
ガソリンコックをONの状態ではタンクの上の方のガソリンを使い、
ガソリンコックをRES(リザーブ)に切り替えることでタンクの底の方のガソリンを使えるようにするだけです。
旧車と呼ばれるバイクは全部これです。
今回はいわゆる旧車(キャブ車に限る)のガソリンコックについて解説してみようと思います。
当記事の目次
バイクのガソリンタンクは単純な構造

ちゃんとバイクの車体に安定して搭載出来れば。
するのがガソリンタンクの役割です。
なので、
ガソリンタンク自体には「液体をためてこぼさないでおく機能」くらいしかありません。
※ガソリンキャップ付近で、吸気(醤油さしのアレと同じ)機能があるっちゃありますが。
エンジンのテストの場合
ガソリンタンクなんてのはただの器なので、別に車体に固定されてなくてもいいのです。
ガソリンが供給できれば、別にタンクの形状をしてなくても全然問題ありません。
※そのまま人間が乗って走れるかどうかは別として。
でっかい点滴みたいなのガソリンフィラーなどを使ってキャブにガソリンを供給する場合もあります。
※でっかい耐油スポイトでもできないことは無い。

自分でキャブ調整する人はみんな持ってるねえ。
※走行風がなく放熱しないので空冷は短時間勝負ですし。
ガソリンコックをガソリンタンクと組み合わせることで、
ガソリンタンクからのガソリンを輩出状態を切替えることが出来るのでちょっとだけ機能的です。
ガソリンコックの役割
ガソリン国の役割は
が主な役割です。
ツーリングに非常に便利なので一般に「予備タンク」と呼ばれる【RES機能】が付くようになりました。
これは、
「ガソリンをタンクのどの位置からコックにガソリンを流すか」
を切り替えるだけの装置です。
※意外にみんな知りませんが、別に独立した「予備タンク」は存在しないのですよ。

Z1-Rの純正コック。コックに直接空いてる穴が「RES」時の穴。
ほんとはこの穴にゴミ除けの網がかかった樹脂が付いています。
※大抵、この樹脂パーツは破けています。
ちなみに・・
バイクを停止している際にはガソリンコックはガソリンが供給されない位置で保持しておくのが基本です。
キャブ側で落下してくるガソリンを押しとどめるのは結構負荷が高いらしいんですよ。
※基本的にはちょっとしたウキの上下の動きだけでガソリンが流れ込むのを押しとどめています。
当倶楽部では、
30分以上休憩する際は絶対にガソリンコックを切り替えてガソリンをキャブに必要以上に供給しないようにしています。
特に、
強制開閉式のキャブを装備したバイクでは絶対やったほうがいいですよ。
※2stは全部、古いバイクも全部、レーシングキャブ装備なら絶対です。
キャブとガソリンコックのトラブルで
「山の中でガソリン駄々洩れ」
に合ってごらんなさい。トラウマになりますよ。

Z750D1。天気も良く比較的すいてたので気分良く流せたんですが。
思わず「Noooo!」と叫ぶ。
この手のトラブルはカラクリは単純なんですが、直すのが非常に面倒です。
※いろいろ外すもんがあっていちいち細かい。4気筒なんかは出先でトラブルのはちょっと勘弁してほしいです。
ガソリンコックは二種類ある

これはキャブの形式で使い分けられることが多いです。
です。
見分け方は、
ということです。
自分のバイクのガソリンコックの形式くらいは知っておきましょう。
きっと何かの役に立つはず・・たたないかな・・
自由落下式ガソリンコック

※あんまり古いバイクは[RES]がないものもあります。
非常にわかりやすく
と見たまんま、イメージ通りの動きをします。
ガソリンコックがヘタる?
ガソリンコックも消耗します。
大ごとになってなければ「Oリング」を交換することで延命することは可能です。
ただし、
コックの内部が摩耗すると、Oリングでは埋まり切らないすき間が出来ることがあります。
こうなると、
[OFF]にしてもガソリンが止まらないということになります。
キャブのフロートバルブだけでガソリンを止めることになり、ガソリンコックがダメになるとキャブ自体が痛むという連鎖を起こします。
※ガソリンがキャブの容量を超えて供給されるのでキャブからガソリンがあふれ出るオーバーフローになります。

フロートバルブ。こんな小さいパーツでも不具合で走行不能になる。
パーツ交換しても相性もあるので単純にはいかないのが厄介です。
ちなみに・・
リプレイス物のガソリンコックは[OFF]の位置が逆なこともあるので注意が必要です。
※Z750D1に採用したリプレイス物の自由落下式コックは[OFF]の位置が純正と逆で慣れるまでちょっと時間がかかりました。

