それはちょっと情けない。
十分に注意して作業すれば素人でもタイヤ交換は難しくはありません。
ただし、
安全を確保するすべをちゃんと知って実践する
ことが必須です。
実は危ないことを平気でやってる人が多いのがタイヤ交換です。
当記事の目次
油圧ジャッキだけで車体を持ちあげるのは危ない
油圧ジャッキで持ち上げてホイール外してる際に地震来たら大変ですよ。
車は1t以上あるものも少なくなりません。
そんな車を油圧ジャッキだけで持ち上げて支える。
考えたら怖くないですかね?
そして、
事故を起こしているのはほぼ全員この油圧ジャッキで持ち上げただけの人ですよ。
もちろんジャッキスタンドも使いますよ、安全確保のためには。
安全確保のためには
車体を油圧ジャッキで持ち上げた後、しっかり固定式のジャッキで保持する
だけです。
ただ、結構面倒くさいのでこの手順を端折る人が多いです。
ローダウン車対応のものが使い勝手がいいです。
※車との接触面が広い方が安定します。
油圧ジャッキはどこにかける?
最近のモノコックボディ車の場合、指定のジャッキアップポイントは端の接合部が多いです。
マニュアルだと車載工具のジャッキは大体そういうボディの接合部にかけるように指示があるはずです。
これは、
「ひとえにボディ側の強度が高いところ」
という事です。
油圧ジャッキを持ってる人がやりがちなのが、ボディの床面に直接ジャッキをかけちゃうってこと。
車体の床部分にジャッキをかけるとボディが凹みますよ。
その一点で1t以上の車体を持ち上げるんですよ、そりゃ凹みますよ。
※旧miniなんかみんな凹んでた(笑)そしてそこから錆びる。
フレーム車両ならフレームにかけるのが正解です。
モノコック車両では、
などの車体の強度が高い「硬い個所」にジャッキをかけるのが正解です。
そして、
油圧ジャッキで持ち上げたら、リジッドジャッキで車を上げた状態で保持しましょう。
面倒くさいんですけど、メンテナンスで怪我するのもバカらしいし。
車体を油圧ジャッキから落として、地面にたたきつけて大惨事になるよりはるかにマシですよ。
※当然、落っことしたら車体はただではすみませんよ。
みんな持ってないリジッドスタンド「ウマ」
ガレージに置いておいてもかさばるんですよね、リジッドスタンドって。
折り畳み式のもありますが、それでもかさばる。
でも、ガレージに最低2つあると安心ですよ。
ところが、
意外にも車趣味を楽しんでいる人でも
「リジッドスタンド」を持ってない人って結構いるんですよね。
なくても「車を持ち上げるなんてことは普通の人はあんまりやらない」のかもしれませんが。
スタンダードなのがコレ。当倶楽部でも使っています。
ロータスヨーロッパのようにハブボルトが緩む車には必携です。
リジッドスタンドを4つ使って車体を水平に上げたまま保持できるとタイヤのローテーションが可能になります。
タイヤのローテーション
タイヤのローテーションって、みんな知ってるけど面倒で手間がかかるのでやらないメンテです。
という感じでタイヤはローテーションさせると長持ちします。
特に、
ハイパワーFF車は効果てきめんですよ。
如何にFF車のフロントタイヤが過酷な使われ方してるかがわかります。
という任務をフロントタイヤは担っています。
※リアタイヤは楽な気がしますね。
なので、
たまに配置換えをしてやるわけです♪
しょっちゅうタイヤローテーションをやらないにしても、
タイヤを外す際に、ついていた個所をタグで明記しておくと次に装着するとき迷わずローテーションできます。
※コレだけでも全然違いますよ。
リジッドスタンドも油圧ジャッキと同じ様に、しっかりとボディの強度がある場所にかけましょう。
油圧ジャッキで持ち上げて、板やゴムを噛ませてリジッドジャッキで保持するのが基本です。
※大抵のジャッキにはゴム板などがついてたりしますが、自分で厚いゴムを用意した方がいいですよ。
ちなみに・・
ブレーキの調整やハブベアリングの交換などでもリジッドスタンドは大活躍します。
旧車に乗る場合は、持ってた方がいい工具の一つです。
※全部ショップに整備を任せられるお金持ちはこの限りではないですが。
タイヤ交換時に馬掛けてる画像がない・・今度撮っておきます。
