Lotus EUROPA

ロータスヨーロッパ、車体のリア周りからウォンウォンと原因不明の音が!

素人でも結構整備できるのがロータスのいいところ

素人でも結構整備できるのがロータスのいいところ

Toos

旧車乗ってると、異音に敏感になります
※あと匂いとか振動とかも、ですけど

こうなっちゃうと、名探偵の様に原因を突き詰めて、根本から直すしかありません
付け焼刃的に直すと、後々高額請求になったりするので、軽傷なうちに対処するのが無難というかセオリーです
※大事件につながるかもしれません

あーそうですわ、ロータス100物語に必ず出てくる、リアハブベアリングのトラブルさ!(泣
グリスまみれになるので、面倒くさいのさ!

という記事です

余計なお世話コメント

この記事は、ものすごくニッチなので誰にも響かないと思いますが、数万人に一人くらいは、あーそうだよね、と思っていただければいいと思って書いています
※「全部の記事がそうだ」とか言われるとちょっと涙目になるが仕方あるまい
厳しいご意見お待ちしております
よろしくお願いします

そもそもは、リア周りからウォンウォンという音が始まり

GWに友人を載せて菅平あたりを走った際に気が付いた異音

直進時は異音発生、左コーナーでは音が消える(小さくなる)
感覚的には、後方から音が聞こえる気がするけど、FRPボディの中で音が反響しまくるのでどこから音が発生しているのか全然わかりませんよ

とりあえず、今の自分の知識をフル動員して「こりゃ、ホイールハブベアリングだな」と判断する
で、リアをジャッキアップしてタイヤをゆするも、ガタが感じられず

それから、気にはしてたんだけれど、まとまった時間が取れずにひと月あまり手を付けられない状態が・・
久々に半日空いたので、チェックしてみようと思ったわけですよ
真夏は暑くて乗れないし、梅雨時期は雨で乗れないのでちょうどいいかと

言っておきますが、気が短い人は旧車とか乗れませんよ
寛大な心が必要不可欠です
※あと損得勘定(保険も車検も無駄に払うことになる)ばかり気にしてる人も多分耐えられません

ハブナットは緩んでないしガタもないが本当にベアリングか?

まず確認すべきは、リアハブナットの緩みとハブのガタ

緩みについては目視で確認
マーキングしてあるので特に緩んだ傾向はなし

このでっかいボルトを回すのにでかいレンチが必要。高い

このでっかいボルトを回すのにでかいレンチが必要。高い

ジャッキアップして、タイヤをつかんで上下左右、いろんな方向にゆすってみる
この際、少しでもコツッとかカクッとかいう手ごたえがあれば、ベアリングの摩耗で決定

左を重点的に見ましたが、念のため右側も上げてチェックしてみるものの、特に問題ないと判断

40年前の車ですので、何があってもおかしくないし何があってもそんなもんですよ、と笑えないといけません
※心では泣いていますが、ここは我慢です

リアハブのベアリングは、数多いロータスヨーロッパの盲腸の一つ

Lotusは古来より、
lot
of
trouble
usually
serious
たくさんトラブルあんよ、しかも大抵重症だよ、の意味

ヨタローめ、しばらくおとなしくしてましたが、また襲ってきましたよ、ええ

リアブレーキは手動で調整、清掃した

せっかくホイールを外したので、ブレーキは調整及び清掃してあげよう

ドラムブレーキは構造上、ブレーキダストで内部が汚れますね
※掃除しても全然効きませんが

リアのドラムブレーキ清掃後。ハブボルトを緩めた後だね

リアのドラムブレーキ清掃後。ハブボルトを緩めた後だね

このダストをエアで拭き飛ばして、ウェスで拭き掃除が基本です

この際、ブレーキシューの当たり面(一見してわかる)をすこーし紙やすりで削ってやります
※大体、ブレーキシューの全面が当たってるわけではないので、部分的に減っていますがこれを増やしてやる感じです