Z750D1。このコックが「RES」の位置が逆でさ。
元々ついてたコックは内部がすり減ってたのでオブジェとして玄関に飾ってあります。
それでも、
リプレイスコックが存在するだけでありがたいのですよ。

Z1からZ750Dまでは排出口が2本、Z1-Rは排出口が1本。
1本出しのリプレイスコックが欲しいです。
ピンゲルとか高価なのはいらないので。
レア車とかそういう部品一つとっても入手不可だったりするのでオーナーさんは楽しそう大変そうです。
※部品を探すのが楽しくなってきたら、間違いなく首まで沼に浸かっています。
負圧式ガソリンコック

4stバイクは80年代以降一気に負圧式キャブに変わっていきました。
それに伴って、負圧式コックも増えていきます。
ちょっとわかりずらいのですが、
となります。
※[ON]時は上の方から、[RES]時は下の方からの供給コントロールです。
負圧式コックが[ON]、[RES]の位置では、
エンジンが起動して吸気することで発生するキャブ側の負圧をコック内の幕(ダイアフラム)で開閉を制御しています。
つまり、
負圧式コックが[ON]、[RES]の位置ではエンジンがかからない限り、ガソリンはキャブに供給されません。
ということは、
[OFF]はないのですが[ON][RES]にしっぱなしで問題ないということです。
※こういう気安さが負圧式キャブの採用が一気に加速した背景です。負圧キャブはセッティングが楽だし。
[PRI]とはなんだ?
プレ、じゃありませんよ。
プリテンダーの略でもありませんが、素人をそう言って騙すのは面白いのでやってみるといいです。
Primary(プライマリー)の略です。
直訳すると、「基本的な」「初歩的な」「最初の」「予備的な」「準備的な」となっています。
どれもしっくりこないのですが「予備的な」「準備的な」という意味が適当ですかね。
[PRI]モードは、
に使います。
ちなみに・・
当倶楽部のZ系バイクは負圧式キャブと自由落下式コックを組み合わせて使っています。
一応、10年以上この組み合わせで運用しています。
性能的には全く問題ありません。
負圧式キャブで負圧コック以外でガソリン供給を止めているので、キャブ側の負担は大きいと想像できます。
※CVKキャブはフロートバルブがオーバーフローしがち。
なので、
負圧式CVKキャブの負担を少しでも軽減すべく、
として運用しています。
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バイクはリザーブでどれくらい走れる?

リザーブ容量(大体ザックリですが)はカタログ値にやスペックの表記時にあったりなかったり。
表記は結構いい加減だし、あんまり重要視されてないので自分で実測するのが確実です。
公示のガソリンタンク容量って割と適当です。
1l単位で違ってることはないにせよ、数百ml単位で違ってることは割とあります。
完全にタンクを空にして給油してみればいいんですが。
当然、リザーブ容量も正確ではありません。
ガソリンタンク容量は適当
もう20年以上前ですがみんなで伊豆にツーリングに行った際、
ワタクシの先輩のVF750Fだったと思うんですが・・
タンク量量が22lのバイクで[RES]まで使い切るようガス欠寸前まで走り回りました。
その際、
給油量が22lを少し超えて「スタンドのガソリンメーターがおかしい!」と大騒ぎしてたのを覚えています。
※まあ落ち着け。
普段、ガソリンタンクが満タンで13lしか入らないZ1-Rに乗ってると
「ガソリンが20l以上入るだけで羨ましい。」
のですよ。
※強がりとして「一回に給油するガソリン代が安いぜ!」くらいしかいうことがない。でもデカイタンクになんかするもんか。

