床上浸水した家屋のブレーカーを上げたとたんに、
何らかのダメージを受けた配線がショートして、そこから出火!っていうニュースを見ませんか?
車でもこれと同じ現象が起こります。
目視できない場所が多いので、家屋より車の方がよほどたちが悪いです。
一度水没した車は完全に乾いたように見えても危険です。
水没後一か月たっても出火したというケースも報告されています。
車は燃えるもの
車は鉄と樹脂とゴムでできているうえ、ガソリンを積んでいます。
車が走行中にガソリン漏れで燃えることももちろんありますが・・
車が発火するきっかけとして多いのは、
バッテリーが一番パワーを出すエンジン始動時のセルモーター
からだということです。
実は、
一番出火しやすいのは大電流が流れるのはエンジン始動の瞬間なんですよ。
セルモーターには一瞬で大電流が流れます。
EV車やハイブリッド車は水没後に始動させようとすると最悪感電します。
エンジンを搭載していないけどモーター駆動のEV車は・・・最悪感電しますよ。
なので、
一度でも水没した車はエンジンをかけずに業者にもっていってチェック&修理してもらうのが基本です。
※直すにも多額の費用が掛かるので、多分買い替えを進められるはずですよ。
よくわからなければ、自分では触らないことです。
水害時は枯草とか燃えやすいものが車の下に溜まってたりするし
ポイント
車のバッテリーは時計やその他のデジタル機器にキーをONにしなくても微量は通電しています。
※カーラジオのチューニングを記憶してたりするでしょ?
■車が水没した場合
と自然発火を防げます
車は一度水没すると二度と元には戻らない
車の防水機能
当たり前ですが雨天でも走ることが大前提ですので基本的に今の車は防水されています。
ただし、
普通の車はタイヤの半分くらいまでの深さの水までしか対応していません。
※車高の低い車やシャコタン車はこの限りではありませんよ。
車の床上まで浸水した場合、
ほぼ間違いなくどこかしらにダメージを受けています。
この手の車はカーペットがない、もしくはショボいので丸洗いが可能だったりします。
ワタクシなら、
一度水没した車はよほど貴重な車でない限りスッパリ諦めます。
お金をかけて復活させて、維持し続けることはもちろん可能です。
その労力と財力、精神力に見合う愛情があるかどうか?
個人的には貴重な車は意地でも直してほしいと思います。
※数年前に、欧州の湖から引き揚げられたBugattiをレストアしたニュースを見ましたが、あれは執念です。
執念があって復活させたとしても、
もう一度何らかの災害や大きなトラブルがあるなら多分呪われていますので、お祓いをするか手放すかしたほうがいいです。
※ほんとにこういう逸話のある車は存在します。離婚ミウラとか破産ポルシェとか。
水没車の内装は見た目がきれいでも匂いが消えない
水没車の室内は、泥というかドブというか・・
匂いが全然抜けません。
ファブリーズとかそういうのは全く歯が経たない位匂います。
完全乾燥させた水没車のドアを開けたことがありますが・・
ほんっとに泥臭いというか、かび臭いんですよ。
身体に悪そうな匂いが漂うそうです。
仮に、
車一台分の内装、カーペットやシートを全部交換すると莫大な費用が掛かります。
※中古車買えるくらいの費用は覚悟した方がいいです。
内装を全部新品にしたところで完全に元には戻りません。
内装を一式新品に交換したとしても匂いは消えないそうです。
※細かいところに入り込んだ有機物が腐るときの匂いが残るらしいです。
車の消臭に一番効果が高いのがこの手の炭です。
車内にたばこの匂いなどが付いちゃったら、炭をきんちゃく袋に入れてシートの下に忍ばせておくといいですよ。
子供が車酔いする場合、匂いが原因なことは少なくないです。
ちなみに・・
都内の某洪水警戒最大の区でマンション住まいの友人宅のムスタングが水没したことがあります。
※立体駐車場って言うの?1台分のスペースに2台止められる地上と地下に格納する駐車場の下の方でね。
彼は買ったばかりのムスタングをどうしても諦めきれず、ディーラー経由で専門業者に徹底的に洗浄してもらいました。
※二桁万円以上の費用が掛かっています。
カーペットなどは確か張り替えたと思ったんだけれど・・
匂いがどうしても抜けませんでした。
実は、
匂いって、すごくストレスになります。
彼の子供はムスタングに載せると、すぐに車酔いするようになったということです。
乗るたびにアメリカ人のように景気よく消臭剤を振りまいていましたが、だんだん表情に疲れが見えてきて・・
ムスタングは内装張替え後、わずか2か月で手放しちゃいました。
アメ車は詳しくないんだけれど、確かこれと同じ型
見た目はほぼ新車なんですよ。
実際走行距離は3万キロ以下でした・・
あんまりに気の毒で居酒屋で一杯奢ってあげた記憶があります。
※彼は平時から酔うと泣くという酒癖があったのでその席ではもう大変でした♪
水没車は内燃機関にも様々な影響が出る
大げさじゃなくエンジン内部に水が侵入してる場合は、エンジンが物理的に壊れます。
ウォーターハンマー現象といいまして。
通常空気が入っている場所に水分が入ると起きる現象です。
ウォーターハンマーとは?
