とはいえ、楽天で格安のシールチェーンを買いました。
ホントにお金がないって苦しいな。
交換はいつものようにサクリと終ったので、
この際なので一般的なチェーンの基礎知識とチェーン交換のポイントを書いておきます。
シールチェーンとノンシールチェーン
そんな感じの記事を昔書いたような気もしますが振り返らずに前に進むのです。
当ブログにはバックギアはありません。
DIYでチェーン交換を行う場合、新品のチェーンを手配しなければなりません。
その際「シールチェーン。」を手配するのが無難です。
スプロケは?
一般に、チェーン交換の際は前後のスプロケも同時に交換するのが良いとされていますが、迷信です。
チェーンもスプロケも傷んだらさっさと変えるのが一番です。
今回、スプロケは十分使用に耐えると判断しました。
全部自己責任なので、いいのです。
※本当は貧乏なのが理由です。
一緒に交換できる財力があるなら変えてもいいと思います。
大排気量のバイク用チェーンは大抵「シールチェーン。」ですが、
中小排気量のバイク用のチェーンには「ノンシールチェーン。」があったりします。
※ネットショップでも異様に安いチェーンはノンシールチェーンの場合があるので良く商品説明を読みましょう。
では、
「シールチェーン。」と「ノンシールチェーン。」はどう違うのか?
シールチェーン
チェーンの稼働部にOリングが仕込まれていて、グリスが密封されています。
※そんなに厳密に密封されてるわけではないですが、各チェーンメーカーがいろいろ工夫をしてくれています。
シールチェーンのおかげで、チェーンの寿命や耐久性、耐負荷性能はノンシールチェーンの数倍になったと言われています。
※さびにくく、固着しずらく、負荷が上手く分散されるので伸びにくいため、耐久性が段違いです。
一瞬、ほんの一瞬だけチェーン交換しないまま公道復帰か?と思ったのですが甘かった・・。
ああ、どこもかしこもボロイ。
チェーンの性能が今一つだったZ1とかの時代は、チェーンを物理的に太くして強度を稼いでいました。
※Z1、Z2純正の630サイズのチェーンは現行のチェーンカッターが破損するくらい物理的な強度があります。
さらに、
当時のノンシールチェーンでは駆動の油分を確保するのが命題だったようです。
※Z1、Z2のサイドカバー内にはチェーンに注油するためのオイルタンクが内蔵されてるのは有名な話です。
今どきの大排気量大パワーバイクには530サイズや525サイズと言った細めのチェーンが採用されています。
これは、ひとえにチェーンの性能が上がったからです。
そして、
現時点では高性能チェーンはシールチェーンであることが絶対条件なのです。
ノンシールチェーン
簡単言えばチャリンコのチェーンです。
「ノンシールチェーン。」はチェーンにはグリスを密封するような仕組みがありません。
「シールチェーン。」に比べて単純な作りになっています。
構造が単純な分「ノンシールチェーン。」は作動抵抗が少ないのが最大のメリットです。
※シールチェーンの最大の欠点は動かすときの抵抗が大きい、というものです。
構造が単純な分、安く、軽く作ることが可能です。
※シールチェーンの次の欠点は価格が高くなる、というものです。
今でも少しのパワーロスでさえ惜しい小排気量のレーサーマシンに「ノンシールチェーン。」が使われることはあります。
※YZ85とかね。
デメリットとしては、
「ノンシールチェーン。」は油分が抜けやすいのであっという間に錆びます。
雨天で使用した後、水分を飛ばして注油しておかないと次の日には結構錆てます。
あと油分が保持しにくいので、リンク部が固着しがちです。
昔の人は、
「チェーンは外して油で洗うのがメンテナンス。」
という人がいますが、それはノンシールチェーンの話です。
シールチェーンかノンシールチェーンの違いを踏まえ上で、
を確認したうえでチェーンを発注するといいです。
作動時の抵抗が大きい分、
小排気量ではパワーロスとか燃費悪化とかデメリットはありますが、
公道で普通に使うなら絶対「シールチェーン。」をおススメします。
「シールチェーン。」は、しっかりメンテすれば超寿命なので、売価が安い「ノンシールチェーン。」より結局は安く付きますよ。
いろいろなシールチェーンを検索できるようにしてあります。
※サイズやリンク数は自分のバイクに合わせましょう。
ちなみに・・
「シールチェーン。」にはグリスが封入されているので注油しなくてもいいと思ってる人もいますな。
確かにメンテサイクルが長めですが、注油しなくていいというわけではないのです。
新品の「シールチェーン。」でも1時間も雨天走行すればチェーンの外側についてる大部分のグリスは流出します。
※愕然とするくらい無くなっています。
チェーンてバイクの構成部品の中で過酷な使用条件の一、二を争うパーツなのですよ。
どんなに大馬力で高性能なエンジンを積んでいてもチェーンがクタレていれば、タイヤにパワーを伝えられません。
チェーンはツーリングの後は真っ先にメンテナンスしてあげたいパーツの一つです。
少なくともツーリングの後、バイクにカバーをかける前にチェーン駆動部へ注油くらいしてあげたいものです。
これだけでもチェーンの性能維持や延命に効果大です。
※雨天ツーリングはもちろん、晴れのツーリングでもですよ。
チェーン式のバイク乗りにはチェーンルブは必須ですよ。
高性能なバイクでもチェーンが伸びてたり、油分が飛んでたりするバイクをよく見かけます。
※加減速でジャラッという音がしたりね。危ない。
また、
オフロード走行の際は水や泥、土などに常にさらされながら仕事をしています。
オフロードバイクのチェーンの痛み方は尋常じゃないのです。
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プレカットチェーンとは?
