旧車だからといって不必要に重すぎるクラッチはおかしいです。
「ワイヤに注油してますか?」
「注油してても5年に一度くらいは新品に交換する。」
とびっくりするくらいクラッチは軽くなりますよ。
当記事の目次
古いバイクのクラッチが重いのは当たり前じゃない
って思いこんでる人多いですが、そんなことないですよ♪
古いバイクの乗っててクラッチの重さを自慢げに話す人がいます。
そんな話を聞くたびにワタクシは、
「ワイヤのメンテをしっかりしたらクラッチも軽くなる 可能性が高い のになぁ。」
と思っていました。
バイク歴が長くても、
「バイクのワイヤーなんてメンテしたことない。」
という人は意外に多いのにはびっくりします。
操作系は軽い方がいい
バイクに限らず、なんでも操作系の動きが動きが渋くなると疲れるんですよ。
若いうちならともかく、長距離ツーリングでは細かく疲労が蓄積されていきます。
翌朝、左手が攣るというか筋がおかしくなってたりしませんか?
そういう場合は、一度クラッチの操作系を追いつつ、清掃とグリスアップ、必要に応じて部品交換をおススメします。
当倶楽部では、
気が向いたり 暇だったり すると、
クラッチワイヤーに限らず各部のワイヤーを車体から取り外して清掃&注油するようにしています。
ワイヤーって結構切れるんですよ。
そして、欠品になると入手が大変だったりするのです。
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ワイヤーのメンテナンス用の工具も油脂も大した金額じゃありません。
※手間はかかりますけどね。
クラッチワイヤーにオイルを注油するだけでもかなりクラッチレバーが軽くなることがあります。
こんな工具があると注油が楽です。
これを使うポイントは注油するオイルを逆流させない事です。
どうしてもタイコ側に隙間ができるのでそこからオイルが逆流します。
ワタクシはそこを指でふさいでオイルを指しています。
ワイヤー類にもたまには注油しないと・・
次第にささくれてきて
します。
特に、雨天の走行後はワイヤーだけでなく車体各部の油脂類は抜けまくっています。
そのタイミングで、清掃と注油をするとワイヤー類も長持ちします。
ワイヤーに注油して錆色のオイルが出てきたらかなりダメ
アウターのスパイラル部の金属も錆びています。
錆は汚れを呼び、抵抗になって次第にワイヤーを劣化させていきます。
ワイヤー類は侵入した穂頃や汚れとグリスと混ざって固着気味になると意外にあっさり切れます。
メーター系のワイヤーはワイヤー自体はもちろん、メーターギア部のグリスが固着してもあっさりワイヤーが切れます。
取り回しが悪いと一層ワイヤーは切れやすい
のです。
Z1系のバイクの場合、
クラッチリリースの際に「ググッ」っていう引っかかる感覚があるなら、清掃&グリスアップしてみるといいです。
普通にいつもの手順通りに注油で構いません。
それが普通になっちゃうと、人間ってのはどんどんその調子の悪さに慣れちゃうのですよ。
クラッチワイヤーの注油
当倶楽部ではほとんどのワイヤーは、
という手順で作業しています。
CRC-556で清掃と注油をする際、CRC-556がワイヤーの出口側で茶色だったら内部は錆びています。
雨天時に乗ったのは数えるほど、まめに清掃&グリスアップをしててもワイヤー内部は錆びてるものです。
ステンレスワイヤーは錆びなくていいのですが・・やっぱりグリス切れと汚れがたまれば動きは渋くなりますよ。
恐らく雨天ツーリングや洗車の際に、ワイヤー内部に水分が侵入して内部が錆びたのではないかと思われます。
※バイクで雨の中を走ると、たとえ短時間でも水をかぶって走ってるので、ありとあらゆる個所に水は侵入しています。
内部が錆びていたとしても、
クラッチワイヤーのグリスアップは思ってる以上に効果があります。
ただし、
ワイヤー自体が古くなって劣化が進むにつれ、油脂類の補給だけではクラッチの重さが解決できなくなってきます。
そういう場合は、
あっさりワイヤーを新品に交換するのが手っ取り早いのですが・・
まだジタバタできます。
Z1系エンジンの場合、クラッチを重くする要因はワイヤに注油する以外にもまだあるのですよ。
クラッチワイヤー自体のグリスアップだけでなく、クラッチ関係の駆動部のグリスアップをしてみましょう。
