趣味車の中古車価格の値上がり方が半端ないです。
そんな流れでヨーロッパも値上がり中・・らしい。
※相場は少なくともワタクシが入手した数年前より100万円以上値上がりしているのは確かです。
こういった変な車がウケている人種は現在の主流に逆らうマイノリティなのかもしれません。
というわけで、
一応、現役オーナーとして知ってる限りの情報を記録しておこうと思います。
※新情報(というか思いついたり発見したり)があれば追加していきます。
仲間になろうぜぇ♪
という記事です。
当記事の目次
ロータスヨーロッパには大きく分けて4モデル存在する
※47GT(TYPE47)はレーサーなので除きます。
当記事では、47GTを除いた各シリーズについて書きます。
シリーズ後半に行くに従い、どんどん豪華に進化(一部退化)していくのがよくわかります。
だんだんと、
貧乏レーサーに売るより金持ち層に売ったほうが儲かる
とロータスカーズの総帥:アンソニー・ブルース・コーリン・チャップマンが気が付いたのですね(笑)
のちに、
ロータスを「高級スーパーカー路線」という誤った方向に導いていく最初の過渡的なモデルがロータスヨーロッパです。
※ライトウェイトでいいんだよ、ランボとかフェラーリとかと張り合わなくてよかったんだよ・・
この高級GT路線を目指す流れは、数十年続きます。
※エスプリがどんどん大きく重くハイパワーになっていく様はちょっと悲しくもありました。
エリーゼはS1がシンプルで間抜け顔でとてもLotusらしくて好きです。
※新しくなるたびに「これはロータスじゃない」感がすごい。
この流れは、エリーゼ登場まで続くことになりますが、最近はまた高級路線に戻りつつありますね・・
ロータスヨーロッパS1(TYPE46)
今の車は顔つきが怖いです。
S1(TYPE46)
とまあ、
街中で乗ること考えてないでしょ?
といった割り切りがむしろ清々しいです。
乗ったことはないですが、
主治医のところにあったので舐めるように見たことはあります。
希少価値はありますが、窓が開かない(当然エアコンなんてない)ので日本の夏は蒸し風呂状態でしょうねえ。
もしこれを入手するなら、相当な覚悟が必要ですよ。
※日本に何台あるのか・・
ロータスヨーロッパS2(前期TYPE54)
ただし、
いろいろ市販車として進化しています。
このタイプのボディも人気ありますね。
そして相対的にS2は安い。
S2(前期TYPE54)
※最終型までこの仕様は変わらず(笑
S2で一気に市販車っぽい仕様に変更になります。
※今時の市販車と比べてはいけませんよ。
実際にロータスヨーロッパを買うならS2(前期TYPE54)以降が現実的です。
ロータスヨーロッパS2(後期TYPE65)
※この辺、フレームナンバーを追ってもいつからこうなったのか結構あいまいらしいです。
S2は今となっては謎が多いモデルです。
途中からTYPEナンバーも変わってますし。
米国のライトの高さの安全基準に伴い、少しだけフェイスリフトしています。
マニアはS2後期からのフェイスリフトされたボディが気に入らないらしいです。
※それでも十分に低いですが。
S2といえばこのスタイリング、という人も多い(TYPE54の存在は意外に知られて無い)です。
ワタクシも、だいぶ前まではS2は、この顔つきでリアのフィンが高いモデルと認識していました。
ロータスヨーロッパはこの頃から北米市場に参入し始めます。
ちなみに・・
この頃、いろんな車でライトの高さの基準を米国に合わせるための米国仕様が存在します。
この時期いろんな車のライトがへんてこりんになっているのは大体この関係です。
※FIAT500のアメリカーナとかもう出目金みたいで冗談じゃないかと思うデザインです。
ジネッタG15のせり上がるライトなどもそうですし、国産車の対米輸出仕様もライト位置が変わってるモデルが存在したはずです。
米国はいつだって「俺がルールだ」的なやりたい放題の国ですな。
ロータスヨーロッパTWINCAM(TC)(TYPE74)
