「お前んち、既にKDXはあるじゃろうが!」
と賢明な読者様から突っ込まれそうですがレストアするのは2号機です。
異論もあるかと思いますが、ほぼ史上最強の国産125ccですので部品取りにするのは惜しくなったのです。
とはいえ、とりあえずエンジンはかかるけれどボロイのです。
里帰りしたKDX125SRの2号機
こりゃそろそろ真面目に直さねばならないという気になってきました。
とはいえ、金もないしメーカーにはパーツもないのです。
昨年、いきなり思い立ってVT250FHを直し始めちゃったので 当倶楽部にあったにもかかわらず 後回しになってたのがKDX125SRの2号機です。
1号機が絶好調で稼働状態にあって調子もいいので2号機を直す迄もないと思ってたのでした。
※当初はバラバラにして部品取りにする予定でした。
とはいえ。
国産125ccクラスではほぼ最強のエンジンを搭載するKDXです。
このまま放置するのももったいなくなってきました。
この性能を埋もれさせるにはあまりにも惜しい。
こんなパワフルな原付二種のバイクなんて二度と手に入らないと思うし。
現存稼働しているKDX125SRなんてメチャメチャ希少だしねえ。
※しかも中古価格が馬鹿高いときた。
KDX125SRは用途が他車とカブるので1号機すらもあんまり乗る機会がないのに2号機まで作ろうという当倶楽部。
なかなかレストアにも気が乗らなかったのですが「ガレージの場所塞ぎマシン。」のままではいい加減かわいそうなので何とかしよういうことになりました。
ちなみに・・
当倶楽部のKDX125SR1号機は30年以上昔のバイクですが調子がいいです。
冬でもキック数発起動するし、25km/lの燃費は普通だし、最高速はぬあわkm/hは余裕です。
※頑張ればもう少し出る。
佐渡にもKDX125SR1号機で行きました♪
なので、
交通量の多くて流れのはやいバイパスでも全然引けを取ることはありませんし、
勾配の急な上り坂でも それほど 失速しません。
※最近の4st原付で流れのはやいバイパスは怖くないのかね?
それに、
元がオフ車なので荒れた舗装の細かい峠道でも安心です。
ゆえに、
長野の 林道に毛が生えたような 県道や山越えルートでは非常に使い勝手がいいのです。
※出先で壊れる心配はありますがね。
オフロードでも 腕とセンスさえあれば 軽さと馬力を生かして4st250ccとそん色なく走れるKDX125SRです。
※多くの男性オフロードライダーが嫁のKDX125SRにぶっちぎられたのは有名な話です。
ただし、
というデメリットもあるのです。
当倶楽部的な長野の山遊びというか県道散策はセローに分があるため、
名義人である嫁は最近セローにばかり乗っていてKDX125SR1号機はホコリをかぶっているのです。
オフロードでガンガン走るには部品供給に不安があるし・・・
※オフロード走るならワタクシにはDT200WRという銀河に誇る名車があるし。
というわけで、
「街中買い物最速マシン。」
として当倶楽部では使われています。
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KDX2号機の今までの経緯といきさつ
数年前にモンゴルツーリングで一緒になったM夫妻の奥様Tちゃんの林道マシンとして嫁いでいったのでした。
で、セローを買ったためKDXには乗らなくなったということで当倶楽部に里帰りしてきたわけです。
もともと2号機はワタクシが安価で手に入れた個体をレストアを始めたものでした。
今現在以上にボロイ個体でしたので1号機のノウハウをフルに使って、
等を行い、チェーン等の消耗品を交換しましたが見た目がボロイ。
走る曲がる止まる機能については常にシッカリ調整してありましたが、
資金的に行き詰ってレストアのスピードが落ちてたのです。
そこに、
長野の林道を案内する約束をしてたモンゴルツーリングで知り合ったM夫妻が遊びにきまして。
その時、嫁のTちゃんはDR650という
「一応オフロードは走れるけど重さ的に女子が林道で使うには大丈夫なんかそれ?」
というマシンに乗っておりまして。
旦那のM君はDR250変態仕様。
※せめてそっちの方をTちゃんに乗せるべき。
当倶楽部にくるDR乗りは排気量に関係なく「全員変態。」ですのでワタクシが言うまでもないのですが、
あまりに可哀相だったので当倶楽部のKDX125SR2号機を貸したら気に入ってしまったというわけです。
その後、しばらくしてTちゃんはセロー250を買い足します。
新築物件に移住したため、バイク置き場に困ったようでして。
乗らないKDX125SRを当倶楽部で買い戻すことになったというわけです。
※オフロードの投げバイクとしてガンガン使われたようですな。
コロナ禍の最中に軽トラで都下迄日帰りで取りに行きました。
その時は「分解して部品取り車にしようかねえ。」などと言ってまして。
その後、 VT250FHのレストアを始めてしまったため 1年半も放置してしまいまして。
「そろそろやらにゃいかん。」
ということで現状確認を開始した、というわけです。
引き揚げてきた直後。
ブレーキレバーが握り切れる状態。
もちろんエンジンはかからない。
ちなみに・・
オフ車の足周りをオンロード仕様に変えたりするのが流行りましたな。
※いまでもたまに見かけます。
個人的には足回りを流用パーツなどで固めて純正以外する場合、よほどの知識と調整力が必要になりますが大丈夫なんでしょうか?