そして、
車に長期間乗らない場合は、リジッドスタンドで持ち上げてホイールを外して保管すると車の痛みが抑えられます。
※最近米国で、1000万円の値が付いたTOYOTAの80スープラはこの方法で保管されていて足回りのコンディションがほぼ新車だったそうですよ。
車体が油圧ジャッキから落っこちると・・
そして、再度持ち上げるのに油圧ジャッキを噛ますスペースがない場合が多いです。
JAFの出動はこれが多いみたいです。
油圧ジャッキだけで車体を持ち上げると車体は極めて不安定な状態になります。
作業中によろけて車にぶつかったりすると、車体をジャッキから落としかねませんよ。
それに、
油圧ジャッキは古くなってくるとちょっとずつ圧が抜けるようになります。
いつの間にか、持ち上げた状態から下がっちゃうなんてこともあります。
※高級メーカー製の油圧ジャッキでも古くなると下がります。
なので、
油圧ジャッキを持ち上げた状態で、
のは避けたほうが無難ですよ。
ちなみに・・
油圧ジャッキだけで車体を持ち上げて車の下にもぐるなんてのは「自殺行為」です。
リジッドスタンドで4点で保持してても結構怖いもんですよ、車の下ってのは。
車の下にもぐる場合、
「スロープ式のジャッキ」で潜るのが一番だと思っています。
ワタクシは、材木で自作しました♪
ホイールを車体下に敷くのも有効
車体の下にタイヤを敷いておくと最悪の事態時のダメージを少しだけ軽減することができます。
重たい車を不安定なジャッキでだけで持ち上げてタイヤ交換作業できるのは手練れの技です。
要するに、
ってことです。
※リスクヘッジってことですよ。
そして、
ジャッキアップしてある車体を地面に落っことしちゃうと肉体的なダメージがなかったとしても、精神的なダメージはそうとうなもんだと思います。
幸いなことに、未だにジャッキから車を落っことした経験はないんですが。
※危ういことはあったな、そういえば。
タイヤ交換のポイント
道端でタイヤ交換しているオジサンとか結構適当なので見ててハラハラします。
※余計なお世話なので見かけても何も言いませんが。
信じがたいですが、
小雪降る中、道端でタイヤ交換してる人って結構いるんですよ。
しかも、
砂利の上とかで。
事故が起こるのを避けるのはもちろんですが、
とダメな大人のレッテルをはられる前に知っておいた方がいいタイヤ交換の際のポイントは結構あるんです。
タイヤ交換は平坦な地面が安定したところで
マジで危ないですよ。
車をジャッキアップする際は、
で作業しましょう。
これは最低条件ですよ。
本気で危ないです。
その上、
輪留めもしないなんて重大事故発生装置みたいなもんです。
タイヤ交換時は輪留めを使う
車って持ち上げると結構動くもんですよ。
車を油圧ジャッキで持ち上げる際には必ず輪留めをかけましょう。
輪留めをしっかりかけましょう。
こういう細かい物にさりげなくこだわりのステッカーとか貼ってあるとちょっとカッコいい。
最悪、
でも代用が効きます。
※それほど高価なものでもないので車を使う人は持っておいて損はないと思いますよ。
ちなみに・・
当倶楽部では、
は、大昔に乗ってたフェアレディZ32の純正車載工具を使っています。
コレがアルミで結構かっこいいんですよ♪
※さすがバブル時代の設計です。細かいところまで贅沢♪キーはチタン製だったし。
探すと出てこないんだよねえ・・
当時の純正車載工具は。
タイヤ交換時は油圧ジャッキの前にホイールナットを緩める
(ホイールナットを)緩める前に
持ち上げる
あるある探検隊♪
ワタクシも今でもたまにやります。
そういう時は、
中川家の礼二さんのように、おでこをぴしゃりと叩いて自分を誤魔化すようにしています。
※なぜか自分への言い訳はエセ大阪弁になりがち。
こういう吹っ切りかたをしないと自分の馬鹿さ加減が嫌になる。
いい加減反省したら速やかに
タイヤを地面に接地させてホイールナットを緩めてから再度持ち上げましょう。
ちなみに・・
ジャッキアップしたままサイドブレーキ引っ張った状態でホイールナットを緩める人もいますが、危ないので素人は安全第一でやるべきですよ。
素人ほど、細かいことでも慎重に確実に安全に!
