![](https://toos-lotus.com/wp-content/uploads/2019/04/01_a.jpg)
基本的にオーナーの意気込み次第でどんなバイクでも長く乗ることは可能です。
ですが、長く乗るのにハードルが高いバイクはあるのです。
それはどんなバイクだ?
ワタクシは一度バイクを買ったら最低10年は乗る主義です。
自分の所有バイクは10年後どうなってるかを考える
![](https://toos-lotus.com/wp-content/uploads/2019/04/01_a.jpg)
良く聞くセリフですが基本的に勢いだけではバイクに乗り続けられません。
「このバイクに一生乗る。」
そう言ってた人がずっと同じバイクに乗ってたのをワタクシはほぼ見たことがないです。
※責めはしませんが。
誰でも恋愛感情みたいなもんで誰でも最初のうちは盛り上がるもんなのです。
ただし、
バイクとの付き合いは恋愛と一緒で長い間にはいろんな障害が襲ってきます。
それぞれの障害と愛情を天稟に掛けると、バイクを乗り換えるとかバイクから降りるとかそういうう結論になりがちなのです。
※大抵、乗り換えるとか降りるとかいう時は当人の意思が決まってるので、いつも好きにした方がいいとだけ言うことにしています。
とりあえず、
バイクが問題なく動いているうちはいいのです。
バイクは機械です。
壊れないバイクは存在しません。
![Z1-R。](https://toos-lotus.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG20220425172400.jpg)
Z1-R。
当倶楽部のZ1-Rだって、20年に一度くらいこれくらいの整備はします。
維持していくうちに間違いなく朽ちたり劣化したりして、損傷を追っていきます。
ある程度、その損傷が進行していくと、
言ったような、まともに動かない状態に陥ります。
10年も経てばどこかしら不具合を抱えてるのは普通です。
維持管理状態の悪い個体ならもっと短いスパンで不具合は発生します。
※中古車なんて最初から不具合付きだと思ってた方がいいです。
不具合を誤魔化して運用しているとより大きなトラブルに発展する危険性が高いです。
そもそも、危ない場合もあります。
ひとたび不具合が発生したら直さねばなりません。
それには相応のお金が必要になるのです。
自分で作業して作業工賃を浮かせることは可能ですが、部品代は極めて高価です。
![Z1系エンジンの場合、セットで売ってたりします。](https://toos-lotus.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG20220419183518.jpg)
Z1系エンジンの場合、セットで売ってたりします。
ガスケットだけで2万円くらいします。
お金がかかるようなトラブルが起こってはじめて、
「一生乗る。」
と言った人の覚悟が試されるのですよ。
部品供給の問題
![](https://toos-lotus.com/wp-content/uploads/2019/04/01_a.jpg)
販売終了から10年もしたら、メーカーから供給される部品は半分も出ればマシな方です。
特に、外装と電子パーツは早めになくなりがちです。
販売終了からしばらく経ったバイクの部品はいつでも手に入るとは限りません。
むしろ、有ったらラッキーくらいの気持ちでいましょう。
汎用品で代用できるパーツなら供給状態に困ることはありません。
でも、専用パーツだとそうはいきません。
バイクは専用パーツの塊です。
供給が割と早く終わるのは外装部。
タンクやカウルなどは、割と早めになくなる傾向があります。
コケたりすると真っ先に壊れるパーツだからですよ。
タンクやカウルなどは実際買ってみるとわかりますがすごく高価です。
フルカウル
フルカウルのバイクのフルカウル一式を買うと中古のいいバイクが買える金額になります。
それくらいカウルというのは高い。
フルカウルのバイクははフルカウルの状態がカッコいいと思うんですが、いちいち直せる金額ではないですよねえ。
なので、
割れた箇所を外して運用してるバイクもいますしねえ。
カウルが割れたまま走ってる個体も多いです。
昔の峠小僧はガムテープで何とかしていましたがそれも大人としては情けない。
もし、カウルが割れたら破片は全部回収してきた方がいいですよ。
FRPで裏打ちしたりして修復することが可能ですので。
※ただし、削れた箇所は直りませんので悪しからず。
タンクも高い
今どきのバイクのタンクは整形も複雑だし、高くなるのも分かりますが。
タンクはバイクの顔でもあります。
ライダーが跨った瞬間から視界に入る。
と言うことは、
凹んだタンクだとずっと凹んだタンクを見続けることになるのです。
これは拷問に近い。
そして、
大人気で大量に売れた車種でも、限定車などの特殊カラーリングを施したタンク。
これ、すごく手にはいりにくいです。
限定車などに乗る際は「絶対傷つけない。」くらいの覚悟は必要と言うことです。
