その最初の壁になるのが「手が入らん。」という物理的な問題だったりもします。
特に負圧キャブはキャブを下ろさないと見えないパイロットスクリューの調整という問題が最初に立ちはだかります。
それを簡単にできる【パイロットスクリュードライバー】という専用工具があるのです。
当記事の目次
基本的に負圧キャブはセッティングが適当でラクチンなキャブ
旧車乗りには、こういうオーナーがごまんといます。
※当ブログには負圧キャブの問い合わせが超多いです。
80年代からキャブのアイクの時代が終わるまで長らく各社のバイクに純正採用されてきた負圧式キャブです。
セッティングが簡単できちんとメンテすればいいキャブです。
ただし、
荒く使われたものが多く、既にまともな中古品のキャブもなかなか出回らなくなりつつあります。
KAWASAKIにもSUZUKIにもYAMAHAにも使われています。
※HONDAは嫌いだから知らない。
それでも今なお中古のキャブを入手して自分でオーバーホールしてまで使おうという人も後を絶ちません。
※それでこそ、旧車乗りです。何でも自分でやってみるのが一番いい。
20年にわたって予備パーツをストックしてるのだ。
構造の理解と部品取りとしても利用できるし。
それほど「適当なセッティングでもなんとか動いちゃうくらい適当。」なのが負圧式キャブです。
※それでもドンズバのセッティングに行きつくまでは「適当で。」とか言ってられませんよ。
とりあえず、
他車のキャブを流用した場合、最初にできることは
の三点です。
この三点でアイドリングを完璧に安定させることが他車の負圧キャブの流用の基本です。
同調についてはそのうち記事にします。
※バキュームゲージ出すの面倒くさい。
ちなみに・・
当倶楽部ではゼファー用のCVKキャブをZ1系バイクに流用するにあたり、多種多様なセッティングを試して現在に至っています。
古いバイクは個体差があるので、当倶楽部のセッティングがそのまま応用できると思ってはいけません。
試行錯誤と同調、勘と経験で他車の部品流用は成り立つのです。
※ものすごい時間をかけました。
当倶楽部のセッティングを公開してもいいのですが・・
調子が出ないと文句言われたことがあるので、各々試行錯誤してください。
※Z1-RとZ750D1ではそれほどセッティングは違いはないです。
こんな記事もあります▼
負圧キャブのパイロットスクリューはキャブの下側にある
強制開閉キャブなどのエアスクリューが空気量を調整するのに対し、パイロットスクリューはガソリンの吐出量のコントロールをしています。
※穴とニードルの先端の関係から、緩めりゃ緩めるほど濃くなるわけではないのです。
奥まったところのマイナスネジがパイロットスクリュー。
したがって、
他車のキャブを流用、中古品をオーバーホールして最低限のセッティングする際には絶対にパイロットスクリューの調整は欠かせません。
ただし、
負圧式キャブのパイロットスクリューはキャブの真下についてるんですよ。
しかも、
4連キャブなら4個別々に。
回しずらいパイロットスクリュー
※負圧キャブはダイレクトではないとか言いますが、そんなのわかるのは職業レーサーくらいです。
一般のどの車種でもパイロットスクリューの調整というと
※試走して意図しない結果なら再度これを繰り返す
これが結構負担なのですよ。
まともなドライバーは入らない
長いドライバーはこの隙間に物理的に入りません。
スタッビドライバーという柄のほとんどないドライバーを使えば出来ないことはないです。
小さくて良く無くすのでZ750D1の小物入れに入れて無くさない様にしています。
かたくなにコレで調整してた時期もあるのです。
当倶楽部では、カスタマイズしたスタッビドライバーを使っていました。
※一か所の側面を白くペイントしたもので、何回転させたかすぐわかる優れものだ。
ただし、
凄く使いづらいし、やはり手は熱いし、インシュレーターバンドなどで怪我をしがちです。
手袋ハメてやると細かい感覚がわからないので、何回転戻したかわからなくなるし。
手袋の防御外(手首とか)が当たって火傷することも多々あるのです。
ただし、
セロー225Wのキャブセッティングでマフラーで火傷したので専用工具を買うことにしました。
※セロー225シリーズは右側はマフラー、左側はブローバイガスパイプでキャブが防御されているのだ。
こんな記事もあります▼
専用の工具【パイロットスクリュードライバー】
4気筒車で負圧式4連キャブ搭載バイク乗りなら欲しいアイテムですな。
※もっと早く買えばよかった。
とはいえ、
【パイロットスクリュードライバー】選びには色々迷走しまくったのです。
※当然散財もしました・・。(´;ω;`)
ワイヤ式
はっきり言って安い。
※安いパイロットスクリュードライバは全部これです。
と言う単純な構造です。
ネックの角度が90度でないものは大体ワイヤ式。
結論から言うと「ゴミ。」です。
※当ブログのイベントの商品(嫌がらせ)として放出したいくらい。
ワイヤ部が微妙な回転を吸収しちゃうので実際回りません(笑)
しかも、
ワイヤと言う特性上、90度に曲げられませんので角度が緩い。
ネジにちゃんと当たってるかどうかすら感覚でわからないのが致命的。
商品としてちゃんと機能しないのは最悪。
さらに、
柄の部分を引っ張ると、先端部のマイナスビットが引っ込む。