Z1-R。普通にキャンプツーリングしています。
田舎の休日はガソリンスタンドが持ち回りで営業したりするので常に余裕をもって給油しています。
ガソリンタンクのガソリンを使い切るような走り方はしない方がいいです。
というより、
バイクのガソリンは超余裕をもって給油した方がいいですよ。
普段はリザーブなんか使わない位の気持ちでツーリングすることをおススメします。
仕方なく、ガソリンコックをリザーブに切り替えたらエコランを心がけた方が身のためです。
リザーブに入ってもガンガンアクセル開けるのはただのアホか、
ガス欠したバイクを押したことがない経験の浅いライダーですね。
※バイクって押すととんでもなく重たいですよ。
リザーブ容量の確認
自分のバイクで[ON]状態で走り続けてガス欠症状になったら給油して満タンにします。
給油量とタンク容量から逆算することでリザーブタンクの容量を推測します。
とはいえ、
そんなに都合よくガソリンスタンドがあるわけもなく「大体概算でこれくらい?」と思ってるしかありませんね。
ツーリングの際は予備タンクをあてにせず、
「大体○○キロ走ったら給油を考える」
としておいた方が無難ですよ。
等は田舎のガソリンスタンドは休みがちです(笑)
※田舎でキャンプの際は落ち着く前にガソリン満タンにして置くことをおススメします。
ちなみに・・
参考までに、ですが当倶楽部のZ1-RとZ750D1では180kmを超えたら給油するようにしています。
DT200WRとKDX125SRでは、120km走ったら給油。
セロー225Wでは150km走ったら給油するくらいの目安です。
ツーリングの際は実際の計算上の航続距離の8割程度、余裕もちもちで給油するのが基本です。
ギリギリまでガソリンを入れたがらない人がたまにいますが「ソロツーリングで日が暮れて田舎道でガソリンがなくなっていく心細さ」を知らんのでそういうことを言うのです。
あ、そうそう。
KTM125EXCでは裏山の林道アタックおよびコース専用としています。満タンで80kmしか走れないのでツーリングが辛いのですよ。
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バイクのガソリンメーターは結構適当

バイクのガソリンメーターは「まだガソリンが入ってるかどうか」だけわかればいいと割り切りましょう。
古いバイクのガソリンメーターは、タンクの中にウキが入っています。
このウキがガソリン残量で上下することで抵抗値が変わり、メーターに表示しています。
※通電して可変抵抗値を計ってるだけです。

これがZ1-Rの燃料計のウキ付き可変抵抗
表示する値は結構いい加減です。
車のように真四角なタンクであれば残量も割と正確なんでしょうけどねえ・・
バイクのタンク形状って、
をしています。
なので、
ウキごときでガソリン残量を計れる代物ではありませんよ(笑)
ちなみに・・
比較的真四角に近いと思われるZ1-Rのタンクでさえ・・
「ずーっと満タンが続き、一気に減り始める」
という動きをします。
80kmくらいまで満タンを指してるし、160kmくらいでも3/4くらいを指しています。
半分を切ると、あれよあれよという間にメーターが下がっていきますので心臓に悪いです。
180kmくらいでも半分くらいを指しています。

Z1-R。160km走った後のフューエルメーターの位置に注目!
計算上は満タンで260km走るはずですがギリギリまで使うなんて怖くてできませんよ。
というわけで、
バイクのガソリンメーターは均等に減っていくわけではありません。
旧車のガソリンメーターは動き始めたら比較的早めに動く、と覚えておきましょう。
今どきのバイクはセンサーとかで、さぞ正確にガソリン残量を表示してくれるのでしょうねえ。
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まとめ

知らなくてもいいけど、自分のバイクのメカニズムを知っておくと一層愛着がわきますよ。
旧車はどこをどう切り取っても「アナログ」ですね。
それがまたいいんですが。
既に消えつつある「キャブの文化」は大事にしたいですよねえ。
※キャブセッティングできるバイク屋さんが減ってるって聞いたけどホント?

Z750D1。純正品はオフにしてもガソリンが止まらなくなってた。
旧車乗りはガソリンコックの交換も考えておいた方がいいよ。
ガソリン漏れてると引火して爆発するよ。
というわけで、
多分日本に5人くらいは古いバイクのガソリンコックで悩んでいる人がいる。
・・ハズ。
・・だと思うので記事にしてみました。
言っておきますが、
ガソリンコックは消耗品です♪
いずれも自由落下式ガソリンコックですが25年以上乗ってるZ1-Rで二回、Z750D1で1回、DT200WRで1回ガソリンコックは内部摩耗が酷かったので新品に交換しています。
※すでに純正品は欠品です。ガソリンコックなんて全社共通のユニバーサル企画にならんもんかね?
負圧式のガソリンコックもゴム製のダイアフラムは傷むはずですよ。

こういう細かいところがきちんとしてないと怖くて出かける気ならない。
今どきのバイクはインジェクションなので車のように燃料ポンプでガソリンを圧送してるからコックなんてないのかしら?
自由落下式のガソリンコックなんて、重力のない宇宙空間では使えないのですよ。
モビルスーツを宇宙仕様に変更する際は負圧コック式か燃料ポンプ式に改造するのかもしれません。
その前に、自由落下式コックがついてるモビルスーツには乗りたくないですが。
ガンタンクは自由落下式ガソリンコック使ってても許す。
※「そもそもモビルスーツの動力はなんだ?」という疑問はいつの世もごまかされるのです。