
単純にウインカーとリレーを入れ替えればOK!ではないのです。
ウインカーリレーが特殊だし、オイル残量警告灯も兼ねています。
バッテリーレスなので配線が特殊ですし、マニュアルの配線図は追いずらいです。
当記事の目次
電球式のウインカーをLEDにするのが流行ってる

印象がガラッと変わるのでバイクをいじくり回す人の間では流行っていますな。
LEDの灯火類の「スパッと点いてスパッと消える。」みたいな味気ない点灯/消灯が旧車に合うかどうかは別として。
LEDの灯火類は圧倒的な省電力になるのは確かです。
※LEDが超寿命という話はイマイチ信用なりませんが。
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KDX125SRはバッテリーレスで発電力がしょぼいバイクです。
販売から30年もたってるので発電力は低下しているはずです。
もちろん、発電関連のパーツはメーカー欠品です。
こういうバイクの場合、灯火類の省電力化は魅力なのです。
※信号待ちでブレーキかけてウインカー出してるとアイドリングが下がったりするので気を遣うのはヤダ。
それに。
純正のKDX125SRのウインカーは作りが素晴らしくショボいです。
※昔のオフ車のウインカーはみんなショボいですが。

KDX125SR1号機。
1号機もフロントウインカーの位置を変更しています。
ウインカーの取付位置も適当です。
右後方のウインカー位置が致命的に悪く、マフラーの排ガスをまともに受けるので燃え残った2stオイルでべたべたになるのです。
それに。
リア側はスリムなのにフロント側のウインカーは左右に妙に張り出してるのが気に入りません。

KDX125SR二号機。
当倶楽部に戻ってきたときの2号機はこんなでした。
そんなわけで。
KDX125SR2号機のレストアに際して、
「ウインカーはLEDにしよう。」
というのは割と早いタイミングで決めていたのです。
実はこれが思ったより全然大変だったのですよ。

KDX125SR2号機。
今ではこんな感じになりました。
KDX125SRのウインカーの配線は変な作りだ

もっと単純にできなかったんだろうか。
電球式のウインカーをLED化する場合、
という3ステップで電球ウインカーのLED化は終わります。
が。
KDX125SRのウインカーは配線図を見てもよくわからないレベルで複雑な作りをしています。
※配線の色がまた独特なのよ、KDX125SR。
そのため。
上記の王道ウインカーLED化手順では全く持って対応できません。
ネット上で「KDX125SRのウインカーをLED化した。」という記事を見かけることがありますが、
全然配線の情報を提供してくれてはいません。
※本当にウインカーをLED化できたの?みたいな記事が多いです。
まあ今更「35年前のバイクのウインカーをLED化するノウハウの記事にニーズなんてない。」ので、
世間には全く必要とされていないトレンドとは全く関係ない情報なので仕方ないとはいえ。
ちなみに・・
厳しい話をします。
「KDX125SRを買おうと思うのだか?」
というお問合せをいただくことがあります。
でも、2025年に大金払ってKDX125SRなんて買うもんじゃないですよ。
そもそも少なくともKDX125SRを維持運用するにはすでに10年以上遅いです。
調子が良ければ 原付とは思えないほど 速いけれど、調子を維持するためのパーツがもうないです。
KDX125SRは作りがアレなので適当に使うと非常に壊れやすいです。
しかも。
どんな古いバイクでもそうですがマニュアルは必須です。
ワタクシには常識外と思える設計をしてたりするので、マニュアルで既定の設定を確認するのは超大事です。
とはいえ。
30年前の原付ですので完全に純正オリジナルの個体なんてほぼありません。
ネット上にはそれなりにオーナーたちの苦労話が散見できますが、最近更新されたものはほとんどありません。
維持費が安いと勘違いされる原付2種ですがパーツは欠品だらけですので維持は大変です。
※不具合があっても対応してくれるバイクショップはほぼないんじゃなかろうか。
「最速 125cc。」
みたいな検索ワードで当ブログのKDX125SRの記事にたどり着いて欲しがる人もいるようですが、
お問合せに対して老婆心ながら、
「やめておけ。」
と言う返信を書いています。
当然、部品探しや直してる間は乗れないのでコスパはよくないです。
維持費の安い125ccという選択肢からはその時点で外れます。
「苦労してでも頑張りたい。」
というM属性の人なら止めはしませんが旧車はこういうことを普通に面白がれないと辛くなりますよ。
決しておススメはしませんが、一度きりの人生ですので覚悟があるならやってみてもいいとは思いますが、
今となっては整備スキルも必要だし、万人に楽しめるバイクではありませんよ。
※当ブログのKDX125SR2号機のレストア記事を熟読するがよい。
汎用のウインカーリレーというのは2極と3極のが売られています。
大抵のバイクのウインカーリレーはこれで事足りるのですがね。

