凄まじいグネグネ道で地元民もあんまり知りません。
行ってみたら異世界への入り口っぽくて素敵な場所でした。
真夏の穴場キャンプ場と言ってもいいです。
ただし、デカい車で行くのは止めた方がいいですが。
当記事の目次
道中は1.2車線程度のグネグネ道が延々と
北に湯沢林道、南に米子大瀑布、東に小串鉱山(その先は群馬県嬬恋)、西に須坂駅や長野駅と言った位置関係です。
素晴らしく良い立地かつ市街地にほど近いのにイマイチ知られていないのが長野県道346です。
地図だと結構短く見えますな
長野県道346号は距離的には長野市街地からそれほど遠くないにも関わらず、
地元民ですらほとんど行ったことがないらしいのですよ。
その大きな理由は、
と言ったところですかね。
※そんな場所は長野県にはたくさんあるのですが、長野県民には出不精な人が非常に多いんです。
本当に知らないのはもったいないくらい、
この長野県道346号はとんでもない秘境に続いているのですよ。
とはいえ、
ハードルはすぐ高くなります。
道は須坂市の豊丘集落を過ぎると一気に勾配が急になり、1.2車線くらいの森の中のうっそうとした細い舗装路になります。
路面も濡れてるし、落ち葉や浮き砂は結構あります。
ずっとこんな感じです。
しかも、
ヘアピンが連発するのでよほど車の運転に長けた人でないと途中でギブアップしたくなるハズです。
当然ですが、車同士がすれ違うほど道幅がないのは当たり前で、道を譲れる路側帯や避難スペースは多くありません。
最近のでかい3ナンバー車で行こうと思うのはよほどの好きモノか確信犯ですよ。
じゃなきゃ「普通は行こうとすら思わない。」です。
ただし、
行ってみればわかりますがどん付きには絶景が待っています。
諦めずに進んだ人にだけ、神様はプレゼントをくれるのです。
どん付きにあるオートキャンプ場の管理棟近くで標高は1600mを超えるので、長野市街地より10度くらいは涼しくて快適です。
長野の暑い夏にキャンプするには絶対的におススメなのですがほとんど知られていません。
実際、ほとんど交通量はありませんでした。
というのも
道以外にもいろいろとハードルが高い場所だからなのです。
※バイク乗りはそういう所好きでしょ?
ちなみに・・
長野県道346号(五味池高原線)を全線走破したのですが・・。
県道の表記看板が一本もないのですよ(笑)
※ゆえに、当記事に県道散策カテゴリーには恒例の「県道看板とバイクの写真。」がありません。
行きも帰りもこの道しかないのでピストン往復することになるんですが、
一本も「県道346。」と書いてある看板を見つけることができませんでした。
どうなってんのよ長野県の道路管理は?
※もしかして県道と認めたくない?
ずっとこんな感じで見通しもよくないので、巡航速度を上げられない。
道が細くて急こう配な割に、しっかりと法面の補強もしてあるし、アスファルトの舗装自体はそれほど荒れてはいません。
※県が観光客を誘致しようとしたのでは?と思っちゃいます。
路面自体は走りやすいとはいえ、グネグネなのでカーブミラーだらけです。
しかも、
カーブミラーは明後日の方向向いていたりするので実質役に立たない感じです。
※雪国の田舎道には往々にして、雪で傾いて変な方向向いているカーブミラーが多いのですよ。
道中にある「穴水。」とは何ぞや?
