良くも悪くも作業したことがわかりやすく反映するので、凝り始めるときりがないです。
オフ車のような単気筒のバイクはレストア初心者にも取り組みやすい選択だと思います♪
※セローの情報はネット上にごろごろあるので情報の取捨選択が大変ですね。
当記事の目次
バイクのキャブのレストアはまず徹底清掃
外身も中身もキレイにしてあげましょう。
とにかく全体をきれいにするのがレストアの最初です。
キャブに限らず、できる限りばらして
をするのが最初のステップです。
※清掃しながら、どこがどうダメージを受けているかチェックができるので無駄な部品の発注をしなくて済みます。
ブローバイガスのホースも手持ちのホースで補修済みです。
特にキャブはセッティング云々の前に徹底洗浄することが基本です。
キャブ回りは整備状態が悪いとすさまじく汚れます。
漏れたガソリンなどに埃や土が付着しするのでオフロードバイクのキャブ周りは汚れがちです。
※ブローバイガスのホース周辺などは普段から汚れがちです(特に2stはエンジン周辺もオイルだらけな個体が多いです)
キャブを外す前に
キャブは汚れたまま分解するとゴミやほこりがキャブ内に入り込んで悪さすることがあります。
キャブを車載したまま、
という手順が確実です。
どの工程でもウェスを手放さず、清掃しながら進めることを念頭に置きましょう。
ちなみに・・
今回のレストア作業ではキャブの下側に手を入れたら「あんころ餅」みたいな感じでオイルとホコリと土の混合物がついてました。
ブローバイガス(未燃焼ガス)がどこかから漏れて噴き出している証拠です・・
※あまりに汚くて手が汚れまくったので写真撮る余裕がなかった・・
当然、キャブ周辺(特にエアクリ側)もそんな感じなわけで徹底洗浄を行います。
キャブを外した後、周辺も全部清掃です。
※ガスが漏れてる個所が判明したら対策をすればいいだけです。
だいぶ前から「あんころ餅」状態だったようで・・
ワタクシは、人のバイクを見る際にこういう所をよぉく見させていただいております♪
バイク所有者のバイクに対する愛情度合いがよくわかります。
セロー225系のキャブは樹脂パーツが割れる
キャブ単体を清掃してる時に、プラパーツが欠けました・・
ああ、パーツ破損て何?・・
一瞬固まりましたが、正面に向かって右側にあるパーツの一部でした。
構造をよく見ると負圧系のコントロールをしている部分の様です。
CVキャブのメインダイアフラムの圧を調整する感じの機構です。
※どうやら、アクセルを戻した時にガスの薄さを調整するための機構っぽいです。
結構、このプラパーツが欠けたままの個体も多いと聞きますが多分まともに動かないです。
激しくくよくよしたかったんですが、要するに空気の導通があり漏れがなければいいわけです。
新品パーツも出るようですが、すごく高価なのでとりあえず自分で補修してみました。
※とりあえず、これで機能は果たすはずです。
ちなみに・・
キャブのパーツが欠けるのはセロー100物語の一つでアキレス腱っぽいらしいです。
※あとでセロー使いの先輩に確認したところ、ゲロ林道走った後はこのプラパーツが丸ごとなくなってることもあったそうで。
セロー使いは、キャブのパーツの欠損などを避ける&レスポンスアップのためレース用のキャブPWK28にしちゃうんだそうです。
※スロットルやインシュレータまで全部交換しなきゃいけないので結構お金がかかります。
純正の負圧式のキャブよりもワイヤ直引き式のPWKはダイレクト感がでるのは理解できます。
でもバイクの性格上、とりあえずは負圧式でいいんじゃないかと今のところは思っています。
※とりあえず純正重視で仕上げますが、どうしようもない場合はKDX125SRで散々いじくりまわしたPWK28キャブにしようかと思います。
セロー225は調子は悪ければ疑うべきはチョーク