ヨーロッパSPは自動でリアブレーキのクリアランス(隙間)調整をしてくれるようですが、うちのはTCベースなので、ブレーキの自動調整機構はついてません

マニュアルに従い、
ドラムブレーキ内側の□型のボルト(なんでボルトにしないのか、miniのころから不思議)をホイールが回らなくなるまで軽く締め込み、2ノッチだけ緩めます
※3ノッチ緩めるとブレーキのタッチが変わるので、試してみるといいよ(ノンサーボです)

ホイール付けたままでもできないことはないですが、持ち上げてホイール外しちゃった方が楽です

左右とも同じようにブレーキ調整して再度ホイールを組み付け、
試走してみることにしました
※ブレーキの当たり具合で異音が出てる可能性もわずかだけどあるので

試走の結果がこれだ

ウォンウォンは消えず、時たまバキッと音がする&キューーーという音がたまにする
※余計壊した気がする

試走してみた結果、典型的な素人の弄り壊しのパターンに・・

近所の峠での試走テストは早急に中止して、ゆっくり惰性で下る
その間も、バキッとかキューーとか言ってる

クラッチ切っても音が変わらないので足回りと断定
時たま原因不明のバキッ!という音がするたびに寿命が1日縮まる恐怖新聞並みの思いですわ

キューという音はおそらくブレーキの当たりが変わって共鳴してる感じ
※でもこんなに音出るのか?今まで経験ないぞ

幸いにもブレーキはかっちり効くし、タッチも変化はない
miniでの経験上ブレーキ踏んだら、音が収まるかと思ったけれど全然変化なし

とにかく、今までない音なのでやったことを全部元に戻しつつ原因究明しようとなったわけです
※この時点で、14時過ぎ

リアハブ周りの分解

リアハブベアリング周りの分解チェックを腹を決めて実施

手間もかかるし面倒くさいけど、主治医のところまでは数百キロの距離がある
現状で自走での持ち込みは命がけ、というか無謀すぎますわ
※事故るといろんな人に迷惑かかるしね

ローダーに乗っけて移動、も考えましたが結構お金かかる
加入している任意保険はローダーサービスがあるので、最悪これを使うというまさに保険はある
※旧車に乗る人は絶対ロードサービス付の保険に入った方がいいよ

ベアリング交換自体は、そんなに難しい作業じゃないので、あとは工具とか場所とか時間とかの問題
※絶対、グリスでドロドロになるのでウェスとクリーナーは大量に用意しよう!ぼろい靴下とか最適!(書いてて貧乏くさくていやになる

ロータスヨーロッパって、リア周りのウマ(ジャッキスタンド)かけるところが非常に微妙で、安定しないのよ
なので、ジャッキアップは最短時間で済ませたい

ミッションとエンジンのつなぎ目あたりの付け根に木片(大)を咬ませたうえ、
油圧ジャッキであげて、
サブフレームにウマをかける
んですけど、サブフレームにリブがあって、上手くウマがかからない
※なんか上手いこと言った気がするが、ふざけている場合ではない

リアサスを外さなければ、アーム部分にジャッキ掛けて一時的に上げることは一応可能なんだけれど、リアサスとハブ、トーションバーが共締めなので、この方法は使えず

結局リアサスも外す

邪魔くさいので、リアサス自体を車体から外した

上手くやれば、車体にリアサスを残したまま作業ができると踏んでいたんだけれど、やっぱり邪魔なので、外しちゃいました

手がグリスだらけで写真撮る気にもならん

手がグリスだらけで写真撮る気にもならん

車体側にがっちり固定されてて動きが鈍かったので、この際自由に動けるようにするつもり

バイクのリアサス(特に二本サス)も、がっちりフレームやスイングアームに固定された車体をよく見ますが、車体が沈んだ時にリアサスは微妙に角度が付くので、これを邪魔しないように組んであげるのがコツです