長野県道346号を半分以上走ったのに、1.2車線になってからすれ違った車はゼロです。
7月の天気のいい週末でしたが。
走ってると視界が狭い森の中の勾配のきついグネグネが続くので飽きてきます。
勾配がきつすぎて、半分近く残ってるにもかかわらず、DT200WRの2stオイル警告ランプが点きました。
※タンク内のオイルが後ろに偏ってシステムが「オイルがない!」と反応するようです。
途中でちょっとだけ広くなってる所でバイクを止めてガードレール越しに見るとすでに絶景でした。
多分ちょっと広くなってるのは、この一カ所だけです。
眼下に「豊岡ダム。」が見えます。
こんな記事もあります▼
さらにそこから山深い舗装路をグネグネ進んでいくと「穴水。」の看板がありました。
せっかくなので寄ります。
バイクを路上に止めて10分くらい歩くとデカい岩から水がしたたり落ちています。
なんだかいわれのある湧き水っぽいのですが、思ったほど冷たくなかったです。
※足場がどろどろでライディングブーツで水まで接近するのが大変でした。
すんごい山の中感。
絶対クマいます。
長野県道346号のどん付きには綺麗なキャンプ場がある
どうやらここがオートキャンプ場のようです。
綺麗に整地されたオートキャンプスペースとテントサイト、トイレ塔がありました。
晴れた7月の正午近くでしたがキャンプ場には誰もいません。
大丈夫か?
崖ギリギリまで行ってみましたが、どうも雲の上に出てしまったようで、景観はよろしくありませんでした。
雲が無ければいい景色なハズです
だーれもいませんが綺麗に整備されてる感じがします。
そして、
このキャンプ場、何か違和感があるのです。
何と電線が一本もないんですよ。
あとで確認したら、
「このキャンプ場、マジで電気が通ってない。」
のです。
そして、
当然のように「携帯の電波が通ない。」のです(笑)
今どきキャンパーがSNSで自慢しようとしても帰るまで自慢できないのです。
「〇〇なう。」
とかやれないんですよ(笑)
それか。
イマイチ流行ってない理由は。
最近はなんでもSNSが主体ですな。
※ワタクシはSNSはほとんどやってません。
道中からかなり涼しく、夏は過ごしやすそうな場所なのですがねえ。
看板に従い、オートキャンプエリアからさらに少し進むと管理棟がありました。
ここにも誰もいない‥と思ったら、
隣接している「つつじハウス。」という建屋に管理人さんがいました。
「つつじハウス。」では食事ができる様なので、せっかくだしお話を聞くついでにご飯を食べていくことにしました。
こんな山の中で何が食べられるのだ?
と一瞬思いましたが、期待以上のごちそうだったのでした♪
ちなみに・・
ワタクシ達はこういう所に来る際は保険として必ずおにぎりやお茶を持参することにしています。
情報で現地にお店があるとわかっていても、です。
というのも、
こういう人里離れた場所では、お店がやってるとは限らないんですよ。
「前回来た時は営業してたけれど、今回来たら閉店してた。」
なんてことは今まで何度もあったのです。
せっかくいい場所に来たのに腹ペコでのどが渇いてるのはちょっと残念なのです。
というわけで、
こういう所に来る際は、道中のスーパーやコンビニで食料飲料を調達してから向かうのが当倶楽部の通例です。
今回も道中のコンビニでおにぎりとお茶を入手していました。
そして、
おにぎりにはやっぱり助けられたのです。
「つつじハウス。」のジンギスカンはマジでおススメ
なので、一瞬も考えずに2人前頼むことにしました。
「つつじハウス。」は小ぶりな体育館みたいなスペースに食事できる机と椅子、ガスコンロが設置されています。
電柱がないので、当然電気が来ていません。
販売している飲料各種は湧き水(?)で冷やされています。
これはこれでいい感じです。
※「つつじハウス。」の前のつつじ池のわきには、湧き水で発電するシステムを敷設中でしたのでもしかしたら近いうちに発電できるのかもしれませんが。
肉たっぷり。
管理人さんが焼いてくれました♪