エンジンの調子が悪い、特に濃い目の状態が解消されない場合はまずここを疑うべきですね。
ハンドルからチョークワイヤでキャブのチョーク機構を引っ張る方式なんですがね・・
セロー225Wの場合、
ので、
チョークを引っ張るときはともかく、戻したときに完全に戻らない個体が多いそうです。
※ハンドルの切れ角が大きいので、フルステアでチョークを引っ張っちゃうこともあるようです。
こうなると、セッティング云々ではなく延々と調子が悪いセローになります。
※前出のセロー使い談です。
ちなみに・・
ワタクシの入手したセロー225Wは、ワイヤー接続部からハンドルまでの間のパーツ(チョークノブ含む)がありませんでした。
※そこにリングをつないで、直接ワイヤをキャブ横で引っ張る仕様になってました・・ボロすぎる。
そこで中古のワイヤーを入手してハンドル回りに取り付けてみたんですが・・ハンドル切ると謎のエンスト癖が発生してまいりました。
関連記事▼
セロー225Wでハンドル切るとエンジンが止まる原因は? セロー225Wはハンドルをフルロックするとエンストする ハンドルをまっすぐにした状態ではアイドリングは超安定しています。 そこからフルステアすると・・エンスト。 右に切っても左に切っても・・エンスト。 ...
セロー225Wでハンドル切るとエンジンが止まる原因は?
セロー225Wがハンドルを切ったらエンストする件、解決 セロー225Wのチョークワイヤーが悪さしてた 上記記事ではエンストの原因の考察とその解決方法を記載しました。 それを一つづつつぶしていったわけです。 一番関係なさそうとか思ってたチョークワイヤーの取り ...
セロー225Wがハンドルを切ったらエンストする件、解決
ダイアフラムは負圧キャブの要
放置されてたバイクはダイアフラムのゴムが痛んでることがあります。
キャブトップの丸い部分の内側には、ゴムの膜が入っています。
これをダイアフラムと言います。
ここで負圧を感知してキャブ内のシリンダを上げ下げしています。
負圧キャブはダイレクト感こそ強制開閉式キャブに劣りますが、
きちんと機能していれば結構適当でも動いちゃうので楽なんですよ♪
※ずぼらなアクセルワークでも何となく走れちゃうのでツーリング時も疲れません。
車で言うと、
SUキャブ(旧miniを始め、英国車にはよく使われてる)がダイアフラムこそありませんがこんな作りです。
※一部ハーレーでもSUキャブ(旧miniのキャブそのもの)が使われてることを知ってびっくりです♪
このゴムの膜で負圧を感知するのでダイアフラムが劣化して穴が開いたりすると、もうまともに走りません。
これが負圧系キャブの弱点ですね。
ダイアフラムはパーツでも出ますが結構お高いです。
ゴムなので経年劣化は当然発生しますし、下手にメンテナンスして破くと激しくへこみます。
何はなくとも負圧系キャブはダイアフラムの健康状態を確認しなければなりません。
※ダイアフラムって、横隔膜って意味だったと思います。
ゴムの膜を破かない様に外して薄すーくシリコングリスを塗布しておくといいですよ。
ゴムでも外装でも油っ気がなくなると途端に寿命が短くなるのは一緒です。
※人間も同じですね♪
セロー225Wのキャブの場合、前出の欠けたパーツの内側にも小さいダイアフラムが入っています。
同じようにシリコングリスを塗布しておきました。
ちなみに・・
当クラブ所属のZ1-RとZ750D1にも負圧キャブを採用しています。
世間ではZ系に装備すると極めて評判が悪いですがセッティングが超楽で普段使いが可能なので重宝しております。
アクセルレスポンスが機敏ではないのでツーリングでは非常に楽です。
燃費が飛躍的に伸びたのは言うまでもありません♪
分解したキャブは全ての穴とジェットの状態確認
ガソリンの劣化によって穴の直径が小さくなっていることはよくありますので定期的な清掃が大事です。