バイクというものはホイール径が変わるだけでフォークの取り付け角度とか細かいジオメトリが変わってしまいます。
ホイールを太くするだけでもバンク角が変わってしまったり、チェーンラインが出なくなったりします。
素人がこれをやるとほぼ間違いなく乗りづらくなるのですよ。
※ショップレベルでも同じです。メーカーに比べれば有名店でも素人同然です。
こういうのをメーカーが調整した上で純正のジオメトリを決めています。
それも莫大な費用と知識を費やして。
素人が思いつきで付け替えても性能アップするわけではないのです。
「他車流用。」
かつてFZR系やGSX-R系などのレプリカ系バイクの足周りを使ったZ系やCB系がもてはやされていましたが、
当時そういう改造を受けた個体を現在街中で見かけないのはなぜか?
これが答えですよ。
いくら設計が甘い古いバイクと言えども、
19インチ仕様の細いバイアスタイヤでリアステアで曲がるように作られた車体に前輪荷重が強い太い17インチホイールが適合するわけはないのです。
※そもそもフォークのキャスター角度もおかしいし。
お金をかけて他車の足回り流用をするくらいなら、純正新品パーツで足回り作り直した方が確実にバイクを楽しめるはずです。
※当然、その手の大改造を受けたバイクはリセールバリューも低いので損するだけです。
とはいえ、
個人の趣味なので人のバイクについては何も言いません。
走る曲がる止まるに関しては「純正が最高。」という答えがあるにもかかわらず、その手の苦労が楽しくて仕方ない、という人もいる・・ハズです。
※ワタクシもKDX2号機では外装は好き勝手やろうと決めています。
バイクは所詮「ただの趣味。」なので法的にオッケーで人に迷惑をかけない範囲なら良いのです♪
バイク趣味は深いですな。
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それにしてもボロイ
特に緑色の外装のKDXシリーズは古くなると非常に貧乏くさくみえるのです。
まあわかっていましたが。
オフロードバイクの外装に使われる樹脂は紫外線や傷風雨にさらされて表面が傷むと痛々しいほど白くなっていきます。
酷いと粉を吹いたようになるのですごく貧乏くさい。
これを避けるためにはガレージ保管&マメな手入れが必要になのですが、オフ車というのは乗りっぱなしにされた個体が多いのです。
現在使われている車体の多くはオーナーの愛情でマメな手入れをされているためか割とマシな状態だったりしますが、
数年単位で放置された個体はほぼ100%の確率で外装が白化してたりします。
引き取ってきた2号機はカバーは掛けられていたようですが、やはり外装は白化が進んでいます。
とんでもなくボロイ。
白化が進行すると加水分解のように樹脂がほろほろと崩れたりします。
これが全体に及んでいます。
純正パーツの外装の白化はまだリペアが効きそうでしたが、
の樹脂はリペア不可能レベルに白化した状態でした。
このライトカウル安いけど、KDX125SRにはいまいち似合ってない気がする。
このライトカウルは廃棄予定。
ワタクシ的に見た目がある程度気に入らないとレストア身が入らないのでこの辺から換えていきますかね。
そうそう。
引きあげてきた際にはフロントブレーキが抜けてたので
を行ってとりあえずブレーキが効くようにしておきました。
※でないと、取り回しの際面倒なので。
マスターシリンダのピストン部のダストブーツは交換しなければなりませんな。
※この部品だけパーツで出ないものかね?古いバイクは、このダストブーツがダメになってる個体が凄く多いです。
ちなみに・・
KDX125SRは外装がボロくなくても80年代後半くらいのオフ車のトレンドデザインなので見た目が古臭いのです。
KDX125SRは8型迄ずーっと同じデザインで通しました。
当倶楽部の個体は初期の不良個所や問題点を一気に改良した2型(俗にいうA2)です。
※1号機もA2です。
その間にKDXシリーズの兄貴分は進化を続け、最後のKDX220SRで結構モダナイズされたデザインになっています。
ワタクシが思うにゼッケンの形が古く臭い。
良くも悪くも80年代後半の匂いがしますな。
具体的に言うと、
です。
特にライトカウルのデザインは野暮ったいというかはっきり言ってダサい。
※1号機は試行錯誤の末、シェルパのライト周りを移植しておりまして「このバイク何?」と良く聞かれます。
それと、
この辺をイメージチェンジしてやれば結構見られるのではないかと思っています。
が良そううや見た目についての構想はいろいろありますが、それは追々。
走る曲がる止まる以外は趣味全開で行こうか?とか思い始めています。
※まともに作った1号機があるしな。
エンジンはかかる
