でも、塗装が剥げてくると急に貧乏くさくなる。
エンジンの塗装が剥げた個所をDIYで何とか解消して見ようという記事です。
確かにパーツ単位では綺麗になる。
駄菓子菓子。
塗装が剥げた黒塗りエンジンはみすぼらしい
これが見た目も中身も非常にボロッちい。
特に足回りやエンジンの塗装が部分的に剥がれて汚らしいのだ。
とにかくエンジンが汚い。
特に左側のスプロケカバーとオルタネーターカバーが。
どうやらサイドスタンドで保管してたらしく、ガソリンコックから漏れたガソリンがずっと、しったかしったか垂れてたらしい。
ガソリンが流れたライン上の鉄部品は確実に錆びているし。
※コレだけ掃除しても、まだ腐ったガソリン臭がする。
確かに、ふつうのショップならパーツ交換を進められるケースではある。
ただし、
※ヤフオクでも転売ヤーとか業者はバカじゃねえの?っていう価格で出品してるし。
どうしたもんか。
部品を買う金はないのだが、時間はちょっとだけ作れる。
DIYで何とかして見ようぢゃないか。
金はかけるな手間かけろ。
なんでもそうですが、人生には失敗&撤退覚悟で思い切った判断が必要なことがあるのです。
※思い切った判断をすると8割がた失敗しますがそれは金で買えない経験なのです。
ここまで剥げてると、な。
全部樹脂製と思われる今のバイクにはまずありえない贅沢。
※その分、他の箇所は安っぽいのですが。
ワタクシはVT250FHのスプロケカバーは当然樹脂製だと思いこんでいました。
が。
VT250Fのスプロケカバーはあり得ない贅沢さのアルミ製なのでした。
※叩いた音と触った時の冷たさが金属のそれです。
どうりで、
長い間腐ったガソリン攻撃にあえば変形や変質する樹脂製パーツと違って変形してないハズです。
入隅の塗装は、ブレーキフルードに浸った塗装面のようにふやけているにも拘らず。
※確証はないですが、腐ったガソリンに長い間浸し続けると塗膜はボロボロになるのかもしれませんな。
それなら話は早い。
塗装を全部剥がしてやろうじゃないですか。
素人でもアルミなら十分塗装を落とすことができるのです。
極力ケミカルは使わずに、知恵と工夫とありものの工具類で。
ちなみに・・
当倶楽部のVT250FHの樹脂周りはどの部分もほぼ例外なく、劣化しています。
例えば、
スピードメーターワイヤーをホイール側に固定するネジ穴。
ワイヤーを外すためネジを外したら、予定調和のようにポロっと自然に割れました。
ライト裏にあるハーネスケース。
カバーの爪を外そうとしたら、力なく欠けました。
今のところ、粉砕した樹脂パーツは小物が多いのですが生産から35年以上経過している個体です。
大物の樹脂パーツも同じレベルで劣化しているとすれば・・大問題ですな。
そんな箇所ばかりなので、樹脂パーツが多い80年代のバイクのレストアは結構怖いのです。
既に新品パーツほぼありませんし。
※もしあるなら倉庫に35年近く眠ってたデッドストックでしょうな。
Z1系のバイクのようにハンドルスイッチすら金属製♪
それくらい古いバイクなら、樹脂の劣化問題がないだけレストア作業は楽かもしれません。
※重いんですが、再生が楽ですしね。
逆に塗装を全部剥がしてやる
失敗しても割れる樹脂とは違って、アルミ製ならいくらでも誤魔化す手法はありますし。
セオリーとしては、金属面の塗装剥がしには「塗装剥離剤の類を使う。」のが正解なのでしょうねえ。
確かに、あれ使うと一気に剥がれますな。
※熱を持つタイプもあるのでちょっと怖いのですが塗装剥離剤の破壊力は凄いものがあります。
今回はケミカル攻撃ではなく、物理攻撃でDIY的な対処をして見たい。
※ただ単に面倒くさかっただけです。
それに、
アルミの表面が白く結晶化してる箇所もあるので、これも削り落としたかったしねえ。
ゆえに。
電動インパクトドライバーを使います。
当倶楽部では結構使用頻度の高い電動工具です。