ガソリン入れっぱなしで放置された個体はまず間違いなくジェット類が詰まっています。
こうなるとセッティングとかそういう次元じゃないです。
キャブが詰まってる放置車両を何台も見てきました。
どんなバイクでも乗らない時はガソリンコックはオフが基本です。
旧車乗りは絶対、2st乗りも絶対に泊まってるときはコックをオフにする癖を付けた方がいいですよ。
※ジェットの穴が詰まるくらいならまだマシで、ひどいものになるとジェットが固着して取れない(キャブご臨終)個体もたくさんありました・・
キャブは精密機器ではありません。
超精密機器です。
しかも、
消耗品です。
スライドバルブに傷が入るともうだめだと思ってましたが、セローは大抵そんなもんらしいです。
※前出のセロー使い談(嘘つけ!と思いましたが、逆らうと後が怖いので黙っておきました)
全てのジェットは分解して清掃、導通を確認することが基本です。
エアコンプレッサーがあれば楽勝ですが、パーツクリーナーでも十分可能です。
※むしろパーツクリーナーの方が薬液の噴出が見える分わかりやすいかもしれません。
スロージェットが多少詰まり気味でしたが、とりあえず導通は確認しました。
※禁じ手として荷札の針金で穴をつついて導通させるのもありですが穴が変形すると使いもんにならなくなるので決しておススメはしません。
ちなみに・・
当倶楽部に来たセロー225Wの場合、スロージェットが固着してたようで無理やり回した後がありました。
マイナスネジ山が思いっきりつぶれてたので、外す時にかなり勇気がいりました。
※ここを舐めてジェットがキャブに残っちゃったりするとキャブ自体が死ぬことになりかねません。
スロージェットは#42.5番がついてました。
良く見たら穴が変形してそうだったので新品に交換しました。
スロージェットは取り外しに失敗すると真鍮製なので簡単に変形します。
少しでも痛んだら新品交換する方が後々楽ですよ。
ぼろすぎる・・
2019/11/10時点のキャブセッティング
これで初期値を取りに行きます
※負圧キャブはセッティングは適当でも走っちゃうんだけれど、基本の値を取っておくと方向性決めるのが楽です。
2019/02/10時点のキャブセッティング
まだまだ薄い感じが拒めないけどアイドリングは安定してきました。
2019/03/30時点のキャブセッティング
少し濃い感じがします。
力強いアイドリングになりました。
まとめ
キャブははまると深いです。
めんどうくさいですが、思い通りにできると楽しい仕組みです。
アナログのバイク乗りの極みです。
意外にキャブのメンテはほったらかしなんですよね、バイクのベテランさんであっても。
キャブはいじり壊しが非常に多い個所で敬遠しがちなのもわかります。
しかし、
アナログ車種を所有してるなら絶対に理解しておいた方が楽しいのがキャブです。
キャブセッティングは、はまると抜け出せなくなるので最初の状態を記録しておくことをお勧めします。
※サービスマニュアルはジェットの調整量を知るためにあるとかなり便利です。
うちのバイクは全部、シーズンイン前にキャブの清掃をしています。
※4気筒のキャブ清掃はマジで大変なんですよ・・キャブ脱着時にインシュレーター切れそうで・・
とにかくキャブは超精密機械なので常に掃除はしておくとバイクが長く持ちますよ♪
※何度も言いますが厳密にいうとキャブは消耗品なんです。。
電子制御の乗り物と違って素人が手を出せる個所が多いアナログ車はやはり面白いです。
※パーツの高騰は全然面白くないので勘弁して下さいYAMAHAさん
とりあえず現在のセッティングで全開走行はしていませんがアイドリングは超安定しています。
※#42.5のジェットの時よりもアクセル開けたときのエンジン回転のピックアップが早い気もします。
というわけで引き続きレストア継続します。
だいぶ乗り出しに近づいてきました。