コレも値段も耐久性もピンキリです。
2極はプラスマイナス(信号線)のみ、3極はプラスとアースと信号線、というのが一般的。
※古いバイクは2極が多いですが、2極から3極にするのは簡単です。
が。
KDX125SRのウインカーリレーは3極ではあるのですが、
「ウインカーに行く信号線が二本出てる。」
んですよ。
こんなウインカーリレーは見たことないので、
多分、ウインカーリレーはKDX125SRの専用設計と思われます。
※メーカーにパーツがない旧車はこういうパーツを探すのがすげえ大変なのよ。
ですが。
純正ウインカーリレーのまま電球からLEDに変えると、
明滅が速くなるハイフラッシャーになってしまうのでLED対応ウインカーリレーに変更するしかありません。
※道路交通法違反です。
なので。
とりあえず市販のLED対応ウインカーリレーを用意して、信号線を二股に分岐させることで対応します。
※KDX125SRってこんなのばっかりです。

KDX125SR2号機のウインカーリレー。
青い線をこの先で分岐加工しています。
ただし。
ウインカーを出さなくてもウインカーのインジケータが常時明滅してしまいます。
これは、ウインカーのインジケーターがオイル残量警告灯を兼ねているからですな。
ウインカーのインジケータがオイル残量警告灯も兼ねてる

このため、面倒くさい配線になっているのですよ。
わざわざウインカーリレーを経由してオイル残量警告灯に電気を供給しています。
スペースの問題かコストの問題かは知りませんが、
KDX125SRはウインカーインジケータとオイル残量警告灯を兼ねています。
バッテリーレスの原チャリのくせにこういうところだけ凝っています。

ノーマルのKDX125SRのメーターは武骨すぎです。
インジケータがワイヤで見えないのが純正(笑)。
しかも。
ウインカーリレーを経由してオイル残量センサーに電力を供給しているのです。
なんでやねん。
ウインカー稼働のイメージは、
という仕様っぽい。
KDX125SRの配線図はスゲえわかりにくいのですよ。
※ゆえにワタクシの私見というか思い込みが入ってるため、間違ってるかもしれません。
その途中でオイル残量センサーに電力を常時供給してて、
オイル量が減ると導通してウインカーと同じインジケーターが点灯する、という作りっぽい。
重ね重ね書きますが配線図が面倒くさすぎるため、ワタクシの私見が入っています。
※なのでまちがってるかもしれません。
注意
KDX125SRはバッテリーレスなので軽量でいいのですが、電気的な確認事項はエンジンをキックで始動せにゃなりません。
始動は簡単なのですがアイドリングが安定するまでの間は右手はスロットルに添えて、回転をキープしなければなりません。
これがとにかく面倒くさいのです。
で、だ。
いろいろ考えた結果、試行錯誤してみた上で、
「ウインカーのインジケータとオイル残量警告灯は別々の配線として独立させる。」
ことにしました。
このほうがスッキリしますし、あとでメンテするときも楽そうです。
※こういうことすると売る時の査定はゼロですがね。
この件、途中経過でさんざん迷走したのです。
まず、汎用LED用ウインカーリレーの信号線を分岐して左右のウインカーラインイン割り込ませました。
※市販のウインカーリレーなら2極でも3極でも多分同じようにできるはず。
この時点で汎用LED用ウインカーリレーを使ってウインカーはちゃんと明滅しました。
が。
「オイルが減ってるわけでもないし、ウインカーを出しても切ってもインジケータが明滅しちゃう。」
のですよ。
仕方ないのでいろいろ配線を加工したら
「今度は何をやってもインジケータが明滅しない。」
とかそんな感じでウインカーとインジケーターの関係で予期せぬ現象が多発しました(笑)
それを解析するために配線図を見るのですが、マニュアルの配線図がまたえらくわかりづらいのよ、KDX125SR。
※プラス線やマイナス線の色がまちまちで追いづらい。よほど蛍光ペンで配線をなぞってやろうかと思いましたわ。
で。
この際、2stオイルの警告灯機能を殺してしまうのも考えたのですが、
「元からある機能をわざわざ殺すのはもったいない。」
ということになりました。
全く使わない機能なら迷わず殺しますが、
オイルタンクに刺さってる2stオイル残量センサーがもったいないし、
2stとしてはオイル残量は常に気にしておきたいのです。
オイル警告灯は生かしたい
2stオイルがなくなると2stエンジンは焼き付きます。
なので2stオイルの残量警告は2stにとっては命綱です。
実際、DT200WRで林道走行中に2stオイルタンクにクラックが入り、
2stオイルが駄々洩れで残量警告灯が点きっぱなしになったことがあります。
危うくエンジンが焼き付くところでした。
この時は極力オイルポンプを動かさないようにアクセルワークを使い、
這う這うの体で林道のふもとのホームセンターにたどり着いて事なきを得ました。
ツーリングの途中でオイルタンクが割れてオイルが漏れてなくなることもあるのです。
※走行中はオイルの異常な減り方にまず気が付きませんし。
ゆえに。
ワタクシは2stオイル残量警告灯の機能は生かしたいのです。
ちなみに・・
現時点で2stオイル残量警告灯の配線が手つかずです。
手順的には、
でいいハズです。
この配線だと残量警告はウインカーのように明滅するはずです。
ずっと点灯させたければ、
常時点灯のライトやメーターランプの配線からプラスを分岐させて、
2stオイル残量警告灯のセンサーにつないで、
インジケータに引き込めばいいだけ、だと思っています。
※多分ね。
スマートにやるなら純正の配線を上手く使うのがいいのかもしれませんが、
面倒くさいのでオリジナルの配線を作っちゃおうと思っています。
この作業はその2でそのうち書きます。
純正配線を応用するのは止めだ