ということはチェーンはバイクによって長さが違うのです。
ゆえに、
そのバイクにあったチェーンのリンク数というものがあるのです。
その車種にあったリンク数ですでにカットされているものを「プレカットチェーン。」と呼んだりします。
630とか530とか525とかのチェーンの太さは国際規格で決められています。
基本的にはインチサイズです。
※詳しくはDIDとかEKとかRKなどのチェーンメーカーのサイトで調べると良い。
ですが、
長さはバイクによってまちまちなのですよ。
例えば、
VT250FHなら520サイズ(結構太い)の104リンク
とか。
※個別にチェーンメーカーやバイクメーカー、マニュアルなどを参照して確認しましょう。
基本的に、
チェーンメーカーは生産効率を上げたいので、520サイズなら120リンクという商品をラインナップするだけです。
「長めに作っておくのでユーザーがバイクにあったリンク数に切って使ってね♪」
ということなのです。
DIYでチェーン交換するならこれくらいは持っておきたい。
チェーンのカシメ機能付きチェーンカッターがおススメ♪
チェーンはカットするのが普通なのですよ。
それをご丁寧に、
「VT250FHに合わせて104リンクで切っておきましたよ♪」
というのが「プレカットチェーン。」です。
※もちろん、チェーンをカットする手間がかかってる分高額です。 貧乏な ワタクシは毎回自分でぶった切って使う奴を買うのですが。
プレカットチェーンを探すの面倒だし。
格安シールチェーンがあるにはある。
今回、4000円台のシールチェーンを買ってみました。
※お金に余裕があれば、安心なのでできるだけ一流メーカー品をおススメします。
カシメ式とクリップ式
チェーンを繋ぐパーツをジョイントと呼びます。
繋ぐ方式は「カシメ式。」と「クリップ式。」があります。
カシメ式
チェーンのクリップ部のアウタープレートをピンに押し当てて、圧をかけてカシメて繋ぐ方式を「カシメ式。」と言います。
中型バイク以上ではこの方式が一般的だと思ってます。
ワタクシの個人的な感覚ですが強度が高い気がします。
ワタクシは長らくシールチェーンには「カシメ式。」が一般的だと思っていました。
この度購入した格安シールチェーンには「カシメ式。」と「クリップ式。」両方のジョイントパーツが入っていました。
そういうもんなの?
クリップ式
チェーンのジョイント部のピンに溝が掘ってあり、ここに鉄のクリップを挟んでアウタープレートを固定して繋ぐ方式を「クリップ式。」と言います。
クリップは外れにくい形状ですが、チェーンの回転方向を考慮して外れにくい向きに付けましょう。
※クリップを外す方向とチェーンの回転方向を考えればおのずとわかるハズ。
比較的パワーのない小型バイクに採用されていることが多いと思っています。
細かく分類すると「圧入クリップ式。」という方式もあるようです。
実際使ったことないので何とも言えません。
※詳しくはチェーンメーカーのサイトに書いてあると思うので割愛します。
DIYでチェーン交換する際のポイント
古いチェーンを切る。
新しいチェーンを正しい長さに切る。
チェーンを繋ぐ。
だけなのですが素人は新しいチェーンを切る際に失敗しがちです。
そこまでできたら、
古いチェーンは適当な個所でぶった切りましょう。
前述のチェーンカッターがあれば余裕です。
ぶった切ったチェーンはすぐ外しちゃうので、なかなかこういう絵面は珍しいかもしれない。
面倒くさい場合、グラインダーでぶった切ってもいいですが漏れてるガソリンやオイルに引火しないように。
いろいろ便利ですが、使い慣れないと結構ビビります。
ぶった切ったチェーンは各自治体の指示に従って廃棄しましょう。
スプロケ回りやチェーンカバーの裏側は、飛び散ったチェーンオイルとグリスでメチャメチャ汚れています。
せっかくなので清掃もしちゃいましょう。
チェーンを外すことなんてそうそうないはずです。
チェーンがないことで清掃効率がとてもよろしい。
※チェーンがあっても清掃くらいはできますが。
ここで、
スイングアームのリアホイール固定用アクスルシャフトを緩めて、チェーンアジャスターをフリーにしておきます。
※チェーンアジャスターがフリーになってないと規定リンク数で繋げられなかったりします。