そりゃ、どんなにハンドリングがよくてもハイウェイやルート66のような砂漠の一本道を走る米国では80馬力ちょっとではねえ・・
というわけで、伝家の宝刀「ロータスツインカムエンジン」を積み始めます。
TWINCAM(TC)(TYPE74)
※でもなぜかエランスプリントより低いスペックです。
※十分軽いですが。
明るい色も良く似合いますな。
ロータスヨーロッパのリリース時にはエランスプリントS4があったにもかかわらず、低いスペックのロータスツインカムをわざわざ積んだ意図は分かりません。
勝手な想像ですが、
少しでも安めの価格設定にしたかったのではないかと思います。
ロータスヨーロッパSPECIAL(SP)(TYPE74)
なぜか、TWINCAM(TC)と同じTYPE74が付けられています。
エンジンは、形式は一緒ですがビッグバルブ化してパワーアップしています。
SPECIAL(TYPE74)
いわゆる「オオカミ世代」が認識しているヨーロッパはこれです。
※まだ十分軽い。
内装もビニールレザーが張られる個所が増えて豪華になっています。
※コックピット内のバルクヘッドに小物入れがつきます。
すごく悪く言うと最終段階でようやく商品になったのがロータスヨーロッパです。
モデルチェンジごとにいろいろ装備が追加されていますが、後付け感が丸出しで電装などは全然ついて言っていません。
ETCのバーをくぐれるかどうかやってみたいくらいですわ。
ちなみに・・
北米仕様の左ハンドルモデル「フェデラルボディ」は右ハンドルの本国仕様といろいろ違っています。
ダッシュボードの仕様も違います。
北米仕様は、
キャブが負圧式のデニスストロンバーグキャブ(SUキャブっぽい)付きで排ガス規制に対応しています。
※負圧キャブなのでダイレクト感がいまいちとのことですがセッティングが適当でも走ります。
対して本国仕様は、
デロルト製の強制開閉式のキャブです。
シリンダーヘッドの形が違うので簡単には変更できません。
※今はウェーバーのキャブに変更されてる個体が多いです。
キャブだけでなく、ほかにも変更点は多いです。
などなど、細かく変更されています。
ツインカムエンジンは二種類ある
でも、TWINCAM(TC)とSPECIAL(SP)では同じロータスツインカムでも同じTYPE74でもエンジンは違う仕様です。
なぜすでにロータスエラン(S4スプリント)で搭載実績があったエンジンをなかなか乗せなかったのかは不明です。
ワタクシ個人的には、
チャップマンはとにかく安価にレーサーベースマシンを世に出したかったのではないか?という説を支持しています。
そういう意味では、
ロータスヨーロッパは貧乏レーサーのために世に放たれたロータスセブンの後継かもしれないと思います。
話がそれたので戻します。
ロータスツインカムエンジン
いわゆるロータスツインカムエンジンは二種類存在します。
ですが、
今となってはどちらもアンダーパワーなことに変わりはありません。
エンジンを何度も載せ替えられている個体も多いので識別が難しいです。
ほんとにいつも頼りにしています。
ありがとうございます♪
じつは、
ロータスツインカムエンジンには年代ごとにヘッド付近に刻印があります。
※この刻印もいろいろバリエーションがあることがわかっています。
とはいえ、
今となってはエンジンが載せ替えられている車体が多いです。
当倶楽部の個体は、フレームナンバー的にはTWINCAMですが、エンジンはビッグバルブが搭載されています。
フレームも日本国内で交換された形跡があります。
非常に謎の多い個体です。
※このようにロータスヨーロッパ純正オリジナルの個体はほとんど存在しないのではないかと思います。
ロータスTCの謎
が存在します。
何でわざわざ二種類のシリンダーヘッドにしたのか?
その方が面倒くさいしお金もかかると思うのですが・・正直謎です。
北米仕様(フェデラルモデル)の方が若干中古価格は安いですが、キャブでみんな苦労しているようです。
ミッションは5速?4速?