※マジで子供だまし。
某有名輸入工具店で3000円位しましたが使う価値無です。
買ってはならんぞ、使えない。
※ワタクシがほぼ新品を7掛けで譲ってあげます。(限定一個)
YAMAHA純正
昔のYAMAHA車(SRX600)に乗ってた先輩に聞いてみたところ、YAMAHA純正のパイロットスクリュードライバをお持ちとのこと。
「有料でいいので譲って♪」
と、お願いしたらただでくれました。
※今はインジェクションのツーリングマシンに乗り換えたのでもう要らないんだってさ。
メーカーの純正工具だけあって、かなり凝った作りです。
※動かしてて楽しい。動画にしてやろうかと思うくらい。
が。
絶対的な高さがあるので、キャブの下に入りません(笑)
たくさんの細い針金上のパーツがワニワニに動くのが楽しい。
YAMAHA製と言うことでセロー225Wには使えるかと思ったのですが・・もっと入りません♪
と言うことで、
当ガレージの「使えない工具ミュージアム。」に展示されることになりました。
※ドライバビット部をグラインダでぶった切って・・と思いましたが思いとどまりました。
作りとギミックは素晴らしいです。
悲しいことに当倶楽部のバイクには全く使えませんが。
DAYTONA製
なんだかんだでバイク用品ではそこそこ名のあるメーカー「DAYTONA。」製の先端が差し替えられるギア式パイロットスクリュードライバを購入しました。
押さえ用のハンドルも付いている♪
ワタクシはDAYTONAの奴を買いましたが、amazonで見ると同じセットで半額程度で売ってる(´;ω;`)
しかも発注から2週間もかかりやがって。
何の痛痒もなく、パイロットスクリューの回転数の調整ができます
こりゃいいや。
ネジに当たってる感覚もよくわかります。
基準を示すダイヤル部に赤のペイントでマークを付けました。
コレで何回転回したかわかるので便利♪
※一応、説明書にもマークを付けると便利だよ、という記載がありました。
最初からそういうポンチマークとかつければいいんじゃね?
とりあえず、
これで負圧キャブのパイロットスクリューの微調整がラクチンになりました。
ちなみに・・
こういう専用工具は使う頻度が少ないので誰かに借りるといいよ。
専用工具は高価なくせに使用頻度が少なく応用が効かないのです。
回りで誰かが持ってればいいや、という工具はヒトに頭を下げて借りるのが得策です。
※ワタクシの様になんでも自分でやらなきゃ気が済まない人は別ですが。
ワタクシも昔は知り合いがバイトしてたガソリンスタンドの工具を借りまくっていました。
※エアコンプレッサーとか無いとタイヤ交換とか面倒くさくて。
最近、ワタクシの周りはもうすでに「キャブを分解する。」という 暇な 男気のあるバイク乗りがほぼ全滅、皆「バイク屋に持っていく派。」ばかりになりました。
※皆インジェクション車だから余計ですな。
嘆かわしい。
持ってると通っぽいですが、人から借りればいい工具の代表と言っても過言ではない。
※一番近くて茨城県在住の友人しか持ってなかったわ。
当倶楽部のZ1-Rのパイロットスクリュー調整
いとも簡単に調整が出来ます。
ただし、
当倶楽部のZ1-RもZ750D1も購入したパイロットスクリュードライバーでは2番キャブのパイロットスクリューにはアクセスできません。
小ぶりなカムチェーンテンショナーが欲しいですなぁ。
というのも、
「空冷GPz750系のオートカムチェーンテンショナーを流用したため、キャブ下にまったくスペースがない。」
のです。
本来、ここを簡単に調整したいがために専用工具迄購入したのですが。
結局、ここだけは
「スタッビドライバー。」
の出番となります。
※あんまり費用対効果があったとはいいがたい。
すんごい回しずらくて作業効率は悪いけれど、
何せ300円くらいですからね。
それでも、
メカニカルに動く90度に曲がったマイナスドライバビットの動きには心ときめくのです。
※負圧式キャブを純正採用してるバイクのオーナーなら持っておいて損はないですよ。
まとめ
【パイロットスクリュードライバー】がそれです。
有ると他車のキャブ流用などの際に大活躍するはずです。
まあ普通の人は持ってなくてもいい工具ですな。
※持ってるとかなり通っぽいけれど、優先順位は凄く低いです。
スタッビドライバーだと絶対火傷するのですよ。
80年代中盤からキャブ搭載のバイクが終わる迄、純正採用されまくったの負圧キャブです。
今、この手のバイクの中古車価格が高騰しています。
古いバイクの整備のためにいろいろ専用工具を取りそろえるのも一興かと思います。
今、絶賛価格高騰中のバイクで負圧キャブ採用のバイクは数多いですよ。
パーツがあるうちに、キャブの調整を覚えておくのも一興かと思います。
※パーツがなくなってから皆騒ぐんですよ、なんでもそうですが。
いろんなのがありますなぁ。
絶対的に、ギア駆動のヘッドが小さい奴がおススメです。
古いバイクに
基本的なメンテナンスは覚えておいて損はないです。
調子を崩すと何のかのと文句付けられて売るとき損です。
※その前にメーカー側にキャブの細かいパーツが無くなる危険性の方が高いですが。
旧車がブームですが、そういう基本的なことは自分で出来ないととんでもなく維持費がかかるようになりますよ♪
※キャブ調整ってショップ任せでやると数万円するしねえ。