今回、Z1-Rに積んでたMFバッテリーが出先で割れておかしくなりました。
そして他のトラブルも併発しました。
結果、車載で帰宅ということになりました。
まあ聞いてくださいな。
当記事の目次
なんとなくその日は悪い予感がしたのだ
でもなんかバッテリー上がりっぽいんですよ。
出立時に各部チェックとタイヤの空気圧の確認をするのはいつものことなのですが、
その日に限ってセルスイッチを押しても、セルに勢いがないのです。
仕方なくキックスタートをするのですが、
キック一発でかかったので走ってりゃ充電されるだろうくらいの気持ちでした。
天気は快晴。
外気温は9時過ぎた時点で30度を超える猛暑日でした。
田舎なので 渋滞もほとんどありません。
するすると進むことができればデカい空冷バイクとはいえ、冷却に問題はありません。
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鼻歌交じりで長野市街のはずれからオリンピック道路を西に白馬方面に向かいます。
それくらい全く問題がなかったのですよ。
走行距離が80kmくらいまでは。
ちなみに・・
Z1-Rは 安物の中華製 MFバッテリーに変えて25か月。
レギュレーターも対応品に強化しています。
冬は外してトリクル充電器で充電しています。
先月は車検でしたし、電圧チェックも欠かしていません。
非常に調子が良かった。
ちゃんと新規搭載年月をバッテリーに直接書いておくのだ。
どんなに調子が良くても突然トラブルが起きるのがバッテリーをはじめとした電気系なのです。
電気系トラブルは、
関係なく起こりうるトラブルなのです。
※最近のバイクは電気仕掛けなのでバッテリー系のトラブルは余計怖いよね。
走行しても充電されないどころか失火していくエンジン
白馬を超え、R148で北上します。
場所は小谷村の道の駅。
エンジンが突然完全に失火しました。
道の駅に入るために、減速してクラッチを切って、と。
・・するといきなりエンジンがストールします。
「あれ、いやだな?操作ミスかしら?」
とか思ったのですが、セルボタンを押してもモーターが完全に沈黙。
現時点をもって、バッテリーが職務を放棄したようです。
うわマジか。
普通は1時間も走れば バッテリーが弱ってても死んでなければ 充電されるハズなんですが。
ということは・・。
というトラブルシューティングのロジックが一瞬で脳内を駆け巡りました。
まあ、焦っても仕方ありません。
壊れたものは仕方ない。
直せばいいんですよ、直せば。
真夏の小谷の空が青い。
一応、軽い修理程度なら対応できるくらいの工具はいつも積んでいますし。
旧車乗りで工具なしで遠征してる人を見ると度胸あるなぁ、といつも思いますな。
※少なくともパンク修理できるくらいの工具は持っておくべきだし、最低限の修理スキルは身に付けておくべきです。
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とりあえず、
休憩して水分補給をしつつ、35度近い気温の中でキックしてみますが、朝方のようにエンジンは起動しません。
初爆はあるけどアイドリングしないのですよ。
というわけで、
実に25年ぶりくらいのZ1-Rの押し掛け(笑)
重い車体なので押し掛けは失敗すると体力的なダメージがデカいのです。
車体が重いとバイクを押して勢い付けるまでが大変なのよ。
言っておきますが、Z1系エンジンはエンジンがかからないと2速以上に入らないというシステムが搭載されています。
ゆえに、
エンブレがきつすぎる1速での押し掛けになります。
まあ車重があるのでタイヤのグリップは十分。
クラッチワークでグリップをコントロールすれば何とか出来きるのですよ。
押し掛けの理屈を知っていれば 慣れたもんなので 押し掛けはそれほど難しくないのです。
当然のように一発で押し掛け成功。
エンジンは頼りなく回っています。
ただし、
このまま帰るにしても80km以上走るのは心もとない。
さてどうしたものか。
ちなみに・・
最悪の場合「任意保険のロードサービスで当倶楽部迄移送してもらう。」という手段がありました。
※マジで、バイクに乗るなら任意保険は入っておいた方がいいよ。
なので、割と気持ち的に余裕がありました。
最近、出先でトラブったと思われるバイクの移送しているレッカー車両をよく見かけるようになりましたな。
※特に排気量を問わず、外車が多いような気が(笑)
どうしようもない場合は大人しくロードサービスを使った方が楽です。
ただし、
任意保険屋JAFに未加入だと、とんでもない金額を請求されますので注意が必要です。
※100kmくらい運んでもらうと少なくとも数万円、大体十数万円の請求きますよ。
当倶楽部では任意保険を使いたい時の保険屋の連絡先は常に財布に入っているのです。
※ソロツーリングライダーは特に。初心者は絶対入るべきですよ。
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這う這うの体で知り合いの車屋さんに駆け込む
トンネル内部で止まるのは危険だし、周りに迷惑がかかる。
それは避けたいので慎重に進みました。
そういえば知り合いの車屋さん(というか雪掻き機屋?)が近くにあるではないか。
というわけで、遠慮なく寄ることにします。
ここならテスターもあるし、バッテリーの充電も可能でしょう。
突然お邪魔したにもかかわらず、アイスコーヒーを入れて歓待されました(笑)
工具を借りるだけのつもりが、メカニックの方の手を煩わせそうになりました。
それは申し訳ないので「お昼休み時間にワタクシが勝手に直す。」ということにします。
※ちょうどお昼休み時間でした。
その間、
嫁は冷房の効いたショールーム内でガーデニングのバラについてレクチャーを受けてました。
テスターでバッテリーの直流電圧を計測すると、不思議なことにちゃんと12V以上あるんですよ。
帰宅後、Z1-Rの割れたバッテリーとZ750D1のまともなバッテリーを計測したけど、両方とも12Vは余裕だった。
ということは??