ウインカーのインジケータも2stオイル残量警告灯も、です。
KDX125SRのウインカー周りの配線はわけわかんないのです。
配線図を追っても非常にわかりづらい。
※KDX125SRにはバッテリーがないので起点を見つけずらいし。
とりあえず。
いつものように 現物から何とかします。
ライト裏にある緑と黄のカプラーがウインカーの配線です。
※大きめのゴムのカバーがかかっています。
LEDウインカーの配線には純正配線のカプラーを流用しました。
※要するに純正のウインカーのハーネスをぶった切って、カプラーだけを取り出し、LEDウインカーの配線につけただけです。
注意点はプラスとマイナスを間違えないことくらいです。
※LEDは極性を間違えると点灯しないし最悪壊れます。
このカプラーに行くプラス配線を分岐させ、
新たに購入したウインカーのLEDインジケーターランプのプラスと接続します。
LEDインジケーターランプのマイナスはボディアースします。
ウインカーに電力が供給されれば、インジケータにも電力が供給される、という単純な回路です。
これを左右のウインカーでやるので 高級車のように 左右独立したウインカーのインジケーターランプになるという寸法です。
インジケータランプは→マークのLEDを選びました。
※出来ればオレンジ色が良かったけど届いたのは緑色でした・・。

いろんなインジケータ用のLEDが上記リンクから検索できます。
ちなみに・・
実は増設するLEDのウインカーインジケータランプをどこに設置するか、でさんざん悩んだのです。
乗車体制をとるとウインカー点灯時はフロントのウインカー自体が明滅するのが見えるので、
インジケーターは要らないかな、という考え方もあったのですが 古いベスパじゃねえんだし やっぱりつけたいのです。
とはいえ。
KDX125SR2号機のメーター周りは散々いじくり回してあるとはいえ、
のです。
ですが。
結局、どうやってもステーなしでつけられるとは思えなかったので、
簡易的なウインカーインジケーターステーをアルミ板を削って作成しました。
ステー自体に強度なんて全然なくていいので当ガレージに大量に転がってるうっすいアルミ板を採用です。
※ものすごく不自然な仕上がりなので今後進化するかもしれません。
ハーネスはスパイラルチューブで保護してタイラップで固定したので、
ハーネスと接触&断線は問題なしということでステーはアルミ切りっぱなしのままです。
※縁ゴムを入れよかと思ったのですが野暮ったくなったのでオミット。

