木曽山脈の西側を南北につなぐのが木曾街道、いわゆる木曽路です。
天下の中山道をベースに整備されていて古くからの宿場町が多く残っています。
今回は木曽路のある定食屋屋さんと日本一の長さを誇る旧宿場街を訪れました。
久々に行きましたがやっぱいいですな。
R19号の木曽路と言えば【食堂SS】なのだ
昔からトラックドライバーにも有名なドライブインっぽい食堂なのだ。
貧乏ツーリングをしていたワタクシが木曽路で最初に食べた食事が食堂SSでした。
※それ以降も何度も何度も来ているのですが。
テキスト通りのドライブインっぽさがたまらないでしょ?
とにかく【食堂SS】さんは昔から何も変わらないのが凄い。
最初に来た時からほとんど何も変わらずに古き良き昭和のドライブインの雰囲気を色濃く残しています。
入りづらいという人もいるでしょうが、一旦店に入ってしまえば小奇麗な昭和臭がするのです。
何と言いますか、
良く言えば椅子もテーブルも置いてある飾りも・・実に何もかも懐かしいのですよ。
悪く言えば街道沿いにある食事処としてはすさまじく古臭い。
※内装などは更新してるんでしょうけれども。
この昭和な感じがたまらない。
この日は「研修中。」という札を付けてた若いお姉さんがお店の配膳や会計をしててそれすら昭和っぽく素敵でした。
※以前はおばちゃんだけだったような気が。
ワタクシ達が訪れた日は、お客さんはひっきりなしにくるくらい繁盛していました。
しかも、
トラックドライバーさんではなく、高級車や県外の旅行者っぽい人が多かったのがまた不思議でした。
この日は割と お金持ちそうな 高級車のご夫婦が多かったです。
高級バイクに乗った中高年の ソロライダーも結構います。
昔はそんな車やバイクはいなかったけどネットの情報なんでしょうねえ。
現在も昔と変わらず流行っているだけでなく、
意外な客層にもウケているようでちょっと安心したワタクシなのです。
ちなみに・・
意外に思われるかもしれませんが、昔のR19は塩尻市外を離れると二桁国道にも拘らず、コンビニなんて全然なかったし、食事ができるところは多くはありませんでした。
※乱立している道の駅なんて影も形もなかった。
二桁国道のくせにR361で西に向かう分岐までの間に食事ができるところは限られていたのです。
※【食堂SS】さんから、さらに少し進んだところの【焼肉権兵衛】さんも昔からある。でも昔は今より焼き肉を前面に出してない食堂だった気がする。
【食堂SS】さんを利用するお客さんは駐車場が大きめでトラックドライバーさんも多いのです。
古くからある街道沿いのプロドライバーが集う店・・。
こういうお店は美味しいと相場が決まっているのです。
※長距離運送業界は食事処の情報共有が昔から凄いので飯がマズいと流行らない。
数十年前、ワタクシが東京から夜を徹して甲州街道(R20)を走破し、初めて中山道の面影を残すR19に入るころには腹ペコで。
そんなときに偶然入ったのが【食堂SS】さんでした。
※くそ暑い真夏のカンカン照りの日でお昼ぐらいの時間にセミがバンバン鳴いてた記憶があります。
そんな訳で、
木曽路の食事処というとワタクシはまず最初に【食堂SS】さんを思い出すのです。
少し前に、ローカルのTV局のニュースの一コーナーで【食堂SS】さんが出ててすさまじく懐かしくなったのでした。
「普通定食。」とはなんだ?