※限定車買って、一般車のタンクで運用するのもあり。マニアック。
![リアフェンダー(新品)とZ750D1についてた中古の比較。](https://toos-lotus.com/wp-content/uploads/2021/09/IMG20210918140745.jpg)
リアフェンダー(新品)とZ750D1についてた中古の比較。
リプロパーツでも部品があるだけありがたいのです。
電子部品は超高い
見えない部分で高いパーツの代表格は電子制御パーツです。
電子製品は日進月歩なので、10年前の最新型は現在の汎用機以下と言うことも多々あります。
そんなパーツはメーカーがなかなか補完しないのですよ。
※最初のロットだけしか作らず再生産しない、みたいなパーツが多いはずです。
しかも、
目に見えた不具合がわかりにくいので、中古は極めて怖い。
ゆえに、
電子制御のバイクは長期間維持しずらいということです。
これらは全部電子制御があってこそ生きる機能ですよ。
※最近の多機能なメーターも素晴らしく高価。パーツの値段問い合わせてみるといいですよ。
ヘッドライト
昔のバイクのヘッドライトは丸か角で規格が決まっていました。
コケて割れても汎用品で何とかなったのです。
![同じ規格のヘッドライトでもこの見た目の違い。](https://toos-lotus.com/wp-content/uploads/2021/08/IMG20210828164932.jpg)
同じ規格のヘッドライトでもこの見た目の違い。
古いバイクは車のライトがそのまま使えることも多いです。
が。
今どきのバイクは異形樹脂製のライトが組まれています。
これ、割るとすごく高価です。
ほぼ車種ごとの専用設計ですし。
それにライトのクリア部分のポリカーボネートは10年もすれば経年劣化で白濁してきますよ。
こうなるとユニット交換になりますし。
※下手するとメーターユニットと一緒に交換、とかなるかもしれません。
ライトは一応保安部品なのですが、汎用品をしっかり安全に取り付けて光軸の調整が出来てれば問題ない気もします。
※なのでまだ他の電子制御パーツよりはマシ、と言えるかもしれません。
とにかく、
長く同じバイクに乗るためには部品供給が潤沢なことは外せないポイントです。
ちなみに・・
あくまでもワタクシの個人の考えとして聞いてください。
以前のアナログバイクと最近のデジタルバイクの世代を切り分けるのに、
燃料の気化方式がキャブからインジェクションに変わったのが一つの節目だと思っています。
国産のインジェクション搭載バイクは、1980年のZ1000H(Z1000Mk2の派生車)が最初と言われています。
その後、
Z750GPやGPz1100などを経由しましたがイマイチ盛り上がらず、鳴かず飛ばず。
※不安定だったようですよ、トラックが発する電波でおかしくなるという噂を聞きました。
その20年ほど後、環境問題の解決方法としてインジェクション化が必須となります。
2008年モデルでキャブを搭載した公道用車両はほぼ全滅したとされています。
厳密にいえば、キャブ車でも後期はかなり電子制御されている車種もありますが、目安として2008年前後が分かれ目と考えています。
※2008年まではSR400もキャブ。SR400は一時生産をストップして2010年モデルからインジェクション化。
![SR400。2021年型が最終型。](https://toos-lotus.com/wp-content/uploads/2021/01/rapture_20210119192554.jpg)
SR400。2021年型が最終型。
まさかのインジェクション化でしばらく延命したSR400。
そして、
この時期は各バイクメーカーのラインナップが大幅に減少した時期でもあります。
インジェクション化(デジタル化と言い換えてもよさそう)を拒んだモデルは全滅したのでした。
新車と中古車どっちがいいのだ?
![](https://toos-lotus.com/wp-content/uploads/2019/04/01_a.jpg)
非常に微妙な問題です。
今どきのデジタル化された新車は不具合が起きると専用パーツを使わない限り不動になる危険性がかなり高い。
かといって、
アナログのままの中古車は不具合が起きてもパーツの供給に不安がある。
もちろん専用パーツは手に入らない。
どっちも長く乗り続けるのは難しそうです。
ただし、
最初から不具合がありそうな中古車よりは、少なくとも数年は新車の方が安心して乗り続けられるのは確実です。
メーカー保証もあるし。
というわけで、
予算が許すのであれば、しばらくは新車を買った方が余計な心配をしなくても良さそうです。。
初心者やメカに自信がない人は新車一択と言ってもいいでしょう。
長く乗れるかどうかは、その人の購入後の維持管理次第です。
※長く乗ってる間に、パーツをストックしておくのも手です。
![ハスクバーナ。](https://toos-lotus.com/wp-content/uploads/2018/07/IMG20220219103935.jpg)
ハスクバーナ。
スヴァルトピレン?ヴィットピレン?