家もガレージもインパクトドライバーなしでは作れませんでした。
薪小屋もウッドデッキもです♪
ちなみに・・
塗装剥がし作業は錆取り作業と非常に似ています。
広範囲の錆面を綺麗にする場合、ディスクグラインダーにそれなりのアタッチメントを付けると作業が早いです。
※ホームセンターに行けば大体買えるはずです。〇〇ベベル、みたいな商品が多いです。
この辺の詳細は、愛すべき一流錆び取り雑誌「オールドタイマー。」誌を読み込むといくらでもこの手のネタがあるのでそちらを参考に。
ただし、
細かく入り組んだ箇所にはディスクグラインダーが物理的に入らない。
こういう場合は、
電動インパクトドライバーが役に立つのです。
電動インパクトドライバーは、コードレスのバッテリー式が主流ですが、
当倶楽部では信用していないのでコード式の有線インパクトドライバーを使っています。
家とガレージを作る際に2セットのバッテリー式がダメになったためです。
充電式のインパクトドライバーは絶対的に寿命が短いです。
有線式のインパクトドライバーはもう15年以上使っていますが、充電の手間は無いし、時間制限もないので重宝しています。
※薪小屋作る際に作業効率を上げるためもう一台買った。新しい奴はやっぱりパワーがありますな。
商品の主流はコードレスの充電式ですが、ぜぇったいに有線式のほうが長持ちします。
電動インパクトドライバーを使え
ユニバーサル規格って奴です。
一家に一台あってもいいのが電動インパクトドライバーです。
もう超多用途に使えます。
木材系のDIYはもちろん、軽金属の穴開け位なら余裕です。
※ステンレスの穴開けはさすがにキツイ。ドリルビットがすぐ死ぬ。
インパクトドライバーには「カップブラシ。」をセットします。
要するに開店するワイヤブラシが付いたアタッチメントです。
これを回転させて、塗面部に押し当てて塗膜を削ろうって魂胆です。
もっと細いカップブラシが欲しいけど無理は言わない。
要注意
回転系工具を使う場合、特に切ったり削ったり磨いたりするなら絶対ですが作業用ゴーグルを装着しましょう。
破片が目に入ったら失明コースです。
ワタクシは仰々しいほどのゴーグルをして作業に臨んでいます。
※以前はオフ車用のゴーグルを使ってたけど、偏光レンズ入りなので見えづらかった(笑)
ついでに、
回転系の電動工具を使う場合は絶対に手袋をしましょう。
軍手はダメですよ。
繊維が回転物に絡んだら大事故につながりかねません。
いいですか?
人間がやると、切ったり削ったり磨いたりするのは大変な作業です。
それを工具がやってくれるわけなので、工具のパワーは凄いものがあるのです。
※グラインダーなんか使い慣れないと電源入れるたびに回転の反作用で「おお!」とビックリするはずです。
何でもやってみることは尊いのですがケガしてからでは遅いのです。
慎重に行きましょう。
舐めてかかると大怪我しますよ。
ワイヤブラシのヒゲの固さや形でたくさんの種類が売られています。
硬すぎると削り過ぎちゃうし、柔らかすぎると磨くくらいしかできません。
ゆえに、数種類をストックしておくと良いです。
あと広範囲用途狭い範囲用とかでも使い分けましょう。
今回は、
ちょっと固めのヒゲが付いたカップブラシで塗装と表面を大まかに削った後、
柔らかめのヒゲが付いたカップブラシで削りすぎた個所を均しました。
ブラシの硬さで削れるパワーが全然違ってくるので形はもちろん、ブラシのヒゲの素材もたくさんあった方がいい。
セットで買うと安上がりです。
あんまり時間をかけるとアルミが薄くなるだけなので、
塗装が残ったところはクラフトナイフをスクレーパーのように使って削っていきます。
その後、
電動インパクトドライバーにフェルトバフを付けて、ピカールで磨きました。
※綺麗になる様はすんごく気分がいいです。
「布バフ。」と呼んだりもしますな。