AVOのだいぶ使い込まれたサスがついていますが、きちんとダンピング機能も生きている(外さなきゃチェックもしなかった)ので、見た目は汚くともこれで良しとしています

ハブ周りの分解にはベアリングプーラー系の特殊工具が必須

バイクの腰下ばらすのには必須の工具なので一応全部あったのでラッキー

ベアリング系は特殊工具がないと話になりません
ハブ本体から、ドライブシャフトを抜くのに特殊工具が必要です

ベアリングプーラーという専用の工具があります
※こんなの、全員持ってる必要なし。誰かが持ってれば使いまわせばいいんですよ

色々工夫すればベアリングは外れるかもしれませんが、特殊工具があった方が

  • 絶対に楽
  • 速い
  • 綺麗
  • とメリットばかりです
    ※工具は残るのでほかにも流用が効きまくりです

    とにかく圧入されたベアリングは外れない・・はずがハブの内側のベアリング(小径)は、すんなり抜けちゃいました
    これが異音とかの原因だといいなぁ・・

    ちなみに・・
    日本語のマニュアルシャシ編では、ハブを熱湯につけて膨張させた後に引きぬくのがいいよ、と書いてあるのだった

    外したベアリングは内側外側とも特に大きな破損はなく、動きが若干渋いとはいえ、変な手ごたえはないんですよ
    参った
    ココで壊れていてくれると原因がはっきりしてよいのですが。

    分解しつつ、バキッという音の原因を模索しますが・・激しく音がしたとも思えないくらい、どこも壊れてはいません
    ※あのうるさい車内でもはっきり聞こえるくらいだから相当何かにダメージ受けてるはず・・なんだけどなぁ

    とりあえず、左側には問題ないように思えるけど、ベアリングは全部交換することにします

    ロータスヨーロッパのハブベアリングは型式によって数種類ある

    SP、TC、S2で少なくとも3種類の組み合わせがあるようだ
    ※今回初めて知りました

    ここまでばらすのに1時間くらい

    ここまでばらすのに1時間くらい

    ベアリングに関しては、パーツリストと現物をにらめっこしながら手配するしかないと思うけど、なにせ何が組まれているのかわからない
    ※長い歴史の中、以前に所有していた複数のオーナーが、どこをどう変えているかわからないのが旧車だし、英国車は各々の流用が可能なので、結構ごちゃまぜで組んである可能性が高い

    ちなみに・・
    日本語のマニュアルシャシ編には型式ごとにベアリングが違うよ、という記載は一切ないのだった

    ベアリング周りパーツの発注

    最近、知り合ったminiの専門店(全日本のラリーにも出ている有名な人)の社長さんに相談してみた
    ※主治医のところに相談してもよかったんだけれど、何かの縁っぽいので。

    現役でラリーを戦うminiに感動したのだ

    現役でラリーを戦うminiに感動したのだ

    外したベアリングとか、スペーサーとかシールとかカラーとかを全部ノギスで実測
    これについて、サイズを明記したうえで画像付けて見積もり依頼中

  • ベアリング 外側(画像左上
  • 外径 約62mm
    内径 約30mm
    高さ 約16mm

  • ベアリング 内側(画像左下
  • 外径 55mm
    内径 30mm
    高さ 13mm

  • ハブ内スペーサ(画像右上
  • 外径 38mm
    内径 33mm
    高さ 58mm

  • ベアリングシール(変形してるかもしれません(画像中下
  • 外径 57mm
    内径 35mm
    高さ 9mm

  • リブ付きワッシャー(画像は変形してしまっています(画像中上
  • 外径 53mm
    内径 35mm
    高さ 3mm(リブ部含む

  • スプライン外側スペーサー(画像右下
  • 外径 38mm
    内径 28mm
    高さ 10mm

    このパーツの見積もりを依頼しました

    このパーツの見積もりを依頼しました

    現在、ヨーロッパはアイキャッチ画像のようにジャッキスタンドで持ち上げられた状態で保管中
    ※すまん、ヨーロッパ。でもベアリング外してみなきゃどんなベアリングが組まれているのかわかんなかったんだよ