ちょっといいなぁ。
でも外車はすぐ日本から撤退するしなぁ。
中古車の場合、
入手した時点で初期化にお金がかかるので旨味は多くはありません。
潜在的な蓄積されてる不具合もあるし、パーツの劣化や消耗品の交換時期が近いなどの個体差もある。
安く上げるために中古車を買ったのに、意外にお金がかかったという話はゴロゴロあります。
なので、
中古車を長く乗るのはコスパ的には良くない場合があります。
よほどこだわりが無ければなるべく新車の方が安心、と言えます。
ただ確実に言えることは新車でも中古車でも、
という傾向はあります。
※パーツが安いかどうかは別として。
ちなみに・・
新品パーツがない場合は中古パーツを探すことになります。
今ではヤフオクなどもあるので昔より中古パーツの入手は楽になりました。
ただし、
中古パーツの値段はヤフオクがなかったころよりはるかに高騰しています。
これは転売する人が増えたことと、専門業者が高値を付けて出品してるからです。
こういう人たちが出品したパーツは、高値でもパーツの知識がないで実際に組めるかどうかの判断は難しいのが実情です。
※ワタクシも何度もこういう悪徳出品者との取引をしましたが、泣き寝入りです。
バイクは同じモデル名でも年式やマイナーチェンジごとにパーツが違ってることは珍しくありません。
![セロー225Wのキャブ。何度も降ろして調整しました。](https://toos-lotus.com/wp-content/uploads/2020/03/DSC_0299.jpg)
セロー225Wのキャブ。何度も降ろして調整しました。
セローのキャブは年式でいろいろ違っています。
それでも、
多く売れた車種はそれなりに、中古パーツ市場も活性化しています。
中古パーツが多い車種というのは維持が楽な車種だと言えます。
部品探しで泥沼にはまると、ヤフオクでの価格つり上げ合戦に巻き込まれるのは良くある話です。
逆に、
マイナーな中古車は入手した時点からパーツ探しの沼にハマるのです。
かつてはマイナーな車種の中古パーツはあんまりなくても、競合相手がすくないので手に入りやすかったりしたものです。
でも最近は、マイナーな車種でも非常に強気な設定でヤフオクに出品されてることが多くなりました。
マイナー車でもマニアがごっそりパーツや部品取り車をストックしてることもあるので世の中わからない。
「自分だけが価値をわかってればいい。」
という売れないアイドルを推すの偏愛に似てるのかもしれません。
保有期間が長くなるほど維持費は増えるということ
![](https://toos-lotus.com/wp-content/uploads/2019/04/01_a.jpg)
ただし、
保有年分の維持費というのはそれなりにかかってきます。
バイクは買ってからもお金がかかる乗り物です。
勘違いしてる人が多いのですが、税金や自賠責代なんてのはあくまでも維持費の一部です。
それ以上に消耗品費や修理代、油脂類などの費用がかかってきます。
まさか屋外に置いてある鉄とゴムと樹脂でできてるものが何年も劣化しないと思っています?
こういうのは見てくれが悪いし、所有満足度も下がります。
長く乗りたいなら出来るだけ鮮度のいい状態で維持してあげたいものです。
何より、それが原因でより大きなトラブルに発展することは少なくないです。
それぞれにケミカルが販売されていますし、ゴムなどは交換するしかないものもあります。
最悪な状態になる前に、見つけて交換なりメンテナスするなりするしかないんです。
※タイヤだけじゃないですよ、ゴムは。劣化で加水分解しちゃいます。
維持費を最小限に抑えるためには、
「放置しないこと。」
これに限ります。
洗車や注油、各部のメンテナンスはもちろん必須です。
マメにこれらの作業が出来ない人は間違いなく維持費が高いハズです。
ひとえに、
愛情のかけ方次第とも言えます。
「このバイクに一生乗る。」
この覚悟があるなら洗車やメンテなんて楽勝なハズ・・なんですが。
「あれ?おかしいな。」
という人はすんごく多いのでした。
※だから、中古バイク市場がにぎわうというサイクルなんですけどね。
「バイクはきちんと乗ってきちんと整備してやる。」
このサイクルが一番長持ちするのです。
例えば、
雨天ツーリングの後は必ず洗車して、注油してやるとかそういう細かいことの繰り返しなのです。
結局、サスとかエンジンとかの大物が痛まない分、維持費は安く上がるはずです。
ちなみに・・
意外なことに乗らないバイクより、普段から乗ってるバイクの方が傷みが少ないのです。
