というわけで、久しぶりにウマで車体毎持ち上げることに。
前後ジャッキアップするのは久しぶりです。
というわけでロータスヨーロッパのジャッキアップについて書くことにします。
当記事の目次
ジャッキアップポイントとウマをかける箇所が特別
ロータスヨーロッパも例外ではありません。
下手な箇所にジャッキを当てるとボディに穴が開きます。
タイヤ交換のためにホイールを4本とも外してタイヤショップに持ち込むことになった当倶楽部のロータスヨーロッパ。
ジャッキアップするだけでも癖があるのがこの手の車です。
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ロータスヨーロッパはフレームにエンジンやサスペンションが搭載され、
ボディはFRPという強化プラスティックで出来ています。
フレームは最小限の鉄しか使わないのでボディの中心にしかありません。
※しかもフレームを個性する鉄は「折り紙。」のように薄いので錆びたらあっという間に穴が空きます。
まずこれを理解しておいた方がよろしい。
フレームを構成している鉄板なんてぺらんぺらんです。
そもそも、
FRPボディで先端がとんがってるような車は、
「フレームの前の部分はFRP自体の強度しかない。」
のですよ。
なので。
フレームより前の純粋なFRPだけのボディ部分にジャッキをかけて持ち上げようとすると、FRPのボディにひびが入ったり割れたり、穴が開いたりします。
※最悪、首がもげるように割れます。
しかも、
年数が経過しているだけに経年劣化もしています。
FRPは経年劣化で強度が落ちます。
※特にボディの下部は石跳ね部が水吸ってサクサクになってたりします。
ロータスヨーロッパはマニュアル通りにボディにジャッキをかけてるとボディに穴が開くこともあるようで、
素人メンテでボディを傷つけちゃったりすることが多いらしいのですよ。
※作りが変なので。
ジャッキアップ箇所くらいは 出先でトラブってジャッキで持ち上げることは大いに考えられるので 知っておかないととんでもない目に遭いかねませんよ。
※ロータスヨーロッパオーナー以外には有益な情報ではないのですが。
ちなみに・・
車のジャッキアップをする際は、
「車体強度が高い場所を持ち上げる。」
のが基本です。
※最近の車のジャッキアップポイントはボディに当て板を増設して強度を増してるものが多いです。
どうしてもジャッキアップポイントがわからない車の場合、
「補強がされている箇所だとリスクが低い。」
です。
例えば、
※もちろん自己責任ですよ。
こういうことを知ってれば絶対にやらないような信じられない場所にジャッキを当てる人が多くてびっくりします。
中古の旧miniなんて
なんてことも普通にされていたようです。
前者はフロアパネルが凹みます。
※下手すりゃフロアパネルをジャッキが突き抜ける。
後者はオイルパンが割れてオイルまみれ&最悪エンジン破壊になります。
旧miniの場合、前後ともサブフレームにジャッキをかけるのが正解です。
HEINSのマニュアルにもそう書いてあるのですが、
おしゃれオーナーが多かった旧miniという車の特性上、無理もないのかもしれませんが。
マニュアルすらなくオイル交換をするオーナーが多かったらしいです。
※当倶楽部で以前運用していた旧miniERAターボもワタクシが入手した時にはすでにしっかりフロアパネルにジャッキを当てた跡がありました(´;ω;`)
普通の車屋さんだとたぶんできないロータスヨーロッパのジャッキアップ
ロータスヨーロッパの場合、これは避けたほうがいいと思うのです。
多くの柱状ジャッキはアームがボディを支える構造になっています。
モノコックボディはボディそのもので強度をとってるので柱状ジャッキで複数箇所を力点として車体を持ち上げても大丈夫なのかもしれません。
もちろん、柱状ジャッキのアームはサブフレーム的な強度がある個所にかけるんでしょうねえ。
※具体的にどうやってるか全く知らないのですが。
この方法に従い、ロータスヨーロッパのボディ下部にジャッキのアームを当てて車体を持ち上げようとすると・・。
タイヤやサスペンション、エンジンやミッションと言った重いものが付いているフレームの重量を
「フレームとFRPボディを結合しているボルトの数か所のポイントで支える。」
ことになります。
ので。