【食堂SS】さんでは「普通定食。」という名の不思議が定食があるのです。
「これが普通だ!」と自分で言っちゃってるので間違いなく普通なのです。
でも美味さは普通じゃないのです。
※一番人気らしいよ(笑)
【食堂SS】さんの「普通定食。」は何故か鯖の煮込み定食なのです。
理由は知りません。
一番上にある普通定食。
既に王者の貫禄。
ただし、
多くの【食堂SS】さんの常連から言わせれば、【食堂SS】さんと言えば「サバの煮込み。」なのですよ。
テーブルメニューの一番上にあるのが普通定食ですので、いかに売れるか人気があるかがわかります。
「山の中で海の魚とか食えない。」
とか言う人はどうでもいいのでよその小奇麗なお店で高価な蕎麦でも食ってなさい。
※そういうクソみたいな先入観と固定概念が君が成長できない原因だということに気が付け。
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「普通定食。」は実にシンプルな定食です。
鯖煮込みと白米とお味噌汁とお漬物とお豆腐。
※この組み合わせも昔からですな。
「ああ、これこれ♪」と思う安心感。
そして、
「普通定食。」はシンプルなだけに安い。
※640円。昔から 貧乏だったワタクシが食べられたんだから これくらいの安さだったハズです。
まあいいから【食堂SS】さんの初心者は四の五の言わずに最初はこれを食いなさい。
「普通じゃない旨さだから。」
はっきりいますが白米が足りなくなるくらいサバが旨いです。
※ワタクシは今回も白米が足りなくなってお代わりしたくらいです。追加した白米普通盛りは170円。また食い過ぎだ・・。
ワタクシが一番好きな魚は多分サバ。
その次はカツオ。
※基本的に魚は何でも食いますがコスパを考えるとこの2種の魚はずば抜けているし旨い。
最近は海で魚料理を食うと何故かすごく高いのが「まったくくもって気に入らない。」のです。
※なんか騙されてる気がするので海沿いにドライブやツーリングに行っても海産物とか海鮮料理を食べなくなりました。
ちなみに・・
【食堂SS】さんはメニューがたくさんあることでも有名です。
テーブルにあるメニュー以外にも壁に張り出してあるメニューが大量にある。
※夜は居酒屋メニューになるのだけれど、飲んだら動けないのでトラックで寝る人向けなのでしょうねえ。
「どんなボールでも打ち返してやるぜ!」という気構えを見せるストライクゾーンの広さ。
嫁を連れていくと、いつも注文するまでにすんごい迷うのです。
今回はさんざん迷った挙句 いろいろ諦めたのか 「ジンギスカン定食。」をオーダーしてました。
【食堂SS】さんの「ジンギスカン定食。」は美味しいのですが、
「タレは住民数に対する焼き肉屋が日本一多い街:長野県飯田市のタレ。」
っぽい。
これはこれで美味しい。
飯田の焼き肉のタレの特徴は、
「クッソしょっぱい。」
んでワタクシは苦手なのです。
※痛い塩辛さとでもいおうか。
まあそのうち 知り合いもいることだし飯をたかりがてら 飯田市の定食屋さんにも行こうかと思っています。
※長野市からだと高速で2時間くらいはかかる。その間、一歩も長野県からでないという長野のデカさよ。
奈良井宿は日本一距離が長い旧宿場街
ちょうどいいことに木曽路にはR19沿いにたくさんの旧宿場街があります。
旧宿場街といっても宿場の跡がほとんどない場所も多く、見どころは多くはないのですが「奈良井宿。」には行っておく価値がありますよ。
早くからR19と分離したからなのか「奈良井宿。」には全長1km以上にわたって、旧宿場街がごっそり残っています。
どれくらい長いかというと、
「何処で写真をとっても宿場街が続いている。」
というくらい長い。
それでも写真の腕がないなりにいろんな角度から写真を撮りまくる。
スマホのカメラでは空の青さが伝わらないのが惜しい。
※「機材のせい。」にするのは仕事ではとても有効な手段です。
ずーっとこんな感じです。
街をあげての保存にも取り組んでいるようですし、今でも多くの古い建物に実際に人が住んでいるのが素晴らしい。