新品チェーンを実際にドライブスプロケとドリブンスプロケにはわせてみます。
これで、
新品チェーンのぶった切る場所を定めるわけです。
※リンク数を数えてもいいですが、シールチェーンは触るとメチャメチャベトベトするので当倶楽部ではいつもこの方式でやります。
この際、
インナープレートとインナープレートが付き合わせになる位置でチェーンをカットするのが最大のポイントです。
こういうことです
インナープレートとアウタープレートの突合せ個所を切っちゃうとジョイントで繋げられません。
初心者はよくやりがちです。
ワタクシも大昔やって、愕然とした覚えがあります。
プレカットチェーンの場合、新品チェーンを切る工程は不要なので安心です。
無事にチェーンが切れたら、
チェーンカシメ機(当倶楽部工具の場合、チェーンカッターも兼ねてる)で一気にカシメます。
チェーンカシメ機があると、清々しいくらい気持ちよくあっという間にカシメ作業が終わります。
チェーンカッター&チェーンカシメ機があるとチェーン交換作業なんて楽勝です。
オンロードバイクの場合、大体チェーンの弛みが最大部で2cmから3cmくらいになるのが一般的です。
とはいえ、
バイクのスイングアームの長さ、リアサスのストローク量、車体構成でもチェーンの弛み量は違うのでマニュアルを参照した方がいいですよ。
※リアサスがフルに沈んだ時にチェーンが突っ張らないための弛みですので車種ごとに違うのですよ。
ここで、
念のためリアホイールを回してみてチェーンラインがぶれてないかを確認します。
※目でわかるくらいぶれてたらアジャスト失敗かそれ以外の重大な何かがダメです。
こういう作業の時、センタースタンドがあると超楽♪
こんな記事もあります▼
あとは、
スプロケカバーとかチェーンカバーとか、作業の邪魔で外したものを元通りに組付ければ出来上がりです。
まとめ
とはいえ、命に係わるパーツなので手を抜いてはいけません。
※バイクや車のパーツは全部命に係わると思っていいのですが。
DIYでチェーンを交換するならチェーンカッター&カシメ用工具があると作業効率が素晴らしく上がります。
特に、新品チェーンを規定リンク数で切る作業やカシメ作業には必須と言ってもいいほどです。
年に何度も多用する工具ではないので仲間内で共有するといいと思います。
たかだかチェーン交換ですが、いろいろな種類やサイズの工具が必要です。
そんなのは徐々に集めていけばいいのです。
※一気に揃えると大金がかかるので長期的視野で戦略を組むとよろしい。
バイクや車のDIY整備は全部自己責任です。
チェーンの交換作業に自信がない場合、おとなしくショップに依頼するか、経験者とともに作業するなどの工夫をしましょう。
それが嫌なら「お金を払って全部ひとのせいにしてバイクに乗る。」というバイク人生もアリです。
※そういう人が出先でトラブると漏れなくレッカーになるのですがね。
とりあえず、
当倶楽部のVT250FHはチェーンを交換したことでまた一歩公道を走れるレベルに近づきました。
現状でも新品のバッテリーに変えてガソリンいれれば走って止まることはできるハズです。
現状で公道に出てもたぶん大丈夫なんだけど、まだやることはたくさんあるのだ。
とはいえ、
リアサスとリンク回りの分解&グリスアップが未実施なので分解する必要がありますな。
曲がれないのは危険なのでチェックをしておきたい。
エンジンやフロントフォークの塗装の剥がれなど、見た目がボロくて可愛そう。
だが、そんなのは後回しでもよろしい。
走行に関係ないミテクレの気になる点は徐々に時間をかけて作業していけばいいのです。
レストア作業は長く楽しんだ方が得ですし。
いろんな問題を時間をかけてクリアしていくのがレストア作業です。
時間がかかってもいいのです。
むしろあーでもないこうでもないと何度もやり直すのも一興なのですよ。
当面の公道復帰までの一番目の問題は
「自賠責や任意保険のお金を捻出できない。」
公道復帰までの二番目の問題は
「ワタクシがバイクや車に乗る時間を捻出できない。」
という具体的かつ根本的な問題なのです。
ああ、金がない。
副業でも始めるか。
いつも捨てるのもったいないと思っちゃう。