コロナ過で免許取得者が増えた、と聞いたときはもしやと思ったんですが。
このままあと20年もすれば大勢の中高年ライダーがバイクから降りるので日本のバイク業界は絶滅に瀕するでしょう。
その頃はワタクシもどうなってるかわかりませんが。
現在バイクに乗ってる年齢層
実際に休憩中のライダーを見ると白髪交じりのジジイばかり。
何処へ行ってもライダーはそんな年齢層がほとんどです。
現在、バイクは基本的にジジイ趣味なのです。
これは結構由々しき問題だったりします。
このままだとバイク業界は萎んでいきますな。
現在、既に日本の世の中は「バイクは中高年の趣味。」として確立された感があります。
その証拠に。
書店のバイク雑誌コーナーには、
昔は子供向けっぽい 安いけどすんごく適当な 内容のバイク雑誌が大多数でした。
最近は高価な大人向けのバイク雑誌しかないと言ってもいいくらいです。
※バイク雑誌の写真のクオリティは凄く高いけど値段も凄く高いので買いずらい。
実際に見るバイク乗りの年齢層も極めて高いのが現状です。
休憩中のバイク乗りを見ても若者は凄く少なくて、
コンビニや道の駅で群れているのは白髪交じりの中高年ライダーを見かけるほうが多いです。
※逆に若者ライダーを見ると新鮮。
そういえば、
ちょっと前のNHKでは昔YAMAHAのワークスライダーだった平忠彦氏が講師で中高年向けのバイクレッスンをしてましたし。
高級な旅バイク雑誌で平さんがツーリングレポートしてたりしますな。
※あの8耐優勝の平さんが・・と思いました。
データでもライダーの高齢化は裏付けられていて、
毎年発表されるマーケットリサーチではもう何年も前からバイクの購買者の年齢平均は50歳以上です。
※既に55歳を超えたんじゃなかったっけ。
その年齢はさらに毎年ちょっとずつ年齢層が上がってるという結果になっています。
バイクを買う人達の世代はずっと変らず、その人達が年取ってるだけってことですね。
そういう人達でも70代までスポーツバイクに乗る人はそう多くはないでしょう。
多くの中高年にはデカくて重いバイクで高速使って旅をすること自体がなかなか難しいです。
時間的にも体力的にも。
無理のない範囲で近所をトコトコ走るくらいはするかもしれませんが年齢とともに次第にバイクに乗らなくなるのも分かります。
※ワタクシだってバイクを使って峠や林道で遊ぶのは今後10年出来ればいいかな、と思っていますし。
ということは。
「今後10年から20年程度で日本のバイク乗りの多くがバイクから降りちゃう。」
ということですよ。
実際にワタクシの周りでも隠居するバイク乗りが増えていますし。
※オフロードのラリーのコマ図作りの超有名人Uさんは還暦をすぎて「もうスクーターで十分。」とか言ってます。
こういう中高年のバイク卒業現象が日本中で起こりかねない。
この流れで行くと、
現在クローズアップされている物流の問題や働き手全般の人手不足の問題並みに「バイク業界が衰退する問題。」というはリアルです。
※バイク業界がどうこうなろうと悲しいことに大勢に影響なさそうなんですが業界の中の人はたまりませんな。
国勢調査で調査し日本国内の年齢層毎のグラフによると若者がいなくなって、
いわゆる人口ピラミッドが下方が広い三角形でなくなるというのはこういうことなのです。
バイク業界はいろんなイベントなどでバイク乗りの若返りを図っているようですがどうも効果はイマイチっぽい。
イベントやっても集まるのは中高年ばかりらしいし(笑)
※コロナ禍でパーソナルな移動手段としてのバイクが注目されましたが短期的なブームでしたな。
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メディアでは必死にバイク女子を持ち上げてバイク業界をなんとか盛り上げようとしているようですが、どうなんですかね?
今現在、「オジサン趣味の女子はモテる。」の構造は「ゆるキャン△」あたりが確立した王道ですしねえ。
ワタクシ的にはバイク女子の書くインプレ記事はきゃぴきゃぴしてて 内容が薄っぺらくて 読むに堪えないものが多いです。
はっ!
・・もしかして、そういうのが世間ではウケてるのか?