よく見ると洗濯物とか干してあって生活感がありますな。
※日本の多くの宿場街は働く人は通ってきているので夜は宿屋以外はひっそりしてしまうのが普通です。
夜は古い建物に人々が生活する明かりがともって幻想的っぽい。
冬のうっすら雪が積もってるくらいの夜が一番きれいだそうですよ。
※地元のお土産屋さん談。
古い宿場町は面白いのです。
※偉い人が大名行列引き連れてやってきた時の宿泊場所「ご本陣。」「脇本陣。」とかたまりませんな。
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ちなみに・・
昔の内陸の旅は川沿いを旅するのが高低差の少ない楽なルートだったわけです。
※ほとんどの日本の川って船で移動できるほど深くないうえ、急流なんだよね。
山深い地域の川沿いのエリアは広い訳はなく、川が氾濫すれば街どころじゃないので宿場ができる場所は限られてくるんでしょうねえ。
「奈良井宿。」は古い宿場街のセオリー通り、奈良井川に沿って山にギリギリまで広っています。
メインストリートから一本裏に入らないと全然わかりませんが山側にちょっと外れると高確率ですぐに山が迫っています。
急こう配の階段を上がった崖の上にお寺があったり、お墓があったりします。
近代の交通機関もあります。
公共交通機関で出向く場合、JR中央本線奈良井駅が最寄りの駅です。
駅は宿場街の北のはずれにあります。
これも古い街や城下町によくある旧市街に「駅を作るスペースがない場合の典型的なパターン。」です。
ともあれ、
えらいこってすよ、この中山道の旅は。
※東海道の方が海沿いで旨いものが多そうだし、起伏が少なそうで行き来が楽そうなので栄えた、という説をワタクシは支持。
休日は車やバイクは入れないので歩いてみるといいよ
が。
ワタクシ達は奈良井駅にロータスヨーロッパを止めてそこから歩きました。
奈良井駅前の駐車場は500円(1日)でした。
※車を止めるとおじさんが料金収集しに来ます。駅前に駐車できる台数は10台くらいしかありません。
奈良井駅前の駐車場は数が少ないので運が悪いと止められません。
駅前に止めたのは、
「うまくやれば旧宿場街とロータスヨーロッパの写真をとれるかも!」
と目論んでいたのですが、観光シーズンや土日祝日は一般の車は入れないことになってるようです。
※昼間っから酔っぱらってる観光客がいてトラブルになったことがあるみたい。駐車場の料金回収のオジサン談。
昔、ワタクシは街中で写真撮ったことがあるのですがさすがにこれだけ人がいると難しいかも、と思っちゃいます。
※でも豪快にデカい車が入り込んできてましたが住人?宿泊客?
まあいい。
車と一緒の写真は撮れなくても、テクテクと散策するにはもってこいです。
なにせ端から端まで往復すれば2km越えです。
ゆっくりとああでもないこうでもないと、昔の中山道を行き来する人達に思いを巡らせながら歩くのはなかなか良いものです。
歩いて血行を良くするのはいいに決まっているのです。
でも、あんまり暑い時期はソフトクリームとか食うので腹ごなしには向かないかも。
ワタクシとしては奈良井宿内で食べられる「サル梨ソフト。」がおススメ。
腹いっぱいだとソフトクリームはきつい。
でも暑いから美味いんだよね。
そして、
メインストリート沿いには何か所も手水と呼ばれる山から下りてくる湧き水(?)があって、
夏は冷たくて気持ちよいのでタオルを持って行って顔を洗うのは気持ちよいです。
※サングラスの上から顔洗ってはいけません。
夏のドライブやツーリングではこういう所では必ず顔を洗います♪
木工が盛んな土地に来たのでお土産として、お箸やフライ返し(最近はターナーっていうのね。)を数点買いました。
※お箸が170円とかターナーが150円とかお買い得でした。
安いものは安い。
でも高いものは「うわ、マジか。」というくらい高い。
ホントは木曽漆器やまな板とか欲しかったのですが、どうも高すぎるのでヤメ。
漆器は食洗器では洗えないし、まな板は十分機能しているのがあるしねえ。