タイヤ交換程度で怪我でもしたら「末代までの恥」ですよ。
そして、
一部の車は前輪にパーキングブレーキ(サイドブレーキ引っ張ってかかるブレーキね)がかかる車種もあるのですよ。
※ちょっと前の外車でたまに見かけます。
タイヤ交換時に十字レンチは足で蹴らない
車に対する愛情無いんだなーって思っちゃいます。
普通車くらいまでなら人間の手でホイールナットを緩めることは可能ですよ。
逆に、普通の男性で緩まないくらいバカトルクで強く締まってるなら締めすぎ。
※タイヤ屋さんやショップでインパクトレンチを使ってホイールナットを締めると締めすぎなことがあります。
蹴った際に外れた十字レンチで弁慶の泣き所を打つがいい。
ホイールのスタッドボルトはかなり強度が高いとはいえ、強大なトルクで締めると伸びます。
もしホイールナットの締め付けトルク不足が心配であるなら、締め付けトルクだけショップにチェックしてもらうのも手ですよ。
※ショップが混んでる初雪予報前は嫌がられるでしょうけど。
画像は折りたたみ式。
可変機能があるとどうしても力を入れづらい気がするんですよ。
ちなみに・・
旧車のスタッドボルトは強度が足りないものもあります。
長年の使用に耐えて金属疲労を起こしてる場合もありますし、もともとスタッドボルトに強度がない車種もあるんです。
旧miniのスタッドボルトは強度不足なのは有名で、
エアインパクトレンチで国産車並みのトルクをかけるとボルトが粉砕します。
※一度ワタクシも折っています。
旧mini用に「強化スタッドボルト」という商品もあるくらいですよ。
旧miniはいろいろ教えてくれたいい教材でした♪
中でも、
「ホイールナットはそんなに思いっきり締めなくてもいい」
ということを教えてくれました。
タイヤ交換時はスタッドボルトには薄くグリスを
ホイールナットの錆止め&トルク管理のためです。
ワタクシは意外にもこういうことは結構マメにやるタイプなのです。
ボルトナットって錆びると後々面倒なので。
※どうせ何度も外すんだし健全な状態をキープしたいじゃないですか。
これも旧miniで学びました。
錆やスタッドボルトの変形で
「ナットがスムーズに入っていかないと締め付けトルク管理しても意味ない」
のですよ。
毎回、タイヤ交換の際にボルトのチェックをしつつ薄くグリスアップしています。
外したタイヤ&ホイールは洗ってから保管
常に大変厳しい状況にさらされているタイヤです。
なので、
日ごろの感謝も含めて念入りに洗ってやると良いですよ。
洗った後、タイヤワックスを塗布しておくとタイヤの持ちが違います。
一台分なら楽勝でも4台分まとめてやるとね、非常に重労働なんですよ。
この流れを1日に4台分(16本のタイヤでこれをやる)と疲労困憊します。
※ついでに洗車とオイル交換もする。厳しい季節に入る前のオイル交換はエンジンの負荷を和らげます。
ちなみに・・
タイヤ交換した後、少し走ったら再度ホイールナットを締める
なので、
少し走ったら再度ホイールナットの締め付け状態を確認しましょう。
必要に応じて増し締めします。
※緩んでも4分の一回転ってとこです。ナットがゆるゆるになってたらかなりヤバいです。
ちなみに・・
ホイールナットが一個でも緩んでいる状態だと次第に他のナットも緩んでくるようですよ。
ホイールとハブが面接触できなくなっただけで、点接触となったスタッドボルトに応力が集中して折れます。
そうなると、
走行中にタイヤが外れて吹っ飛んでいくというシャレにならない状況になります。
今の車は走行中にホイールの緩みや異音に気が付きにくいんですよ。
※旧車は華奢なので結構いろんな不具合に最悪の状態になる前に気が付くことが多いです。
そして、
ほど、ホイールナットの数が多いって知ってました?
※飲み屋で語れるどうでもいい知識ですが。
まとめ
面倒ですが初心者ほどメンテナンス時の安全対策と確認は徹底した方がいいですよ。
メンテナンス時の安全対策は
「車趣味なら当たり前!」
というくらい徹底した方がいいです。
怪我するようなメンテナンスって結構あるんですよ。
※ワタクシはメンテナスする際は保護メガネを常備しています。何するにしても目は保護しておいた方がいいです。
超安いのでツーリング時にも活用しています。
当倶楽部では、
同日に何台ものタイヤ交換を行うのでイチイチ手間をかけるのは面倒です。
それでも、
「最悪の場合に備えて出来る限りのことはしておく」
ことが無駄だと思ったことはありません。
ちゃんとやれば、タイヤ交換は次素人でも十分できるメンテナンスですが、
毎年、タイヤ交換時のトラブルでJAFが出動するような事態が多発しているようです。
その多くが、
タイヤ交換の安全対策を怠ったために発生したもの
だそうですよ。
想像してください。
大事に大事に乗ってきたあなたの愛車のメンテナンス作業中に、
最悪じゃないですか?
スタッドレスには
のが基本です。
タイヤ交換は余裕をもって。
雪が降りはじめるだいぶ前に余裕をもって冬用タイヤ(スタッドレス)に交換しましょう。
雪降ってる中、慌ててタイヤ交換して事故になるなんて悪いを通り越して最悪です。
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