これを何とかするのが今回の記事のテーマです。
過去にいろいろケミカルの記事を書きましたがもうそういうレベルではありません。
ゆえに、荒療治に出ました♪
もはやケミカルで何とかなるレベルではない
ちょっとシリコンスプレーを吹いたり、wako'sスーパーハードなどのケミカルでは歯が立たないレベルでした。
どれぐらい外装の白化が進んでいるかと言いますと、
「バイクの外装を指でなぞると指先に白い粉が付く。」
というレベルです。
白化が進んで部分的に粉を吹いている状態です。
なんだ、これは。
明らかの外装の樹脂が劣化しています。
樹脂というのは
といいことづくめに見えるのですが時間が立って劣化すると、
するのです。
※ゴムも同じですよ、ゴムも広義では樹脂です。
バイクというのは樹脂を多用しているので保管方法などによってはボロボロに劣化します。
※車も同じですよ。
樹脂類は保管方法によっては耐久性が意外とないのです。
※国産はまだマシですが海外生産ものの樹脂の耐久性は信用しない方がいいかもしれません。
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樹脂類の白化をはじめとする経年劣化を完全に押さえることは無理としても、
保管方法やケミカル類の塗布で遅らせることは可能です。
ですが、
白化が進んで粉を吹いているような酷い状態になるとケミカル類では歯が立たないことも多いです。
※でもやらないより100マシ。
KDX125SR2号機の外装は酷いレベルまで白化が進んで粉を吹いていまして。
ケミカル類を塗付して放置することで多少マシにはなったのですが満足いく仕上がりではないです。
※古いオフ車はこんな感じのまま走ってる個体が多いですが。
ワタクシは汚くみすぼらしいバイクをレストアする気力がわかないのです。
というわけで、
このままだと愛着がわかないので今回はオフ車の外装劣化対応策として、強硬手段にでることにしました。
ちなみに・・
KDX125SR1号機の外装は30年以上前のオフ車としては異常に綺麗です。
これくらい綺麗なこの時代のオフ車はほとんど見たことないです。
オフ車は汚くてもいい、なんていうのは洗車しない言い訳です。
「綺麗ないバイク=メンテされてて寿命が長いバイク。」
ですよ、間違いなく。
とはいえ、
当倶楽部に来たばかりの頃は1号機も古い外車の例にもれず、外装はボロかったのです。
当倶楽部では安価なシリコンスプレーやwako'sスーパーハードという高価な薬液を使って 割と頻繁に 樹脂の白化対策をしています。
対象はオフ車の外装だけでなくオンロードバイクの樹脂やゴム、ビニールのパーツ全般です。
やはり手入れを怠ってはいけないのですよ。
今どきのバイクは樹脂のパーツが異常に多いです。
カウルなどは昔から樹脂でしたが塗装してあるので劣化が目立ちませんが、
メーターカバーやハンドル周りにも樹脂は多用されています。
樹脂の多様化は最近のバイクのライト周りの軽量化や凝った造形に寄与していると思われます。
※ハンドルには極力何もつけず、軽くするのが最も運動性が高くなるので。ワタクシはハンドル回りがくそ重いZ1-Rで学びました。
そして。
この手の無塗装樹脂パーツは新しいウチはいいのですがほぼ確実に経年劣化します。
白化するくらいならまだマシで、マメにメンテしてないと10年くらいしたらちょっとした衝撃で崩れ落ちるレベルまで経年劣化することすらあります。
※大事にされてきたバイクというのは総じて長生きでしかも綺麗な状態であることが多くあまり問題にはならないのですが。
80年代のHONDAのバイクのスイッチの多くはこうなってる。
白化することで有名な80年代のHONDAのハンドルスイッチは白化が酷いものが多いです。
ちゃんと手入れすれば それなりに 復旧できたりしますよ。
※あまり劣化が酷いと割れる可能性はありますよ。
この右スイッチ、上の画像のものと同一です。
パーツ交換したわけではなく、白化対応処理をしただけです。
なにより、
白化が進んだ無塗装樹脂パーツのバイクは「ボロク見える。」のです。
ボロイバイクってカッコ悪いじゃないですか。
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失敗覚悟の荒療治
今回は最も手間がかかって面倒くさい「表面の皮を一枚剥く。」作戦で行きます。
白化対策として、
「ケミカルで表面を保護する&傷をこれ以上深くしない作戦。」
が最も簡単で有効です。
ただし、
程度によってはこの作戦はあまり効果がないこともあるのです。
※経年劣化で傷が多い&深いと樹脂が細かくひび割れるように劣化して白化が進むのです。
その場合、荒療治として
というものがあります。
いずれにせよ荒療治作戦は失敗すると穴が開いたり、パーツが変形したりするのでおススメはできません。
当然、全部自己責任です。
中古の外装パーツが豊富で叩き売られているならまだしも、
なんとなく価格高騰している2st125ccオフ車ですので外装パーツは高価で希少だったりもします。
※一応、当倶楽部には予備の外装一式があるのですが。
慎重に行かねばなりません。
というわけで。