ちなみに・・
知ってる人は知っていますが「奈良井宿。」に並走するように林道が走っています。
※昔からオフ車ライダーには有名でした。
奈良井林道とか鳥居峠林道とか言いますな。
どうもこちらの林道が旧中山道で「奈良井宿。」は街道を逸れて峠越えをする前の宿場だったみたいですな。
明治天皇様もこの峠越え林道ルートを通ったようです。
※明治天皇様の足跡が木曽のそこかしこにある。昔は今ほど街道が整備されていないのでゆっくり移動したんでしょうねえ。
これは林道じゃないけれどこの先は林道につながるらしい。
実はワタクシはこの林道をバイクで走ったことはありません。
※昔、道の駅まで来たんだけれど嫁のTT-Rのレギュレーターが壊れて急遽来た道を引き返したのでした。
この林道は一応ハイキングコースにもなって観光客が入ってくるのでバイクで行けたとしてもスポーツ走行とか絶対やめたほうがよろしい。
何もわざわざそんな人が多いところでひんしゅく買いながら走る必要は無かろうて。
長野にはいい林道がいっぱいありますよ。
※長野県の林道は最近ずっと通行止めになってるのも多いのですが。
まとめ
お腹いっぱいになっても「奈良井宿。」で散歩もできていいことづくめです。
木曽は自然を満喫出来て楽しいな♪
一度、【食堂SS】さんの「普通定食。」を食べてみていただきたい。
こういうドライブイン的の食事な文化は切り捨ててはいけません。
あの鯖煮込みの味を失うのは非常に惜しい。
※特に長野県民は行くべきですよ。
白米を食べるペース配分が非常に大事。
「木曽は山の中だ。」
と言ったのは誰でしたっけ?
でも本当にその通りです。
山深い川沿いの道がワタクシの木曽街道のイメージです。
これが長野県の塩尻から岐阜県の中津川くらいまで延々と続きます。
これを歩いたのかと思うと、昔の人ってスゲエな、と思います。
※しかも木曽に来るまでも歩き。その先も歩きです。
昔の人は歩いてこういう橋とかにたどり着くと嬉しかったろうねぇ。
現代でもR19から高速道路への逃げ道がないときた。
でも急ぐ旅でなければゆっくりと地元の車のペースで流すドライブやツーリングもいいものです。
また近々木曽には来る予定があるのですが、日帰りだとちとキツイ。
※長野県から一歩も出ないんですがね。
でも泊まるならもっと遠出したい、というのが貧乏ライダーの性ですな。
プランを練らねばなりません。
当ブログもお店紹介の記事が増えてきました。
これからはお店情報一辺倒ではなく、お店周辺で遊べるコトやモノと一緒に書くようにしたいと思っています。
ちなみに・・
ロータスヨーロッパにはエアコンがありません。
走行している限り、それなりに山の涼しい空気が入ってくるので気温が30度を超えないくらいならなんとか耐えられます。
※たぶん渋滞の多い都会では無理。
この日は6月の梅雨の合間の晴れで28度くらいありました。
当倶楽部から奈良井宿までは片道150kmくらいで、往路の安曇野ICから塩尻ICまでだけ高速を使用で帰路は全行程下道でした。
奈良井宿の隣街の旧中山道平沢の街中で撮影。
朝8時過ぎに出立したので 背中に汗はかいたものの それほど苦痛ではありませんでした。
もちろん日帰りです♪
※ロータスで出かける場合、気温によっては着替えのTシャツとタオルは必須です。
ま、例年7月8月は暑すぎるので「早朝のみの稼働。」となるのがこの手のエアコンがついてない車です。
※脱水症状はさすがにキツイ。
でも、
エアコンない車は真夏でも早朝の長野の峠ならたくさん走っています。
※すれ違うとき、どんなジャンルの車でも古ければ挨拶するのが恒例です。
最近は電動の小型スポットクーラーみたいなのが売られていますがどうなんですかね?
USBで稼働するとか信用できない感&どうせ効果がないんだろな感がMaxですが5000円くらいから売ってますな。
※ちょっと欲しい。車内に設置するスポットクーラーの置き場は既に考えてある。
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