Z1系エンジンのクラッチ関係のグリスアップ個所
エンジンの左側で、力が90度変換されてエンジンを横断、右側にあるクラッチを長いロッドで押しています。
※すごい
もう少し詳細に書きますね。
Z1系のエンジンの場合、
という複雑な工程を経てクラッチの操作をしているのですよ♪
クラッチの調整
Z1系のエンジンの場合、
複雑な工程を経ているのでクラッチは複数個所で調整することができます。
の三カ所で調整できるという贅沢な作りです。
※普通は多くても二カ所です。
なので、
自分に細かく合わせた方がいいに決まっています♪
※こういうこともろくにやってないオーナーも多いのです。
クラッチレリーズ部
スプロケカバー内側では、ワイヤーからの力を90度変換するクラッチレリーズというパーツがあります。
クラッチレリーズは、スパイラルに溝が切ってある樹脂パーツなのですが、メンテされてない個体が多いのです。
個体を多く見かけます。
クラッチレリーズ部をパーツクリーナーで洗い流し、新たにモリブデングリスなどでグリスアップすると動きが軽くなります。
さすがにクラッチレリーズだけではリプレイ数品がないっぽいです。
これはズルい気もしますが、ズルいというのは中国では賢いと同義語なのです。
また、クラッチレリーズが押してるロッドをクラッチプッシュロッド(そのままだね)というのですが、
この棒も引っこ抜いて清掃&グリスアップします。
※熱がかかる所なので、モリブデングリスがいいです。
この棒が少しでも歪んでいるとクラッチ操作が重くなります。
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ちなみに・・
せっかくスプロケカバーまで外すのです。
※そんなに手間ではないですが。
ついでなので、
もやってしまいましょう。
ドライブスプロケ周りは、チェーン系の汚れがたまります。
チェーンがここで180度方向を変えるので、遠心力でチェーンルブが ゴミとともに 飛び散ります。
恐らく、汚れはごっそりたまってるので、捨ててもいいようなマイナスドライバーで大まかに汚れを除去してからパーツクリーナーで洗い流しましょう。
新品のクラッチワイヤーは気分がいい
「そういや10年くらいクラッチワイヤー変えてない。」
ということで新品を発注してみました。
昔はハンドル低くしたZ1系バイクに流用されまくったので品薄だった・・なんて今では信じられません。
今回はついでなのでクラッチプッシュロッドも購入して見ました。
エンジン左側から入ったクラッチワイヤーの力をエンジンの中を横断してクラッチ自体に作用する棒です。
※こんなもんまでリプレイス品があるのは以前では考えられないほど恵まれてます♪
クラッチプッシュロッド自体は、
特に曲がりも無いように見えるんですが・・少し錆が出てたので思い切って交換です。
Z1系のリプレイスパーツは楽天が強い。
なんでだろ?
※驚いたことに、こんなパーツ迄リプレイスパーツがあります。
今回の作業で結果として、
今までとは比較にならないレベルでクラッチレバー操作が軽くなったわけです♪
ちなみに
当倶楽部のZ1-Rと、Z750D1では全くクラッチの重さが違います。
※Z1-Rは、20年以上前に少し強化されたクラッチスプリングを入れたような気がしますが忘れました。
握り比べればわかりますが、
Z750D1のクラッチはZ1-Rの半分以下の力で握れます。
Z750D1は、嫁が楽に乗れるように徹底的に操作系は軽くしてあります。
Z1系はアップハンドルのほうがはるかにクラッチが軽いです。
低いハンドルはワイヤーの取り回しはどうやっても無理が出てきます。
※ワイヤの長さや取り回しの関係もあるはずです。
Z1系バイクの純正アップハンドル用クラッチワイヤーは長いのですよ。
クラッチワイヤーの新品交換時の注意点
元々ついていたように付けるのが一番です。
※中古バイクの場合その限りではないのですが。
クラッチワイヤー交換時の注意
「何も考えずに古いクラッチワイヤーを車体から抜いちゃう。」
まあ落ち着け。
一挙にクラッチワイヤーを車体から取り外しちゃうと、
「クラッチワイヤーをどういう経路でレバーからエンジンのクラッチ部まで取りまわしていたか?」
が、わからなくなりがちです。