当倶楽部には切れ味が良すぎる剃刀の刃を使ったスクレーパーもあるのですが、穴が開いても削りすぎても面白くありません。
ので、100円均一で使い勝手の良さそうな適当なスクレーパーを買ってきました。
これで、
KDX125SRの外装部を軽く削って表皮をまだ劣化してない面まで剥いでぐわけです。
躊躇なくガンガン行きます。
一度決めたら遠慮なくいくのがワタクシの生き方です。
100円均一のスクレーパーでKDX125SR2号機の外装は簡単に面白いように削れます。
※調子に乗ると削りすぎます。
慎重に行きいましょう。
※できれば車体から外してやった方がいいと思いますが面倒くさいので車載のままやりました。
作業のポイントは、
「出隅を削りすぎないように、入隅の削り残しがないように。」
です。
外装の硬化した白化部分はショボいスクレーパーでも面白いように削れます。
この作業の際は鰹節のような削りカスが大量に出るので掃除機も用意しておいた方がいいでしょう。
なから(信州弁)削ったところですがいい感じです。
削り箇所を均等にするために軽くサンドペーパーをかけておきます。
サンドペーパー掛けの後は白くなりますが表面はなめらかになっています。
※当たり前ですが。
この作業の際は煮干し粉のような削りカスが大量に出るので掃除機も用意しておいた方がいいでしょう。
※結局、最後は庭で洗い流すのですが。
仕上げはシリコンスプレー
吹きっぱなしでも構いませんが、ホコリを呼ぶので数分放置した後、軽く拭き取るようにしています。
オフ車の外装に限らず、無塗装樹脂の艶出しと保護にはシリコンスプレーが手軽です。
軽度の白化ならこれだけで誤魔化せます。
あんまりひどいと効果が薄いですが普段からやってると劣化を確実に遅らせることができます。
※ワタクシは乾燥時期にハンドクリーム塗るようなもんだと理解しています。
当倶楽部には常に数本のストックがある。
そのうち箱買いする勢いです。
無塗装樹脂以外にもゴム製品やビニール系のチューブに対してシリコンスプレーは保護や艶出しの効果があります。
※ラバープロテクタントの様な専門製品にはかないませんが効果はあります。
それでも、
一応最初は目立たない場所にシリコンスプレーを吹いて表面の保護と艶出しの効果を確認したほうが良いかもしれません。
※当たり前ですが自己責任です。
シリコンスプレーは一家に一本常備しておくことをおススメします。
特に銘柄のこだわりが無ければホームセンターの安い奴で十分です。
また、
シリコンスプレーとは相反しますが、wako'sの「スーパーハード。」という商品は無塗装黒系樹脂の保護と艶出しに有効でした。
この場合、思いっきり脱脂してから塗付するのでシリコンスプレーを使ってはいけません。
画像は軽トラのミラーに施工した時のもの。
いいからこういう薬液を使う場合は、まず説明書を読め。
オフ車の外装にもスーパーハードは効果があるハズなのですが、
マメにスプレーするだけなので安価なシリコンスプレーは気楽でいいです。
ともあれ。
KDX125SR2号機にも全体的にシリコンスプレーを吹いておきました。
雨に当たれば一発で流れちゃうとはいえ 多少は機械部分の錆止めにもなるだろうし。
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復活の外装の艶ったらない
表面を削った後、スプレーしただけで白化が進んでいたKDX125SR2号機の外装はかなり綺麗になりました。
白化の原因は樹脂パーツ表面の細かいヒビらしいのですが表面を削ってヒビを取り除いたので滑らかになったのかもしれませんな。
※ヒートガンでパーツの表面を溶かす荒療治もヒビを溶かして表面を均一化させるというものです。
粉粉だった外装が艶艶になりました♪
理屈では油分が飛んだら白化状態に戻るハズですが雨天で使った後や洗車後にスプレーしておけばよろしい。
手間もかからないし、安いものですわ。
荒療治やってよかった♪
とはいえ。
材質が違う樹脂、例えばリアブレーキのキャリパーガードなどは表面が削れませんでした。
アチェルビスのタイとカウルや後付けのフレーム入りハンドガード(最近はバークバスターって言わないのね?)も表面を削っても綺麗な層に当たりませんでした。
※ひたすら白化した状態が深層部まで続く感じの劣化です。
純正とは樹脂の種類が異なるようです
合成樹脂って奥が深いな。
ちなみに・・
樹脂の質や種類は用途により多岐にわたっています。
※ネットで調べてもよくわからないレベルで多岐にわたっています。
広義では同じPPPと呼ばれる樹脂でも素材の含入量や混合割合によって使われ方が違ってたりするのですよ。
※当然、違った性格の樹脂になる。
ゴムもビニールも合成樹脂です。
いろんなものをいろんな配合で混ぜ合わせることで目的に合った樹脂パーツができるということですな。
よく言われることですが、
「今の車やバイクは樹脂だらけ。」
ですのでよく燃えそうですが難燃性の樹脂もあるようです。
樹脂って超便利です。
とはいえ、
軽くて強度があって加工がしやすいけれど、経年劣化で紫外線などの影響で表面が荒れて白化したり固化したり崩壊したりするのが樹脂です。
ゴム系樹脂が経年劣化で崩壊しました。
逆側は無事ですがなんでだろね?