ワタクシはまた時代に取り残されたようだな。
別にいいけど。
ともあれ現在のブームを作る王道である
「バイク女子が活躍する漫画やドラマや映画が世間ウケすればバイク業界が再興する可能性はなくはない。」
というかそれしかない気がしますな。
※実際はそういうのを見るのはオッサンしかいないのですが。
バイクは高くて危険を伴うわりに実用性はほぼない
ヘルメットなどの高価な装備をつけなば走れないし。
その上、快適とは真逆。
さらに危ないときた。
極端に言えば世の中に無くてもいい乗り物なのですよ。
色々考えてみるとバイクが流行るというのは景気がいい時限定なのです。
バイクに限らず、お金がかかる趣味というのは大体景気がいい時にブームになるものなのです。
※スキーとかまさにそう。
今のように物価高で賃金が上がらないのでは生きていくのが精いっぱい。
遊びに使う余計な出費はできないのです。
※ネットのニュース見ても○○節約術とか○○コスパ技とかセコくて景気の悪い話ばかりです。
資格やスキルアップが大好きな若者たちでさえも、
二輪免許は履歴書に書いても「面接官が興味なければ全く意味ない仕事につかえない資格。」です。
免許取得の出費と手間、時間を考えたらコスパ的に真っ先に「取得する価値なし。」と切り捨てられるのも納得です。
頑張ってお金と手間、時間をかけて免許取っても装備にもバイクにも保険や税金にもお金かかるしねえ・・。
なにより、
いくら装備を揃えたとしてもバイクは危ないですもん。
高くて実用性が無くて危ないモノに頭のいい若者は乗りませんよ。
※それを乗り越えたところに、経験という宝が手にはいる可能性があるんですが説教臭くなるので言いません。
というわけで、
いつまでたってもバイクを買ったり乗ったりするのは 頭の少し足りないような 中高年というわけです。
もっと限定的に言えば、1960年代から1970年代くらいに生まれた人達です。
※ワタクシもこの年代に含まれます。
このくらいの年代の人達は10代20代の血気盛んで好奇心爆発青春時代にバイクブームを経験しています。
この頃の擦りこみが未だに続いているのです。
当時手に入れられなかったものを欲しがる執念というかノスタルジイが当時のバイクの中古車価格をあげているのでしょうねえ。
我々中高年世代は本当にいい時代を生きたのですよ。
その幸福と幸運に感謝しなければなりません。
そして、
その年代のバイク乗りは新車でもハイスペックを誇るライディングポジションのキツイスーパースポーツより、
グッと楽な姿勢ができるアップハンドルで、かつて流行った古い車種を模したデザインのバイクに乗りたがる。
※体力や年齢的に前傾姿勢がキツイので。
バイク乗りのボリューム層に受けるバイクを作らねばメーカーも生きていけませんので、
スポーツバイクよりはもう少し穏やかな性格で古臭いデザインだけどオモテナシ機能が多いバイクを作るようになります。
※新型KATANAもアップハンだしね。それはSUZUKIの良心ですよ。
現在のバイク業界を総括するとこんな感じじゃなかろうか。
中型車が増えた
昨今は中型車のラインナップが増えてきています。
250ccクラスと言えば、ツーリング先でも数年前より確実に250ccクラスのバイクを見かけることが増えました。
一時期はホントに絶滅しちゃうんじゃないかというくらい新車で買える400cc以下のバイクはほとんど無かったのですが、
バルルルル、というパラレルツインのエンジン音を響かせて走る今どきの250ccバイクを見かける頻度が増えました。
※一時期、と言っても言ってもたかが数年前ですよ?
次第に年を取ったライダーが「デカいバイクから中型車に乗り換える需要があるから?」と勘ぐってしまいますな。
新し目の250ccクラスのバイクに乗ってるのもやっぱり中高年が多いのです。
250ccクラスの汎用性と維持の気楽さは特筆ものですし、体力に合ったバイクという意味では正解だと思います。
ワタクシもチョイノリにはこれを使うことが増えました。
※Z1系は出先で気を使うのがめんどくさい。
数少ない頭のいい若者ライダーたちは車検がなくてラインナップが増えて比較的安めの250ccクラスを狙うようです。
何より高速にも乗れるし。
免許取るなら小型も中型も値段はそんなに変わらないし。
バイク業界は維持費の安いことを売りにして125ccのスポーツバイクを流行らせようとしているようですが、
意外と車体価格が高いのでもうちょっと頑張って250ccを買おう!という若者も少数ながらいますな。
※それが正解ですよ、若者たち。
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各社がラインナップを充実させている125ccクラスのスポーツバイクですが、
やっぱり125ccクラスの主役は売れ行きを見る限り街乗りスクーターなようですしねえ。
125ccの維持費が安い?