FRPボディの接合箇所がもげてフレームが落ちるリスクがあります。
※そういう車です。
フレーム車というのは最近ほとんど見ないので、最近の車屋さんはそういう知識がないのです。
※FRPボディなんて全く知らないハズ。
ゆえに。
変な車は変な車を扱ってる車屋さんに任せるのが理想なのです。
※最近は見せかけだけの変な車屋さんも多いらしいですがね・・。
「ジャッキで持ち上げたらボディがフレームから外れちゃった。」
※ロータスヨーロッパは「チキチキマシン猛レース。」みたいなことが起きても不思議じゃない車なのです。
ロータスヨーロッパのジャッキアップポイントはココ
この車くらいジャッキアップポイントやウマをかけるポイントがわかりづらい車もないです。
構造を知らないとボディの適当なところにジャッキかけちゃうのも頷けます。
ジャッキやウマをかける場所は基本的にフレームの強度のある個所であれば間違いないのですが、
ロータスヨーロッパはとにかく車の横からだと車の中心部にあるフレーム迄の距離が遠い。
なので、
意外に最低地上高は低くないんですが 車体の下から奥まで侵入しやすいローダウン用の油圧ジャッキでさえ、
フレームに直接ジャッキをかけるのはかなり難しいのです。
持っておくべき。
オイル交換ならこれくらいが楽で安全なんですよ。
マニュアルでは、
ということになっています。
フレーム迄油圧ジャッキは届かないので現実的にはボディにかけるしかないのですがイマイチ信用できません。
ワタクシの場合、
リアはボディのFRPが割れそうなので油圧ジャッキをスイングアーム下部に当て板と当てゴム敷いて持ち上げています。
本当はフレームに油圧ジャッキを当てたいのですが、リアのフレームはかなり上部にあるのでジャッキの高さが足りない。
※サスペンションを外す場合は木材をかませてフレームにあてるしかないのですが。
で。
ウマ(リジッドジャッキ)をかける箇所も独特でして。
マニュアルでは、
となっています。
専用のウマというのは、ジャッキのウケ側がL字型になってる奴っぽいです。
※こんなのは普通に売ってないかも。
L字アームが付属のやつはなかなかないのです。
折り畳み式も邪魔にならなくて便利♪
そもそも、
普通のカーショップや工具店では受け側がY字型になってるリジッドジャッキ以外はほとんど見かけませんしねえ。
ちなみに・・
当倶楽部ではフロント側のリジットジャッキは2×6材と2×4材の端切れを重ねて使用しています。
油圧ジャッキで車体を持ち上げておいて、端材を重ねてフレーム下部に設置、ゆっくり油圧を抜いて車体を端材の上に落とします。
この端材は当倶楽部のガレージを建造する際に余った端材です。
端材とはいえ、メンテナンス時には超役に立ちますので捨てられない。
※それでも100個単位で端材は薪ストーブで燃やしたのですが。
電動丸ノコを持ってるとこういう木材の治具を作る際の加工が超楽です。
※ガレージラックとかツールワゴンとか作り放題ですし。
当倶楽部の丸ノコも最近はD.I.Y的な物作りより、こうした治具作りの方に活躍中です。
たまにガレージ仲間が治具を作る際に貸し出したりもしますし。
こういう工具の貸し借りは大いにアリです。
※お礼は黒霧島25度1.8lパックがいいぞ、早くしろ。O君。
FRPの塗装は割れる
車体を持ち上げているのでボディ下部が奥まで見渡せます。
当たり前ですがFRP製のボディは塗装して仕上げてあります。
目に見えるボディ部分は当たり前ですが、普段見えないボディの下側も塗装で仕上げてあります。
ということは。
走行中の石跳ねでボディ下部の塗装には傷が入りまくり、ってことです。
FRPは吸湿すると脆くなるので困りものです。
石跳ねで削れた箇所のFRPが吸湿して伸び縮みするので、塗装が割れるのですよ。
※屋外保管しているFRPボディの車は塗装が割れやすいです。
まあ、鉄板でも石跳ねで塗料が削れてそこから錆びるのは大いにあるので、FRPは錆びないだけマシと思っています。
当倶楽部の個体のように
という 贅沢の極みの様な 運用をしていても走る田舎の峠の舗装がしっかりしているわけもなく、
工事中で舗装を斫っているところもあるので石跳ねは仕方ないんですがね・・。
というわけで、
当倶楽部のロータスヨーロッパのボディの下側の塗装は結構な個所で割れてめくれているのでした。
この件は次回の車検時に主治医に相談しようと思います。