※駐車位置で「紫外線を受ける量が違う。」とかそんなのかもしれません。
面白いな、この素材。
勉強してみようかな。
個人レベルでどうこうできる素材ではないですが、もし自由に操れれば夢が広がりそうですよねえ。
まとめ
都合、6時間くらいかかっています。
※結局二日間に分けて作業したのでトータルでそれくらいかかっています。
外装の表面の皮一枚を剥ぐのに数時間かかりました。
表面の皮をはぐ作業は特に入隅は難しいですな。
スクレーパーだと鋭角に削りすぎちゃいます。
※スクレーパーで軽く削った後、サンドペーパーで仕上げるくらいがちょうどいいです。
結果的に割と綺麗に仕上がったのでまあ満足です。
※削りカスの掃除が大変でしたが。
年に何度かこのレベルの雪が降るのよ、当倶楽部。
公的機関が雪掻きしてくれる道まではワタクシが雪を搔かねばならず、その日は朝の時点でHP/MPがドラクエでいう所のオレンジ色になり仕事になりません。
ゆえに。
仕事が進まず、記事の更新が遅れて気味になるので文句言うな。
・・よく考えたらKDX125SR2号機の外装パーツは好みに改造する予定でしたな。
使わないかもしれない純正外装を綺麗にするという行為は無駄だったかもしれません。
でもいいのです。
今後、外装パーツを切った張ったするにしてもパーツは綺麗な方がいいし。
いい経験になりましたし♪
こういう無計画さでもレストアは進んでいくのです。
ちょっとずつでも一歩ずつ進めば。
諦めなければゴールはある。
いきなりですが、
「ゾウの食べ方を知ってるか?」
・
・
正解は「一口ずつ。」だ。
ちょっとずつでも進めばゴールはあるのです。
レストア道と非常に近いものがありますな。
ゾウの食べ方のようにKDX125SR2号機のレストアはちょっとずつ進むのです。
※プロじゃないので期限がないのが素晴らしいな、素人レストア。
ちなみに・・
目下、KDX125SR2号機のレストアの課題は重たくてゴツイスピードメーターユニットを何とかするということで行き詰っています。
KDX125SRシリーズは ありものを流用したため メーターの固定方法が独特な上、メーター自体が非常にデカいのです。
KDX125SRはメーターを隠す都合上、ライトカウルの取付け位置を下げられないのですよ。
ゆえに、
純正ライトカウルはあのファラオの用なでかくて武骨なデザインなのです。
これを変更するのは大変ですよ。
安易にライトカウルを高い位置につけるとアゴが上がった感じがしてダサ見えしますし、
低い位置につけるとメーターが飛び出した感じで悪目立ちするのですよ。
※1号機の場合は試行錯誤の上、ギリギリダサくないレベルに収めたのですが大変でした・・。
それに、
ハンドル周りには極力重たいものをつけないほうが運動性が上がりますので。
※メーターもライトもウインカーんもないレーサーのハンドル周りが理想形です。
野暮ったい純正メーターを 白化を覚悟で 軽い樹脂製で小さい他車の純正メーターに出来ないものか・・。
メーターステーはどうせ自作するのでポン付けじゃなくても他メーカーのものでも全然問題ないのですが。
※メーターワイヤーの取り付け口径さえあえば、たぶん大丈夫ではないかと思っています。
ところが。
最近のバイクは全部デジタルメーターなので流用が効きません。
バッテリーレスのKDX125SRはメモリに電力を使えないのでデジタルメーターだとトリップがリセットされちゃうため困るのです。
※タンクの小さい2stバイクをツーリングに使うので航続距離と燃料管理のためのトリップメーターは命綱です。
そもそもアナログの小さいメーターはあんまり中古で流通していないのです。
そして、
汎用のメッキのアナログメーターは旧車オンロード っていうかスカチューン っぽくて嫌いなのですよ。
※こういうパーツを使った改造は小僧がやるからかわいいのであって、いいオッサンが喜んでちゃダメなのです。
近所の神事(地域の放送局が来るくらいの規模)でおっちゃんが来てたジャケットが素敵すぎて、神事がまったく身に入らなかったのですがバチが当たらなきゃいいな。