と割と本気で語られていますな。
本当にその通りです。
駐車した後はオイル染みが出来てる・・。
そんな思いをしている人は少なくありません。
そういうのを一個ずつ直しておくのも楽しみの一つです。
※古いネタですがお問合せがあったので記事にしました。
当記事の目次
ロータス100物語の一つ「シリンダーヘッドからのオイル漏れ。」
と言われるこのエンジン。
当倶楽部の個体も長らくオイル漏れに悩まされていました。
ホントに拭いても拭いてもオイルで湿ってるのがロータスツインカムエンジンでして。
高速走行後にプラグホールにオイルが溜まってたことすらあります。
入手したての頃は走るたびにエンジンを拭き、パーツクリーナーを吹いてたもんです。
最初は何処からオイルが漏れてるのかわかんなくて、いろいろ試行錯誤したものです。
とはいえ、
次第に「あきらめモード。」に移行していました。
「オイルが漏れるのはオイルが入ってる証拠。」
「オイルが減ってるのは天使への分け前。」
みたいなことを英国車乗りはよく言うしぃ。
※本来「天使のへ分け前。」はウィスキー職人が言うことらしいですな。
いつもどこかオイリーなのがロータスツインカムエンジンです。
ワタクシも、
「そんなもんだ♪」
というションブルっぽい考え方になりつつありました。
ところが、
そのままにしてたら走行中にオイル漏れが原因のトラブルが発生したのでした。
それ以降、マジで対策を探り始め、ようやく解決に至ったというわけです。
オイルが漏れてベルトにかかると発電しなくなる
発電しなくなったように見えたのですよ。
「オルタネータが逝ったか?」
とマジで焦りました。
※遠出してたので余計。
何を隠そう、このトラブルの原因はオイル漏れだったのです。
トラブル発生後、這う這うの体でとりあえず当倶楽部ガレージ迄帰着できたのは幸いでした。
※マジでレッカー呼ぶ寸前でした。
最初は、当然のようにトラブルの原因を発電系の問題だと信じて疑いませんでした。
電圧が下がる以外はいたって普通ですので当たり前の診断と言えます。
なので、
発電系のチェックポイントを色々確認しました。
ベルトのテンションは問題ないし、オルタネータ単体で問題なく発電してる・・。
その結果、発電系は問題ないんじゃないか、と。
こんな記事もあります▼
で。
偶然、ベルトとプーリーの接触面がオイルで湿ってたのを発見したのですわ。
エンジンフードを開けると陰になって暗くて見づらいので発見が遅れた、と言い訳しておきます。
※取り外し式トランクが邪魔だしな。
オルタネータ駆動ベルトとキャップがこれくらい近い。
ベルトとプーリーを徹底的に清掃、脱脂、乾燥したらホレ。
あっという間に発電量が13V前後で安定しました。
というわけで結局、
「シリンダーヘッド付近から漏れたオイルがオルタネータベルトにかかってプーリーとベルトが滑って発電してない。」
というお粗末な理由で発電しなくなってたのでした。
※原因がわかる迄しばらくの時間が必要でしたが、その間は予備のバッテリーをトランクに積んで走ってました。
ちなみに・・
当倶楽部のロータスヨーロッパをはじめ、ワタクシ名義の車は全て「電圧計付きの外気温&電波時計。」を導入しています。
※高いものではないし、電圧計はもちろん、電波時計だけでも、外気温計だけでも、すげえ有用ですのでおススメです。
真夏に外気温を見ると卒倒しそうになるけど、時計も電圧計も超便利です♪
電圧の降下は、この後付けの電圧計で発見したのでした。
※11.5Vを切ると警告音が鳴る。
脆弱な旧車ですのでいろんな状態を常に把握しておきたいのですよ。
状態把握はトラブル時の原因追及の第一歩ですしねえ。
旧車こそ進んだ文明の利器を上手く使って現状把握をした方がいいように思います。
とはいえ、
目立つところに付けるとデジタルものは旧車の内装から浮いた雰囲気になりますな。
これを嫌うオーナーも多いです。
ワタクシもグローブボックスの奥に隠して設置しています。
これは軽トラにつけたもの。
外気温と電波時計だけでもありがたい。
軽トラが電圧降下を起こしたときは古いカーオーディオが原因でした。
こんな記事もあります▼
【恐怖】走行中に電圧が下がる原因はオルタネータだけじゃない!? DAIHATSU HIJETが走行中に発電量が10V台になった 普通はどんな車でも走行中に電圧が12Vを切るなんてことはまずありえません。 夏の ... 続きを見る
参 考 【恐怖】走行中に電圧が下がる原因はオルタネータだけじゃない!?