※エンジンがかかっても異音だらけだと問題はあるのですがかからないより全然マシです。
引き揚げてきた時にはガソリンタンク内にはまだガソリンがたっぷり残っている状態でした。
※ガソリンが変質する前に全部抜いて、草刈り機と薪割りに使ってしまいました♪
こういう場合、ガソリンが流れる状態だとキャブ内でガソリンが変質してヤバいことが多いのです。
とはいえ、
M夫妻はガソリンコックをオフにしていたので偉い。
これだけでキャブのダメージは大きくないハズです。
それでも ワイヤーのダストブーツが破けている PWK28キャブを清掃しました。
※意外なほどきれいでしたがスロージェットがやや詰まり気味。始動困難なパターンでした。
清掃後、キャブを車体に組付けてキャブに直接フィーラーで2stオイル混合ガソリンを供給したところ、
・・割とあっさり 白煙をもうもうと吐き出し エンジンは始動したのでひと安心です。
※エンジンがかかるとサイレンサーのパイプから燃え残りオイルがぽたぽた垂れますがこれが純正の仕様です。
エンジンはかかったとはいえ、
公道デビューさせるためにはKDX125SRの持病というか構造的な問題で、
エンジンを定期的にバラしてK.I.P.Sの清掃をしなければならんのですが。
古い2stオイルも全部抜かなければなりませんな。
※2stオイルも古いとエンジン始動しづらくなるのは経験済ですし。
KDX125SRは調子が良ければ乗って楽しいのですが、
調子が悪くなるとすぐ廃車になるという 致命的な特徴がある 危ういバイクでもあります。
KDX125SRの調整や整備にはコツがあるのですが、もはやそういう知識はネット上でもあんまり見なくなりましたな。
※ネット創成期には山ほどこの手のノウハウを公開するホームページがあったものですが。
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まとめ
他の個体を手に入れるお金はないのです。
まあやろうと思えばたくさんやるべきことがあるのがレストアです。
どこまでやるかをある程度決めないとお金ばかりかかってしまいます。
※几帳面な人はいつまでたってもレストアが終了しない、というのはレストア業界では良くある話。
ワタクシはバイクのレストアをする際、
「走る曲がる止まるを最低限できるようにしてから細かいところを徐々に好みにしていく主義。」
ですが、
KDX125SRは2号機ですのでメカ的な問題はある程度把握しておりまして知的好奇心についての刺激が足りません。
※知らないバイクをばらすと「ああ♪こういう意図で設計されているんだ!」と感動があるものなのですよ。
ゆえに、
ちょっと外装を自分好みにいじくってみようかという気になっております。
すでにパーツは手配していますが素直に付くかどうかはまた別ですが。
※付く付かないんじゃない、意地でつけるんです。
スポークなんて全部錆びてる。
今どき、KDX125SR用のステンレススポークなんて手に入るんだろか?
まあ125ccは車検もないし自由にできるしな(笑)
※昔はもっと250cc以下のバイクというのは有象無象なわけわからん車両が公道を闊歩してたものですが最近は皆マトモ(笑)
ただし、
欠品だらけでちょっときついのも確かです。
KDX125SR2号機がなくても困ることは一切ないので楽しみながらゆっくり行きます。
ちなみに・・
10年くらい前まで、セカンドバイクやレストア初心者におススメできるのがKDX125SRだった・・のですが。
※オフ車としては決して素人にはおススメできないくらいのポテンシャルがあります。
それも既にはるか昔の話です。
まともな個体は残ってないし、残ってたとしても超高価。
※現在の中古価格は異常。中古のボロイKDX125SRにそんな価値はないと思う。維持費はくそ高いですよ。
エンジンや足回りの構造が簡単で楽しいんだけれども、コレだけ欠品が多いとまともに走らせるのは大変です。
各種のゴムパーツなんかカチカチに硬化しているけど純正パーツなんかないです。
当ブログを見て「VT250系のレストアを始める。」という奇特な方がたくさんいるようですがやめた方がいいですよ。
「部品がない。」=「公道復帰の難易度が爆上がり。」です。
すっかり当倶楽部の「燃費担当。」として活躍中ですがレストアは大変でした。
これを、意地と涙と勇気と力で何とかするのがレストアという趣味です。
レストア作業の半分は「清掃。」ですのでひたすら地味です。
※孤独を楽しめない人には向かない趣味です。
そして、
レストアを成功させる最大の秘訣は、
「意地と意志。」
なのですよ。
※あとお金が少々。
これらが足りずにレストアを初めて放り出す大人が非常に多い。
もったいないですよ。