ほとんどの個体は5速仕様を選んだようですが。
4速でも5速でもこの車の楽しさにはそれほど関係ない気がします。
※インプレの記事で詳しく書きました。
5速ミッションはシフトフィーリングの悪さがさらに倍増するようだし、強度も低いとのことです。
人気は5速ミッションだそうですが、あれ以上シフトフィールが悪いのはちょっと遠慮したいので個人的には4速で十分です。
高速に振ったハイギアード設定の5速ではないので高速巡行が楽になるわけでもなさそうですし。
※主治医談
しかも、
5速ミッションは壊れた時に修理する部品がなく、あってもプレミア付きで超高いです。
※4速でも峠で頻繁にシフトチェンジするので、あんまり細かいミッションは面倒くさいです。
参考までに・・
■減速比表
4速 | 5速 | |
---|---|---|
5速 | -- | 0.87 |
4速 | 1.03 | 1.21 |
3速 | 1.48 | 1.61 |
2速 | 2.25 | 2.33 |
1速 | 3.61 | 3.61 |
R速 | 3.08 | 3.08 |
最終減速比 | 3.56 | 3.78 |
純正色は何色?
というのも、
日本国内では、黒っぽい色、紺色などに塗り替えられているものが多いです。
恐らく、
FRPの痛みが原因で再塗装を経験していない個体のほうが少ないと思われます。
意外な純正色が多いのがロータスヨーロッパです。
当時の車としてはかなりカラーバリエーションが多かったようです。
赤や白はまだわかるとして・・
などが存在するのは知られていません。
※主治医のところに修理に入ってきたピスタチオライムグリーンを見たけど結構きれいでした。
新車時のカラーは何色?
実は車体のプレート(フロントのトランク前部にリベット止め)を見れば新車時のカラーが判明します。
表カラーコード
カラーコード | カラー |
---|---|
LO1 | ブリティッシュレーシンググリーン |
LO2 | フレンチブルー |
LO3 | ウェッジウッドブルー |
LO4 | シーラスホワイト |
LO5 | カーニバルレッド |
LO6 | バーントサンド |
LO7 | ロータスイエロー |
LO8 | マットブラック |
LO9 | ロイヤルブルー |
LO10 | バハマイエロー |
LO11 | リージェンシーレッド |
LO12 | ラグーンブルー |
LO13 | ピスタチオライムグリーン |
LO14 | コロラドオレンジ |
LO15 | グロスブラック |
なぜかブルーが多い(笑)
ダンパー付きにしようかと思いましたが面倒なので止めています。
左ハンドルと右ハンドル、ダッシュボードの仕様が結構違う
対して右ハンドル車は足元が結構狭いです。
※ペダルの位置が狭いのですよ。
また、アクセルワイヤーの取り回しやヒューズボックスの位置なども左ハンドルを基本設計に作られたんだなぁと思わせる箇所が結構あります。
車が動いているときにコーヒー飲むのは自殺行為です。
右ハンドルのアクセルワイヤーは
という取り回しです。
※結構遠回りな気がします。
また、
4本しかないヒューズボックスはセンターコンソール右側、運転席のひざ横あたりに設置されています。
横Gがかかる際ふくらはぎで車体をホールドする際にちょっと異物感はあります。
※ワタクシは移設しちゃったので問題解決しましたが♪
ロータスヨーロッパの人気は右ハンドルの方が高いですがどっちでもいいと思います。
左ハンドルの車って思ってるほど運転難しくないです。
右ハンドルと左ハンドルをTWINCAMとSPECIALに限ってまとめます
大きく分けて3種仕様が存在するようです。
仕様地CD
仕様地CD | 仕様地 |
---|---|
P | UK及び北アイルランド(右ハンドル) |
Q | ヨーロッパ向け(左ハンドル) |
R | 北米向け(左ハンドル) |
※日本で流通している個体は、圧倒的に北米仕様が多いです(例の狼の漫画もこれです)
ロータスヨーロッパ右ハンドル仕様