Z1系はバッテリー点火方式です。
ジェネレーターで発電した電力はいったんバッテリーに蓄えられ、そこから各部電装に分電されます。
なので、
バッテリーがしっかりしていれば、ちゃんと走るハズなのです。
それでも暫定的にバッテリーを外して充電しておきます。
※この時点ではバッテリー自体が破損してるとは思いもよらないのでした。
その間にテスト用のバッテリー(さすがの雪国なので寒冷地仕様の直列2連装バッテリーでした)を使って各部をチェック。
すると、
プラグから火花が飛んでない・・。
もしかすると、イグニッションスタビライザーが悪さしている?
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イグニッションスタビライザーの配線をバイパスして、純正の配線に戻してみます。
※この辺の配線はすっかり頭に入ってるのがワタクシの凄い所なのだ。
すると、
火花がちゃんと飛びますな♪
一応、4本とも見る。
プラグ単体がダメなこともあるでな。
とりあえず、
暫定的にエンジンが調子悪いのはイグニッションスタビライザーの故障ということにして組みなおします。
バッテリーを積みなおして、セルボタンを押してみたらモーターが回ります♪
※40分程度の充電でもモーターを回せるくらいには回復してました。
もちろん、あっさりエンジンはかかりました。
暫定的に問題なく走れる状態になりました。
※この時点では、これで何とかなったと思っていました。
エンジンが元気なうちに、知り合いの車屋さんを後にしたのでした。
ただし、
色々と謎が残ります。
エンジンが失火したのとバッテリーが上がり気味&充電されない現象は直接関連はないのです。
ちなみに・・
トラブル時には問題の切り分けが大事です。
今回は電装系のトラブルですが一口にバイクの電気といっても、
とあって、同じ電気系でもまったく違う問題なのです。
とりあえず、
イグニッションスタビライザーをバイパスしたことで点火系のトラブルを暫定回避出来ました。
無事に走ることは出来ましたが、
バッテリー&充電系原因の特定は不十分です。
というわけで、
帰路に次なるトラブルが襲います。
そして、
解決したと思った点火系もおかしくなっていたのでした。
完全失火で路上ストップ
次第に長野市街地が近づいてきます。
そんなときにまたもエンジンが止まります。
R19を長野市街に向かう途中で、何やらエンジンが失火し始めます。
経験上、
「2気筒になった時の症状。」
です。
※アイドリングしなくなり、力が無くなり、排気音がおかしくなる。
なんとかアクセル&クラッチワークで平地部ならなんとか進みますが、
この不調なエンジンでアンダーパスやオーバーパスをクリアできる自信はありません。
エンジンが今にも止まりそうなZ1-Rを道路わきの歩道陸橋の陰に退避させました。
日陰があったほうがいいな、というとっさの判断です。
※現に日が当たらず、風が通って素晴らしく快適な場所でした。
そこで久々の路上整備ですよ、ええ。
路上でタンク外すのは、フリーマーケットでお店開くみたいな感じです。
あんまり慣れたくはないですが、5分もあればタンク外せます。
Z750D1から元気なバッテリーを借りてZ1-Rに搭載することにしました。
バッテリーが原因であればこの時点で原因の切り分けができますし、
何より当倶楽部にある予備のバッテリーを持ってくれば自走で帰れるからです。
が。
バッテリーを外してみるとバッテリーケースに見覚えのない水たまりができています。
さっき、知り合いの車屋さんで見た時はこんなのなかったんですが・・。
※「漏れたて。」な感じがしました。
バッテリーをよく見るとバッテリーのケース自体が割れて、液漏れしているのでした。
※赤い線付近に注目。
うわマジか。
こんなの初めて見たわ。
バッテリーは過充電で膨らんで爆発するというのは知っていましたが、物理的にクラックが入るなんてことがあるんですなぁ。
もちろん、バッテリーケース下部にはしっかりとラバークッションが入っていますよ。
まあ、中華製のMFバッテリーなので2年持っただけでもありがたいと思いましょう。
これが一連のバッテリー&充電系のトラブルの原因だったら良いのですがね。
気を取り直してバッテリーケース内を清掃してZ750D1に付いてた元気なバッテリーを搭載してセルを回してみます。
やはり1、4番のプラグに火が入りません。
一瞬解決したと思った点火系もダメです。