実はそんなことはないですよ。
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ちなみに・・
昔は車が買えない貧乏な小僧どもがこぞってバイクに乗ったものです。
基本的にバイクに乗る余裕は一つもないお金がない若者でも、
真面目に夏休みにバイトすれば中古の 不人気 250ccバイクくらいは買えたものです。
ボロでもバイクを手に入れると公道範囲が劇的に広がるのでいろんな経験ができたのです。
これだけ中古バイクが高いと頑張ってバイトしても夏休み一回くらいじゃ足りません。
我慢する時間が長いと次第に心が折れちゃって若者たちがバイクに乗らない選択をするのも無理はないのです。
※努力と忍耐の先に明るい未来と楽しい経験値という素晴らしい宝物が待ってる可能性があるよと言いたいけれど、爺臭いので言いません。
そういう意味では今の若者はバイクですら経験を積むためのハードルが高いので可哀相な気もしますな。
※なんでもそうですが「面倒くさい。」ことをやらんと何も残らない人生になるよと言いたいけれど、爺臭いので言いません。
普通に大学生活してたら黙ってても「先輩が○○を売りたいって言ってるけど10万でどうよ?」みたいな話はどこにでもたくさんありました。
※バイト先の先輩から話が合ったりね。
バイクブームの当時でも新車を買える若者は決して多くなく、多くは安い中古のバイクでバイクを覚えたんですよ。
そもそも当時の中古バイクというのは人気バイク以外は年式なり、走行距離なりに安いものだったのです。
5年落ちとかなら新車時の半額とか普通でした。
景気が良くてどんどん新車が売れるので中古車両が余剰気味になって安くなるという消費社会のスパイラルでした。
バイクブームが去って中古バイクはどんどん海外に出て行った結果、中古バイクが少なくなってるので価格が高騰しただけです。
この現象、そろそろ終わりますよ。
そんな高いもの、買える人いないもん。
※ヤフオクでは明らかに高価格の車両に対する入札が減ってますな。
先輩のバイクを安く買う、みたいな話はいつから無くなったんだろ?
10年落ちのバイクがこんなに高くなったのはいつからなんだろ?
多分ネットで自分のバイクの中古相場がわかっちゃったからですな。
中古車の掘り出し物はもう存在しないのです。
いつまでもバイク業界で中高年が威張り散らしている場合ではありません。
会社でもスポーツ業界でも世代交代に失敗すると続かないものなんですよ。
若者がバイクにのって中高年と入れ替わらない限り、バイク業界の将来はないですな。
メーカーは既に分かっているっぽい
エンジンの使い回しで利益回収優先、新ジャンルへの冒険をしない、という縮小内向きの戦略です。
メーカーは同じエンジンを使いまわして複数車種で数を売り、利益を出すことを考えているようです。
どのメーカーもどの排気量でも似たようなことやっています。
※独創的なエンジンは消えていきましたな。
現在は750ccクラスくらいまで普通に、
となっています。
250ccクラスは安価に設定しなければならないのでもっと露骨です。
・・生産コストや効率はいいのでしょうがなんかさみしい気もします。
125ccにもなるとエンジンは単気筒に限られますしね。
メディアでは一生懸命もりあげたいクラスらしいですが、
ワタクシに言わせるとパワーはないわ、意外と高いわでどうなのよって感じです。
専用設計満載だった頃を知ってる我々にしてみればなんだか装備がショボいのです。
かつてのように高級な装備を搭載しないように見えます。
こういう車種展開は効率よく数を売るためには好都合なのかもしれません。
絶対的なバイク乗りが減ってるのでパイは各メーカーで奪い合いだし。
現在、ライダー人口の総数を考えると単一車種で数を売ることは難しい。
大人気モデルだったとしても一車種では利益が出ないのでこうなるのも仕方ないのかもしれませんが、
個性的なエンジン搭載の専用設計モデルがないのは寂しいというか購買意欲が湧きませんな。
2024年現在、利益率の高いフラッグシップモデル以外は、
と言ったかつては普通だった装備を搭載しているバイクは少ないです。
※昔は250ccクラスでも普通に有ったんですが。
フラッグシップモデルは200万円位するの普通なので利益も出るんでしょうね。
そんなのは普通の人にとっては遊びに使える金額じゃないのです。
バイクの歴史を逆行してる
かつて国産バイクのエンジンは
※一部、六気筒
という風に進化しました。
現在の流れは
という風に退化しつつあるように思えます。
さらに、
国産にはV型エンジンすらほぼなくなりつつあります。
※SUZUKIが頑張ってますが。V4のHONDAは早々と手を引きましたねえ。
より簡単で簡素で生産効率が良く、部品点数の少ないエンジンに集約されつつありますな。
この流れもバイクブーム時のイケイケドンドン♪という流れからは程遠く、バイク業界が衰退している証拠ですよねえ。
そもそも。
どこかのメーカーが新しいエンジンやヒットモデルをつくったら、
すかさず追撃して撃破する「後出しじゃんけんのHONDA。」に勢いがないですな。
※HONDAの二輪部門は儲かってると聞いたんだけど、もはや新型エンジンを投入してもコスト回収できないと踏んだか。
各メーカーが全部似たようなラインナップで色とメーカー名を隠したらみんな同じようなバイクで面白くない。
ワタクシとしては趣味の乗り物はもっと独創的で固有のものであってほしいのです。
今のご時世はなかなか難しいですな。
例えば、
ZX-25RやZX-4Rのような凝った作りのバイクを選べば解決するのかもしれませんが、
100万円というのは庶民が遊びに使うにはそうそう出せる金額ではありません。
※それに中高年はあのライディングポジションがキツイハズ。肩首腰にくる。
ZX-25Rや4Rのエンジンを使ったアップライトなポジションのバイクが出るという噂は絶えませんが、
「いくらで出すのか?」
ということに尽きますね。
※古いZの意匠を引きづるのはもういい加減止めた方がいいような気もするけど、そうした方が売れるんだから困ったもんだ。
Z650RSは2気筒ですが噂されているZX-4Rのエンジンを積んだアップハンモデルは4気筒。
この辺の値付けや住み分けはどうすんですかね?