※現在は大体が、ウェーバーなどのキャブに換装されている様子
ロータスヨーロッパ左ハンドル仕様
もともとS1では左ハンドルしかなかったわけで、こちらの方がしっくりくるというマニアも多いです。
ちなみに、
某漫画のモデルは左ハンドルです。
※当時、左ハンドルしか正規輸入されなかったようです。
※ダッシュボードがいろいろ豪華(笑)になっています。
※個人的には、SUキャブとどう違うのかよくわからないです。
このタイプは、
エンジンのインテークマニフォールドが二本しかなく2気筒を一つのインテークで賄っています。
SUタイプの負圧キャブって、結構適当なセッティングでもそこそこ走っちゃうので楽ですが。
※これがセッティングが出ない諸悪の根源のように言われていてなんだか気の毒です。
ちなみに・・
ロータスツインカムエンジンはインテークマニフォールドが2本のヘッドを4本のヘッドに変えるのに100万近くかかるらしいです。
それも、換装できるシリンダーヘッドがあればという条件付きです。
そりゃウェーバーのキャブは今となっては高ですし・・ねえ。
それだけかけるなら、
流通量の多いSUキャブを二連装してリンケージ張って・・
とかやった方が安くて楽しめる気がします。
ロータスヨーロッパはすべてのモデルで三角窓は開かない
ロータスヨーロッパはシリーズを通して、三角窓部分は開かない
ので、窓からの走行風は全く期待できないです。
実際に窓を開けて走ってもまーったく風は入ってきません。
S1で窓締めきっててもそれほど関係ないのでは?と思ったりします。
一応、走っていれば車体前方からの走行風が(フロントトランクに荷物積んでなければ)結構入ってきます。
さらに知られていないが、
天井後端にエア抜きの穴が開いている(閉めることはできません。ただの楕円形の穴が開きっぱなしです)という事実です。
※そんなの誤差の範囲だ!というくらい夏は暑くて死にそうになります(多分全シリーズ共通です)
多分、どんなに暑さに強い人でも真夏に1時間乗ったら体重減ってると思います。
※シートが身体を包み込む形状なので脱水症状になります。
エアコンのない車には三角窓はまじめに欲しいです。
旧車で三角窓は必須の夏のアイテムだと思います。
窓に、デフレクタなる日本製のパーツを挟むとあら不思議♪
走ると風が入ってくるようになります。
※もちろん止まってると入ってきません。
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まとめ
書いてておもしろくなってきちゃったので以上に長い記事になりました♪
ロータスヨーロッパ、主に後期のTWINCAMとSPECIALについて細かく書いてみました。
S1とかS2とか乗ってみたくもあるけど、ワタクシはTYPE74以外の選択はあり得ませんでした。
※ワタクシも「オオカミ世代」です。あの漫画、みんな同世代を洗脳してるよね。
旧車は渋滞のない田舎でのんびり乗ると人生が豊かになる気がします。
腕次第ですが、
ロータスヨーロッパはミッドシップの回頭性と軽さを生かして峠の下りで新型車を追い掛け回すことが可能な旧車ではあります。
・・とはいってもノーマルのブレーキで速く走ろうとか思わないほうが身のためですが。
ふつうにワタクシ程度のレベルでも結構楽しくいいペースで走れます♪
それほどまでに楽しい車です
※壊れなければ(笑
中古での入手を狙っている人がいれば何かの参考になれば、と思います。
そんなに現存個体数がある車じゃないので、運命の出会いがあればそれでいいと思います。
人気は、
とまあ、ぜいたくな仕様ですがそのような個体はほぼ出てきません。
※現オーナーはそれなりに覚悟決めてるので手放さないです。
今後、この軽さの市販車両は販売されることはほぼ間違いなくないでしょう。
それでもこの大きさの車はもう二度と出ない気がします。
しかも、
序章で書いたように中古市場はガンガン値上がりしています。
こんな車ですが、狙ってる人は早めに動くことをお勧めします♪