ジンギスカンはボリュームがあって羊臭くなく、素晴らしく美味しかったです。
※ワタクシ的にはもっと羊羊したラム臭い固い肉が好きなのですが、そこは万人受けする味になっていますのでペロッと食べられました。
メニューにはジンギスカンの他には、アルコール類とソフトドリンク、お蕎麦がありました。
が。
ご飯(白飯)は要予約でした。
そりゃそうだ、炊いておいても客来なきゃ丸まる廃棄になっちゃうし電気釜で保温もできないし。
うう。
「でもジンギスカン食べるなら白いご飯も食べたい。」
そこで持参したおにぎり(ツナとコンブ)が大活躍♪
カレーがあって飯がないのと同じレベルで焼肉では白米を食べたい。
やっぱ焼肉には白米が必要なのです。
※焼肉といえば、年齢とともに脂っこい肉が食べたくなくなるのはホントです。
電気がないため電話がないので、
オートキャンプ場やジンギスカンの白飯を予約する際はグネグネ道に入る前の豊丘集落のあるお店が代行して予約を受けてくれます。
↓予約はこちら。
豊岡小学校のすぐそばです。
※管理人さんがこのお店のオーナーでもあるとのこと。
ちなみに・・
スマホの電波も通じず、電気もない。
本来のキャンプってのはこれで十分なのですよねえ。
夜なんかは電灯がないので夜景や星が素晴らしいそうですよ。
現地集合、現地解散のキャンプイベントとかやればいいと思うのですが、そこはホレ。
「長野県人は宣伝が下手でマーケティングが下手で商売が下手。」
なので仕方ないのです。
※婚活キャンプイベントとかやれば、ネットで調べ物ができないのでリアル実力が試されたりして♪
そして、
一人1500円というキャンプ場は最近にしてはかなり安いと思います。
※シャワールームとかランドリーとかなくていいんだよ、キャンプ場にはよ。
ワタクシがキャンプイベントを主催するなら現地集合現地解散でココだな。
※面倒くさい主催者への問い合わせが一切されないのが素晴らしい。
まあキャンプする場合、
買い物行くにもお風呂に行くにも延々とグネグネ道を行き来するしかないのですがね。
キャンプってのは本来そういうもんです。
この日は、前橋ナンバーのBMW MINIできた夫婦のキャンパーがいましたが、
「この日の予約はこの一組だけ。」
とのこと。
大丈夫か?
キャンプのハイシーズンの7月の土曜だぞ(笑)
そして、
管理人さんは夕方に里に下りるとのこと。
超寂しい(笑)
この日、一組しか来てないキャンパーさんは大丈夫だったんだろうか?
ワタクシ達が変える15時過ぎには雲が多かったけど夜景は見れたんだろうか?
まあこういうのが本来のキャンプなわけで。
※ワタクシも日本をバイクで回ってた時は、キャンプ場にワタクシしかいないとかいう日はザラにあったし。
そして、
誰もいない山の中のキャンプ場なんて・・ホラー映画のパターンを踏襲してる気がする♪
徒歩で1時間も登ると絶景が待ってる
「つつじハウス。」から案内板をたどっていける「大平。」というエリアは、
地名通り平らな風が通る場所でして大変景色が良く気持ちがいいらしいのですよ。
せっかくなので登山っぽい散策をしつつ1時間ちょいのルートを歩くことにしました。
革のハイカットライディングブーツで。
※オフブーツだったらいかない。
ゆるゆると歩き出すと管理人さんが「熊スズ。」を貸してくれました。
※南部鉄器の素晴らしく良い音がする「熊スズ。」でした。
1時間も歩かないうちに視界が開けた昔の放牧地にでました。
ここが「大平。」エリアですな。
看板は朽ちていますがココですな。
遠くに長野市街が見えます。
山と山の間にしっかり平野があって、そこにはびっしり建造物がありますな。
オリンピック施設のMウェーブなんかも視認できます。
遠くに長野市街が見えます。
犀川も千曲川も見えます。
残念なことにこの日は雲が多く、北アルプス山系は見えなかったですが日によっては絶景らしいです。
※雲がある、というよりは雲の上に出ちゃった感じです。これが標高1600m越えの定め。平地は日が照ってました。
これ、もしかしてだけど夜は景色がすごいんじゃないっすか?