これは、バッテリー云々ではなく、
「DYNAイグニッションコイルが死んだ。」
「DYNA-S無接点フルトラ点火システムが死んだ。」
のいずれかですな。
やっぱり点火系システムにも問題がありましたな。
いずれにせよ、
25年以上前に変更した 信頼性が劣る米国製の システムですので何があってもおかしくないのです。
※10万Km以上走ってるんだから元は取ってると思いますが。
同型のバイクのいいとこ
Z1-RとZ750D1は両社とも1978年製です。
仕様はだいぶ違いますが、根本的な設計はかなり似通いっています。
バッテリーをはじめ、いろんな部品が共用できます。
今回も最初は、
という手法考えました。
※点火系がダメだったので没案となりましたが。
設計がほぼ同じバイクが二台あると、いろんな情報やデータ、部品を共用できるので結構便利です♪
トラブル時の状況整理にも非常に役に立つのでした。
だいぶダメですが まだ万策尽きたわけではありません。
こういう場合は、
のが次善の策です。
バッテリーを変えても2気筒のままでろくにアイドリングしないバイクで、
長野市街の車通りが多い所を走行するのはさすがに危ない。
※さっきまでは一応4気筒動いてたので、行けるかと思ったんですがこうなったら仕方ないのです。
ちなみに・・
ワタクシが言える立場ではありませんが、
バイクにトラブルが生じた場合、極力自分で運転しないほうが身のためです。
そういう時は焦っているので割と冷静な判断ができなくなっているものですし。
ちょっとでも動くなら「なんとかなるかも!」という期待を持つのも当然ですが二次災害につながりかねません。
※大体、整備知識が無ければ何とかならないので無駄っちゃ無駄ですし。
「サドンデス(突然死)。」という 最近サッカーで聞かなくなった 現象は車やバイクなら普通に起こりうるのです♪
それは次はアナタのバイクに起こるかもしれません。
そんな時でも任意保険のロードサービス自体は「ほぼ無料。」で使えるので使わない手はありません。
・・なんですが、レッカー車到着まで待ちぼうけ。
当たり前ですが使った時点でツーリングは終了となります。
普段からバイクの整備は大事なのですよ。
※突然死ぬことがあるけども。
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軽トラでZ1-Rをピックアップ
空は遠雷が鳴っていて、今にも夕立が来そうな気配が濃厚でしたので頑張りました。
近くのコンビニで嫁に食料と飲料を補給させてZ1-Rとともに路上で待たせたまま、
ワタクシがZ750D1で当倶楽部ガレージまで軽トラを取りに行きました。
その間、30分強程度。
すっかり嫁のSNSにワタクシの路上ストップしたZ1-Rがアップされています、
※日陰で風通しが良い場所でカフェラテをすすりながら、SNSしてたので快適だったそうです。
250kgを超えるバイクを軽トラに積むのは結構大変なのですが、雨が迫っているのでうだうだしている暇はありません。
てきぱきと路上でZ1-Rを軽トラの荷台に積みこみ、タイダウンで固定しました。
※バイクが重いので一応4点で止めた。ハンドル二か所と前方向に引っ張るようにサイドグリップ左右にタイダウンをかけました。
こういう画像はあんまり撮影したくないもんですな。
Z1-Rをゆすって軽トラごと動くようなら大体問題ないハズです。
慎重にゆっくりと丁寧な運転で帰路を進んでいきます。
エアコンのない軽トラは炎天下では快適ではありません。
でも雷がゴロゴロ鳴ってる曇天で夕立前の冷たい風なのでかなりマシでした。
そんなこんなで、
軽トラに乗せたZ1-Rとともに当倶楽部に無事に到着できました。
Z1-Rをそそくさと軽トラから降ろしてガレージに格納した15分後に怒涛の様な雨が降り出しました。
※土砂降りになった時にはガレージ前でキャンプ用の椅子を出して空を眺めながらビール飲んでました♪
ちなみに・・
最近、VT250FHばかり乗ってたので、Z1-Rが焼きもちを妬いたのかもしれません。
割とこういう現象は各所で聞きますよねえ。
※少し反省しています。
バイクはただの機械なはずなんですが、妙に人間っぽいのでそういうことがあってもいいのです。
※「古いバイクや車は意志を持つ。」と真顔でワタクシに説いた先輩がいるがなんか納得できたりします。
この人も十分古いのですが。