あんまりうまく隠しすぎたため「運転中はドライバーから見づらい。」というデメリットが発生しているので設置位置は再考の余地があるんですが。
※ロータスヨーロッパは何を付けるにもスペースが全然ないので大変なのです。[/st-mybox]
オイル漏れの原因はシリンダーヘッドのキャップの密閉度の低さ
※格好は良いんですがね。
ロータスツインカムのシリンダーヘッドにあるオイルフィラーキャップは、回して波状の板バネで固定される仕組みです。
※シリンダーヘッドカバーの爪に板バネが引っかかって固定される、の意味。
シリンダーヘッドとフィラーキャッとのの接合面はフィラーキャップ側に 恐らく 耐熱&耐油性のあるゴムパッキンが仕込まれています。
これはパッキンを外した状態。
このゴムパッキン、ただキャップの隙間に挟んであるだけなんですよ。
つつくとくるくる回るくらい浮いています。
隙間もへったくれもない。
ロックがかかってるハズですが手で触った感覚だと、ロックがかかった状態でも中で浮いてる感じがします。
※カタカタ動くので。
そりゃオイル漏れますよ、チャップマンさん。
※その他にもアンタには言いたいことが山ほどある。小一時間ほど説教したいことがある。
最初は、フィラーキャップの板バネを調整してクリアランスを詰めようとしました。
これが固くて失敗というか玉砕。
この作業の過程でキャップを凹ませてしまうという思いがけないキックバックを食らってしまいまして。
※ワタクシの心も大きく凹みました(´;ω;`)
こうなったら仕方ありません。
ワタクシも意地ですので力技に出ます。
液体ガスケットとガスケットシートを併用してみた
ただし、「詰める何か。」は耐熱&耐油の属性を持つもので適当な厚みがないとダメです。
初めはパッキンとキャップの間の詰め物としてコルクシートを考えていました。
旧miniのカムカバーのガスケットは普通にコルク製ですし。
ですが、
素材としての良い品質で1mm厚くらいのコルクシートはなかなか手に入りませんでした。
コルクシートはモノによっては整形が凄く雑なのも売られています。
100円均一とかの安いコルクシートは大抵コレで、コルクの粒が均一でなく、荒いんです。
※旧miniのカムカバーガスケットも安いの買うとこれが原因でオイルが漏れます。
あんまり変なコルクを選ぶと、
そういうのは嫌ですし。
ので。
一時は厚めの耐油ゴムでパッキン作ってみましたがやっぱり駄目でした。
市販のガスケットシートを複数リング状に切り、少しでもクリアランスを詰める作戦に出ます。
当倶楽部には市販の汎用ガスケットシートがストックされています。
これをゴムパッキンの形に切り抜き、挟もうというわけです。
出来るだけ面積が広いのを買っておくと割安ですよ。
設計が古い車ほどパーツ同士の接合面が荒いので厚めのガスケットシートがいいです。
0.5mm以上、1.0mmくらいまでだと加工しやすいです。
※でも厚いほど作業が大変です。
円形カッターが便利
紙などを丸い形に切る際は円形カッターが便利です。
円形カッターは二種類のタイプが存在します。
コンパスタイプ
固定タイプ
どちらでも紙などを円形に切ることができます。
個人的な使い勝手としては、固定タイプの方が使い勝手が良く失敗しずらい気がします。
※上から押さえつけられるので中心点がズレないため。
型をリング状に抜く場合は、外側、内側と切るとズレません。
※よく考えればわかりますな。内側を先に切ると外側が押さえられないので切れません♪
とりあえず0.5mmのガスケットシートを二枚、リング状に切って、
オイルフィラーの裏側のキャップとゴムパッキンに間に仕込みました。
加工してるときは真剣なうえに、両手がふさがっていたので画像はありません。
※というか写真撮るのを忘れてました。
この際、
液体ガスケットを多めに塗り込んでおきます。
ガスケットシートとゴムパッキンをずれないようにするためです。
※ゴムパッキンの内径のフィラーキャップに隙間ができてたのでココにも入念に液体ガスケットを塗付しました。
矢印の隙間にもしっかり液体ガスケットを塗り込みます。
この状態で、一昼夜置いて液体ガスケットの固化を待ちました。
液体ガスケットはもちろん信越シリコーン製♪
長年愛用しています。
※一本買うと当倶楽部の仕様頻度でも5年くらいは使えるので、持っておくと便利です。
キャップを締める際、シリンダーヘッドとキャップにしっかりしたフィット感がありなんとなく良さそうな感じがしました。
ガレージ内でエンジンをかけてみたところ、 少なくともこの箇所からの オイル漏れはありませんでした。