しかも近くには電灯などの光源が一切ないのです。
星を綺麗に見るには最高の条件です。
※普通に天の川が見えるとのこと。
いいなぁ。
そして、
麓の街では30度を優に超える気温でしたが、ここでは涼しい風が吹き抜けていくのでした。
※大平エリアは牧場後なので高い気は伐採されているようで風が通るんですよ。
マジで夏におススメのスポットです。
秘密の長野の夏のツーリングスポットとしてもいいかもしれませんな。
しかも、
回りに誰もいません。
風が通る音と野鳥の声くらいしかしません。
吹き抜けていく風が超気持ち良い。
※コーヒーセット持ってくればよかった・・。
トンボがすさまじくたくさんいましたが、人を警戒せずやる気がないのでぼんやりしてます。
こういう場所は時間がゆっくり流れてるきがしますな。
※ラピュタにこういうシーンがあったな。ポム爺さんの地下洞窟から抜けたあたり。 その直後、パズーがムスカにつかまる。
あまりに気持ちがよかったので大きな石の上に座ってしばらく景色を堪能してしまいました。
ちなみに・・
この一帯は「レンゲツツジ。」の群生地らしく、知ってる人走ってるようです。
※「つつじハウス。」はそこから命名したものかね?
時期的には6月中旬あたりが見ごろらしいです。
ワタクシ達が行った7月には紫色の花が大量に綺麗に咲いていました。
そして、
これだけ山奥でクマザサが生い茂っているので、絶対クマいますな♪
散策中、我に返るたびに必要以上に「熊スズ。」鳴らしちゃいましたよ。
※このエリアを散策するなら「熊スズ。」は必須です。
まとめ
※グネグネ道の絵面だけではつまらなかろうし。
いやぁ、良い場所見つけたわ。
それぐらい 人がいなくて いいところです。
とにかく、人が絶対的にいないのがまたよろしい。
夏は涼しいし、天気が良ければ絶景だろうしねえ。
※ただし、星や月のない夜は「漆黒。」らしいですよ、当たり前ですが。
ワタクシたちの貸し切りで申し訳なかった。
「つつじハウス。」の作り的に地元の小学生とかが遠足とかできそうな気配です。
※散策路もライディング用の革靴で登れるほどですが一人で行くのは危険です。
コレだけの観光資源があっても
ということが重なるとココ迄空いているのか・・。
※だがそれが逆に良いのです。
キャンプブームでキャンプ場が乱立していてどこもかしこも人だらけのキャンプ場が多い中、極めて珍しいケースですな。
7月は紫色の花がたくさん咲いていました。
人がいないので本当のソロキャンプとかしたければここがおススメです。
それに、
何せ一人1500円(2023/07)とは最近のキャンプ場相場からすれば超安い。
さらに、
スマホがつながらないのでデジタルデトックスに最適♪
なにせ自販機の一つもないですからね♪
いろいろな料金の支払いは「現金のみ。」ですよ、通信ができないし電気がないので当たり前ですが。
静かな時間を過ごせるでしょう。
※ソロキャンパーはみんなスマホ見てるってホント?せっかくキャンプに来てるのにもったいないじゃん。
長野県道346のグネグネを進んだ先にあったのは、
なのでした。
また夏のうちに涼みに行こうかと思います。
道中を考えるとデカいバイクや車で行く気にはなれんけども。
やっぱ山の中の細い道を行脚するには250ccくらいのバイクがベストです。
オンロードならアップハンドルの方が遠くまで見渡せるので楽です。
セロー225Wが最強ですな。
市街地からすごく近いのに山深い。
長野は奥が深いな。
そして、
帰路も延々とグネグネ道を下るわけです。
※気分的に帰りのほうが距離的に短いような気がしますが気のせいですな。
ちなみに・・
長野には知る人ぞ知るというキャンプ場がたくさんあるのです。
GoogleMapで大抵のキャンプ場が網羅されているのでキャンプ場探しには非常に便利ですが、
「多くの人が行かない静かなキャンプ場はまだ結構ある。」
のです。
帰宅したらあまりの暑さに隣の家の猫がクネクネしていました。
※この日は気温32度超え。
大抵は山奥にあるのでそういう所を見つけるのは非常に楽しいのです。
※キャンプするまでもないくらい当倶楽部から近かったりすることもあるのでキャンプしないんですがね。
でも、
この間まで寂れてたキャンプ場が突然SNSとかで有名になっちゃったりすることもあるのです。
ネット社会は怖いな。
こんな記事もあります▼