エンジンはガソリン交じりの空気を圧縮させて爆発させた勢いで回ります。
空気をエンジンのシリンダ内で圧縮させて、そこに点火することで爆発する。
のがエンジンの基本行程です。
シリンダー内に水が入っていると水は圧縮されないままエンジンが回ってしまいます。
エンジンの弱い部分は全部壊れるどころか、シリンダーを突き破ることすらある。
圧縮されなかった水に加わった爆発の勢いって結構すごくって金属のエンジンが物理的に大破します。
※ボンネットくらい軽く吹き飛びます。
どうです?
おっかなくなってきたでしょ?
今の車の電子制御は水にも泥にも弱い
今の車に搭載されている半導体や基盤、電子制御部品は素人では手に負えないレベルです。
テスターがなければ、多分プロでも手に負えないはずです。
影響が出ると思っていた方がいいですよ
影響が無かったらラッキーって感じですが、水没車にラッキーは多分ないです。
当倶楽部はどうせ壊れるんだし、ナビなんかいらん!という主義を未だに貫いています。
今の車は目に見えないところまで徹底的に電子制御されています。
そのユニットが水没してごらんなさい
いつ壊れるかわからないという不安が常に付きまといます。
どこかが不具合でエンジンがかからない・・
むしろフェイルセーフ(失敗時には安全なほうに働く仕組み)の観点からその方が親切なのかもしれません。
出先の夜の峠や高速道路での走行中にに不具合が出る方がよほど怖いです。
ちなみに・・
電子制御部に異常が発生したら、素人はもちろんプロの車屋さんだって部品交換しなけりゃ直りません。
※電子制御部分は基本的にユニット交換になるので大抵高額な修理代請求になります♪
今時の車は、街の車屋さんが独自に調子見ながら直せる代物ではありません。
※外車なんかディーラー以外はたぶん面倒見切れませんので中古の外車は割安・・というわけです。
海水(塩水)水没車は一気に車が傷む
海水ってホントに車を傷めます。
海水に水没すると
とにかく頭の上から足の先までまんべんなく錆びたり劣化したりします。
流石、生命の源の海は、すべてをもとの形に戻していきますなあ・・
でも床のパーツとかも部品で入手可能(笑)
塩水は車の大敵
実際に東日本大震災の被災地にボランティアに行った際、
小さな港街に塩水かぶって放置されていた車が何十年も前の車のように錆まくっていたのを目の当たりにしました。
車ってこんなに短期間でコレだけ錆びるんだ・・と思ったもんです。
ちなみに・・
長野県は融雪剤撒くので車の傷みが早いって言いますが海沿いの街に比べりゃかわいいもんですよ。
融雪剤は冬だけですが海は一年中あります。
しかも、
海風が強いと常時かなり内陸まで塩水って飛んできます。
※最近も台風で塩害になったニュースを聞きましたが、被害にあった地域は海から数十キロ離れていました。
沖縄でレンタカーした安いジープのドアの内側には、
防錆として重油が塗られていました♪
※もう20年も前の話ですが実話です♪
海沿いの街の車は寿命が短い
中古車を買う際は海辺の町から来た車は手を出さない方がいいです。
そして、
海水に水没した車はすぐ手放した方がいいです。
その後の維持に、とんでもなく金食います。
まとめ
何よりも、
台風などの災害発生がわかってる場合は車を水没させない様にすることです。
水没する前に避難するのが一番お金がかかりません!!
一度水没したら、復活させるのは至難の業だと思って間違いありません。
そして、
今時の車は壊れないという信頼性は全くなくなると思っていいです。
基本的に、
ディーラーはもちろん中古車屋さんなどは水没車は買い取ってくれないと思っていいです!
ディーラーはリセールが面倒くさい下取り車は買いたたきに来ます
※廃車料金請求される可能性が高いです。
水没車も売れる
それでも買い取ってくれる業者はある。
とりあえず車が水没したら一刻もはやく買取価格の査定しておきましょう!!
もし災害で車が水没したら一刻も早く外装だけきれいにして、とっとと現金化したほうがいいです!
※状況によっては洗車すら不要だったりしますが、きれいな印象の車は高額査定されやすいです。
時間がたてばたつほど、動かせない車は傷んで価値が減っていきます。
こうなるとただでさえ値段の付きづらい水没車、どんな業者もただ同然で買いたたきに来ます!
ちなみに・・
ディーラーで下取り価格5万円の車に即金で20万円の価格が付いたりします!
15万キロ走って、廃車料金取られそうになったフレームが錆びて穴空いている友人のジムニーに7万円の値段がついたこともあります!
※このジムニー、散々ワタクシが借りて乗り散らかした個体でして。ワタクシが見ても、もう駄目だわコリャ、というひどい程度だったわけですが。
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