ワイヤーにストレスがかかる取回しをしただけで一気にクラッチレバーのの手ごたえが増えます。
ワイヤー類は取り回し次第で、
んです。
※実際に取り回しが悪く、アクセルワイヤが切れた経験あります。
余談ですが。
純正でも取回しがきつい車種はクラッチワイヤーが切れがちです。
例えば、
SUZUKI GSX1100Sカタナはクラッチワイヤーの取り回しがきついです。
セパハンで小さいカウルにクラッチワイヤーを収めるのは大変です。
ワイヤーには、かなりの曲率を強制的に強いています。
当然、クラッチは重めです。
それに、
GSX1100Sのクラッチワイヤーにはストレスが常時かかってるのでよく切れるんですよ。
カタナオーナーはツーリングの際はワイヤーの予備を持って走ることをおススメしています♪
※ワタクシがカタナに乗ってた際はシートの下に常時クラッチワイヤー積んでいました♪
クラッチワイヤー交換のコツ
慣れてくればこの手順を踏まなくてもサクリと作業が進んじゃうんですが。
はじめのうちは、
この手順を踏みましょう。
こうすることで、少なくとも今以上に取回しが悪くなることは避けられます。
※無理なくストレスなく湾曲させることが大事です。
今のバイクは知りませんが、フレームにワイヤーの逃げ部分がある車種なんて見たことないです。
マニュアルにも取り回しを詳細に解説してくれているものは見たことありません。
取り回しに関しては実車がすべてです。
中古で購入したバイクは、結構適当な取り回しをされてることも多いのです。
「なんかおかしいな?」
と思ったら一番ワイヤーにストレスのかからないない取り回し経路を探りましょう。
※意外に経験で何とでもなるもんです。
ちなみに・・
ハンドルを幅広のモノに変更するとクラッチやアクセルのワイヤーの長さが足りなくなることがあります。
例えば、
YAMAHA TT-R250はアクセルワイヤが短めなので、ハンドルを純正より幅広のものに変えるとワイヤーが足りなくなります。
おかげでワタクシのDT200WRに素敵なハンドルが回ってきたことがあります。
「ラッキー♪」
友人Iちゃん、ハンドル買い間違えてくれてありがとう♪
今でも大事に使っています。
まとめ
まずはクラッチワイヤーの清掃&注油のメンテナンスをしてみましょう。
注油しても効果がない場合、クラッチワイヤーを交換することをおススメします。
そして・・
メンテしてもクラッチの手ごたえが渋くなってきたら新品ワイヤーの手配をしておいた方が無難です。
クラッチが重いとツーリングでも街乗りでも峠遊びでもいいことはありません。
クラッチに限りませんが、操作系はマメにメンテして極力軽くしたいもんですね。
「全部の古いバイクは操作系が重いなんて嘘。」
ですよ。
バイク全体に言えることですが、
アップハンドルのバイクのほうがクラッチが軽いように思えます。
古いバイクは基本的にアップハンドルだし、ワイヤーの取り回しも自然なのであんまりクラッチが重たいはずがないです。
ワタクシが思うに、
ワイヤの曲率がひくいのかストレスがかかりずらいので重くない
のではないかと。
というわけで、
アップハンドルだった車種を低いハンドルに変更する場合、ワイヤーの取り回しが変わるので、クラッチが重くなりがちです。
低いハンドルにしてワイヤーをメーター手前で角度を付けてタンク下に回す
長めのワイヤーをそのまま使って余剰部分に角度がついてストレスになる
この角度がキツイくなるというのが、クラッチ操作を重くしてる気がします。
アップハンドルのZ1系バイクを低めのハンドルに変更する場合、
Z1-Rのクラッチワイヤーを流用するのは常套手段です。
※それでもノーメンテよりははるかにマシです。油分が切れると一気に断裂リスクが上がります。
という事です♪
ちなみに・・
長く乗るつもりなら、バイクを手に入れたら同時にワイヤー類のストックをした方がいいかもしれません。
特にマイナーな車種は、新品で出るうちにワイヤーを確保しておくことをお勧めします。
ワイヤー類は汎用ならまだしも専用品だとメーカー欠品になりやすいのです。
ワンオフで作ってくれるショップもありますがいい値段になりますよ。
中古でバイクを買ったら、ワイヤーは交換して古いワイヤーは保険としてロングツーリングの際に持参すればいいのです。