※当倶楽部の近所の寺社の坊主が緑のZ650RS買った。宗教法人は無税でいいな。 くそ坊主め。
乗ったら楽しいんだろうけれども。
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バイクブームの頃って今より物価が安かったし、給料も低かったけどどう考えてもバイクは安かったよね・・。
今思えば贅沢な作りのバイクばかりですしねえ。
ワタクシが元気にバイク乗りであるうちに 買える値段の 理想のバイクが販売されれば・・とは思いますが、メーカーさんにも無理は言えませんな。
やっぱり今持ってるバイクを延命させるのが一番な気がします。
※当倶楽部所有のどのバイクも既にボロボロですが後10年くらいは頑張ってもらわないといけませんな。
まとめ
中高年のバイク乗りがごっそりいなくなるので。
少なくとも大型バイク乗りはだいぶ減るんでしょうねえ。
このままだと20年後くらいには、
一握りの中高年(現時点のバイク乗り。その時はほぼ老人)とごく少数のマイノリティな若者ライダーの二極化しそうですな。
30代を中心とした中間年齢層は今まで通り子育てとか仕事ととかで忙しく、
その割にお金がない時期なので効果で危険なバイクには乗らんでしょうし。
バイク自体もどんどん高価になっていくので遊びにしか使えないものに無駄な出費はしなくなるでしょうし。
なにより、
若者は今後ますます少なくなっていくのです。
※今多い結婚せずに親と同居して金持ってる人が増えれば・・と思ったけどそういう人はバイクに興味ないよな。
80年代のバイクブームでバイクに乗った多くの人達は当時20代だ多としたら今60代です。
大体、この年代でバイクを降りる人が多い。
現にバイクは既に原付も含めて全体的に減ってるような気がしています。
有名ツーリングスポットはまだバイクが多いですが、毎年ツーリングシーズンが来るたびに「旅バイクが減った。」と思います。
でもだいぶ減ったよね。
もはやバイク業界の衰退は明らかですがどうにか止められないんですかね。
少子化を止める手立てがない高齢化社会の日本ではどうやっても、
「絶対的な元気と勢いが必要な乗り物であるバイクが流行ることはない。」
のかもしれませんな。
業界がどうなろうが周りがどうなろがうがワタクシは自分の道を進むつもりではありますが、
盛り上がる要素がこれだけ少ないのでバイクもスキーのように衰退してシニア向けの趣味になってしまうのかもしれません。
そうなるのはさみしいですが、コレも時代の流れなんですよねえ・・。
ちなみに・・
ワタクシたちの世代はバブル景気も見たし、その後の不景気な時代も見たし、現代のインフレ状態も見ています。
というのをリアルに体験しました。
いずれの要因でも遊びに使うお金は相対的に減るのです。
特にバイクはお金がかかる 割にモテない 趣味なので業界の衰退速度はすごく速いのです。
※もちろん他のお金がかかる遊び、スキーや自転車等の関連業界も同じです。
歴史を顧みると、庶民の遊び文化というのは豊かで平和な時代にしか育たないことがわかっています。
貧乏だと文化どころじゃないんですよ。
今のご時世ではバイク文化を再興させるのは難しいかもしれません。
我々中高年が将来のバイク文化のためになにかできたらいいんですがね。
現時点でバイクに乗ってるような連中の多くは個人主義で政治力も意志も団結力もないから無理ですかねえ。
※だからバイク乗りなんですがね。
悲しいけれどバイク乗りの世代交代は多分ないまま、静かに右肩下がりで萎んでいく・・というのがリアルなバイク業界の現実なのですよ。
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