バイクや車のアルミ磨きなら、チューブ式ピカールが使いやすいし、安い。
アルミパーツ磨きマニアになるとさらに目の細かいコンパウンドを使って手磨きをするようです。
※アルミなのに顔が写るくらい鏡面仕上げしてたりしますな。
ワタクシは、そこまでやる気は全くないのです。
どうせアルミは磨いたって時がたてば表面が酸化して安定化するので鈍い光になるのは明白ですし。
※強制的に酸化させてこれ以上酸化しないように安定させたものが「アルマイト加工。」って奴です。
いわゆるペーストの状態がちょうどいい。
ちょっとずつでも使えるし。
で、だ。
最終的にパーツクリーナーでピカールを洗い流します。
そうして出来上がったのがコレ。
左側の丸いジェネレーターカバーはまだ作業途中です。
右側のチェーンカバーのような仕上がりになる予定です。
まあうまく磨けたのではないかと思うのだが。
取付けてみると「なんかコレぢゃない。」感が漂うのでした。
ちなみに・・
アルミは磨けば磨くほど、時間と手間をかければかけるほどピカピカになります。
※男なら一度くらいはアルミ磨きにハマったことがある、と思うのですがどうか?
カブ系エンジンを積んだモンキーやゴリラなどのバイク乗りなら、エンジン磨きに時間を割いたことがあるハズなのだ。
※これもスプロケカバーだな。HONDAはスプロケカバーをアルミで作りたがるメーカーなのかもしれん。
それに、
Z1系でもフロントフォークのアウター、ボトムケースを磨いたことがある人は少なくなかろうと思います。
※何度磨いてもくすんでくることを学ぶと、大体止める(笑)
ワタクシはZ1-Rのフォークのボトムケース(アウター)を磨いたことはほぼないですが。
特に旧車 っぽいデザインの新車も含む やアメリカンなどには渋いアルミの輝きは凄く似合いますな。
※メッキギラギラだとちょっと悪趣味。光物は要所要所にちょっと使う方がカッコいい。
昔、所ジョージさんが無人島に何か持って行くなら「アルミ磨きセット一式持って行きたい。」と言ってたがわかる話です。
※こういう質問に「ナイフ。」とか「火起こし道具。」と真面目に答える人は大体ちょっと面白くない人。
まとめ
そして、
なとなくVT250Fのエンジンは黒塗りの方がカッコいいような気がする。
しっかし。
まあこうなるようにやったわけだが。
闘争されたエンジンというものを部分的にアルミ地むき出しにすると違和感がぬぐえない(笑)
※なんとなく古臭さを醸し出すものなのですなぁ。
そのうち、遠目で見た画像もアップします。
日が傾き、急いで撤収しなければならなかったので細かい画像がないのです。
ゆえに、こういう美味しそうなご飯の画像でごまかします。
このお店の記事、そのうち書きます。
有名な観光地のはずれにある隠れ家的なお店ですが、超美味いです。
今でも水冷エンジンは黒が多い気がしますが、
80年代中盤くらいの中型、大型バイクのエンジンは、軒並み黒塗りだったのですよ。
美しい無塗装アルミフィンの空冷エンジン時代が終わって、黒いエンジンこそが正義だったわけです。
エンジン表面がツルンとしてた表面の方が洗いやすいし、腐食もしずらいので塗装するのが正義なのかもしれませんな。。
水冷バイクはエンジンがカウルで隠れちゃうバイクも多いので、空冷のようにエンジン自体の存在感はあんまりなくてもいいんだよね。
「プラスチッキー。」という表現がこれほど似合うバイクもあんまりない。
だがそれがいい。
「プラスチッキーなイメージの方が新しい。」
そういうデザインが流行ったのもこの頃。
バイクから生えている突起物はミラーくらいにして、カウルに埋め込まれた「ビルトインウィンカー。」とか、
テールランプとウィンカーのレンズがつながってるコンビネーションランプなどが流行りましたが、一気に廃れました(笑)
※最近はウィンカーは極力独立させるのがバイクデザイン業界のトレンド。これで一本記事書くかな。