5月くらいのマイナーなスキー場の駐車場は誰もいないのでフォトジェニックな画像が撮れるのでおススメだ。
普通に走ってテストしても以前の様な 少なくともこの箇所からの オイル漏れはなくなりました。
とりあえず、 少なくともこの箇所からの オイル漏れの問題は解決としています。
漏れたらまた液体ガスケット充填してやるくらいの気持ちでいますが大丈夫っぽい。
※走行後、シリンダーヘッド周辺がオイリーになってないのは久しぶりというか、初めてかもしれません。
ちなみに・・
現在進行形で当倶楽部のロータスヨーロッパはこの箇所以外のどこかから、じんわりとオイルが滲んでいる様です。
オイルパンとかオイルフィルターの周りはいつもなんだかオイリー。滴になってることもあるし。
でも、いいのです。
面倒くさいので放置してます。
今までより圧倒的にオイル漏れがなくなり、
ガレージの床に敷いてある段ボールのオイル染みが激減したので満足度は高いのです。
120kmほどドライブしてきた後もこの通り、シリンダーヘッド周りにオイル漏れがない♪
ここまでやってオイル漏れが止まらないのは、
「オイルが入っている証拠。」
として実害が発生するまで様子見なのです。
まとめ
何を今更、という人はコアな英国車乗りですな。
ワタクシも毎回こういうことがあるたびにそう思うんですがね。
こんなの日本製であったら即リコールもんです。
かつての大英帝国には、
「それくらいは自分で直せよ。」
という風潮があった様なんですな。
※検品とかテストとかしないのかね?設計がそもそもよくないわ。
とはいえ、
作りが単純なので素人でも工夫次第で何とでも出来るのがこの頃の車のいいところ。
古い車のオーナーなら自分で工夫して解決したトラブル箇所を何か所も持ってたりするんですよねえ。
※旧車は壊れる、とよく言われますが 本当にその通りなのですが 直せばいいし乗せることが多いのです。
これくらい走って面白い車もないと思う。
そんなスピード出ないのがまた素敵で公道で十分スポーツできるのだ。
逆に言えば、
壊れても問題を自己解決できたという満足度が追加されます。
旧車のトラブルの発生頻度は個体毎に違います。
その対応の仕方もオーナーそれぞれです。
旧車のオーナーは誰でもいわゆる「俺様だけの一台。」にして楽しんでいるんです。
これはこれで楽しい♪
「物より思い出。」
プライスレスというのはこういうことなのですな。
昔の人は「苦労は買ってでもしろ。」といったのはこういう含みがあるからかもしれません。
※今の車ではほぼないですしねえ。
こういうトラブルに対するノウハウは、同じ車に長く乗ってる人ほどノウハウをたくさん持っています。
ネット上でもオーナーズクラブ内でもオーナー同士で盛んに情報交換をしているようです。
※ERAターボに乗ってた時は諸外国のオーナーとも意見交換したりしたこともありますし。
旧車ブームの理由の一つは今のクルマとは違った所有満足の高さなのかもしれませんな。
外車の旧車はパーツがある
確かに古い英国車のパーツは品質が悪いものが存在します。
こんな適当な品質の国が世界を牛耳ってた時代があったとは驚くばかりですな。
大航海時代、パーツの精度の悪さのせいで遭難した船があったら気の毒すぎる。
でも、ですよ。
40年以上が経過しても普通にパーツが出る。
サードパーティ製のパーツもあるけれど、普通に修理できる。
年々 円安の影響もあって パーツは値上がり傾向にありますが、無いより100マシです。
世界を牛耳る根底にはこういう長くものを使い続ける文化があったのかもしれないですな。
完成度が高く、素人の介入を許さないのが日本の車。
製品としては最強の完成度を誇ると言ってもいいでしょう。
最近の車種は特にその傾向がつよいです。
なんだかんだでこのエンジン特性気に入っています。
ただし、
最強なモノが生き残る条件ではありません。
「素人やメーカー以外の人でも修理ができるという懐の広さ。」
という意味では、古い英国車の方が新しい日本車よりも優れているかもしれません。
環境が多少変わっても適応できる適応力といってもいい。
最強なものではなく
「適応できたもの。」
が長い間繁栄するは歴史が証明しているのですよ。
※いずれ絶滅するとしても細々と生き残り続けられる、ということです。
古い伊太利の車のパーツも適当と言われますが・・本当にその通りです。
同情の余地はないくらい、こちらも適当です。
※でも英国車のパーツの方が品質が悪い気がします。 同じくらいか。
古い伊太利の車も日本車に比べると比較的パーツが入手しやすい。
ほんっとに日本車はパーツが全くないので維持するのが大変です。
※外国車の方がリリースされるパーツがたとえ低品質でもあるだけマシなのです。