止まってるだけのバイクというのは、いつも同じ方向に荷重がかかっていますね。
タイヤもサスも微妙にその方向に潰れています。
ガソリンタンクは、
上方のガソリンが入ってない空間は外気との差で結露を起こします。
これが錆びを呼びます。
最近のバイクのガソリンタンクは軽量化のため、極めて薄い鉄板なのであっという間に穴が開きます。
![このタンクが13lしか入らんのよ](https://toos-lotus.com/wp-content/uploads/2018/09/DSC_0995-1.jpg)
このタンクが13lしか入らんのよ
でもガソリンタンクの中古相場では超高い。
エンジンオイルはエンジン下部に落ち切ってしまいます。
そうなるとオイルに浸ってない箇所は結露を起こし錆びます。
ゴム製品や樹脂製品は常に紫外線にさらされます。
そして、水分が溜まる場所もある程度決まっているのでそこを起点として痛みが進行します。
カバーをかけてても、カバーは埃除け程度にしかなりません。
バッテリーは走って充電しないと劣化が早まります。
劣化したバッテリーの不足分を発電系、発電電力制御系が補おうとするのでその分痛みが進行します。
そもそも、
バッテリーが上がるとデジタル化された電子制御バイクは走らせることができません。
それなら、
使った分各部が痛むとはいえ、走って全体的に調子を維持した方が安いのです。
ワタクシが、何十年もZ1-Rに乗り続けられているのは、ほぼ間違いなく普通に乗ってるからです。
※真冬の積雪期は月一程度ガレージ前でエンジンかけるくらいですが。
まとめ
![](https://toos-lotus.com/wp-content/uploads/2019/04/01_a.jpg)
維持費を気にするならバイクは乗らないほうが身のためです。
何より、バイクの維持費に気を取られすぎると全然楽しくないのです。
「このバイクの維持費はどれくらいかかりますか?」
という質問をたまにいただきます。
が。
「知らんがな。」
というのが正直なところです。
※特に見たことも触ったこともない中古車なんかは状態も分からんのに、無責任にいくらかかるとか言えませんよ。
「長く乗れるバイクは何ですか?」
という質問をたまにいただきます。
が。
「知らんがな。」
というのが正直なところです。
※どんなバイクでも長く乗ろうと思えば乗れますが、意地とか執念とかのオーナーの人間的要素でも全然変わって来ます。
長く乗りたいなら、
一生懸命走って一生懸命維持することです。
乗りっぱなしはいけません。
洗車やメンテの際に、痛んだ個所を発見してマメに交換したり整備したりするマメさが必要です。
とりあえず、
10年を目標に同じバイクを維持するという目標を立ててみてはどうですか?
その後は20年でも30年でもあんまり変わんないです。
維持する作業のルーチンワークが出来てますので。
※このルーチンワークを身につけて習慣化するのに10年くらいかかるって話です。
![Z750D1。](https://toos-lotus.com/wp-content/uploads/2020/05/DSC_0521.jpg)
Z750D1。
基本的に不具合というか違和感が有ればすぐタンクは下ろします。
ついでにいろいろチェックするのが習慣になっています。
ちなみに・・
今やバイクはお金持ちの乗り物ですよ。
維持費にこだわる人はバイクには乗らな方がいいです。
維持費なんてのは予定通りになんて行きません。
壊れる時は突然壊れるものですし、
ほぼ遊びにしか使えないカウンタックに乗る人が燃費なんか気にしないように、
ほぼ遊びにしか使えないバイクの維持費を気にするのは意味がないです。
カウンタックとは程度は違えど、バイクに乗るのはほぼ同じ道ですよ。
※予算がないからと言って、不具合を修理しないで放置すると余計痛みますので追加予算は常時、普通に発生するものです。
自分で修理できない場合はさらに、ショップの作業工賃という恐ろしい請求が加算されます。
こうなると年間予定予算なんかあっという間に飛びます。
というわけで、
頭のいい人はバイクなんか乗りませんよ。
不便だし、お金かかる割には世間ウケ悪いし、荷物は運べないし、ヘルメットかグローブとか面倒くさいし。
ショップもよくわからないし、作業工賃内訳もわけわかんないし。
維持費やコスパにこだわるなら、
バイクより少しお金はかかりますが、使い勝手がはるかにいい軽自動車をおススメします。
軽自動車、便利ですよ♪
※車のディーラーは必ずお茶入れてくれますしねえ。
便利さと反比例するように、うるおいはなくなるのですが。