そういうデザインの流れに思いっきり乗ってたのがVT250FHです。
流行に乗ったデザインというのは、どの業界でもいつの世でも陳腐化するのが早いのです。
当時の未来的なイメージは、現代では古臭いのです。
※つくば万博のイメージキャラクター星丸君のデザインを今見ると古臭く感じるのに似ていますな。
なので、
VT250Fの時代のバイクは機械機械したアルミむき出しのバイクのイメージより、
プラスチッキーなかつての近未来的なイメージで統一する方がしっくりくるのかもしれません。
バイクの印象なんてそんなもんなのですなぁ。
まあ、いい。
どうしても気に入らなければ再塗装すればいいのだ。
※っていうかワタクシのことだから「人と変っててコレはコレでいいな。」とかなるかもしれんし。 面倒くさいし
とにかく、
VT250FHの塗装部が「マダラ剥げ。」状態であるより、アルミ地むき出しの方がはるかにマシなのだ。
「マダラ剥げ。」は凄くダサいし、見た目が凄く貧乏くさいので許せないし。
※でもエンジンのシリンダーのヘッド部は あんまり目立たないので エンジン下ろす迄は塗装剥離作業はやらないかも。
今回、塗装エンジンは新しいうちはいいけれど、塗装が部分的に剥げると一気にボロく見える、ということを再認識したのです。
とりあえず、これよりはマシだろ。
引いた画像があると違和感が伝わるのだが、ワタクシってばいつも踏み込みが足りない。
同じように塗装がマダラ剥げになってるフロントフォークやキャリパーサポートの塗装剥がれもこの作戦で行くかな。
※フロントフォークは片側だけやってみた。やっぱり黒の方がカッコいい気もする。
フォークのボトムケースも塗装ハゲがひどかったのよ・・。
塗装があらかじめ痛んでいたとはいえ、
意外と簡単作業でスプロケカバーだけなら車体から外して1時間くらいでこの状態になりました。
ガスケットの手持ちがないのでオルタネーターカバーは付けたままざっと塗装剥離作業をしました。
時間がなかったので細かく入り組んだ個所や下面、他の部品との接合部付近の塗装剥がしは次回以降にします。
※細部や接合部付近はエアリューターでも使うかね。
そういや、 既に見慣れたけれど Z1-Rのシリンダーフィンもマダラに剥げているなぁ。
ダサいけれど、空冷エンジンのフィン部の塗装剥がしは面倒くさいし、無理やり作業して冷却フィンが欠けちゃったらもっとダサいし。
それほど気にならないのは ワタクシが見慣れたからか 機械機械してるデカい空冷エンジンだからか・・。
※ワタクシがZ1-Rを米国から輸入した時には既にエンジンは Z1のものに載せ替えられていて マダラ剥げでした。
バイクの塗装エンジンも良し悪しですなぁ。
今どきのバイクはエンジンなどがマダラ剥げになると凄くぼろく見えるので大事に扱った方が良さそうですよ。
ちなみに・・
塗装された80年代の水冷エンジンの塗装部はみんなこんな感じなのですかね?
ワタクシ的には水冷エンジンの表面塗面は厚く塗られていて丈夫な印象があるのですが。
ワタクシ、恥ずかしながら塗装された水冷エンジンというものに携わったのはほぼ初めてでして。
通常どのように傷みが進行しているか?が全然わからんのです。
DT200WRもKDX125SRも水冷ですが未塗装エンジンだし。
皆さんの古めの水冷エンジンの表面の塗装はどうなっていますか?
当倶楽部のVT250FHのようにまだらに剥げたりしていますか?
それとも綺麗なままなのでしょうか?
そして、
もし傷んだ場合はどのように対応、対処しているのか聞いてみたいものです。
もしかしてHONDA車だけ?
もしかして当倶楽部のVT250FHだけ?
確かに35年もたてばそれなりに傷んでいるのは仕方ないにしても。
※とはいえ、当倶楽部のVT250FHは傷み方が尋常じゃないので2019年の台風時の「水没車。」を疑っています。