    現在見積もり待ち

    いくらくらいするのかなぁ・・某英国車パーツ通販サイトでは、TC用セットで片側1万8千円とかだ
    ※それより高いところももちろんあるけど安いといいなぁ・・またしばらく昼飯抜きだわ・・

    ともあれ、今見積もりを作ってもらっている最中だ
    ※値段か出たら記録したい

    どうもメールのやり取りだけでイマイチはっきりしないのだが、TC用とS2用が混在して使われてる?とかいう感じらしい

    まあ、うちの個体はTCでフレームも職権打刻で国内で交換されてるし、エンジンはSPのビックバルブだしと、全然純正ではないので驚きゃしませんけどね

    ロータスヨーロッパのリアハブ周りは鬼門

    特に左後方については、オーナーさんがみんな言うように、鬼門というか塩気の多い設計

    純正というかマニュアル通りに組んでも、

  • ハブの内側に指定のスペーサー入れると、スプラインが完全に咬まないし、
  • 指定のスペーサー自体も、スプラインの段差を越えられないので削れる
  • ※これがハブボルトが緩むとか、ベアリングがすぐ逝く原因ではないかと言われている。一応サードパーティから対策品が出ているようなのでちょっと調査中

    こういう細々したパーツはなくしがち

    こういう細々したパーツはなくしがち

    作業自体は結構面倒ですが、手間かければ何とかなります
    こういう交換作業自体出来るようになっておくと工賃も浮くし、何よりどんなベアリングが使われているかわかるし、メリットは多いと思う
    やって見なきゃわからないし、今の車と違って大抵の整備は素人でもできるのが旧車のいいところです♪
    ※それなりに設備とか工具とか知識とか腕とかは必要ですが、ぼったくられることに比べりゃ安いもんです

    ベアリングは今後サイズだけわかれば、ベアリング単体で発注が可能になって安く入手できるかもしれません!
    国産ならそれが普通だけど、生意気にMade In Englandと刻印があるので、もしかすると英国の規格とか特殊パーツかも知れない
    でも、ロータスのことなので、適当な車の流用が妥当かと思う

    スペーサー入れて、車幅稼ごうとか流用の最たるもんだと思う
    かなり適当なのはいかがなものか?
    マイナーチェンジ毎にパーツが変わるのは強度不足を認識してた確信犯だな?

    なんでもロータス用とかになると同じ部品でも高価になったりするのはいただけないわ
    オイルフィルターなんか、LOTUSって書いてあるだけで10倍以上の値段するし

    まとめ

    最初は高いかもしれませんが、専門店にパーツ頼んで自分で作業をやろうと思った次第

    これも勉強だし、ノウハウ代としてなら安いもん
    ※一人で悩んで発注しても間違ったのが来たりすると無駄になっちゃうしね(パーツの通販屋さんは意外にそういうの知らないので、ノウハウがあるところに聞いちゃうのが早い)

    ウマは数セット持ってます♪

    ウマは数セット持ってます♪

    最悪、ローダーで主治医のところに持ってくわ
    ※こうならないことを願う&自分のスキルがそこまであればいいんだけれど・・

    ともあれ、ベアリング交換で異音(特にバキッ系)がなくなればいいなぁ
    試行錯誤しながらの修理調整って、時間さえあれば楽しいんだけれどなぁ

    ヨタローを一刻も早く、ジャッキスタンド(ウマ)から降ろしてあげたいわ
    つか、乗れる時期が短いので早く治したいのだよ・・

    ※組み終ったら顛末をまた記事にします

  • 関連記事:-->左ハブベアリングを交換してみたけれど・・という記事です


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    Z1-Rに乗り続けて30年
    東京から長野に移住して15年
    ロータスヨーロッパに乗り始めて10年
    そんなワタクシのリアル実体験「北信州のりもの倶楽部。」です。
    車・バイク共に旧車生活の長さや田舎への移住経験、気が付いたことを記事にしています。
     使えない&くだらない 知識量には自信があります♪

    もちょっと詳しいプロフはこちら↓
    当倶楽部のオーナーはワタクシです。

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