KDX125SR2号機のウインカーインジケータ。
ライトカウルの内側にセットしてみました。
超不自然です(笑)
実はインジケーターの取付位置は数回試作したのです。
位置によっては、
「 純正と同じように 覗き込まないとインジケーターが見えない。」
みたいなことがあって見にくかったので、
結局ライトカウルの強度が高そうなリブの近くに4mmの穴をあけてボルトで固定しました。
すんごく不自然とはいえ これなら白バイに捕縛されても怒られないってもんです。
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KDX125SRのLEDウインカーのまとめ

インジケーターもちゃんと機能してます。
気軽な気持ちで始めたKDX125SRのLEDウインカー化でしたが結構大変でした。
こんなのやるもんじゃありませんな。
※あまりに面倒くさいので作業途中で電球式に戻そうかと何度も思いました。
それに。
バイク用のLEDウインカーって晴天時や霧の中だとイマイチ対向車からは見えずらいんだよね。
純正以外の後付け市販品は特に。
※KDX125SR2号機でも最初に買ったLEDのウインカーはあまりにも見えずかったので買い替えています

KDX125SR2号機のウインカー。
やはりウインカーはそれなりの物理的な大きさは必要ですね。

車検対応はともかく、天候に影響されずに相手からはっきり見えることが重要です。
※実は電球式の純正ウインカーは非視認性が超優秀です。
とはいえ。
古いバイクの電装をLED化すると一気に印象が変わるのは確かです。

KDX125SR2号機のテール回り。
もはや「びっくりバイク。」の域に達していますな。
ただし。
電気系を素人が適当にいじるとリセールバリューがめちゃめちゃ下がります。
この辺りは個人の趣味趣向があるので強くは言いませんが、
素人が電装をいじったバイクは中古市場では値段が付きにくいです。
買取や下取りの査定で悲しい思いをします。
たとえブランド物の高級メーターを装着したとしても、です。
※素人が余計な事スンナ、ってことです。
そんなわけで古いバイクの灯火類LED化は決しておススメはしません。
古いバイクは古いままが一番いいのです。
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旧車にLEDは似合わないのは100も承知です。
ですが。
当倶楽部ではKDX125SR2号機はあくまでも実験機という立ち位置です。
最悪、1号機の部品取りにするので ワタクシがやりたいことは何でもやってみる、という扱いです。
ワタクシがやってみたいし どうせ売れないので 興味があるので自己満足でいろいろやってみてるだけなのです。
※今更こんなノウハウ必要としてる人なんていないしね。
ちなみに・・
当倶楽部には旧車かありませんが最近よく言われている「現在の旧車を次世代に引き渡す。」とかいう高尚な思いはそれほどありません。
そもそもワタクシが諦めるころは旧車に興味がある人は今より減ってるハズなので売ることもできないでしょう。
売ったとしても今でさえ部品はないのです。
買ったとしても、
維持するのが大変なだけでまともに乗ることすら難しいハズです。
※そういう車やバイクにはイベント以外では乗らなくなるのよ。
いわゆる名車であれば、豊富なリプロパーツで再生できたりすることもあるでしょうが、
KDX125SR2号機は所詮、30年以上前の原チャリの2stです。
基本的に、使い捨ての発想で作られた機体です。
それなら、
現時点でまだ何とかまともに走れるうちに思う存分ワタクシが楽しんであげなければ可哀そうだと思っています。
旧車マニアの人には、
「純正至上主義。」
「純正原理主義。」
みたいな人が多いですが 話をしてみると実は薄っぺらい知識満載の 頭でっかちで話にならないことも多いです。
普通の旧車オーナーは 大抵というかほとんどが貧乏なので 高価な純正のデッドストックパーツを買いあさる豊富な資金はありません。
多くの旧車乗りは純正かどうかよりも動くことが大事なのです。
ゆえに。
多くの旧車乗りは 貧乏ですが 非常に勤勉です。
お金はないのですが お金を払っても解決できないことも多く、
爪に火を点す様な思いで工夫や加工、流用をして細々と動態維持をしているのです。
旧車乗りの皆さんは、こういう知識に対してすごく貪欲だしノウハウも豊富です。じゃないと乗り切れないです。
※なのでマイナーな車種のオーナーほど 変態的なレベルで 変わった人が多いです。
ワタクシ的にはすごく楽しいのですが、
こういう我慢を強いられる趣味のスタイルは マニアックな人たちにはともかく 一般的には流行らないでしょうねえ。
この後の旧車趣味業界は先細りかな、と思ったりしています。