※どうもこの車の下に寝板で潜って作業するのには抵抗があるくらい怖いのだ。
ちなみに・・
某狼漫画で有名なロータスヨーロッパの「スタビライザー。」ですが、ほんとによく打ちます。
構造上、フレームを避けて左右のステアリングユニットをつないでいるパーツなので下に張り出しているのは仕方ないんですが。
というわけで。
ワタクシも今回持ち上げてみたら、スタビライザーが削れていました(´;ω;`)
そんなに段差を超えたつもりはないんですが・・。
とりあえず、シャシブラックでも塗装しておこうかな。
絶対錆びると思うし。
※つか、既に結構錆びてた。
壊すと高いので おとなしく走ろう、と改めて思うのでした。
せっかくジャッキアップしたならオイルも交換
ロータスヨーロッパのオイル交換はジャッキアップしないとやりづらいので。
「いつもならリアだけを持ち上げてオイルを抜けるだけ抜く。」
のですがこの方法だとオイルパンに多少オイルが残るのです。
ドレンボルトの位置が進行方向右側のオイルパンの中央にあるので並行に持ち上げないとオイルパンにオイルが残るのです。
久々にフラッシュ撮影したぜ。
まあ多少残ってもいいんですよ。
古い車なんてそんな細かい仕様じゃありません。
オイル量なんて最終的にオイルレベルゲージでチェックすればいいだけです。
この際、オイルフィルターも交換します。
走行距離が伸びないけれどオイル交換サイクルが短い旧車ですが、古いエンジンなのですき間だらけ。
オイルの汚れもそれなりです。
オイル量はオイルフィルター交換込みで4lです。
当倶楽部では10W-30のカストロールに20W-50のシェブロンを混合して15W程度の固さにして使っています。
※近所の量販店から15Wのオイルが消えたので仕方なく。
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ちなみに・・
当倶楽部の春はオイル交換とともに始まるのでした。
春はオイル系のゴミが大量に出てごみ処理業者さんには申し訳ないので、
オイル缶とか使い古しのフィルターとかは完全に油分を切ってから捨てます。
※オイルフィルターは使い古しのジップロック的な密閉袋に入れて捨てています。
今年の春も廃油は既に20lペール缶に満タンになりました♪
※知り合いのS君の工場に毎回 昼飯一回のオイル処分費用で 捨てに行きます。
まとめ
こういう細かい予備知識は実際に変な車のオーナーにならないとわかりません。
この手のヘンテコ車の運用ノウハウはほぼメディアには書いてないし、ネットの情報も少ないです。
それに。
この手のヘンテコ車のオーナーでも自己メンテしない人はジャッキアップのポイントすら知らないことが多いです。
出先でトラブった場合、
その土地のヘンテコ車に詳しくない車屋さんにジャッキアップしてもらう、なんてことになったら恐ろしい事態になりかねません。
ロータスヨーロッパのメンテナンスのマニュアルだってオークションで中古品を5万円で買えればいい方です。
※ご丁寧にシャシ編とエンジン編の二部構成でそれぞれ5万円位しますが手に入ればラッキーな方です。
知識はただでは手に入りません。
※当ブログもそこまで細かく書いてられないのでだいぶ割愛してあります。
そして知識はあっても手を動かさない頭でっかちではスキルは身に付かないのです。
このように。
旧車というのは手に入れておしまいではなく、手に入れってからが本当に勝負なのです。
旧車はいつまでたっても100点になりません。
オーナーの心意気が続く限り、100点を目指し続けることが宿命です。
コレは意外とみんなできないくらい大変なのですよ。
※大体、旧車のオーナーの多くは所有3年くらいで力尽きるので、所有歴10年以上のオーナー以外の話は聞かなくてよい、と誰かが言ってたのはかなり的を射ています。
とはいえ、
最近の車のように手に入れた時が100点で以降ずっと減点法よりは多少マシな気もしています。
※どっちが損とか言い始めるとまた長くなりそうですが。
ワタクシは自己責任でリアホイールを外すときはここにウマをかけています。
※サスを外したり、スイングアーム自体を外す際はちゃんとフレームにかけますが。
今回、タイヤの交換の際にジャッキアップした話をまとめました。
以前、ロータスヨーロッパの初心者のNさんからお問い合わせいただいた件について大幅に加筆と修正を加えたものです。
※以後、S2は元気ですか?