※っていうか当倶楽部の最新バイクは2007年式のKTMだ。これもすでに16年落ちだし。
バイクはそれぞれ個性があって人間っぽいので、手放せなくなるんですよワタクシは。
※関係ないかもしれませんが、猫をたくさん飼ってる人の気持ちが最近よくわかるようになってきました。
まとめ
いろいろ反省点はありますが無事に帰着できただけでもヨシとすべきですな。
最近、年に一度くらいの頻度で起こるZ1-Rのトラブルです。
大抵その場で何とかなる程度のトラブルなので、路上整備こそ しょっちゅう しますが軽トラでピックしたのは初めてでした。
過去30年にバイクを置いて帰ったことはただの一度もないですが、軽トラでピックしたのも今回が初めてです。
軽トラに重いバイクを積むときはタイダウンで前方にも引っ張っておくのがミソ。
旧車というのはこういうことがあるのですよ。
45年前の工業製品なんてまともに動いている方が不思議なくらいなのです。
今回はワタクシが朝方出立する時にただのバッテリーが弱ってるだけだ、という判断がそもそものミスでした。
結果として、点火系のトラブル迄併発して余計な出費となったわけです。
※でも膿は出し尽くさないと根本的な解決にはならないので、かえってラッキーくらいに思うことにします。
ここ最近、旧車がもてはやされているようですが普通の人には乗り切れませんよ。
大金をはたいて旧車を購入しても、トラブルが続くとさらに大金が出ていきます。
そんなことが何度か続くと、ほとんどの人は癇癪起こすか泣き入るかで、そうそうに撤退しているのが現状なようです。
※確かにその方が賢明な選択ですが、そのための勉強代は決して安くないですな。
旧車ブームとか言われていますがブームなんてのは長く続かないのですよ。
2023年はキャンプブームが終わりを迎えつつあるようですな。
※そもそも真夏のキャンプなんて暑いわ、虫がいるわ、汗かくわ、で快適なわけないのです。
出先でメカトラブル
バイクが出先でトラブルにあるなんてのは誰にでも起こりうることです。
旧車であればあるほどそのトラブル発生頻度は高くなります。
新しい車両でも外車や改造車は新車の恩恵を受けずらい傾向もあります。
トラブルが起きた時はどうするか?
任意保険のロードサービスを使ってレッカーしてもらうのがとりあえず無難でしょう。
トラブルが起きたバイクを自身で直すか、お店に修理を依頼するかでも変わってきます。
自分で直す場合は自宅に、懇意にしているバイクショップがあればそこに配送してもらうのかベストです。
バイク乗りは常にこういったトラブル時の流れをイメージしておく必要はあるんですよ。
誰も助けてはくれません。
極論を言えば、
毎回のツーリングから無事に帰還できていることは数々の奇跡の結果なのです。
ゆえに、
毎回無事だったことに感謝し、何事もなかったことを喜ぶべきです。
仮にトラブルがあったとしても、トラブルを乗り越えればバイク乗りとして確実に経験値が上がり成長します。
「人生において成功は約束されていない。しかし、経験による成長は約束されている。」
のですよ。
うむ。
・・良い締めだな。
ということで、
またZ1-Rは修理モードに突入するのであります、大佐殿。
ちなみに・・
トラブルの翌日、点火系の簡単なチェックをしました。
※この辺は追々チェックした流れを記事にする予定です。
その結果、イグニッションコイルはとりあえずOKっぽい。
※火花がかなり元気がないので交換時期ではある。イグニッションコイルは消耗品です。
そうなるとフルトラ点火システムの見直しですなぁ。
と思いつつ、ネットショップを徘徊して見ると・・。
DYNA-Sって今こんな高いの?
25年前は15,000円くらいだったと記憶しているぞ。
当時の倍以上、下手すれば3倍近い値段です。
円安とはいえ、あんなちゃちいシステムでそんな値段なのか・・。
※でもポイントより確実に点火できるし、無調整なので楽なんだよねえ・・。
手に入るだけマシとはいえ、この金額ならウオタニにしようかなぁ。
いい噂を聞いてるのですが、いかんせん高価すぎて貧乏人には手が出ない値段だ。
ああ、でもバッテリーも買わねばならんのでお金は全然ないのでした・・。
経験値は上がっても給料が上がらないのです。
「人生において給料アップは約束されていない。しかし、経験を得るには更なる出費が約束されている。」
うむ。
・・マジで困った。クラウドファンディングでもやるか。
※毎月お金で困っているな、ワタクシは。